伝統は革新の連続。これからの「いしかわ百万石」を共に築いてほしい

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平成27年3月、北陸新幹線金沢開業で、東京と最短2時間28分で結ばれた石川県。
日本海の新鮮な海の幸、輪島塗、九谷焼をはじめとした伝統的工芸品、世界農業遺産に認定された能登の里山里海や、加賀の由緒ある温泉地など、昨今は日本人のみならず外国人観光客で賑わう日本の観光名所となっています。そんな石川県の中小企業は今、どんな課題を抱え、どう変わろうとしているのか。
いしかわ就職・定住総合サポートセンターの人材活用推進グループ、グループリーダー村弘行氏にお話を伺いました。

江戸時代に「プロフェッショナル人材事業」を始めていた

石川県といえば、「加賀百万石」の加賀藩が有名ですが、この加賀藩の取り組みが、今の石川県の産業・文化に多大な影響を与えています。

江戸時代、徳川に次ぐ大きな藩であった加賀藩は、幕府の警戒心を和らげようと武力を誇示せず、文化奨励を行いました。学者や職人など各界の第一人者を江戸や京都から呼び寄せ、人材を集積させるとともに、工芸や建築などの技術奨励にも力を注いだのです。

その結果、学問が盛んになるとともに、さまざまな伝統の品が革新の連続により生まれる地となりました。加賀藩の取り組みは現在の石川県の産業・文化の礎となっていますが、まさに内閣府「プロフェッショナル人材戦略拠点事業」の先駆けとも言えます。

また、加賀百万石の文化を映す「兼六園」は、水戸偕楽園と岡山後楽園に並ぶ日本三名園の一つ。江戸時代の代表的な大名庭園で、四季折々の美しさを楽しめるため、昨今では海外からの観光客にも愛されています。

個人的には、伝統的な日本庭園でありながら、逆サイホンの原理で水位差を利用した「日本最古の噴水」があるところがお気に入りです。

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コマツを筆頭に、機械や電子など製造業が盛ん

産業面では、石川県は製造業の割合が高いのが特徴。小松市を創業地とする建設機械メーカー「コマツ」があり、コマツの工場やその関連企業も多い。建設機械の国内シェアで1位、世界シェアでは2位を誇っています。

その他にも、高速自動織機で世界シェア1位の企業、瓶詰め装置で世界トップクラスのシェアを誇る企業など、グローバルなモノづくり企業が多数存在。おもしろいのは、特定の分野で高いシェアを有する「ニッチトップ企業」が集積していること。回転寿司ベルトコンベア機械シェア世界一、日本酒ラベルシェア日本一など、「え! それも石川県産!?」と思われる製品が数多くあるのです。

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IT・情報サービス産業においても、業務用イメージスキャナの生産で世界トップシェアをはじめ、世界最高クラスの品質のディスプレイメーカーやコンピュータの周辺機器のメーカーがあるのが特長です。

石川県で生まれた私も、大学卒業後は地元の機械メーカーに就職し、検査・品質保証、生産技術、製造現場を経て、設計、販売に永年従事してきました。オイルショック後には、製品の海外販売もスタートし、自分の設計した製品がアメリカで、ジェットエンジンの部品加工に活用されていて驚きましたね。

長きにわたって、一事業部門を担当し、経営の難しさとグローバル競争での勝ち残りに頭を悩ませ、無我夢中で仕事に取り組んでまいりました。

その後、役員を経て顧問として勤務していた時に、石川県からお誘いがあって企業の人材確保支援に携わることになりました。

これらの経験を活かし、地元中小企業の活性化のために共に悩み考えることで少しでもお役にたてたらと考えた次第です。

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必要なのは、事業を革新するキーパーソン

そんな石川県における企業の課題は、二次請け三次請けの中小企業が、市場のグローバル化に対応し、自立して自走できるだけの事業計画や戦略が十分に作れていないこと。

今までは、従来の取引先との関係を維持することが第一でしたが、不確実性の高い現在、リスク分散を考慮した堅実な経営が求められます。現在から将来の市場変化をも考慮した柔軟な戦略を練れるような、「企業革新請負人」的なキーパーソンが必要なのです。

