ストレス耐性が高い人の特徴は?高める方法や面接対策も解説

近年、人材を採用する際に応募者のストレス耐性の有無を判断材料の1つにする企業が増えています。「自分はストレスに弱い」と感じているなら、ストレス耐性を鍛えておきましょう。メンタルを鍛えてストレスに強くなる方法や面接対策について解説します。

ストレス耐性が高い人に共通する3つの特徴

元気な女性社員

(出典) pixta.jp

ストレス耐性が高い人には、どのような特徴があるのでしょうか。まずは、ストレスに強い人が持つ共通の特徴を見ていきましょう。

ポジティブな考え方が習慣化している

ストレス耐性が高い人は、常に物事をポジティブに捉えています。失敗しても「良い経験をした」と思えることが特徴です。

ネガティブな思考の人は不利な状況において、何もできなくなったりさらにミスを重ねたりすることもあるでしょう。一方、ポジティブな考え方が習慣化している人は、不利な状況になってもそのことをチャンスだと捉えます。

嫌なことがあったり失敗したりしても、後ろ向きな思考に陥らないため、結果としてストレスを感じにくくなります。

高い集中力を発揮できる

ストレス耐性が高い人に共通する特徴としては、高い集中力を発揮できることも挙げられます。集中力が高ければ余計なことを気にせず仕事に取り組めます。

集中力が低い人は周囲で起こることが気になりがちです。自分が関係するような話題がある場合は、1日中仕事が手につかない状況にも陥りかねません。

一方で集中力が高い人は、そもそも周囲が気にならないため、やるべきことに注力できます。高い生産性を発揮して成果を上げ続けられることも、ストレス耐性が高い人の強みです。

自分なりのやり方で物事を進めていける

ストレス耐性が高い人は、常に自分のペースを保ちながら仕事に取り組めます。自分なりのやり方で物事を進めていけるため、感情に左右されることがあまりありません。

主体性がない人は他人に合わせて行動しやすくなるほか、主張したいことがあっても我慢してしまう傾向があり、結果的にストレスを感じやすくなります。

自分がやれる範囲で行動できることも、マイペースな人の特徴です。不測の事態に直面してもペースが乱れないため、ストレスを感じることなく冷静に対処できます。

ストレス耐性が低い人に共通する3つの特徴

頭を抱える男性

(出典) pixta.jp

ストレス耐性が低い人の多くに共通する特徴を紹介します。自分に当てはまるものがないか、代表的な3つの特徴をチェックしましょう。

責任感が強い

ストレス耐性が低い人は、責任感が強い傾向にあります。小さなミスを許せず自分を責めたり、トラブルが起きたときに全て自分だけで解決しようと抱え込んだりするのが責任感が強い人の特徴です。

つらい状況であっても、誰にも助けを求めず無理をすることから、ストレスにつながりやすくなります。

周囲から信頼されたり成果を出しやすかったりと、責任感が強い人にはメリットも数多くあります。しかし、度を過ぎた責任感は大きなストレスにつながりかねません。

自己肯定感が低い

自己肯定感の低さもストレス耐性が低い人の特徴の1つです。自分と他人を比較し、他人より劣っている部分があると落ち込みやすくなります。

目標とすべき人が周囲にいるのは悪いことではなく、むしろその環境は良いといえるでしょう。しかし、嫉妬心や劣等感を抱くようになると、精神的に不安定な状態に陥りやすくなってしまいます。

一方、ありのままの自分を素直に受け入れているのが自己肯定感の高い人です。他人と自分は違うことを理解しているため、周囲との優劣で感情的になることがほとんどありません。

自分の意見を主張できない

協調性が高すぎて、自分の意見を主張できないのも、ストレス耐性が低い人の特徴です。無理をして周囲に合わせようとするため、自己主張ができずにストレスをためやすくなります。

自分の意見を主張できない人は、つらいことがあっても明るく振る舞おうとします。「自分の態度で雰囲気を壊したくない」という思いが強く、悩みを打ち明けることもしません。

