ナイトマネージャーの仕事内容とは?やりがいや求められる資質も

ホテル・旅館などの宿泊施設には、ナイトマネージャーという存在がいます。いつどのような仕事を、担当するのでしょうか?主な仕事内容や、働く時間帯を解説します。ナイトマネージャーに向いている人や必要な資質、やりがいについても見ていきましょう。

ナイトマネージャーとは

ホテルの入り口

(出典) pixta.jp

ホテル業界における「ナイトマネージャー」とは、どのような職業を指すのでしょうか?基本的な概念や、勤務時間について解説します。

ホテル・旅館の夜間責任者を指す

ホテル業界では一般的に、ナイトマネージャーを「夜間責任者」と定義しています。ホテル・旅館で夜間に勤務し、宿泊者対応や巡回を行う仕事です。

ナイトマネージャーの役割は、勤務先の体制によっても異なりますが、全体の責任者としての業務のほか、フロント業務を任されるケースもあります。

「マネージャー」という名称であっても管理職であるとは限らず、周囲のスタッフの統括よりも実務が中心となっている場合もあるため、求人の内容はしっかり確認しましょう。

勤務時間は主に3パターン

勤務先によって、夜間スタッフの勤務時間は異なります。主な勤務時間は、2交替制・3交替制・夕方から翌日午前中までの通し勤務の3パターンです。

2交替制は1日の勤務を2回に分け、日勤と夜勤が交代で働きます。仮眠を挟んで21時~翌9時など、拘束時間は12時間です。

3交替制は1日を3つのシフトに分け、8時間ごとに交代します。休憩時間は勤務の時間帯にもよるものの、2交替制より短く設定されている場合が多いでしょう。

夕方から翌日の午前中までの通し勤務は、勤務時間が長くなります。ほぼ1日半拘束される半面休みが多いため、できるだけ勤務日数を減らしたい人に向いている働き方です。

ナイトマネージャーの仕事内容

ホテルの受付

(出典) pixta.jp

ナイトマネージャーは、複数の業務を担当します。勤務する宿泊施設の体制によっても異なりますが、主な業務を確認しましょう。求人内容を見る際は、具体的にどの業務に従事するのか、確認しておくことが大切です。

フロント業務や宿泊客対応

ナイトマネージャーは、夜間のフロント業務や宿泊客対応を主に担当します。夜にチェックインする宿泊客や、深夜・早朝にチェックアウトする宿泊客の対応が基本となるでしょう。

また、夜間にトラブルが起きたときの緊急対応や、宿泊客・外部からの問い合わせに対応する可能性もあります。夜間スタッフの数は少なく、責任者として勤務する場合は、何かあったときの判断を求められる立場となるでしょう。

フロントや宿泊客対応の合間に、事務作業・会計管理に従事するケースもあります。

宿泊施設内の巡回

ナイトマネージャーの仕事内容には、施設の巡回が含まれているケースがあります。求人によっては、夜間警備の目的で巡回業務を行うパターンもあるため、内容を確認しておきましょう。

もし警備を担当する場合は、警備員としての資質も備えている必要があります。夜間は2人以上の体制で警備を担当するケースが多いものの、何か問題が起きたときには、速やかに対応しなければなりません。

警備員が別に配置されている場合は、責任者として各フロアの状況を確認し、業務をスムーズに進める目的で巡回を行うケースもあります。スタッフの指導や全体の状況を把握するには、定期的な確認が求められるでしょう。

ナイトマネージャーに向いている人

ホテルスタッフ

(出典) pixta.jp

ホテルで夜間に働くナイトマネージャーには、どのような人が向いているのでしょうか?仕事内容や勤務時間帯から、向いている人の特徴を紹介します。

深夜帯の勤務に抵抗がない人

ナイトマネージャーが働く時間は、夕方から翌日午前中までの深夜帯です。仮眠を取るケースが多いとはいえ、夜の睡眠時間は短くなります。

たとえ仮眠中でも、何らかの問題が発生すれば対応しなければなりません。基本的に、夜に起きて昼に寝る生活となる可能性は高いでしょう。

深夜帯の勤務に抵抗がない人は、ナイトマネージャーとして働く資質があるといえます。これまでに夜勤を経験したことがあり問題を感じなかった人や、夜に強い人は検討してみてもよいでしょう。

宿泊施設や接客業務の勤務経験がある人

管理職としてのナイトマネージャーは、これまでに宿泊施設で働いた経験を持つ人が求められるのが一般的といえます。責任者として高度な判断を求められるケースが多く、同業界での勤務経験・実績が求められるためです。

