バリスタになるには・仕事内容・必要な資格と全国の求人

バリスタとは?

バリスタのイメージ

バリスタ(barista)は、日本では、「カフェなどでコーヒーをいれるプロ」という認識が一般的ですが、もともとはイタリア語で「バール(bar)でサービスをする人」という意味です。バールとは、夜はアルコールドリンクも提供するカフェのような飲食店で、イタリアのバリスタが提供するのはコーヒーに限りません。

活躍の場の多くは、コーヒー専門店、カフェ、バーなどの飲食店です。バリスタが職業名として一般的に認知されるようになったのは、ここ20年程度のことでしょう。ブームを経て、カフェが日本人の生活に定着したことや、日本全国に展開する世界的コーヒーチェーン店が一部のスタッフを「バリスタ」と呼ぶことも、認知度を高めるきっかけになったと考えられます。

バリスタは、挽いたコーヒー豆をさまざまな方法で抽出します。めざす味わいによって豆の選定、焙煎の度合い、挽き方、抽出方法、使用する機材も異なります。個人店などでは、バリスタ本人が豆を選定したり、焙煎所に指示を出したりすることがあります。

大手チェーン店などでは、店舗やバリスタによって味に極端な差が出ないよう、エスプレッソマシンなどの機材や豆などの材料は本部が指定し、バリスタは定められた方法で抽出するのが一般的です。

バリスタが提供するのは、コーヒーやエスプレッソのほか、カフェラテやカプチーノなどのエスプレッソにミルクを加えるタイプもあります。エスプレッソの入ったカップにスチームミルク(蒸気で温めて泡立てたミルク)を注いで、カップ上面の泡にさまざまな模様を描くことを「ラテアート」といい、バリスタ技術の分野のひとつとして確立されています。木の葉やハートといった基本型のラテアートは、カフェなどで目にすることが多いので、バリスタというとラテアートを思い浮かべる人もいるでしょう。

ラテアートでは、ミルクの泡のきめ細かさが、模様を美しく描くうえで重要です。きめ細かい泡をつくるには、スチームする前のミルクの温度、スチーム時間、空気の含ませ方など、いろいろな条件があります。バリスタは、コーヒーだけでなくミルクの扱いにも高度な技術を持っている必要があります。スチームミルクと合わせることから、エスプレッソは濃いめに抽出するなど、全体のバランスをいかに仕上げるかも、バリスタの腕によるところです。

バリスタになるには? 資格は必要?

バリスタとして業務を行うのに必要な資格はありません。独学で知識や技術を習得し、試行錯誤や工夫を重ねて、バリスタとしてコーヒーを提供することも不可能ではありません。ただし、独学の場合は機材や道具、練習に使用するコーヒー豆などの材料を購入するために、それなりの資金が必要になるでしょう。

「この店のように」や「このバリスタのように」といった、自分自身がめざしたい具体像があるなら、直接訪ねてスタッフとして修業を願い出るのもよい方法でしょう。給与を得ながら、知識や技術を現場で身につけられることは大きなメリットといえます。ただし、清掃やホール業務など、バリスタの本来業務とは異なる仕事を長期間任される可能性もあります。バリスタになるために働いているということをその店のオーナーや店長に明言することや、バリスタ本人に教えを請う積極性も必要でしょう。

大手コーヒーチェーン店などでは、どの店舗でも一定のレベルのコーヒーを提供できるよう、またお客様の満足度をより上げるために、従業員にバリスタ研修を行っていることが多いです。高度な研修や訓練を重ねた従業員のなかには、世界的なバリスタコンテストに出場する人もいます。アルバイトスタッフであっても、基本的なコーヒーの知識と、その店のスタイル限定ではありますが、本人しだいで、バリスタとしての技術を身につけるチャンスがあります。給与を得ながらバリスタの研修を受けることができるのは、非常に大きなメリットといえます。

バリスタの資格の種類

必須の資格はありませんが、コーヒーに関する認定資格はいくつもあります。なかでもバリスタに関する資格としては、
 (1)JBA(日本バリスタ協会)によるライセンス(レベル1〜3)
 (2)日本スペシャルティコーヒー協会による「コーヒーマイスター」
の認知度が高いようです。

(1)のJBAのライセンス試験レベル1は、「JBAバリスタとしての基本的な知識や技術を身に付け、JBAが定める一定基準のエスプレッソコーヒーを抽出できる者」とされています。JBAが認定したスクールの受講生と、現在バリスタ業務に従事している人が対象で、2日間の座学・実技講習 → ライセンス試験という流れでライセンスが得られます。

