ドライバーとしてのバイトはある?4つの種類と運転時の注意点を紹介

バイトを選ぶ際に、好きなことや得意なことに関するものを選びたいという方は多いでしょう。運転や車が好きでよくドライブに出かけるなら、一度は「運転」を仕事にしてみたいと考えたことがあるはずです。「運転好き」を仕事にするなら、どんなバイトがあるのでしょうか。種類やメリット・デメリット、必要なスキルを紹介します。

【ドライバー職】バイトでできる種類

運転手の女性

(出典) photo-ac.com

一口にドライバーといってもさまざまな職種があり、仕事内容も異なります。バイトの募集がされていることが多い、ドライバーの種類には何があるのでしょうか。

タクシードライバー

タクシードライバーはタクシー会社に勤務し、会社の車両を利用して働くのが一般的です。個人で所有している車両を使用し、業務委託契約を結ぶパターンもあります。

本業でタクシードライバーをしている人だけでなく、スキマ時間を利用してアルバイトとして勤務している人も少なくありません。バイトの場合でも、必要なスキルや運転免許は正社員と同じです。

過去にドライバーをしていてセミリタイアしたシニア世代の人や、子育てが一段落した主婦など、さまざまな人々が活躍しています。

正社員の場合、固定給プラス歩合給となっていることが多いでしょう。アルバイトの場合は「時給制」や「日給制」を採用しているケースが大半です。タクシードライバーの求人に特化したサイトや、各タクシー会社のサイトなどに求人情報が掲載されているので、チェックしてみましょう。

バスドライバー

バスはタクシーよりも、多くの乗客を一度に運ぶ仕事です。路線バスや高速バスのように、バス会社に勤務するパターンや、デイサービスや学習塾といった施設の送迎バスのドライバーとして勤務するパターンなどがあります。

バイトとして募集されることが多いのは、「高速バス」や「送迎バス」のドライバーです。高速バスは高速道路を利用し都市間移動する路線バスのことで、夜間に走行する夜行バスも含まれます。

送迎バスの場合、運転以外の時間は施設のスタッフとして雑用などもこなさなければならない場合があるので、運転だけがしたい人は注意しましょう。

一口にバスドライバーといっても運転する車両の種類はさまざまで、普通自動車免許で働ける場合もあれば、中型・大型免許が必要な場合があります。応募要項を見て、必要な資格を確認しましょう。

トラックドライバー(配達・配送)

トラックドライバーの勤務先は、運送会社・物流倉庫・引越し業者などです。タクシーやバスとは違い、人ではなく「物を運ぶこと」が大きな特徴で、依頼された荷物を所定の位置へ運びます。

届ける荷物は契約によってさまざまです。大型のトラックやトレーラーなどの運転を求められる仕事もあれば、軽トラックやバンで個人宅に荷物を運ぶ仕事もあります。

荷物の量や走行距離に応じてその都度運賃の契約をする場合と、毎回同じ配達先へ行く定期便に分かれていることが特徴です。

拠点となる場所から50~200km圏内に荷物を運ぶドライバーを「地場ドライバー」、片道300km以上の道のりを運転するドライバーを「長距離ドライバー」と呼んで分けています。

長距離ドライバーは拘束時間が長くほとんど家に帰れないので、面倒を見なければならない家族がいたり、ペットを飼っていたりする人には不向きです。

フォークリフトドライバー

フォークリフトドライバーは「荷物の運搬や積み下ろし」をします。勤務先は倉庫や工場などで、荷物を載せたパレットと呼ばれる台に、車体前方のフォークを差し込んで運搬する仕事がメインです。

フォークリフトの点検や後片付けなどもフォークリフトドライバーの仕事で、職場によっては運転以外にも荷物のピックアップや仕分けなどの作業が発生する場合があります。

フォークリフトを専門に操作するだけでなく、資格を持ったトラックドライバーが兼務する場合もあり、車の運転免許だけでなくフォークリフトの運転資格も持っている方が重宝される傾向です。

ドライバー職のメリット・デメリット

運転席

(出典) photo-ac.com

ドライバーのバイトを始める前に、メリットやデメリットを知っておくのがおすすめです。始めてから理想とのギャップで後悔しないように、メリットやデメリットを知っておきましょう。