求人の内容が管理職でない場合は、未経験者でも採用される可能性が高くなるでしょう。もし、フロント業務の経験や接客対応の経験があれば有利です。

夜間・早朝には、フロント業務や問い合わせ対応を担当するケースが多くなるため、宿泊客と適切にコミュニケーションを取れる人が向いています。

ナイトマネージャーに必要な資質・スキル

お客様対応するホテルスタッフ

(出典) pixta.jp

ナイトマネージャーには、一定の資質・スキルが求められる場合があります。保有しておいた方がよい資質やスキル、資格を確認しましょう。

宿泊客に気を配るホスピタリティ精神

ホテル業界で働く上では、宿泊客に気を配り、もてなす気持ちが欠かせません。夜間に働くナイトマネージャーであっても、同様です。

一般的に夜勤は接客の機会が日中よりも少なくなりますが、宿泊客のチェックイン・チェックアウト・問い合わせ対応は、夜間・早朝であっても行われます。

宿泊客に快適に過ごしてもらえるよう、ホスピタリティ精神が求められるでしょう。ちょっとした心配りや、満足度を高めるための行動が、宿泊施設に対する評価につながります。

英語・中国語などの語学力

ホテル業界では、外国人の宿泊客に対応するケースもあります。特に責任者として勤務する場合には、語学力が求められる可能性もあるでしょう。

必須のスキルではないものの、外国人宿泊客が多い施設では有利に働きます。言葉が通じればスムーズにコミュニケーションが取れ、フロント業務や問い合わせにも対応しやすくなるでしょう。

主に英語・中国語など、使用する機会が多い言語が役立ちますが、勤務する施設の傾向によって必要な言語は異なります。

ホテル業界に関する資格

ホテル業界で役立つ資格は、多くの民間団体が認定しています。ナイトマネージャーの仕事に就く上で、業務に関する資格を保有していると有利に働くでしょう。

例えば、「ホテルビジネス実務検定」は、ホテル業務に必要な知識・技術を学ぶ検定です。一般財団法人日本ホテル教育センターが、認定しています。

そのほか、一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会が認定する「ホテル・マネジメント技能検定」も、管理職として働く上で学んだ知識を生かせるでしょう。

語学力を証明したい場合は、「TOEIC」などの検定の受検が選択肢に挙がります。どの資格・検定も必須ではないものの、スキルを証明する上で役立つでしょう。

出典:ホテルビジネス実務検定試験【公式】

出典:一般社団法人 日本宿泊産業マネジメント技能協会

出典:【公式】TOEIC Program|IIBC

ナイトマネージャーのやりがい・魅力

ホテルで働く人物

(出典) pixta.jp

ナイトマネージャーには、さまざまなやりがいがあります。求人に応募する前に、どのようなやりがい・魅力があるのか、把握しておきましょう。自分の特性や希望に合うようなら、ポジティブな気持ちで働けるはずです。

宿泊客から感謝される機会が多い

夜間・早朝の対応には、緊急度の高いものもあります。責任者として問い合わせ・トラブルに対応するナイトマネージャーは、感謝される機会も多いでしょう。

フロントでのチェックイン・チェックアウト業務でも、宿泊客から直接声をかけられる場面があります。宿泊施設を利用した人から、感謝の声を聞けるのはうれしいものです。

宿泊客からの声が必ずしも好意的な評価とは限りませんが、その分感謝の言葉をもらえればやりがいにつながるでしょう。

深夜手当があるため高給を目指せる

夜間に働くと、深夜手当が支払われます。割増賃金の対象となっているのは、22時~翌5時の間です。昼間に働く場合と比べて、25%の賃金が上乗せされます。

ナイトマネージャーの多くは22時~翌5時を含む時間に働くため、割増賃金の分、高給を目指せます。仮眠時間が含まれているとしても、緊急事態への対応や指定の場所で仮眠しないといけない場合、基本的には賃金支払いの対象です。

仮眠を含んだ勤務時間が長くなる場合、割増賃金だけでなく、時間外労働の手当を受け取れる可能性もあるでしょう。

ただし、明確な休憩時間であり、職場から離れることを許されるのであれば、無給と判断されるケースもあります。

出典:法定労働時間と割増賃金について教えてください。|厚生労働省

ナイトマネージャーはホテル業界に不可欠な存在

ホテルスタッフ

(出典) pixta.jp

宿泊施設で働くナイトマネージャーは、夜間勤務に特化した責任者です。フロント業務や巡回など、さまざまな業務を担当します。夜勤で稼ぎたい人や、これまでの経験を生かしたい人にもおすすめの仕事です。

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