適度な協調性はチームワークの向上につながるため、その人の強みにもなります。しかし、あまりに協調性が高いと自分の感情を抑え込んでしまい、ストレス耐性を押し下げることになるでしょう。

ストレス耐性に関係する主な能力

伸びをする女性

(出典) pixta.jp

ストレス耐性は主に4つの能力でコントロールされています。それぞれの意味やストレス耐性への影響について見ていきましょう。

【回避能力】ストレスを受け流せる

ストレスの原因を深刻に捉えることなく、上手に受け流せる能力が回避能力です。物事を割り切るのが得意な人は、回避能力が高い傾向にあります。

例えば仕事で嫌なことがあっても、回避能力が高い人は「仕事だから」と割り切るのが上手です。逆に、真面目な人や完璧主義な人は回避能力が低く、ストレスの原因を真に受けてしまいます。

回避能力は自律神経系や内分泌系とも関連していると考えられており、心身が健康なら回避能力が向上しやすいといわれています。

【処理能力】ストレスを軽減できる

処理能力はストレスの原因に向き合える能力です。処理能力が高い人は、ストレスの原因をいったん受け入れた上で、ストレスを弱めたりなくしたりできます。

例えば、残業の多さにストレスを感じている場合、処理能力が高い人は残業を減らそうと努力します。業務の効率化を図ったり、仕事量について上司に相談したりするでしょう。

処理能力を発揮する人は能動的に問題を解決しようとするため、結果的にストレス耐性も高くなります。

【転換能力】ストレスを置き換えられる

ストレスの原因をポジティブに置き換えられる能力が転換能力です。大きな失敗をしてしまったケースで考えると分かりやすいでしょう。

転換能力を発揮できる人は、失敗したことを前向きに捉えます。「多くの学びや気付きを得られた貴重な体験だった」と、ポジティブな思考に切り替えることが可能です。

一方、転換能力が低い人は、失敗したことで生じたストレスに縛られてしまいます。「周囲に迷惑をかけてしまった」「また失敗するのが怖い」など、ネガティブな思考からいつまでも抜け出しにくいでしょう。

