多様な働き方の一環として、在宅勤務を取り入れている企業は増えています。しかし、実際に家で働き始めると集中できないと悩んでしまうケースもあるでしょう。なぜ家での仕事は集中しにくいのか、原因を解説します。集中力を高める方法も確認しましょう。
在宅勤務で集中できない理由
オフィスに出社せず自宅で仕事をする在宅勤務は、集中できないともいわれます。なぜ、オフィスよりも集中しにくいのでしょうか?主な原因を解説します。
雑事・雑音に気を取られる
自宅ではオフィスと異なり、ちょっとした雑用や家事をしながらでも仕事ができます。何かの片付けや、すぐ済ませられる家事をしてしまおうと思い立つと、仕事が進まなくなるかもしれません。
テレビやスマホを見たり、休憩をしたりしても注意する人が周りにいないため、仕事よりも休憩に時間を使ってしまう可能性もあります。
防音設備の整った個人の部屋がなければ、生活音や近隣から聞こえてくる音が気になるケースもあるでしょう。全員が仕事に集中しているオフィスと比べると、自分で自分を律する必要があります。
緊張感がない
在宅で仕事をしていると、明確に気持ちを切り替えるタイミングがほとんどありません。プライベートなスペースで仕事を進めるため、緊張感が得にくくなります。
出社すると、「仕事をするための場所」と「プライベートな場所」が明確です。自宅では区分けがないため、気持ちの切り替えがうまくいかず、集中力が発揮されない可能性があります。
自宅であっても、仕事とプライベートのスペースが分けられれば切り替えがしやすくなりますが、広い家でなければ難しいでしょう。
家族に邪魔をされる
自宅にいると、家族から声をかけられることもあります。本人が仕事の時間をはっきり伝えていない場合、家族もどのようなタイミングで話しかけてよいのか判断ができません。
特に、仕事と休憩の境目が曖昧で、自由にくつろいでいるように見えてしまうと声をかけられる可能性は高くなるでしょう。
また、小さい子どもは仕事の時間であることが認識できず、悪気なく邪魔をしてしまうケースもあります。
家族が在宅勤務について理解しておらず、好きなときに休めると誤解している場合は、家のことを手伝わされてしまう可能性も考えられるでしょう。
やる気を上げて集中するコツ【物理面】
在宅勤務で集中力を高めるには、何をすればよいのでしょうか?具体的な対策方法を紹介します。行動や環境を整えるなど、物理的な対策を見てみましょう。
身だしなみを整える
出社するときと同じように、服装や身だしなみを整えると気持ちの切り替えがうまくいく人もいます。どうしてもだらだらしてしまったり、仕事をしている気になれなかったりする場合は、服装の変更を検討しましょう。
服装が原因で集中できないのであれば、「仕事用の服を着ているときは仕事だけに集中する」と自分でルールを作ってしまうのがおすすめです。
しかし、リラックスできる服装で仕事ができるのは、在宅勤務のメリットでもあります。場合によっては、準備に時間をかけているうちにやる気が失われるリスクもあるため、自分に合う方法を試してみましょう。
仕事をする環境を整える
自宅で仕事をするときは、集中力を途切れさせないために環境を整えましょう。仕事用の個室を準備するか、仕事がしやすいデスク・椅子を用意するといった対策が効果的です。
しかし、家の広さや状況によっては、個室を準備するのは簡単なことではありません。部屋の一角にスペースを作り、デスク・椅子を置いてオフィス風に整えるのが簡単です。
新しく家具を購入するのが難しい場合は、簡易的にスペースを区切るだけでも問題はありません。
外部との接点を少なくする
なるべく目や耳に入るものを少なくすると、仕事に集中しやすくなります。仕事のスペースをパーティションやテントで区切り、家族から声をかけられにくくするのもよいでしょう。
音で気が散らないのであれば、音楽をかけて周りの雑音を遮断するのもおすすめです。なるべく、集中力が高まるようなBGM系の音楽が適しています。
ノイズキャンセリングイヤホンや耳栓を使って、周りの音を聞こえにくくするのも効果的です。完全に遮断するのではなく、聞こえにくくする程度なら何かあったときにも対応はできます。
やる気を上げて集中するコツ【精神面】