人付き合いが苦手でも1人で働ける

配送や配達を担当するトラックドライバーは、「1人で過ごす時間」が勤務時間の大半を占めます。人付き合いが苦手な人にとって、苦にならずに働けるところがメリットです。

挨拶や引継ぎなどが発生する場合はあっても、タクシードライバー以外はほとんど人と接することなく業務を遂行できます。中でも、長距離トラックドライバーは人と関わる機会がなく、1人で仕事が完結するので協調性がない人でもストレスを感じません。

ただし、人と話すことが好きな人にとっては、デメリットになるでしょう。孤独が嫌いな人には向いていない仕事です。

運転や車が好きなら1日があっという間

ドライバーの仕事は車が好きな人にとって、充実した時間を過ごせるところが大きなメリットです。中には、金銭的・時間的な理由でドライバーを選ぶ人もいますが、ドライバーという職業を選ぶ人は、車好きな人が大半になります。

勤務中はほとんど運転をしているので、運転を楽しめる人でないと務まりません。車が好きなら仕事中に退屈や苦痛を感じづらく、あっという間に勤務時間が終了するはずです。

中でも、長距離ドライバーは日本各地へと移動するので、さまざまな場所へ行けることに喜びを感じる人もいます。普通の仕事では見られない景色を見られたり、休憩中にその土地の名物を食べたりする機会もあるでしょう。

時間に追われるデメリットも

どんなに車が好きでも、自由気ままに運転していいわけではありません。仕事が立て込んでいるときは、時間に追われることがデメリットです。

配達や配送を仕事にするならプライベートで運転するときとは違い、時間通りに動いて仕事をしなければならず、道が混んでいるときはストレスを感じることもあります。

慣れない土地を走る場合は道に迷うこともあり、時間に間に合うように道順を考えて走らなければなりません。どんなに遅れそうでも、交通ルールの遵守は必須です。

大幅に遅れれば評価の低下や顧客からのクレームにつながるので、プレッシャーを感じることがあるでしょう。

【車種別】求められるスキル

バスのハンドル

(出典) photo-ac.com

ドライバーに求められるスキルが分かると、自分に向いているかどうか判断しやすくなります。仕事の種類ごとに必要になる免許は変わるため、やってみたいバイトに求められる免許・スキルを確認しておきましょう。

運転する車種に合った免許

ドライバーになるには「普通自動車第一種運転免許」が必須です。運転する車種によって、さらに必要な免許や資格が異なります。営利目的で人を乗せて運ぶ場合、第二種免許が必要です。

  • タクシードライバー:普通自動車第二種運転免許
  • バスドライバー:大型自動車第二種運転免許
  • トラックドライバー:大型自動車運転免許・けん引免許
  • フォークリフト:フォークリフト運転技能講習修了証(公道を走る際は小型特殊免許や大型特殊免許が必要)
  • 乗員10人以下の普通自動車:普通免許(AT限定・MT 第一種・第二種)
  • 5tトラック、マイクロバスなど:中型免許(第一種・第二種)
  • ダンプカー、大型バスなど:大型免許(第一種・第二種)

採用にあたって、経験よりも熱意を重視している企業は少なくありません。採用面接の段階で普通自動車第一種運転免許を取得していれば、入社後に必要な免許を取得できるようにしている企業もあり、職場の選び方次第でステップアップを目指せます。

自己管理能力

ドライバーにとって、自己管理能力は必須スキルだといえます。運転するには体力や集中力が必要です。特に、長距離を走行しなければならないドライバーは、体調を万全にしておくことが求められます。

場合によっては昼夜が逆転したり、夜中走り続けなければならなかったりと、過酷な勤務スタイルになる人もいるでしょう。体調管理ができていないと勤務中に思わぬ失敗をして、事故を起こしやすくなります。

勤務中に注意するだけでなく、プライベートな時間の過ごし方にも注意しなければなりません。睡眠不足や体調不良が起こるような、不健康な時間の過ごし方は避けましょう。

長時間同じ姿勢で運転を続けるので足や腰などに負担がかかるケースも多く、体のメンテナンスには気を遣わなければなりません。

タクシーやバスドライバーはマナースキルも

倉庫から倉庫へ荷物を届けるドライバーは人と話す機会がほとんどありませんが、タクシーやバスのドライバーは人を運ぶので、乗客とやりとりをする機会があります。

安全に送り届けるだけでなく「最低限の接客マナー」ができていないと、乗客を不快にさせてしまうでしょう。乗客との距離が近いタクシードライバーは、特に問題が起こりやすくなります。