【感知能力】ストレスの原因に気付く

感知能力とはストレスの原因に気付く能力のことです。感知能力が高い人は、自分への言葉や行動に敏感になるため、ストレスをためやすくなります。

前述した3つの能力と異なり、感知能力は低い方がストレス耐性が高くなります。ストレスの原因に対する「鈍感さ」を示す能力ともいえるでしょう。

ただし、感知能力が高ければ他人の感情の動きに気付きやすくなるため、周囲の人間関係をより適切に把握できるというメリットもあります。

ストレス耐性を高める3つの方法

メモを手にしている女性

(出典) pixta.jp

ストレス耐性は努力次第である程度高めることが可能です。自分で鍛えられる3つの方法を紹介します。

ストレスを感じやすい物事を理解する

ストレス耐性を高めるには、自分にとって何がストレスになりやすいのかを知ることが大切です。ストレスの原因になる物事が分かれば対処しやすくなります。

自分がストレスを感じているシーンをイメージし、ストレスの原因となり得るものを洗い出してみましょう。実際にストレスを感じたときに、原因を書き留めるのも有効です。

ストレスの原因を知ろうとしなければ、いつまでたってもストレス耐性は高くなりません。まずは、ストレスの原因を知ることから始めてみましょう。

自分で対処できる原因かどうか整理する

ストレスの原因を洗い出したら、次に自分で対処できるのかどうか整理していきましょう。ストレスの原因には、コントロールできるものとできないものがあります。

自分の考え方や行動がストレスの原因になっている場合は、コントロールできる可能性があります。可能な範囲でストレスを減らす努力をしてみましょう。

対処できない原因の場合は逃げるのも1つの手です。ストレスの原因から距離を置くための方法を考えましょう。

適度なリフレッシュや気分転換を図る

ストレス耐性を高める方法としては、適度なリフレッシュや気分転換を図ることも挙げられます。ストレスの原因に向き合う方法と併せてチェックしておきましょう。

ストレスに強い人は、自分なりのストレス解消法を確立しています。自分に合ったストレスの発散方法を、できるだけ早めに見つけることが大切です。

ストレスは心身の健康とも深く関わっているとされています。十分な睡眠やバランスの取れた食事を意識し、適度な運動も心掛けるとよいでしょう。

企業がストレス耐性を重要視している理由

頭を抱える女性

(出典) pixta.jp

近年、多くの企業がストレス耐性を重要視しています。なぜ従業員のストレス耐性が重要なのか、理由を見ていきましょう。

メンタルヘルス疾患による離職を防ぐため

厚生労働省が2023年6月に公表した2022年度の「過労死等の労災補償状況」によると、精神障害の労災支給決定件数は年々増えています。

人手不足が進む中、企業はメンタルヘルス疾患による貴重な人材の離職を防ぎたいと考えています。また、労災支給決定件数が多い企業は、企業イメージの低下も招きかねません。

離職率の低下や企業イメージの維持を図るために、企業は従業員のストレス耐性を重要視しています。

出典:令和4年度「過労死等の労災補償状況」 PDF1枚目 図2-1

ストレスチェックの実施は企業の義務

労働安全衛生法第66条の10により、50人以上の従業員がいる事業所には、年1回のストレスチェックが義務付けられています。

ストレスチェックとは、従業員のストレスの状態を把握する検査のことです。メンタルヘルス疾患の予防や職場環境の改善につなげることを目的としています。

ストレスチェックを実施しないことに対する罰則はありません。ただし、労働安全衛生法第100条によって、労働基準監督署への結果報告が義務付けられています。

出典:労働安全衛生法 第66条の10 | e-Gov法令検索

出典:労働安全衛生法 第100条 | e-Gov法令検索

面接でストレス耐性を聞かれた場合のポイント

面接

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企業がストレス耐性を重要視していることは、面接のシーンにも大きな影響を与えています。ストレスに強いか面接で聞かれた場合のポイントを理解し、面接の対策をしましょう。

「ストレスを感じない」と回答しない

面接官にストレス耐性を聞かれた際、「ストレスは感じません」と回答するのはNGです。ストレスに強い人でも、全くストレスを感じないことはないでしょう。

「ストレスを感じない」と回答すると、「自分を客観視できていない」「周囲のストレスに気付けない」と思われ、評価を下げてしまう恐れがあります。

ストレスについて質問されたら、強いストレスを感じるシーンを正直に伝えましょう。ストレスの原因への対処法を述べることも重要です。

ストレスの原因を業務に関連させない

ストレスの原因が業務に関係する場合は、仕事を任せるのが不安だと思われ、面接官に与える印象を悪くしてしまいます。

例えば、デスクワークの仕事に応募しているのにもかかわらず、「体を動かさないとストレスを感じます」と答えるのはNGです。人と接する仕事に応募する場合は、「初対面でのコミュニケーションにストレスを感じます」と答えないようにしなければなりません。

「騒音や人の挙動に敏感」「予定が直前で変わるのが嫌」など、神経質すぎる性格を伝えるのも避けましょう。担当業務に関係なく、採用すること自体をためらわれてしまいかねません。

堂々と受け答えする

ストレス耐性の質問だけでなく、面接全体を通してストレス耐性を見られている可能性もあります。全ての質問に対し、堂々と受け答えすることが大切です。

過度な緊張をしないことが伝われば、ストレス耐性の高さをアピールできます。

面接で緊張を抑えるためには、繰り返し練習するのが効果的です。本番を想定した練習を行い、話し方や身ぶり手ぶりを第三者にチェックしてもらうことで、より自然体で話せるようになります。

ストレス耐性が高い人の特徴を理解しよう

伸びをする女性

(出典) pixta.jp

近年はストレス耐性を重要視する企業が増えているため、転職活動中にストレス耐性を鍛えておくのがおすすめです。ストレス耐性が高い人の特徴を理解し、できる範囲で鍛え方を実践してみましょう。

ストレスに強くなるためには、ストレスの原因を知り、自分で対処できるかどうか整理することが重要です。自分に合ったストレスの発散方法も見つけておく必要があります。

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