ロマンあふれる。NASAを支える日本の知られざるメーカー

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家電や自動車など、製造業には欠かせない部品や化学素材。ミリ単位の正確な設計で精巧に加工された日本の部品、不可能を可能にした化学素材は、あのNASAさえ支えているのです。今回はNASAが採用した日本の部品・化学素材メーカーを調べてみました。

株式会社ユタカ

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株式会社ユタカは愛媛県松山市にある精密加工部品メーカー。ユタカで作られた部品は、食品から自動車、医療、電気・電子、航空機、宇宙など、多岐に渡るメーカーへと納品されています。NASAには国際宇宙ステーションで使われる部品を納品していたのだそうです。

他にもH2AロケットのエンジンやF1のエンジンのピストンやシリンダーなど、超高精度が要求される部品を提供し続けています。企業理念に掲げられた言葉は、「家庭」から「宇宙」まで。シビれますね。

高砂電気工業株式会社 

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製造業が多く集まる愛知県名古屋市の高砂電気工業株式会社は超小型・超軽量のポンプを開発するメーカー。このポンプが宇宙ステーション内で行われる実験装置としてNASAに採用されたのだそうです。

ちなみに来年夏には、京都大学の山中教授がノーベル賞を受賞したことで注目を集めているiPS細胞やES細胞など、再生医療の研究に使われる細胞培養装置を開発・市販化するとのこと。これからの時代を作る産業へも積極的に進出していく姿勢に、頭が下がります。

宇部興産株式会社

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山口県宇部市で創業された宇部興産株式会社は、もともと宇部にあった炭田を開発するために、地元の人々が出資してつくった会社だったそうです。「いずれは掘り尽くしてしまう有限の石炭を、工業の無限の価値に展開し、地域に永く繁栄をもたらそう」をスローガンに、次々と新事業を展開していきます。

行き着いた先がスペースシャトルに使われる高耐熱性樹脂の開発NASAとライセンス契約を結ぶまでに至りました。地域住民が作った会社が、宇宙まで辿り着いた。ロマンですな、ロマン。

株式会社SDC田中

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2008年、宇宙飛行士の星出彰彦さんは日本の宇宙実験棟「きぼう」と国際宇宙ステーションをドッキングする作業を行いました。この国際宇宙ステーションと「きぼう」を接続するネジを作ったのが大阪府大阪市にある中小企業、株式会社SDC田中

同社が開発したチタンやステンレスの表面を硬くする技術は、環境の厳しい宇宙空間でも長期間におよんでネジの腐食や摩耗を抑えることができるのだそうです。当時従業員22人の会社が生んだ、世界に誇る技術です。

岡野工業株式会社

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東京都墨田区にある下町の町工場、岡野工業株式会社。現在Webサイトは休止していますが、NASAのパラボナアンテナの部品開発を請けるなどしています。同社社長の持つプレス加工は「金型の魔術師」と呼ばれるほどの高い技術力を持っており、針の太さ0.2mmの痛くない注射針「ナノパス33」の開発でも有名です。

「出来ないといわれると俄然成功させたくなる」、「誰にも出来ない仕事をする」と述べる岡野社長。まさにカリスマですね。

株式会社GSユアサ

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F1のマクラーレンや航空会社ボーイングにバッテリー供給を行う、京都発祥の株式会社GSユアサ日本で初めて鉛蓄電池を製造した、電池開発・製造で有名な企業です。今年になって、同社製のリチウムイオン電池にNASAが注目し、国際宇宙ステーションの主電源は全面的にGSユアサの電池へと切り替えることが発表されました。

従来の電池よりも10年以上も寿命が長く設計されており、そのほか人工衛星での使用も見込まれています。国際宇宙ステーションは、日本の技術で作られた電池で宇宙を漂っているというわけです。

おわりに

ここで紹介したNASAで使われている日本の部品・化学素材はほんの一部。ほかにも多くの会社が開発した技術が採用されています。日本人宇宙飛行士だけが注目されがちですが、各メーカーが作った部品・化学素材も宇宙で大活躍しているんですね。

(参考:日経ビジネスJ-GoodTechエンタープライズ・ジン日刊工業新聞

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執筆者

みんなのスタンバイ編集者。三重県出身、元高校球児。テクノロジー系WEBメディアで編集をやりつつ、顔芸を極める。趣味はトライアスロンなどのメタボ予防と旅行とお酒。嫁は妊娠中。