転職の際はミスマッチが発生しないように注意することが大切です。ミスマッチを防げれば、転職先で十分なパフォーマンスを発揮しやすくなり、高いモチベーションを維持しながら働けるでしょう。ミスマッチとは何か、回避するポイントと併せて解説します。
転職後にありがちなミスマッチとは
転職におけるミスマッチとは、従業員と企業との間で違和感やズレが生じることです。代表的な4つのミスマッチを紹介します。
業務内容におけるミスマッチ
転職前に想像していた仕事と実際の仕事が異なっている場合、業務内容におけるミスマッチが発生していると考えられます。具体的な事例は次の通りです。
- 自分が担当できると聞いていた仕事を担当できなかった
- 事前に説明を受けていないノルマが存在した
- 仕事に生かせると思っていたスキルを生かせない
- 思っていたより単調すぎて仕事がつまらない
上記のようなこと以外に、求人の記載内容と実際の業務内容が違っていたというケースもあります。
人間関係におけるミスマッチ
新しい職場で起こりがちなミスマッチの1つに、人間関係のミスマッチも挙げられます。以下のようなケースが考えられるでしょう。
- 職場の雰囲気になじめない
- 職場の雰囲気が悪い
- 上司との相性が悪い
- 上司が部下の業務内容を把握していない
- 相談できる人が周囲にいない
- 周囲が優秀すぎて劣等感を感じる
- ハラスメントが横行している
人間関係が悪くなるとメンタルに悪影響が及びやすくなり、心身の不調で働けなくなる恐れもあります。
労働環境におけるミスマッチ
転職先で発生しやすい労働環境のミスマッチには、主に以下のようなものがあります。
- 残業が少ないと聞いていたが実際は多い
- 仕事内容が過酷で肉体的に疲れる
- 休憩時間が短いため仕事中に息抜きができない
- 希望とは異なる勤務地に配属され通勤が大変
労働環境におけるミスマッチが起こると、心身の不調を来しやすくなるほか、プライベートの時間が少なくなり、理想のワークライフバランスも実現しにくくなるでしょう。
待遇におけるミスマッチ
転職後間もない離職につながりやすいのが、待遇面のミスマッチです。待遇は従業員が重視する要素の1つであるため、ギャップを感じた場合はストレスをためやすくなります。待遇におけるミスマッチの例を見ていきましょう。
- 事前に説明を受けていた金額より給与が低い
- ボーナスが出ると聞いていたのにボーナスをもらったことがない
- 労働時間や休日の条件が理想とかけ離れている
- 正社員登用制度がありながらなかなか機会を得られない
特に給与に関するミスマッチは、従業員の生活に大きく関わる問題です。思っていた金額より低い場合、早い段階での再就職を検討することになるでしょう。
転職後のミスマッチによるデメリット
ミスマッチが発生すると、どのような影響があるのでしょうか。転職後のミスマッチによる主なデメリットについて解説します。
十分なパフォーマンスを発揮できない
ミスマッチが起こると、十分なパフォーマンスを発揮できなくなります。仕事に生かせると思っていたスキルや経験を生かせないことが大きな理由です。
仕事で十分なパフォーマンスを発揮できなければ、会社が望む成果も上げにくくなります。なかなか結果を出せない状況が続くと評価が下がってしまい、昇進や昇給も期待できません。
また、周囲に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。結果を出せない人がチームにいる場合、チーム自体が責任を負うケースもあるためです。十分なパフォーマンスを発揮できない人に代わり、周囲が頑張らざるを得なくなります。
モチベーションが上がらない
やる気が低下しやすいこともミスマッチのデメリットです。転職先で違和感やズレを感じると、モチベーションが上がらなくなるため、生産性も下がってしまうでしょう。
モチベーションが低い人は、周囲にも悪影響を及ぼしやすくなります。無気力で覇気のない人がいると、組織やチームの雰囲気が悪化しやすくなり、会社の業績にも悪影響を与えかねません。
