バイト履歴書の志望動機には、応募者の人柄や仕事に対する熱意が表れます。採用する側の視点を考えながら、自分の強みや魅力を最大限にアピールしましょう。好印象を与える書き方のポイントや注意点を、例文付きで紹介します。
バイト履歴書の志望動機はどう書く?
バイトの採用担当者が重視するのは、シフト希望日や職務経歴だけではありません。履歴書の志望動機も、採用の可否を決める重要な要素です。「この人を採用したい!」と思わせるには、何を意識すればよいのでしょうか?
自分の経験や強みと関連付ける
バイトの求人を出す店舗や会社の大半は、即戦力になる人材を求めています。人手不足に悩む業界では、スタッフ育成に多くの時間やコストを費やせない事情もあり、1日でも早く戦力になってほしいのが本音です。
社会人経験がある人は、仕事で得た学びやスキルを志望動機に盛り込むのがポイントです。特に同じ業種・業界で働いていた経験は、大きなアピールポイントになります。関連する資格があれば、評価はさらに高まるでしょう。
社会人経験がない人や未経験の職種にチャレンジする場合は、自分の長所や、その仕事で強みになり得るポイントを伝えます。
- 複数のことを手際よくこなせる
- 人と接するのが好き
- 相手の立場に立ったアドバイスができる
接客系のバイトであれば、上に挙げたような点をアピールできるでしょう。
応募先への興味・共感を示す
採用担当者が志望動機を通じて知りたいのは、数あるバイト先の中から自社(自店)を選んだ理由です。時給のよさや勤務地の近さが正直な理由であったとしても、応募先への興味やビジョンへの共感を示すと、印象がグンとよくなるでしょう。
- スタッフの接客態度に感動し、自分も働いてみたいと思った
- 福利厚生が充実していて、長く活躍できると感じた
- 大好きなブランドなので、スタッフになって魅力を伝えたい
採用する側は正社員でなくても、やりがいを持って生き生きと働いてほしいと思っているため、労働意欲や熱意を率直に伝えてくる応募者に好感を抱きます。
学ぶ姿勢をアピールする
社会人経験がない学生や業界未経験の場合は、学ぶ姿勢をアピールしましょう。
- バイトの中で、社会人として必要なスキルを身に付けたい
- 将来の就職のため、今のうちにいろいろなことを経験したい
- 外国人観光客の案内を通じて、語学をレベルアップさせたい
正社員の志望動機で学ぶ姿勢を強調すると、自分から戦力になろうとしない人としてマイナスに評価されがちですが、バイトだとそうとは限りません。
「将来のためなら真面目に仕事をしてくれるだろう」と前向きに捉える採用担当者は多く、ポテンシャル採用につながる可能性があります。
「お金のため」という理由は使える?
志望動機が「お金を稼ぐため」だと、イメージが悪くなってしまうと思う人もいるでしょう。しかしバイトの場合、お金に関する志望動機が必ずしもマイナス評価につながるとは限りません。書き方によっては、好印象を与えるケースもあります。
バイトは個人の事情が考慮されやすい
バイトは正社員と比べて、経済面や家庭の都合など、働く側の事情が考慮されやすい働き方です。正社員の志望動機ではNGとされる内容でも、悪影響を及ぼさないケースが多いと考えましょう。
採用担当者は生活費を稼ぎたい応募者に対し、「しっかり働いてくれそう」と期待感を覚える可能性があります。勤務地や時間などの事情を理由とした志望動機に関しても、次のような好印象を与えられるケースが少なくありません。
- 勤務地が近いから:遅刻の心配がなさそう
- 時間があるから:シフトに柔軟に対応してくれそう
- ライフスタイルに合っているから:長く働いてくれそう
自分の事情を軸とした志望動機を伝えつつ、応募先に感じた魅力や熱意も盛り込むとよいでしょう。
目的を明確に伝えることが重要
お金を志望動機に挙げる際は、なぜお金が必要なのかをできるだけ明確に伝えましょう。単にお金を稼ぎたいからではなく「〇〇のためにお金が必要だから」と、必然性をアピールするのがポイントです。
