ワーカホリックの意味とは?仕事に注力しすぎる危険性と改善法を解説

ワーカホリックであると指摘されたのであれば、仕事とプライベートのバランスを考えるタイミングです。自覚がある場合、気持ちを切り替えましょう。ワーカホリックの持つ意味や、なりやすい人の特徴を解説します。デメリットと改善方法も確認しましょう。

ワーカホリックの意味とは?

デスクワークをする男性

(出典) pixta.jp

「ワーカホリック」は、仕事をしすぎる人に対して使われる言葉です。具体的には、どのような意味があるのでしょうか?日本語での意味や、ワークエンゲージメントとの違いも解説します。

日本語では「仕事中毒」

ワーカホリックは、日本語に訳すと「仕事中毒の人」です。まるで依存症や中毒のように、仕事に熱中しすぎている人を指します。

仕事を意味する「work」と、依存や熱中を意味する「-holic」を組み合わせた言葉です。通常の状態を超え、仕事に対して過度な依存をしているケースが該当します。

単に熱中している状態とは違い、周囲から見ると「仕事人間」「家庭を顧みない」と判断される可能性もあるでしょう。

仕事だけを優先する生活を続け、プライベートや自分の健康状態をないがしろにするような人は「ワーカホリック」といえます。

ワークエンゲージメントとの違い

ワークエンゲージメントは、仕事から活力を得て、熱意を抱き、没頭する状態を指します。ワーカホリックも、熱中し没頭している点では同じです。異なる点としては、「熱意の種類」や「プライベートへの影響」が挙げられます。

過度に熱中し、仕事以外には一切興味がないほどであれば、ワーカホリックの可能性が高いでしょう。また、プライベートに悪い影響を与える場合も、ワーカホリックに該当します。

一方のワークエンゲージメントは、仕事に対する前向きな気持ちがあり、プライベートにもポジティブな影響を与える状態です。仕事が気になりすぎて、プライベートを楽しめないような状況とは異なります。

ワーカホリックになりやすい人の特徴

ゼリーを飲む男性

(出典) pixta.jp

仕事に熱意を持っていても、ワーカホリックにならない人もいます。では、どのような人がワーカホリックになりやすいのでしょうか?主な特徴やポイントを紹介します。

仕事を完璧にやり遂げたい

仕事に対して完璧さを求める真面目な人は、ワーカホリックになりやすいといえます。完璧に仕事を進めようとすれば時間がかかり、気になった部分は修正しなければ気が済みません。

自分で決めた水準に達するまで努力を続け、結果的に労働時間が長くなってしまいます。努力を重ねること自体は素晴らしい姿勢ですが、仕事に熱中しすぎるという意味では注意が必要です。

仕事以外の面でも完璧主義で自分に厳しい人は、頑張りすぎていないか振り返って確認する時間を、意識的に確保する方がよいでしょう。

熱中できる趣味がない

熱中できる趣味がないと、仕事に意識が向きがちです。ほかのことにまったく意識が向かない状態では、仕事にばかり注目してしまい、過度な労働につながる可能性があります。

家族・友人との交流が少なく、職場と家の往復だけをしているケースも、仕事に没頭しすぎる原因です。

趣味だけでなく、「楽しめるアクティビティ」「くつろげる楽しい時間」などを持っている人は、ワーカホリックになるリスクを軽減できます。仕事に熱中しすぎてしまう人は、楽しめる趣味や交流をつくることを検討してみましょう。

常に仕事のことを考えている

元々熱中しやすい性質の人が仕事に熱中した場合、自発的に長時間にわたって仕事をしてしまうケースが増える傾向があります。必然的に、仕事のことを考える時間は増えるでしょう。

そうなると、プライベートの時間においても仕事が気になってしまいます。休暇を取っているはずなのに、仕事の進捗や結果が気になり、職場に出向いてしまうようであれば注意が必要です。

日常生活や健康に支障が出ておらず、プライベートも充実していれば「ワークエンゲージメント」の状態ですが、程度が過ぎるとワーカホリックと見なされるかもしれません。

何にでも熱中しやすい人は、仕事に対して過度な執着心を持ちすぎないよう、仕事について考えない時間を設ける意識も大切です。

ワーカホリックを魅力的と感じる場合も

事務作業をする女性

(出典) pixta.jp

ワーカホリックは、周囲から見ると過度に仕事をしすぎている状態のため、何らかの悪影響が出るケースも多いでしょう。しかし、本人にとっては、悪いことだけではありません。なぜ過度に仕事をしてしまうのか、主な原因を解説します。

目に見える成果が得られる

仕事に時間をかければ、成果を得やすくなります。ほかの人よりも多くの時間を仕事に費やし、常に意識を向けているため、素晴らしい成果につながるケースもあるでしょう。

大きな成果が得られると本人は楽しくなり、さらに熱意を注ぐようになります。本人が楽しんでおり、日常生活に支障が出ていない時点では、大きな問題はないでしょう。

人によっては、自分が手に入れた地位や評価を失わないよう、頑張るケースもあります。もし、仕事をしすぎていてつらいと感じるようになった場合や、健康に不安が出てきた場合は、気持ちを切り替えることも必要です。