やる気が出ない状況が続くと、最終的には離職してしまうケースもあります。せっかく転職できた会社で早期離職しないためにも、ミスマッチの回避に努めることが大切です。
転職後のミスマッチを回避するポイント
転職活動中に対策を講じていれば、転職先でのミスマッチの回避が可能です。転職後のミスマッチを回避するためのポイントを紹介します。
自己分析で自分自身と向き合う
ミスマッチを回避するためには、自己分析を行って転職の軸を持つ必要があります。希望する条件に優先順位を付け、「これだけは譲れない」というものを明確にすることが大切です。
転職先にはさまざまな条件を求めがちですが、全ての条件を満たす会社を見つけるのは困難です。しかし、譲れない条件を設定し、それを満たす企業に転職すれば、ミスマッチの回避が可能です。転職先に高望みをせず、譲れない条件と妥協できる条件を分けて考えておきましょう。
企業研究で情報収集を行う
転職後のミスマッチを防ぐ方法の1つに、企業研究で情報収集を行うことも挙げられます。企業の基本情報や特色などを確認しておけば、転職後に「こんなはずではなかった」と感じにくくなるでしょう。
企業のWebサイトや求人票を細かくチェックすれば、ミスマッチの原因になりそうな情報を事前に収集することが可能です。企業研究の時点で「自分には合わない」と感じた場合、その企業を候補から除外することもできます。
企業研究により転職活動を有利に進められる点もポイントです。応募企業について詳しくなっておけば、面接の際に好印象を与えやすくなります。
労働条件をしっかりと確認する
待遇におけるミスマッチは、労働条件をしっかりと確認することで防ぎやすくなります。内定者に対して提示される「労働条件通知書」の内容をチェックしましょう。
企業には採用後の労働条件を記載した労働条件を内定者に明示する義務があります。求人票や面接で確認した内容と労働条件通知書の内容を比較し、相違がないか細かく確かめることが重要です。
労働条件通知書の内容に納得できなければ、内定を辞退できます。「早く入社したい」という気持ちが強くても、労働条件の確認はきちんと行いましょう。
ミスマッチの予防につながるおすすめの逆質問
面接はミスマッチの予防につなげられる重要なシーンの1つです。面接で聞いておきたいおすすめの逆質問を見ていきましょう。
入社後の業務内容
求人票の確認や企業研究だけでは、業務内容におけるミスマッチを完全に防ぐことは困難です。具体的な逆質問の例をまとめました。
- 企画部門で働く場合はどのようなスキルが必要でしょうか
- 入社までに身に付けておくべきスキルはありますか
- 配属先がどのように決まるのかを教えていただけますか
- 御社で評価される人にはどのような特徴がありますか
- 営業部門の1日の流れを大まかに教えていただけますか
入社後の業務内容について面接で逆質問すれば、より細かく業務内容をチェックできます。求人票や企業研究だけでは分からないことを聞くのがポイントです。
企業の社風
応募企業の社風は求人票やWebサイトから読み取りにくいため、面接で聞くのがおすすめです。次のような逆質問をしてみましょう。
- 業務時間以外に社員が集まる機会はありますか
- 他部署との交流はどの程度ありますか
- 社員同士がお互いを高め合うような機会は設けられていますか
- 営業部部門の規模や男女比はどの程度でしょうか
上記のような逆質問を投げかければ話が膨らんでいきやすいため、職場の雰囲気もチェックしやすくなります。
転職後のミスマッチは事前の対策で防げる
転職後にミスマッチが起こると、十分なパフォーマンスを発揮しにくくなります。モチベーションが下がりやすくなることもデメリットです。
転職後のミスマッチは事前の対策で回避できます。自己分析や企業研究を徹底して行い、自分に合った企業を探しましょう。
ミスマッチを防ぐポイントを押さえたら、求人サイト「スタンバイ」で仕事を探すのがおすすめです。全国の求人が豊富に掲載されているため、理想の転職先がすぐに見つかるでしょう。