- 留学のためにお金を貯めているので、時給の高さを重視した
- 親の仕送りに頼らずに、自分で生活費を稼ぎたい
採用担当者は、長く誠実に働いてくれる人を採用します。お金を稼ぐ目的がはっきりしている人なら、短期間で辞めずにしっかりと働いてくれると判断されやすいのです。
履歴書の志望動機を書く際の留意点
狙っているバイト応募者が複数人いる場合は、いかに差別化を図るかを考える必要があります。軽い気持ちで応募したと思われないように、本気度を伝えることも重要です。印象に残る志望動機にするためのポイントを見ていきましょう。
情報収集で理解を深める
バイトの応募にあたって志望動機を書く際は、応募先のリサーチからスタートします。商品のコンセプトやお店の特徴などをあらかじめ分かっていた方が、志望動機との関連付けやすいためです。
例えば、顧客第一の接客をコンセプトにしている店舗の場合、柔軟な対応力やコミュニケーション力の高さをアピールできるでしょう。
応募先のリサーチ手段は、求人情報やホームページが一般的です。ただ、近年はSNSを利用して自社ブランドの情報を発信する企業が増えてきました。最新情報を収集するためにも、応募先の公式アカウントがあれば小まめにチェックしておきましょう。
意気込みを伝えると好感度がアップ
単純な志望動機は、他の人と被る可能性があります。ありきたりな言葉では他の応募者の中に埋もれてしまうため、自分だけのエピソードや意気込みを盛り込みましょう。
多くの人は、志望動機の最後を「〇〇という理由で応募しました」「よろしくお願いいたします」で終わらせがちです。一見何の問題もないように思えますが、採用する側としては、淡々としていて物足りなさを感じます。
アパレル販売員のバイトであれば、
大好きなブランドの魅力を1人でも多くのお客様に伝えられるように、精一杯頑張ります。
と添えると、相手に熱意が伝わります。締めの言葉に迷ったときは、採用する側の視点で考えましょう。自分ならどのような人をメンバーに迎えたいかを基準にします。
文字は200字以内が目安
バイトの履歴書の文字数は、100~200字が目安です。多すぎると言いたいことが分かりにくく、少なすぎても意欲が伝わりません。
市販の履歴書にはいくつかの種類があり、バイトの応募では、パート・バイト用の履歴書を使用する人が多いようです。
パート・バイト用は職務経歴や志望動機の欄が少なく、本人希望欄が多めに確保されているのが特徴です。JIS規格や一般用の履歴書を使っても構いませんが、人によっては余白が目立ってしまうかもしれません。
志望動機の一例を職種別に紹介
バイトの志望動機は、応募職種によって内容を変える必要があります。職種ごとの特徴を理解した上で、整合性のある志望動機を考えましょう。具体例を挙げながら、作成時のポイントや注意点を解説します。
飲食・フード関連の場合
飲食・フード関連のバイトは、キッチンとホールに大別されます。キッチンスタッフは短時間で何皿もの料理を完成させなければならないため、手際のよさが欠かせません。
一方、ホールスタッフには、コミュニケーション力や体力が求められます。未経験であっても、臨機応変に動けることをアピールすれば、採用につながる可能性があります。
幼い頃から両親と貴店を訪れる機会があり、料理のおいしさや接客の温かさにいつも気持ちが満たされていました。
仕事・プライベートを問わず人と話すのが好きで、さまざまな年齢層の方とコミュニケーションできるのが強みです。自分の長所を生かし、お客様に喜ばれるサービスができるように精一杯頑張ります。
飲食店といっても担当する業務はさまざまなので、自分が応募する職種に絡めて志望動機を考えましょう。
販売・アパレル関連の場合
販売・アパレル関連の業務内容は多岐にわたりますが、メインは接客です。過去に接客業の経験があれば、積極的にアピールしましょう。
アパレル業界のバイトでは、ブランドが好き・普段から愛用している・店舗の雰囲気がよいなど、実際の感想を添えると好感度がアップします。
