美術館スタッフの魅力は、美術作品に囲まれながら仕事ができることです。学芸員や司書がメジャーですが、特別な資格を必要としない職種があるのをご存じでしょうか?仕事探しのヒントや、面接を成功させるポイントを解説します。
美術館スタッフになるには?
アートが好きな人の中には、美術館で働くことに憧れを抱いている人も多いでしょう。美術館スタッフとひと口にいっても、さまざまな職種があります。
職種によっては資格が必要
美術館スタッフの中でも、「学芸員」と「司書(美術図書室司書)」になるには、資格が必要です。
学芸員は、研究職と教育職を兼ねたポジションで、資料の管理や展示の企画、教育普及活動などを担当します。美術館や博物館で働くには、学芸員の資格を取得することが前提です。
司書は、主に美術館の図書室に勤務します。本や資料を管理したり、利用者の調べものをサポートしたりと、図書室の運営に幅広く関わるのが特徴です。司書として活躍するには、図書館法が定める司書の資格を取得しなければなりません。
出典:学芸員 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
出典:図書館司書 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
職探しは求人サイトや派遣会社などを活用
美術館では、学芸員や司書以外にも多くのスタッフが働いています。雇用形態もさまざまで、時給制のアルバイト・パートで働く人も少なくありません。
アルバイト・パートは、「美術館が直接募集・採用をするケース」と「人材派遣会社などを介して募集するケース」に大別されます。派遣会社を経由する場合、派遣会社・派遣社員・美術館の3者で顔合わせをするのが通常です。
求人情報を探す手段としては、求人サイトやハローワークの活用、人材派遣会社などへの登録が挙げられます。
「スタンバイ」は、全国の求人情報を一括検索できる求人検索エンジンです。業種や職種、雇用形態などで絞り込めるため、自分の希望する案件をスピーディーに探せます。
資格なしで働ける美術館の仕事4選
学芸員や司書などの専門職を除き、特別な資格がなくても求人に応募できるケースがほとんどです。資格なしで働ける代表的な職種と、仕事内容の詳細を解説します。
総合案内
美術館の総合案内にいるスタッフは、主に受付業務を担当します。多くのお客さまが来館するため、人と接するのが好きな人や、臨機応変に対応できる人が向いているでしょう。総合案内の具体的な仕事内容は、以下の通りです。
- チケットの販売
- 荷物の預かり
- 館内の備品の貸し出し
- お客さまの案内や誘導
- 問い合わせへの対応
近年は外国人観光客が増えているため、英語や中国語などの外国語ができる人を優遇するところもあるようです。
ミュージアムショップやカフェの店員
美術館には、グッズを販売するミュージアムショップやカフェが併設されています。ショップやカフェの店員になるのに、特別な資格は不要です。小売店や飲食店で働いた経験があると、即戦力と見なされるでしょう。
ショップ店員の仕事は、接客・レジ打ち・品出し・商品陳列・在庫管理などがメインです。カフェの店員は、ホール係とキッチン係に分かれます。
街中にある小売店や飲食店と比べて混雑が少ないため、初めての人でも比較的落ち着いて仕事ができるでしょう。
展示室の監視員
展示室の監視員の役割は、お客さまが展示物に手を触れたり、撮影をしたりしないように監視をすることです。
マナー違反者に対しては見て見ぬふりをせず、丁寧にルールを説明する必要があります。緊急事態が生じたときは、お客さまの安全を守るために避難誘導を行います。
なお、監視員は、施設内の警備・警護をする「警備員」とは異なる職種です。力仕事はありませんが、基本的に立ちっぱなしなので、体力に自信がある人が向いているでしょう。
展示物の数や建物の広さによっては、監視員のアルバイト・パートを大量募集することがあります。
経理担当者・広報担当者
経理担当者や広報担当者は、美術館の管理・運営を裏で支える「縁の下の力持ち」です。資格がなくても応募は可能ですが、経験者が優遇される可能性が高いでしょう。
経理担当者の役割は、お金の出入りを管理することです。主な仕事内容には、売り上げの管理・仕入れの管理・給与計算・決算資料の作成などがあります。
広報担当者は、WebサイトやSNSなどを通じて、企画展やイベントの告知を行います。メディア対応を行ったり、ステークホルダーと関係性を構築したりする必要があるため、コミュニケーション能力が求められるでしょう。
美術館スタッフの面接を成功させるコツ
美術館スタッフの内定を獲得するには、採用担当者に「この人材を採用したい」と思わせることが重要です。美術館にふさわしい身だしなみで面接に臨むとともに、自分の強みをしっかりとアピールしましょう。
応募職種にマッチしていることを伝える
面接では、必ずといってよいほど「志望動機」を質問されます。仕事内容や求められるスキルを事前にリサーチした上で、自分のスキル・経験が応募職種にマッチしている点をアピールしましょう。
例えば、応募職種が総合案内の場合、「ホテルの受付で培った接客技術とコミュニケーション能力を生かしたい」と伝えれば、採用担当者は入社後の活躍ぶりをイメージしやすくなります。
美術に関する高度な知識は、あまり必要とされません。しかし、アートへの興味を伝えるなど、「数ある就職先の中から美術館を選んだ理由」をしっかりと盛り込むのがポイントです。
清潔感のある落ち着いた服装で臨む
面接に適した服装は、職種や雇用形態によって変わります。「私服でOK」「スーツ着用」など、応募要項にあらかじめ記載があれば、指示に従いましょう。
アルバイト・パートの場合、スーツを着用しなくてもよいケースが多いものの、カジュアルすぎる服装や露出が多いスタイルは避ける必要があります。美術館だけに、清潔感のある落ち着いた服装が好ましいでしょう。
上は襟付きのシャツやジャケット、下は柄のないスカートやパンツが無難です。しわのある服や汚れた靴は、マイナス評価につながりやすく、事前の手入れは欠かせません。
美術館スタッフとして館の運営を支えよう
美術館スタッフというと、学芸員や司書を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、総合受付や監視員をはじめ、さまざまな職種の人が館の運営を支えています。
一部の職種を除き、特別な資格は必要とされないため、アートが好きな人はぜひ気軽に応募してみましょう。
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