運転がメインではあるものの、観光地でタクシーやバスのドライバーをするときは、おすすめの場所や店などについて尋ねられることは珍しくありません。答えないのが絶対にNGとはいえませんが、仮に分からなかったとしても丁寧な対応が求められます。無視したり乱暴な態度を取ったりすれば、クレームにつながるでしょう。

また、企業や個人宅に荷物やお弁当などの配達をする場合も、顧客と直にやりとりをする機会があります。元気よく挨拶したり、時には遅れたことを詫びたりしなければならないケースも想定しておきましょう。

免許なしでも車に関わるバイトがしたいなら

洗車する男性

(出典) photo-ac.com

免許を持っていない人やこれから取得する予定の人でも、車に関わるアルバイトはできます。どんな職業があるのでしょうか。

配送補助

配送補助のアルバイトは「ドライバーに同行し、サポートする仕事」です。ドライバーから指示を受け、荷物の上げ下ろしやナビゲーションなどを行います。場合によっては配送した家具の組み立てや、梱包を開ける際に出たゴミの分別なども担当しなければなりません。

軽いものは手で持ち運び、重いものは台車を使って届けますが、1日に何度も荷物の上げ下ろしがあるので体力に自信がないと厳しいといえます。

エレベーターがない施設の上階に重い荷物を届けなければならないケースでは、体力に自信がないとかなり苦労するでしょう。

配送補助はドライバーに比べると給与は低いですが、難しい作業をするわけではないので未経験者でも挑戦しやすい職種です。将来ドライバー職を目指す人にとって、間近でドライバーの仕事をチェックできるところも魅力となっています。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドは、運転免許や特別な資格がなくても働ける場所です。さまざまな世代の人が働いており、高校生・大学生・主婦も多く、未経験者でも採用されやすいといえます。

車の運転をするわけではありませんが、種類を問わずたくさんの車が訪れるので、車好きな人にとって退屈しにくい職場です。

仕事内容は、清掃・給油・窓ふき・レジ会計などで、接客に必要な言葉づかいやマナーを学べます。明るく元気な態度や、気配りなどのスキルが求められることを押さえておきましょう。

オイル交換やタイヤ交換の仕事をするには、危険物取扱者や自動車整備士の資格が必要です。これらの資格取得を目指しながら、ガソリンスタンドでアルバイトをする人もいます。

運転の仕事をする際の注意点

フォークリフト

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学生や高校生でもできるか

大学生や専門学生などでも、普通免許を持っていれば軽トラックなどの配送業務を行うことは可能です。また、フォークリフトの免許取得も18歳から可能なので、フォークリフトを使ったバイトにも挑戦できます。

しかし、大型免許に関しては「満21歳以上で通算運転経歴が3年以上」でなければ取得できません。そのため、大学生や専門学生の場合は大型免許を取得できないこともあるでしょう。

2017年3月からは「準中型免許」が新設され、若いドライバーの仕事を後押ししています。18歳以上であれば取得でき、車両総重量3.5t以上7.5t未満のトラックの運転が可能です。

まだ免許が取得できない18歳未満の高校生の場合は、免許なしでもできるバイトを選びましょう。

給与の支払い形態はどのようなものが多いか

給与の支払い形態は雇い先によってまちまちです。日払いや週払い、月給制があります。支払い形態については、応募時に募集案内を確認しておきましょう。

運転好きにはドライバーのバイトがおすすめ

車を運転する女性

(出典) photo-ac.com

運転を仕事にできるバイトには、特殊免許が必要なものとして大型トラックを利用した配送ドライバーや、フォークリフトのバイトがあります。また普通免許のみでできるものには軽トラックなどを利用した配送バイト、免許なしでもできるものには配送助手のバイトなどがあります。

運転が好きで、将来も運転することを仕事にしていこうと考えている人は、思い切って大型免許を取得してバイトを始めてみてはいかがでしょうか。いきなり大型免許を取得することに抵抗がある方は、普通免許でもできる配送のバイトから始めてみるのもよいでしょう。

出典:
JAF「運転免許にはどんな種類と区分があるのですか?」
公益社団法人 日本トラック協会「準中型免許Q&A」