必要とされることがうれしい

周囲から必要とされたいと感じ、仕事に打ち込む人もいます。例えば、残業や休日出勤を積極的に受け入れる人は、周囲から感謝される機会も多いでしょう。

仕事を頑張り、部署の成績を上げることも、周囲からの評価につながります。昇進や給料アップなど、実益も得られるでしょう。

充実感を得て、前向きな気持ちでいる間はメリットを強く感じられますが、仕事がつらくなってきたときは、ワークライフバランスを考えることも大切です。

ワーカホリックの状態を続けるデメリット

デスクワークに悩む女性

(出典) pixta.jp

仕事に依存し、過度に熱中してしまう状態を続けるとデメリットも生じます。仕事をしすぎているという自覚がある場合は、悪い部分が出てきていないか注意しましょう。もし問題があれば、仕事から意識をそらすことも大切です。

家族・友人との関係が希薄になる

仕事に時間をかけると、その間は家族・友人との交流がほとんどできなくなります。約束をしていても、仕事を優先するような状況が続くと、交流したいと考える人も減っていくでしょう。

あまりにも仕事だけにこだわりすぎると、プライベートの充実という面ではデメリットになります。周囲からの信頼を失うリスクも考えられるため、家族・友人との約束や交流をおろそかにするのは、避けた方がよいでしょう。

退職後や仕事が落ち着いた折などに、家族・友人と一緒に楽しめるよう、適度な交流は続けていくことが大切です。

精神・体調が悪化する危険性

ワーカホリックは、精神や体調に影響を与える可能性もあります。特に、強迫的な気持ちになり、仕事が気になって落ち着かないタイプの人は、精神的につらくなってしまうリスクが高いでしょう。

仕事が楽しいとしても、労働のしすぎは体調の悪化につながります。残業が続き疲労がたまる場合や、睡眠時間を削って仕事をしてしまうような状況では、デメリットも大きくなります。

無理をしすぎないようきちんと休むことも、仕事の能率を上げる上では重要なポイントです。ついのめり込んでしまう人は、休むスケジュールまで考えておく必要があるでしょう。

バーンアウト症候群のリスクも

仕事に熱中しすぎる人は、責任感が強く完璧を求める傾向があります。頑張りすぎた揚げ句、ある日突然やる気を失ってしまうケースもあるでしょう。

バーンアウト症候群は「燃え尽き症候群」とも呼ばれ、それまでやる気に満ちあふれていた人が、突然燃え尽きたように意欲を失ってしまう状態を指します。

燃え尽きたようになってしまう原因はさまざまですが、ワーカホリックになりやすい人は、バーンアウト症候群にもなりやすいとされています。

責任感が強い人は心身の不調で限界を超えてしまい、完璧を求める人は思うような成果を上げられず大きな挫折を味わうなど、トラブルも起きやすいでしょう。

ワーカホリックを改善する方法

頭を抱える女性

(出典) pixta.jp

仕事に熱中しすぎる状態は、意識的に改善できるケースもあります。仕事が気になってしまいつらいと感じるときや、体調に不安が出ているときは、改善方法を試してみましょう。

別のことに意識を向け、依存状態に陥らないよう心掛ければ、プライベートとのバランスが取れてくるはずです。

ロールモデルを見つける

ワーカホリックにならないためには、仕事とプライベートのオンオフを切り替える必要があります。身近に手本となるような人がいる場合は、参考にしましょう。

特に、仕事が終わらず残業や家への持ち帰りが多くなり、働く時間が長引くような場合は、効率的な仕事の進め方を学ぶのも大切です。

効率的に仕事を進めるツールを導入したり、先輩のやり方をまねしたりといった工夫も意識しましょう。タスクの整理や、優先順位を決めることも効果的です。

仕事から離れる時間をつくる

どうしても仕事が気になり、プライベートでも頭から離れないような状態になっている場合は、仕事をしない環境を意識的につくることが大切です。

仕事のメールを見ない、電話に出ないなど、プライベートの時間を切り分ける必要もあるでしょう。短期の休みでは改善が難しい場合は、上司に相談し長期休暇を取るのもおすすめです。

仕事用の端末を持たずに旅行をするなど、簡単には仕事に関われない状況をあえてつくれば、依存状態から脱するきっかけになる可能性があります。

異動・転職など職場の環境を変える

職場の環境によっては、仕事から離れる時間を確保できない可能性もあります。残業が常態化していたり、プライベートの時間でも関係なく呼び出されたりなど、職場全体に問題があると感じる場合は、異動・転職も検討しましょう。

プライベートの時間が取りにくいほど多忙な業種・職種なのであれば、異業種への転職も視野に入れる必要があります。

転職を検討している場合は、求人情報をチェックしてワークライフバランスを保ちやすい職場を探しましょう。「スタンバイ」でも、福利厚生・ワークライフバランスを重視している企業の求人が探せます。

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仕事だけではなくプライベートも大切に

パソコンを操作する男性

(出典) pixta.jp

ワーカホリックになると、仕事を頑張りすぎてしまった結果、デメリットが現れる可能性があります。適度な息抜きを意識し、プライベートとのバランスを整えるように心掛けましょう。

今の職場ではプライベートの充実が難しいと考えられる場合は、転職も検討するのがおすすめです。少し休暇を取って、気分を切り替えるきっかけにしてもよいでしょう。

家族・友人と過ごす時間も大切にして、ワークエンゲージメントを目指す意識が大切です。