ハウスキーパーは、依頼のあった顧客の代わりに家事を行う職業です。しかし、ほかにもハウスキーパーと呼ばれる仕事があるのを知っているでしょうか?ハウスキーパーの仕事内容や向いている人の特徴、あると役立つ資格などについて解説します。
ハウスキーパーとはどういう仕事?
一口にハウスキーパーといっても、個人宅のサポートをする仕事のほか、ホテルの客室係を指すケースもあります。まずは、それぞれどのような仕事をするのか確認しましょう。
個人宅の家事全般をサポートする仕事
個人宅におけるハウスキーパーは、顧客の自宅を訪問して、掃除・洗濯・料理・買い出しなどの家事全般を代行する仕事を指します。「家政婦」というと、イメージしやすいかもしれません。
日常的に生活している住居だけでなく、別荘や個人が所有している事務所などの管理を任されるケースもあります。
ハウスキーパーになるには、家政婦紹介協会や派遣会社に登録するのが一般的です。日常的な家事スキルがあれば、特別な資格は必要ありません。
1日に数時間の勤務になるケースがほとんどですが、場合によっては顧客の家に住み込みで対応するケースもあります。
家事代行サービスとの違い
家事代行サービスも、顧客に依頼されて個人宅の家事を代行する仕事を指します。ハウスキーパーとの主な違いは、契約方法や業務内容といった点です。
ハウスキーパーは、家政婦紹介所などから派遣され、顧客と直接契約を結びます。一方の家事代行サービスの場合は、家事代行会社と顧客の間で契約を交わすため、個人間での契約にはなりません。
また、ハウスキーパーは担当する顧客が決まっており、日によってすべき作業が異なる場合もあります。しかし家事代行サービスは、毎回同じ場所に派遣されるとは限らず、料理・清掃代行など、あらかじめ業務内容が決められているのが一般的です。
ホテルの客室係のことも指す
ホテルの客室係も、ハウスキーパーと呼ばれます。ホテルのハウスキーパーの主な業務は、ゲストがチェックアウトした後の客室の清掃です。
客室全体を清掃した後に、シーツ・カバーなどのリネン類を交換し、次のゲストのためにベッドメイキングを行います。バスルーム・トイレを清掃した後は、タオルなどのアメニティ類の補充・交換もしなければなりません。
また、滞在中のゲストから追加の寝具・タオルなどの依頼があった場合に、客室に届けるのもハウスキーパーの役割です。
客室を清潔に整えるだけでなく、チェックアウトから次のチェックインまでの間に清掃を完了する必要があるため、効率的に作業できるスキルも求められます。
ハウスキーパーのやりがいやメリット
ハウスキーパーの仕事には、どのようなやりがいやメリットがあるのでしょうか?代表的なメリットを2つ紹介します。
感謝の言葉をもらえる
まずは、顧客から感謝されたときに、大きなやりがいを感じられる点が挙げられます。
ハウスキーパーは、家事のスキルを生かして働ける仕事です。自宅ではどんなに家事を頑張っても、その都度家族から「ありがとう」と言われる機会は少ないかもしれません。
しかし、家事代行の仕事となると、当然のことをしているだけでも「家事をやってもらえて助かる」「部屋がきれいで気持ちよい」といった感謝の言葉をもらえます。
自分の得意なスキルを生かした仕事で、人の役に立てているという達成感も味わえるでしょう。
プロのスキルが身に付く
掃除・片付けに関するスキルが、プロレベルで身に付くというメリットもあります。仕事で習得した技術・テクニックを、そのまま自宅での家事に生かせるのもポイントです。
ホテルのハウスキーパーとして働く場合は、普段の家事スキルに加えて、プロならではの手法も習得できます。
部屋をきれいにするスキルはもちろん、相手に喜んでもらうホスピタリティについても、実体験を交えながら学べるでしょう。ハウスキーパーの仕事で得た経験は、人を相手にする他職種にも生かせます。
ハウスキーパーに向いている人
ハウスキーパーは、家事が得意な人にとってうってつけの仕事です。向いている人の特徴について、具体的に見ていきましょう。
几帳面な人
几帳面な人は、丁寧に仕事ができるので、顧客が期待する以上にクオリティの高いサービスを提供できるでしょう。ハウスキーパーは、日常的な家事の代行とはいえ、プロとして仕事をしなければなりません。