貴社が展開するサステナブルファッションに共感し、3年前からバックや小物類を愛用しています。大好きなブランドの魅力を多くの方に伝えたいと思い、販売スタッフのバイトに応募いたしました。
将来はアパレル業界への就職を考えており、学生のうちにさまざまな経験を積みたいと考えております。1日でも早く即戦力になれるように尽力いたします。
実際に店舗や商品を利用した経験がない場合は、ホームページやSNSを隅々までチェックした上で、関心の高さを示すのがポイントです。
軽作業・物流関連の場合
軽作業・物流関連のバイトでは、倉庫での仕分け・梱包・組立・検品・配送などを担当します。
繁忙期は人手が足りなくなるため、シフトに柔軟に対応できる人や体力がある人、1人で黙々と作業ができる人が重宝されるでしょう。
以前、化粧品の工場でピッキングに携わった際に、正確さや作業の速さを褒めていただいたことがあります。自分の経験と強みを生かしたいと思い、貴社のピッキング作業員に応募いたしました。
また、夜17時からのシフトが自分のライフスタイルに合っており、長く続けられそうだと感じました。出勤日は貴社の都合に合わせられます。
過去の経験と絡めて強みを伝えられれば、志望動機に説得力を持たせられます。
不採用になりやすい志望動機の特徴
正社員のでは見送りになるような志望動機でも、バイトの場合は許容される可能性があります。とはいえ、何を書いてもよいわけではありません。採用のメリットが感じられなかったり、社会人としての常識を逸脱していたりすれば、採用は遠のきます。
自分都合の理由が多すぎる
バイトの志望動機には、シフトや勤務時間などの希望条件を盛り込んでも問題ないとはいえ、自分の都合ばかりを並べるのは好ましくありません。
いくら人手が足りなくても、仕事への意欲が感じられない人や一方的な主張しかしない人を採用したいとは思わないでしょう。
ポイントは、自分の希望を採用側のメリットに変換することです。例えば授業がない日だけ働きたい学生の場合、
午前中は授業がありますが、午後なら柔軟に対応ができます。
というように、代わりに貢献できるポイントを伝えます。働けない日を強調するのではなく、働くことを主体にした表現を心がけましょう。
前向きさが感じられない
社会人経験が少ないと、自分を過小評価したり逆に仕事を甘く見すぎたりして、表現がネガティブになるケースがあります。下記のような志望動機では、採用担当者が不安を覚えるかもしれません。
- 社会人経験ゼロの自分でもできそうだったから…
- 未経験なので、できるかどうか自信がありませんが…
- 他に応募できる求人がなかったので…
たとえ未経験であっても、長所や強みを掘り起こし、自分なりにどう貢献できるかを伝えるのが理想です。まだ未熟だと感じる人は、学ぶ姿勢や向上心をアピールしてもよいでしょう。
誤字脱字が目立つ
履歴書は、手書き・パソコンのどちらでも構いませんが、誤字脱字にはくれぐれも注意しましょう。誤字脱字が目立つと、志望度が低いと見なされかねません。仕事でもミスが多いのではないかと疑われる可能性もあります。
手書きで字を誤った際は、たとえ1文字でも書き直しをするのが基本です。時間がなくてやむを得ない場合のみ、二重線と訂正印で修正します。
履歴書の書き方や文字には、人となりが表れるともいわれます。採用担当者がチェックしているのは、志望動機の内容だけではないことを肝に銘じましょう。
要点を押さえて働く意欲を伝えよう
履歴書の中で、志望動機は最重要項目といっても過言ではありません。バイトの求人はシフトが合うかどうかかに重きを置かれがちですが、応募者の働く意欲や熱意も重要です。
志望動機は、表現の仕方で相手に与える印象が大きく変わります。時には本音をオブラートに包んだり、ポジティブな表現に言い換えたりする工夫も必要でしょう。
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