小学校教師になるには・仕事内容と全国の求人

小学校教師とは

小学校教師のイメージ

小学校教師は、6歳から12歳の児童に教科学習の指導と社会生活の基盤となる教育を行います。日々の授業や活動を通し、児童が知識や思考力・表現力をつけられるように指導し、さらに学習への意欲や探求心などが向上するように手助けをします。子供たちと長い時間を一緒に過ごすため、子供たちへの愛情はもちろん、人間としての魅力やコミュニケーション力が求められます。

小学校では、国語、算数、音楽などの教科を、基本的に一人の教師が教えます。私立小学校においては音楽、体育などの実技教科を専任教師が教える場合もあります。教科や生活を指導する他にも、子供を引率して遠足に行ったり、運動会の準備をするなど、学校行事に関する仕事もします。また家庭や地域と連携をとり、子供たちの健全な活動を支えることも重要な役割です。

小学校教師になるには

小学校教師になるためには、小学校教員免許状を取得しなければなりません。小学校教員免許状には、一種免許状、二種免許状、専修免許状があります。大学卒業では一種免許状、短大や通信制大学卒では二種免許状、大学院修了では専修免許状を取得できます。この区分は教職課程の取得単位数の違いであり、実際に指導する内容に違いはありません。

免許状の取得方法で一般的なのは、大学の教育学部で教職課程を修了し一種免許状を取得することです。教育学部は教員養成が主な目的であるため、免許に必要な科目を効率的に履修できます。また教師としての資質や能力を身につける機会も設けられています。なお、教員免許取得の要件として、盲学校、聾学校もしくは養護学校または社会福祉施設その他の施設で、7日間以上の介護等の体験が必要です。一般学部から小学校教師になる場合は、卒業に必要な単位と教職課程の単位に十分注意が必要です。履修の負担が大きいため、現実的なのか教授に相談してみましょう。

その他の免許状取得方法としては、高卒または高卒と同等の資格があり20歳以上であれば、小学校教員資格認定試験を受けることができます。小学校教員資格認定試験は、受験者が二種免許取得に相当しているかどうかを判断する試験で、合格すると二種免許状を取得できます。1次試験、2次試験、指導の実践に関する事項に係る試験があります。1次試験は教職に関する科目I・II(どちらも筆記試験)、2次試験は教科に関する科目(論述筆記試験)と教職に関する科目III(実技試験)、口述試験があります。2次試験の合格者はさらに、「指導の実践に関する事項に係る試験」を受けます。これは、実際の教育現場の授業を観察し、指導案の作成や討論を行うことで、教育者としての資質が審査される試験です。すべての試験に合格し、都道府県教育委員会に申請すると、二種免許状を取得できます。

免許状を持っていても、公立小学校の教員になるためには、都道府県指定都市教育委員会等が実施する教員採用試験を受けなければなりません。合格すると採用候補者名簿に載り、地方公務員となります。その後、採用説明会や学校等への紹介などを経て、教師として働くことになります。

4年生大学に通っている場合、教員採用試験は大学4年から受けることが可能です。試験問題は自治体によって違うため、過去問題等で対策したり模擬試験を受けたりすることが効果的でしょう。

私立小学校の教員になるには、学校に直接応募し選考試験を受ける方法や、私立学校教員適正検査(私学教員適正検査)を通して採用となる方法、大学の就職課や人材派遣会社の紹介によって採用となる方法などがあります。欠員が出た場合に募集されることが多いため、こまめに情報を集めることが必要です。また私立小学校の採用形態は、正社員と同様の「専任教員」、授業のみを担当する「非常勤講師」、雇用期間が決まっている「常勤講師」に分けられ、非常勤講師は授業以外の業務を担当することはありません。

最近は社会人から教師になるケースも多いようです。教員免許状を持っている場合は、教員採用試験を受けて合格すれば教員として働くことができます。免許を持っていない場合でも、学士課程を終えていれば、教員養成の大学に編入したり、通信課程で学ぶ場合は教職課程のみを修了することで免許状を取得できます。通信課程ではレポートやスクーリング、テストで単位を取ることになります。通信課程を持つ大学は首都圏や関西圏にあることが多いため、大学の場所やスクーリングの日程を確認しておくことも必要でしょう。 自治体によっては教員採用試験の受験年齢を制限している場合があるため、受験する教育委員会の情報を確認しておきましょう。

小学校教師の仕事内容

小学校教師は、国語、算数などの主要教科と音楽、体育などの実技教科を基本的に一人で教えます。実技教科に関しては専門の教員がいる場合もあります。教師の仕事は、授業を通じて子供たちの総合的な発達を促すことですが、それ以外にも授業のために指導計画を作成し、学校という組織に授業のフィードバックをするというような仕事も忘れてはなりません。教科指導以外の仕事としては、日々の活動記録や学級通信の作成、運動会や遠足などの課外活動・クラブ活動の指導・監督、家庭訪問や保護者懇談などがあります。