特に、社員が10人や20人といった小規模企業は、将来の事業計画が社長の頭にあるだけで社員に伝わっていないケースがほとんどです。しかも、社長もその計画を紙に落とせない。だけど、話を聞いてみると、コアで優れた技術を持っていることが多く、社長自身がそれに気づいていないということすらあるのです。

強みを生かした戦略を立てるだけで、前進し始める企業は多くあります。だから、外からのアドバイザーが一人加わるだけで、「伝統は革新の連続」を実践してきた加賀百万石の地、石川県の企業だからこそ、もっと変われる底力があると思っています。

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実際に、キーパーソンを採用できた企業は、短期間で成長し始めています。あるプラスチック製造会社では、工場長や工場長補佐レベルの方をキーパーソンとして雇い入れたことが功を奏しました。新しいニーズに対応した新素材での商品開発を通して企業が成長し、さらに新規の人材を採用できるようになり、なんと、半年の間に社員の数は100人から130人に増えたのです。

さらには、自社の変革を目の当たりにした息子さんが東京からUターンされ、中期の経営計画を遂行されるなど、事業継承にも成功しています。製造だけではなく、販売のグローバル展開も計画にいれ、次々と新たな人材ニーズが生まれています。

UIターンは十人十色、企業ニーズも百社百様

企業への人材確保支援の経験を通じ、仕事と家族のあり方を真剣に考える方がますます増えてきていると感じています。転職相談を受けていますと、特に首都圏からの方は企業の中核を担われてきたような方が多く、石川県でも経験を活かして活躍したいと言う方がいる一方、大企業からスピンアウトされた方、仕事が合わず新卒3年目くらいで戻ってくる若者、30代になって家族ができて、子育てを考えて戻ってくる方、50歳を超えて親の面倒を見るために帰ってくる方など、年齢もキャリアも理由もさまざまです。

企業のニーズも、若手から熟年まで、専門技術者、工場管理者、情報技術者、販売のプロ、海外展開のためのマネージャーなど多種にわたっており、いかに双方のニーズに沿ったマッチングができるかが、私たちのミッションだと思っています。

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とはいえ、東京で働いていた人が石川県で就職を決めるというのは、簡単な話ではありません。収入面も心配でしょうし、本当にいい仕事があるのかもわからないでしょう。だから、何度でも納得いくまで話を聞きに来て欲しいと思っています。多くの方が、何回かの面談を通して、「それなら」と決心されています。

年収は下がるかもしれませんが、家は広くなり、家賃は下がりますし、新鮮な魚介類や加賀野菜、美しい自然に囲まれて、都会にいたら感じにくい豊かな暮らしをしながら仕事ができます。

子育て環境についても、女性の就業率全国1位、待機児童ゼロ(いずれも平成27年時点)、教育についても、人口あたりの大学等の数が全国2位(平成26年時点)であるなどレベルが高い。通勤に多くの時間を取られ、行き帰りに多くのエネルギーを消費するのはもったいない。私は都会の人にこそ、石川県での暮らしをオススメしたいですね。

あなたが本当に活きる場所は、石川にあります

今、石川県には「事業拡大、事業見直しをしたいけど人材を採用できない」「仕事はたくさんあるのに、人がいないから受けられない」という中小企業が多くあります。だからぜひ、あなたの力を貸してほしい。これまでの経験やスキルを活かしていただくことで、石川県全体のみならず日本全体が盛り上がっていきます。

歴史と伝統文化がそのまま残る石川県で、仕事も生活もゆとりのある豊かな人生を送りませんか。私たちはそのために寄り添い、できることは何でもサポートしたいと思っています。まずは、美味しいお酒と料理で心を満たし、これからのことを本音で話しましょう。

最後に、多くの方が勘違いしている重要なことをお伝えしておきます。それは、「平地であれば雪はほとんど降らない」ということ。冬に雪化粧をした石川はとても風流ですが、雪の量は少ないので、「北陸地方=雪が大変」というイメージは持たずにお越しいただければ幸いです。

スタンバイでは、石川県の求人特集を公開しています。本記事でご興味をお持ちになった方はコチラから。

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執筆者

みんなのスタンバイ編集部。「はたらきかたをかんがえる」をコンセプトに、はたらく好奇心を刺激する情報をすべてのはたらく世代へお届けします。