体を鍛えながらお金も稼げるスポーツジムのアルバイトは、老若男女さまざまな人の健康的な暮らしを支える大切なお仕事です。その仕事内容や気になる給与相場、未経験でもOKの仕事かどうかなど、まとめて紹介します。ぜひアルバイト選びに役立てましょう。
仕事内容や勤務経験は?
ジムの種類で仕事の大変さは異なる!
一口にスポーツジムといっても、その内実はさまざまです。営業時間・ターゲットにしているユーザー層・設置しているマシンの種類などの違いが、アルバイトの業務内容も左右します。
まずは、ジムの種類をきちんと把握して、仕事をしてみてからの「こんなはずじゃなかった」を防ぎましょう。
パーソナル/高級ジム
マンツーマンでトレーニングを指導してくれるパーソナルジムや高級ジムは、富裕層が利用することが多く料金も高めです。
接客対応やマシンの使い方指導などについて、期待されるハードルが高くなっており仕事は厳しめでしょう。採用されること自体も大変で、インストラクター未経験者が採用されるのは難しいといえます。
24時間ジム
24時間営業しているジムです。ジムの所在地によって、深夜などは利用者が少なく手が空くこともあります。
暇な時間はスタッフルームに待機しているだけなので楽な上、深夜割増賃金も期待できます。
一般的なジム
上記以外の一般的なジムで、時間あたりで格安で利用できたりするジムも含めます。社員がインストラクターとして常駐しているケースが多く、アルバイトはフロアのみを担当するケースもあるようです。
具体的な仕事内容
スポーツジムでアルバイトとして募集している主な職種は、インストラクター・フロアスタッフ(受付)・監視員などです。
インストラクターの仕事
マシンインストラクターは、マシン利用でどの筋肉が鍛えられるかを伝えたり、体を痛めないような正しい使い方を指導したりします。
深夜時間帯など、利用者の少ない一部の時間帯ではフロント業務なども兼任することがあるでしょう。高級ジムをはじめ、ほとんどの種類のジムに在籍しています。
インストラクターというと、多くの利用者に頼られ息つく暇もないかと思いきや、常連の人は自身の定番のトレーニングメニューを黙々とこなしたいという人も多いことから、インストラクターの出番があまりない日もあるようです。
また、専門的な指導や危険を伴う指導は、アルバイトのインストラクターではなく社員が担当する決まりになっているジムもあるため、実は業務の負担はあまり重くはありません。
パーソナルインストラクターは、主にパーソナルジムや高級ジムに所属し、筋肉を効率的に鍛えるためのマシンの使い方やエクササイズ方法を指導します。
そのほかにも、体づくりのための適切な食事に関するアドバイスを求められることもあるため、栄養学の知識も必要です。
スイミングインストラクターは、自分の知識を活用しながら利用者に段階別のバタ足・クロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライなどの水泳方法を指導します。水泳施設のある大型ジムに在籍しています。
受付・フロアスタッフの仕事
利用者への対応、入会希望者への施設案内や書類手続き、電話対応などを担います。使用後の器具の清掃・消毒、ロッカールームや廊下といった施設の清掃・メンテナンスを担当することもあります。
フロア専任の場合、利用者が来なければ座っているだけなので業務の負担は軽く、いわゆる「楽な仕事」なのは確かです。しかし、受付やフロアスタッフ専任での採用数は少なく、インストラクターとの兼任を前提とした採用が多いようです。
監視員の仕事
プール、ジムエリアの監視、器具説明などを行います。インストラクターやフロアスタッフが交代で担当するジムも多く、専任で募集していることはあまり多くありません。
必要な資格や経験について
インストラクターは部活や体育学専攻の経験をもとに、他人に教えられる事前知識がある人が採用されることがほとんどです。 対して、受付や清掃・メンテナンスは未経験でも応募可能なことが多いようです。
スポーツジムの面接では何を聞かれる?