近年、教科の必修科目に変化が起こっています。小学校の必修科目に、リズムダンス、プログラミング、英語などが追加されており、今後指導する教科がさらに増えることも予想されます。

小学校教師の仕事は多岐にわたりますが、仕事の中心にいるのは6歳~12歳の子供たちです。幼い児童から多感な年齢の児童まで、その一人一人に向き合いながら、学級や学年をまとめて教育を行うのは大変な仕事です。教育者の責任は大きいですが、子供たちの成長に大きなやりがいを感じている教師は多いです。また、教師の主な仕事は教科・生活指導ですが、事務分掌も多いと言われます。教科指導と同様に、一人で処理する仕事がほとんどですので、教師の負担がは大きく、忙しさの原因の一つでもあるようです。

保護者と教師の協力は不可欠とはいえ、保護者から要望やクレームが出される場合も多く、その処理に追われることもあります。

小学校教師に必要なスキル

小学校教師は、国語や算数などの教科を一人で指導するため、学習内容を十分理解し子供たちに分かりやすく教える技術が要求されます。音楽や美術、水泳などの実技教科は専門教師が指導する場合もありますが、主要教科同様に教えられることが必須です。ピアノ、水泳、デッサンなどは採用試験の実技試験に必要とされる場合が多いため、早めに習得することが望ましいでしょう。

近年では、英語、リズムダンス、プログラミングなどが必修教科として追加されています。しかし教師自身が未熟、未経験な場合も多く、指導技術の低さが懸念されています。そういった現状を受け、自治体では教師向けの講習や試験などを取り入れ、また一般企業でも教員向けの研修を主催したりしています。教員向けの研修としては、英語指導に関する講座、ダンス指導のための研修会、プログラミングを指導するための勉強会などがあります。

英語教育に関しては、現在5年生と6年生が必修ですが、2020年には3年生から必修科目になり、5年生から教科科目になることが予定されています。現在の必修教科としての英語は、歌やゲームで楽しみながら学ぶという活動が可能です。しかし教科化されると教科書を使用しカリキュラムに沿って進めることになるため、カリキュラム作成や教案作成に留意し、担当教師同士も密に連携をとることが大切になるでしょう。教師の英語力と共に外国語の指導カリキュラムをマネジメントする能力が必要になってきます。

プログラミングの必修化は2020年と予定されています。中学校と高校ではすでに扱っている分野ですが、小学校では独立した教科ではなく算数や理科、総合的な学習の時間といった既存の教科内で扱います。授業時にコンピューターを利用し、文字の入力のような操作に慣れること、インターネットなどを利用し学習内容を充実させること、さらにプログラミング的思考を育成することなどが目標となります。

小学校教師のやりがい

学校教育の場で教師が果たす役割は大きく、指導力、人間性、コミュニケーション力など様々な資質が要求されます。負担が大きい仕事ですが、その一方で、指導によって子供が成長し、その喜びを分かち合えるのは大きな魅力です。子供の喜ぶ姿や晴れやかな表情を見ると、教師で良かったと思い、立派な大人になった教え子と再会したり、結婚して子供を見せに来たりすると、自分のことのように嬉しくなることでしょう。

また、頑張っている子供の手本になるようにと自分を律することも多く、日々新しいことに向き合えるのも教師ならではでしょう。

小学校教師の年収帯

仕事内容は複雑ですが、収入は公務員であるため安定しています。さらに福利厚生も充実しています。教師の大卒初任給は、自治体によって若干の違いはあるものの大体20万円前後です。東京都の場合、大卒初任給は247,500円、短大卒では226,100円で、 大阪府の場合は大卒で209,976円です。

小学校教師の求人傾向

小学校教師になる方法として上記以外では、非常勤講師や臨時講師などがあり、公立小学校、私立小学校ともに、年度途中でも募集しています。私立小学校の場合、正社員としての募集もあります。全国各地で募集がありますが、首都圏や関西圏の求人が多いようです。求人案内は、ハローワークや民間の求人情報サイトにあります。最近は、教師専門の派遣会社に登録し仕事を探す人も増えています。

※文中に記載の各種数値・内容は、2017年7月時点のものになります。

出典:
教員をめざそう!|文部科学省
給与・福利厚生 | 東京都公立学校教員採用案内「東京の先生になろう」
職員のモデル年収額|大阪府
表現運動|文部科学省
中学校学習指導要領 (平成元年3月)|文部科学省