(2)のコーヒーマイスターは、「コーヒーに対するより深い知識と基本技術の習得をベースとして、お客様に豊かなコーヒー生活を提案できるプロのサービスパーソン」とされています。養成講座テキストでの自宅学習 → 実技講習会 → 認定試験という流れで認定が得られます。

どちらの資格も、「バリスタになろうとしている人」ではなく「すでにバリスタとして業務を行っている人」が、より高度な知識や技術を習得していることを証明する資格、という位置づけです。取得していれば、就職や転職時に有利になるでしょう。

なお、カフェなどを開業する場合で、食品を取り扱う施設で設置義務のある「食品衛生責任者」がいない場合は、養成講習会を受講して資格を取得する必要があります。

外国で本格的なバリスタ資格を取得するには

コーヒー文化の醸成、なかでもサードウェーブコーヒーの上陸やスペシャルティコーヒーの人気の高まりを受けて、日本でも職業として認知され始めたばかりのバリスタ。2014年にはバリスタの世界競技大会で日本人が初優勝を果たし、職業としてのバリスタの注目度が上がりつつありますが、まだまだ日本のバリスタ人口は少なく、これからバリスタになるにあたって師事する先がなかなか見つからないということも。そこで注目されているのが成熟したコーヒー文化を持つ諸外国への短期〜中長期のコーヒー留学です。

外国で本格的なバリスタ資格を取得し、日本に戻ってからその経験を活かして人気カフェに就職したり、自らカフェオーナーとしてお店を出す。そんなキャリアプランを描いて海外に飛び出す日本人の数が年々増加しています。

コーヒー文化の発信地として日本でも認知されているのが、エスプレッソ文化の発祥地であるイタリア、色濃くイタリアの影響を受けたオーストラリアのメルボルン、そしてアメリカならシアトル、サンフランシスコでしょう。最近ではノルウェーのオスロも注目されています。なかでもバリスタになるためのコーヒー留学の行き先として人気が高いのが、英語が通じ、日本から地理的にも近いオーストラリアです。オーストラリアは、イタリア系移民の影響から80年代よりエスプレッソベースのコーヒー文化が浸透しており、バリスタの地位が確立している世界でも有数のコーヒーカルチャーを持つ国です。

バリスタ志願の日本人がオーストラリアを目指すのには、日本から近い以外にも理由があります。オーストラリアの各都市にはバリスタコースを併設している語学学校が数多く存在し、学校併設のカフェ、もしくは実際にローカルのカフェで生の英語に触れながらバリスタの資格も取得できるのが、オーストラリアが選ばれる理由のひとつでしょう。英語が不得手でも語学学校で勉強しながらであれば、と考える日本人が多いようです。

広い国土を持つオーストラリアのなかでもバリスタになるための留学先として人気の街は、メルボルンを筆頭に、シドニー、ゴールドコーストが続きますが、そのほかブリスベン、パース、ケアンズ、アデレードなどにもバリスタコースを併設した語学学校が数多く存在します。

雑誌のコーヒー特集やインターネットを通して、いまや日本でも各国のカフェ事情を詳細に知ることができるので、どこに留学するか決めるにあたって、自分が行きたい街、働いてみたいカフェのある場所を調べて選ぶのもひとつの方法です。もちろんオーストラリアは観光都市としてもそれぞれの街に特色があるので、ショートトリップしてみたい街や住んでみたい街、という視点で選んでもよいでしょう。

これら語学学校に併設されているバリスタコースには、1日で基礎の基礎を学ぶ体験コースから1ヶ月以上かけて本格的に技術を学んで、Barista Certificate(バリスタ資格)を取得するコースもあります。費用は1日コースが120豪ドル(日本円で約1万円)から、1ヶ月のコースであれば2,500〜3,500豪ドル(20万〜30万円)以上かかるものもあります。当然、語学学校への支払い以外に滞在費がかかりますので、日本にいる間に留学費用を工面しておく必要はあるでしょう。

前述の通り、バリスタの資格はそれぞれの関連団体が認定するものが複数ありますが、必ずしもバリスタになるにあたって必須というわけではありません。前述の1日コースでも資格が取得できたり、オンラインで学んでCertificateをもらえるコースもあります。どれだけの時間をかけていかにして腕を磨くかは受講者側の価値観しだいといえるでしょう。