精神面で対策を行い、集中力を高める方法もあります。在宅勤務で集中力が途切れやすい場合は、やる気をアップするために取り組んでみましょう。主な方法を紹介します。
適度な休憩を取る
長時間仕事をしていると、業務効率が下がってきます。ある程度自由に休憩を取れるのであれば、人の目がない在宅勤務のメリットを生かしましょう。
集中力が途切れてしまったときは、短時間の休憩を取ってリフレッシュすると仕事が続けやすくなります。
特に在宅勤務では運動不足になりやすいため、軽いストレッチを取り入れるとすっきりするでしょう。肩や首のこわばりが取れ、PC作業にも集中しやすくなります。
肩を大きく回す、腕を上に伸ばすといった簡単なストレッチでもOKです。座りっぱなしでいるよりも、定期的に立って血行を促進させるのもよいでしょう。
家族との間にルールを作る
在宅勤務では、プライベートな空間である自宅を使用します。Web会議や電話など、騒がしい環境では難しい仕事もあるでしょう。
家族にも説明し、状況によっては協力してもらう必要があります。在宅勤務をしている本人だけでなく、周りの都合も考えた上で話し合うのが大切です。
フルタイムでの仕事中、家族がずっと気を使い続けるのは簡単なことではありません。日常の行動を妨げないようなルール作りを心掛けましょう。
個室やスペースが用意できず折り合いがつかないときは、会社のルール内でコワーキングスペースの利用を検討するのもよい方法です。
在宅勤務でも業務効率を上げるポイント
オフィスでの仕事と同じように業務効率を上げるには、何をすればよいのでしょうか?在宅勤務で気を付けたいポイントと、業務効率を上げるコツを紹介します。
マルチタスクは控える
在宅勤務中は、なるべくマルチタスクを控える方が効率が上がります。マルチタスクとは、複数の作業を同時に進めることです。
仕事を掛け持ちしている状態だけでなく、仕事と家事を同時に進めるケースや、テレビを見ながら作業をするといった「ながら作業」も該当します。
仕事に集中するには、シングルタスクがおすすめです。シングルタスクは、複数の作業をせず1つのことに集中する作業方法を指します。
在宅勤務では集中力を途切れさせてしまう環境になりやすいため、できるだけ他のことに気を取られないよう注意しましょう。
事前にスケジュールを立てておく
在宅勤務であっても、会社側が勤務時間を決めている場合はルールに従う必要があります。
たとえ自宅にPCがあっても、社用のネットワークに接続できる時間が限られていたり、残業時は申請が必要になったりなど、時間内に終わらなければ問題も出てくるでしょう。
オフィスとは異なり、自由に仕事が進められる分、スケジュール管理が欠かせません。スムーズに仕事を終わらせられるように優先順位を決め、自ら締め切りを設定して作業を進めていきましょう。
コミュニケーションをしっかり取る
在宅勤務では、同僚や上司とのコミュニケーションが取りにくくなります。特に1人で進められる仕事は、特別なトラブルがない限りコミュニケーションを取らなくても問題ないように感じられるかもしれません。
しかし、普段から連絡を取り合っていないと、いざというときにうまく連携できなくなります。直接顔を合わせてすぐに話ができない在宅勤務では、できるだけ密に連絡を取り合い、お互いに相手の状況を把握しておくことが大切です。
業務の進捗状況を定期的に連絡し、質問があればメールやWeb会議ツールを使用してすぐに解決できるよう準備しましょう。メンバーと連絡を取る手段があれば、積極的に活用するのがおすすめです。
在宅勤務は気持ちの切り替えが重要
在宅勤務では、集中力を保つ努力が必要です。周囲の目がなく自由に仕事ができるのは魅力ですが、気持ちの切り替えがしにくく業務効率が落ちる可能性もあります。
集中して仕事を進めるためには環境を整え、しっかりスケジュールを組むよう心掛けましょう。自分の中で仕事とプライベートの切り替えができれば、集中力も高められます。
会社のルールで在宅勤務がスムーズに進められない場合は、転職を検討するのもよいでしょう。「スタンバイ」でも、在宅勤務やリモートワークを取り入れている求人を探せます。まずは、気になる求人情報をチェックしてみましょう。