スポーツジムのアルバイトの面接では、「なぜスポーツジムで働きたいのか?」を聞かれることが多いようです。何が正解ということはありませんが、答えられずにうつむいたり一言二言で返したりするのは避けましょう。
志望動機を聞かれたときに「体を動かすのが好きだから」とアピールするのは、経営者から見ると好印象です。またスポーツジムは接客業であることから「人とコミュニケーションを取るのが好き」といったアピールも、採用につながりやすくなるでしょう。
このほか、「週に何日入れるか」「これまでのアルバイトの経験は」などもアルバイトの面接の定番の質問です。適当なことを言うと後で自分が困るため、「無理なく入れる曜日・日数」「これまでやったことのあるアルバイト」を正直に答えましょう。
スポーツジムのアルバイトが向いている人
コミュニケーションスキルの高い人
スポーツジムには、さまざまなタイプ・年代の人が訪れます。誰とでも気軽に話せるコミュニケーションスキルの高い人は、スポーツジムのアルバイトに向いているでしょう。
また、スポーツジムで働いていると、つらそうな人を励ましたり、うまくできた人を褒めたりするシーンが少なくありません。人の様子をよく見てベストなタイミングで声をかけられる人は、利用者と良好な関係を築きやすくなるでしょう。
スポーツジムのアルバイトは、ただ筋肉の鍛え方やマシンの使い方を伝えればよいわけではありません。利用者が気持ちよく運動できる環境を提供することも、大切な仕事なのです。
運動が好きな人
スポーツジムという場所の性質上、スタッフや利用者の話題は必然的に運動に関するものが多くなります。インストラクターでなくても、「運動は全然ダメ」という人よりは運動が好きな人の方が場に打ち解けやすいでしょう。
インストラクターとして働く場合は、運動が好きなだけでなく、利用者に体を動かすことの楽しさを伝えられる人でなければなりません。自らの経験から運動の楽しさ・意義を伝えられる人は、利用者の共感を得やすくなるはずです。
たとえ今何かのスポーツをしていなくても、学生時代にスポーツに打ち込んだ人は、スポーツジムでその経験を生かせるでしょう。
自己管理ができる人
自己管理できる人は、健康的な体型を維持したり常に元気を保ったりしやすくなります。スポーツジムに相応しいハツラツとした様子は、同僚・利用者から好印象を持たれるでしょう。
スポーツジムのスタッフがだらしない体型をしていたり、常に体調が悪そうだったりすると、利用者に不安を抱かせます。「このスポーツジムに通っても効果はなさそう」と思われれば、客足が遠のいてしまうかもしれません。
スポーツジムを訪れる人の中には、体型維持・健康維持を目的にする人がたくさんいます。スポーツジムスタッフやインストラクターは、そのような人たちの見本・憧れとなるのが理想です。
アンケートで判明!給与相場とシフトの傾向
アンケートから見る給与相場
給与体系の割合
給与体系の割合は時給95.1%、日給4.9%と圧倒的に時給の割合が高くなっています。夜のみや、昼から夕方などのシフトのため、時給制がほとんどです。
1カ月の平均給与
1カ月の平均給与は、約72,000円となりました。現役インストラクターの中でも知識が豊富な人は、時給が高くなるなどの傾向があります。
また、フロアスタッフ業務でも月間の勤務日数が20日以上の場合は、100,000円を超えているケースがあります。
給与相場から見えるポイント
インストラクターとして休日に丸1日働ける人は、月間の給与が高くなる傾向があります。これは、ほかの業務に比べてインストラクター業務の方が時給が高くなるためです。 これが、スポーツジムのアルバイト全体の平均給与を押し上げている要因となっています。
アンケートから見る勤務時間
働いた期間の傾向
働いた期間の傾向としては、半年超から1年以内が31%と一番多いようです。その後は、1年以上が28%、3カ月超から半年以内が25%という結果になりました。学生が多いこともあってか1年以内に辞める人が多い傾向です。
勤務時間の傾向
最も多かったのが昼から夕方の56%です。次いで夜の34%、午前の8%となります。これは、学生とフリーターの割合が約6割と大半を占めていることが大きな要因です。主婦でも昼から夕方、夜に勤務する人もいました。
働く曜日の傾向
働く曜日についても、学生とフリーターが多いためか、平日が多いという結果が出ています。最も多かったのは平日・休日のどちらも働く69%、次いで平日28%です。週末だけは3%とかなり少ない割合になっています。
シフトの自由度
一番多かったのは事前調整可の59%です。次いで、決められた出勤日のみ33%、当日でも変更可8%という結果になっています。固定シフトのところがほとんどのようです。
勤務の時間や期間から見えるポイント
月間の平均勤務日数は15日程度で、週3〜4日勤務の人が多いことが分かります。