すでにバリスタの基礎技術を身につけており、英語力に自信のある人であれば、ローカルカフェの求人に直接応募するという手もあります。数ヶ月から数年間学んで日本に帰国し、諸外国で学んだカフェカルチャーを日本で広めることを目標にして働く、というバリスタも年々増えているようです。

日本でバリスタの専門学校を選ぶなら

バリスタ専攻・カフェ専攻の学科を持つ専門学校・調理師学校が近年、日本でも増えています。学生として1〜2年かけて学ぶのか、すでに社会人であれば土日で学べる専門学校に通うのか、置かれている状況によって選ぶ学校は自ずと変わってくるでしょう。

現役のバリスタの出身校としてよく耳にするのが、クリエイターの輩出で有名な株式会社バンタンが運営する「食」の専門学校「レコールバンタン」です。授業は実習が中心、有名バリスタが講師として招かれて講義する機会も多く、独立・開業のサポート体制も整っていることから、卒業生のネットワークも広がりつつあり、近年バリスタ志願者のなかで人気が高まっています。対象は中学卒業直後の人から社会人まで幅広く、1年制、2年制、週3、週5などライフスタイルに合わせたコースが選べます。

カフェ専攻の学科を持つ専門学校や調理師学校はたくさんありますが、授業の質やカリキュラムについては入学前の念入りな調査が必須です。調理師学校などのカフェ学科は、パティシエ学科の延長線上で設けられた場合があり、バリスタとして目指す方向性と合致するかどうか、事前に見極める必要があります。見極めのポイントとして重要なのは、講師陣の顔ぶれでしょう。大手コーヒー製造業者やコーヒーチェーン店のバリスタを招いて講師にしている専門学校と、独立系のバリスタを講師に迎えている専門学校では、学べる内容の方向性が異なる可能性があります。将来、バリスタとして自分が向かいたい方向性と一致しているのか、事前にしっかり情報収集することをおすすめします。

専門学校で学ぶ価値の高いカリキュラムとして、カフェオーナー向けのコースが挙げられます。バリスタとして独立してお店を持つということは、職人として自立するだけでなく、事業を安定して継続していくための経営者としての知識が必須です。開業資金の集め方、お店を出す場所の選び方、メニューの作り方・選び方、商品の値付けの仕方、収支管理、税務処理など、カフェオーナーが身につけるべき知識は数多くあります。せっかくバリスタとしての知識と技術を身につけても、店舗運営で失敗したら目も当てられません。学校で学ぶメリットとして、これら経営者の視点を得られることも挙げられるでしょう。

蛇足ではありますが、バリスタになるには必ずしも専門学校への入学から始める必要はありません。学校に入学して一定の経験を積んでからバリスタ見習いとして働く先を探す、というのがもっとも確実な方法ではありますが、情熱次第で未経験から実地でバリスタを目指すという手段もあります。

資格にはなりませんが、ラテアートセミナーやハンドドリップセミナーを開催している個人経営のカフェや大手の店舗があります。これらに参加して費用をあまりかけずに経験を積み上げるという方法もあります。まずは自分がどこでどんな技術を身につけ、どんなバリスタになりたいのかを考えることから始めることをおすすめします。

コーヒーフェスティバルやフードエキスポで業界のトレンドを知る

コーヒーイベント・フェスティバル、フードエキスポなどは、コーヒー関連事業に携わる大小さまざまな企業が出展社として名を連ね、業界やマシンの最新トレンドなどを知るいい機会になっています。有名バリスタがブースに来場したり、競技会が実施されることもあるので、憧れのバリスタの手技を見る、あるいは知り合いになるという目的で訪問する人も多いようです。見逃しがちですが、これからバリスタになりたい人、駆け出しの人は勉強の機会として利用するとよいでしょう。

バリスタの競技大会で日本一、世界一を目指す

いまのようにバリスタという職業が世界中に知れ渡るようになる前から、バリスタの技術を磨いて互いに切磋琢磨する機会のひとつとして、バリスタの競技大会が毎年開かれています。コーヒー関連企業や協会、団体が独自で開催しているものや世界的に注目を集める競技大会もあります。