例えば、掃除をした場所にほこり・汚れが残っていれば、顧客は不満に感じてしまうでしょう。几帳面な人は、細かい部分まで丁寧に掃除できるので、顧客の満足度も高くなります。
特にホテルで働く場合は、客室の印象が全体のイメージに影響するため、妥協せず掃除できる几帳面な人に向いているでしょう。
気配りができる人
気配りができる人や、ホスピタリティ精神のある人にも向いています。ハウスキーパーは、依頼された家事をただこなすのではなく、いかに顧客が快適に生活できるかを考えながら作業することが大切です。
例えば、掃除・片付けをした後に、あるべき場所から物が移動されていると、顧客はとまどってしまいます。気配りができる人なら、相手に喜んでもらえるにはどうすればよいか、考えながら作業できるでしょう。
マニュアルに沿った作業はもちろん、プラスアルファの気配りができると、顧客からの評価も高くなります。
人と接するのが好きな人
ハウスキーパーは、基本的にサービス業のため、人と接するのが好きな人に向いています。掃除・料理などの作業は1人で行いますが、場合によっては高齢者・子どもの世話を依頼されるケースもあります。
依頼を受ける際のやりとりもあるため、顧客とのコミュニケーションは欠かせません。顧客側からしても、話しかけにくい人には仕事を頼みにくく感じてしまいます。
人と接することが好きな人なら、顧客とも良好な関係を築けるでしょう。ホテルに勤務する場合は、ゲストに直接対応することもあるので、より高いコミュニケーション能力が求められます。
ハウスキーパーに役立つ資格
ハウスキーパーは、特別な資格がなくてもなれる職業です。しかし、取得しておくと役立つ資格もあります。主な資格を3つ見ていきましょう。
クリンネスト
「クリンネスト」は、短時間で効率的に掃除するための基本的な考え方や、洗剤・道具の使い方など実践的なやり方について学べる資格です。2級と1級に分かれており、2級は講座を1日受講するだけで取得できます。
取得することで清掃に関するスキルが身に付くほか、ライフスタイル・価値観に合った掃除プランを作成できるようになるでしょう。さらに、1級を取得すれば掃除のプロ「クリンネスト」を公に名乗れます。
全国各地で開催される講座のほか、オンラインでも学べるので、仕事や子育てで忙しい人でも比較的取得しやすい資格です。
ハウスキーピング協会認定公式HP・お掃除スペシャリスト|一生役立つお掃除資格!
整理収納アドバイザー
「整理収納アドバイザー」は、整理収納の考え方や、実践的な収納スキルが身に付く資格です。2級・準1級・1級の3段階があり、2級は受講資格が特にないので、講座を1日受ければ誰でも取得できます。
好きなときに受講できるWEB講座もあるので、仕事で時間が取りにくい人にもぴったりです。整理整頓が苦手な人や、家事のスキルを生かして仕事をしたい人にはおすすめの資格といえるでしょう。
1級を取得すると、「整理収納アドバイザー」を名乗り、プロフェッショナルとして活躍できます。
ハウスクリーニング技能検定
「ハウスクリーニング技能検定」は、ハウスクリーニングに従事する人の技能を証明できる、職業能力開発促進法に基づく国家検定です。
学科試験のほかに、レンジフードなどキッチン周りの汚れ落としや、フローリング床の傷補修などの実技試験も行います。
合格すると「技能士」の称号を与えられるので、転職などのキャリアアップにも役立つでしょう。受検には3年以上の実務経験が必要ですが、パート・アルバイトとしての経歴も認められます。
本格的に掃除のプロフェッショナルとして活躍したい人に、おすすめの資格です。
ハウスキーパーは家事・清掃のプロ
ハウスキーパーは、家事・掃除のプロともいえる職業です。顧客に感謝されたり、日常の家事に生かせるスキルが身に付いたりと、仕事で得られるやりがいやメリットも数多くあります。
基本的な家事スキルがあれば、特別な資格がなくてもできるため、掃除・片付けが得意な人は目指してみてはいかがでしょうか。
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