「フロアスタッフ(受付)」経験者の声
フロアスタッフ(受付)で働いていました。おもにスポーツジムに入会を希望されるお客様の受付や説明、チェックイン・チェックアウト業務、電話応対などを行っていました。
「インストラクター」経験者の声
ウェイトトレーニングのインストラクター、パーソナルトレーナー、ゴミだしなどの雑用もあります。
学生・フリーター・主婦が働く場合の良い点と懸念事項
スポーツジムでのアルバイトには、どのような良い点があるでしょうか?アンケート回答者の属性別に良い点と懸念事項をまとめてみました。
※内容は全てアンケートへの回答に基づいています。
学生がジムで働く場合の良い点・懸念事項
良い点
部活でトレーニングの経験があればインストラクターなどで知識を活かすことができます。また、体育会系の学生やスポーツ経験がある人がバイト仲間に多いため、鍛え方を教え合うなどのコミュニケーションが取れます。働いているうちにさらに知識がついてくるというのも良い点です。
懸念事項
ジムによっては、日中に利用者が少ないと早く帰される、逆に利用者が多いと延長をお願いされることがきついという意見があります。そのため、生活費や遊興費の足しとしてバイトしている学生には、1カ月のバイト代総額が読みづらいのがツライかもしれません。
フリーターがジムで働く場合の良い点・懸念事項
良い点
器具を無料で使えてトレーニングできるのが一石二鳥でした。フリーターなので時間に融通がきくぶん、自身のトレーニングも兼ねて知識の向上と鍛錬が同時にできました。経験を積んで資格を取るなどし、インストラクターとしてレッスンも任せてもらえるようになれば、時給の単価が上がるため、効率よく稼ぎながら体も一緒に鍛えられます。
懸念事項
フリーターとしてはできるだけ稼ぎたいのですが、ジムの利用者数によっては勤務日数や時給を増やしてもらえないので、なかなか思うように稼げず、このバイトの収入だけでは暮らせないことがありました。
主婦がジムで働く場合の良い点・懸念事項
良い点
健康に役立つ知識や食べ物に関する情報を得られるので家族の食生活にまで気を配れるようになれたのはメリットのひとつでした。インストラクター以外の業務であれば、経験や資格がなくても働くことができ、飲食業のように一日のなかで忙しさが極端に変わることがないため、主婦にもやりやすいバイトといえると思います。
懸念事項
午前中は年配の利用者が多く、夕方以後は会社帰りの方の利用が多いのですが、時間が空いている午前中から夕方までのシフトだけでなく、夜のシフトを頼まれることがあり、その場合は家族の夕食が作れないなど困る場合があります。
スポーツジムのバイトで共通する良い点・懸念事項
回答者の属性にかかわらず共通して挙げられた良い点・懸念事項には次のようなものがありました。
良い点
- もともと趣味でウェイトトレーニングをやっていたので、トレーニングに関わることでお金がもらえるということが夢のようでした。
- トレーニングの知識をつけたいと思っていましたが、知識をつけることが時給アップにつながりました。楽しみながら知識をつけ、お金を稼いでいました。
- 従業員ということで、格安でトレーニングできたのがよかったです。
- 学生時代にスポーツをしていましたので、自分のトレーニングにもなりました。
- 教える立場になると、一人一人への伝え方を工夫することを覚えたほか、それぞれのトレーニングに対する考え方を尊重しながらアドバイスできるようになりました。
- サプリやトレーニング用品を割引で購入できることがありました。
懸念事項
- 利用者が少ない日などは、人件費を削減するために早退をさせられることがありました。もっと稼ぎたいと思っていたので残念でした。
- 当時は10代の学生だったので、従業員が1人しかいない時に責任を持てないと感じました。
- 救命救急などは習っていないので、事故などがあった場合にも適切に対応できないのではないかという不安がありました。
- 出会いがあると聞いていましたが、お客様への対応マニュアルが厳しく、出会うのは無理でした。出会っているのはお客様同士ばかりでした。
まとめ
専門分野に応募するには、スポーツ経験が必要。受付、清掃担当は研修があるので経験不要。
1カ月の平均給与は約72,000円。シフトは事前申請すれば変更可能。
インストラクターは時間がある程度確保できる学生、フリーターにおすすめ。
「楽な仕事」や「出会い」を目当てに面接に行くと見透かされる。
部活の経験や自分で学んでいただけでも、インストラクターになることができます。体を鍛え、健康になりながら働くことができるのが、スポーツジムのアルバイトのメリットです。
スポーツ経験やウェイトトレーニング経験などを生かし、知識を付ければ時給アップ・勤務日数増も見込めるので、筋トレ好きの人はぜひ応募してみましょう。