世界最高峰のバリスタの競技大会として名を馳せているのが「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC=World Barista Championship)です。これはSCAA(Specialty Coffee Association of America)とSCAE(Speciality Coffee Association of Europe)が共同開催しており、毎年開催国を変えながら、世界中のバリスタ競技会の優秀者が集い、手技・所作・仕上がりなどを総合的に競います。審判員の数から、作るコーヒーの種類、数まで、競技のルールが細かく定められていますが、このルールも毎年少しずつ変更されています。競技者は、3つのカテゴリ(エスプレッソ、カプチーノ、独自のアレンジを加えたシグニチャードリンク)をそれぞれ作り、味わいを審査する審査員、立ち居振る舞いや手技を評価する審査員、総合的に判断する審査長に全部で12杯ふるまいます。作る順番は自由ですが、ひとつのカテゴリのコーヒーを作り終えてから次のコーヒーを作らなければ失格になります。シグニチャードリンクについてはいつでも準備が始められます。これらの作業は15分以内に終えないとなりません。与えられるコーヒーマシンや道具はすべて一緒なので、入れたコーヒーの味やひとつひとつの所作が評価の鍵となります。

コーヒーはいくら豆がよくても、飲み手に提供されるまでのプロセスで味わいが変わる繊細な飲み物であるといわれます。バリスタは、豆の知識や複雑な動作を同時にこなす能力だけでなく、優雅な立ち居振る舞いまで求められる、非常に奥深い職業であるといえるでしょう。

日本の競技大会としては「ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(JBC)」があり、この大会での優勝者が前述の世界大会への切符を手にします。2007年にはワールド・バリスタ・チャンピオンシップの開催地として日本が選ばれ、2014年には日本人として初めて井崎英典氏が優勝を飾り、日本でのバリスタの知名度向上に大きく貢献しました。競技大会に出るモチベーションとして、まだ日本では認知度が低いバリスタの地位向上を目指すという人たちもいるようです。WBC、JBCにかぎらず、ラテアートの技量を競う競技大会、コーヒー豆の産地を当てるカッピングの競技大会、焙煎技術を競う大会なども開催されています。 これからバリスタを目指すにあたっては、これらの競技大会で日本一、ひいては世界一を目指すのも一興ではないでしょうか。

バリスタの求人傾向

飲食業界全般にいえることですが、早朝や深夜の勤務があったり、シフト勤務で就業時間が不規則だったり、月の休日が6日といった条件の求人も多いです。土日や祝日など、世間が休んでいるときは仕事、ということも多いでしょう。

インターネット上の求人状況をみると、正社員よりアルバイトスタッフとしての求人が多いようです。マニュアルや研修体制が整っている大手のコーヒーチェーン店などでは、バリスタの経験を問わず求人を行っている場合が多く、未経験者でもバリスタの道に踏み出しやすいといえます。また、広い地域で店舗を展開しているので、勤務地を選びやすい傾向があります。

個人店を含む小規模な店舗では、エスプレッソマシンなどの機材の扱い方や、コーヒーやラテアートに関する知識と技術をすでに身につけている人が求められやすいでしょう。JBAのライセンスや、コーヒーマイスターの資格を取得していれば、書類審査で有利にはたらく可能性が高いです。書類審査後、技術やサービスを実技で審査という流れが考えられます。

コーヒー専門店以外のカフェやレストランなどでは、バリスタとして求人を行っていても、実質的にはホールスタッフやキッチンスタッフの業務ということもあります。応募時には自分がイメージするバリスタの仕事ができるかを、よく確認することが必要です。

出典:
JBA 日本バリスタ協会
一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会
World Barista Championship
World Latte Art Championship

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バリスタ経験者の口コミ

現役バリスタ、バリスタ経験者にアンケートを実施。バリスタの仕事の口コミ・評判を集めました。

Q1.バリスタのやりがいを教えてください

M.Y.さん (女性 / 北海道)
バリスタ 勤続年数2年 (職業 : 会社員)

煎りたてのコーヒー豆から淹れる香り高いコーヒーをお客様に味わっていただけること、そしてそのお客様の喜ぶ表情を近くで見られることに尽きます。

バリスタになる前は、ずっとデスクワークの仕事をしていまし …

Q2.バリスタになるために努力したことを教えてください

M.Y.さん (女性 / 北海道)
バリスタ 勤続年数2年 (職業 : 会社員)

まずは、コーヒーの淹れ方です。私が働いていたカフェはペーパードリップ方式を使用しており、注文ごとに豆をその場で挽き、淹れたてをお出しするという流れです。

しかし、一度に別々の種類のコーヒーを5杯同時 …

Q3.バリスタの将来性についてどう思いますか?

M.Y.さん (女性 / 北海道)
バリスタ 勤続年数2年 (職業 : 会社員)

まずは良い点です。私も経験してわかりましたが、バリスタの仕事は端から見ているよりずっと奥深く、やはり経験値がないとすぐにはできません。そういった意味では、一度スキルを手に入れてしまえば転職しても即戦力 …

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