バリスタになるには?詳しい仕事内容を把握して自分に必要な資格を!

バリスタとは?

カフェでコーヒーを入れる

(出典) photo-ac.com

バリスタ(barista)は、日本では、「カフェなどでコーヒーをいれるプロ」という認識が一般的ですが、もともとはイタリア語で「バール(bar)でサービスをする人」という意味があります。バールとは、夜はアルコールドリンクも提供するカフェのような飲食店で、イタリアのバリスタが提供するのはコーヒーに限りません。

活躍の場の多くは、コーヒー専門店、カフェ、バーなどの飲食店です。バリスタが職業名として一般的に認知されるようになったのは、ここ20年程度のことでしょう。ブームを経て、カフェが日本人の生活に定着したことや、日本全国に展開する世界的コーヒーチェーン店が一部のスタッフを「バリスタ」と呼ぶことも、認知度を高めるきっかけになったと考えられます。

バリスタは、挽いたコーヒー豆をさまざまな方法で抽出します。目指す味わいによって豆の選定、焙煎の度合い、挽き方、抽出方法、使用する機材を変えることが大切です。個人店などでは、バリスタ本人が豆を選定したり、焙煎所に指示を出したりすることがあります。

大手チェーン店などでは、店舗やバリスタによって味に極端な差が出ないよう、エスプレッソマシンなどの機材や豆などの材料は本部が指定し、バリスタは定められた方法で抽出するのが一般的です。

バリスタが提供するのは、コーヒーやエスプレッソのほか、カフェラテやカプチーノなどのエスプレッソにミルクを加えるタイプもあります。エスプレッソの入ったカップにスチームミルク(蒸気で温めて泡立てたミルク)を注いで、カップ上面の泡にさまざまな模様を描くことを「ラテアート」といい、バリスタ技術の分野のひとつとして確立されています。木の葉やハートといった基本型のラテアートは、カフェなどで目にすることが多く、バリスタというとラテアートを思い浮かべる人もいるでしょう。

ラテアートでは、ミルクの泡のきめ細かさが、模様を美しく描くうえで重要です。きめ細かい泡をつくるには、スチームする前のミルクの温度、スチーム時間、空気の含ませ方など、いろいろな条件があります。バリスタは、コーヒーだけでなくミルクの扱いにも高度な技術を持っていなければなりません。スチームミルクと合わせることから、エスプレッソは濃いめに抽出するなど、全体のバランスをいかに仕上げるかも、バリスタの腕によるところです。

バリスタになるには? 資格は必要?

コーヒーを注ぐ

(出典) photo-ac.com

バリスタとして業務を行うのに必要な資格はありません。独学で知識や技術を習得し、試行錯誤や工夫を重ねて、バリスタとしてコーヒーを提供することも不可能ではありません。ただし、独学の場合は機材や道具、練習に使用するコーヒー豆などの材料を購入するために、それなりの資金が必要になるでしょう。

「この店のように」や「このバリスタのように」といった、自分自身が目指したい具体像があるなら、直接訪ねてスタッフとして修業を願い出るのもよい方法でしょう。給与を得ながら、知識や技術を現場で身につけられることは大きなメリットです。ただし、清掃やホール業務など、バリスタの本来業務とは異なる仕事を長期間任される可能性もあります。バリスタになるために働いているということをその店のオーナーや店長に明言することや、バリスタ本人に教えを請う積極性も必要でしょう。

大手コーヒーチェーン店などでは、どの店舗でも一定のレベルのコーヒーを提供できるよう、またお客様の満足度をより上げるために、従業員にバリスタ研修を行っていることが多いです。高度な研修や訓練を重ねた従業員のなかには、世界的なバリスタコンテストに出場する人もいます。アルバイトスタッフであっても、基本的なコーヒーの知識と、その店のスタイル限定ではありますが、本人しだいで、バリスタとしての技術を身につけるチャンスがあるのです。給与を得ながらバリスタの研修を受けることができるのは、非常に大きなメリットといえます。

バリスタの資格の種類

必須の資格はありませんが、コーヒーに関する認定資格はいくつもあります。なかでもバリスタに関する資格としては、

  1. JBA(日本バリスタ協会)によるライセンス(レベル1〜3)
  2. 日本スペシャルティコーヒー協会による「コーヒーマイスター」

の認知度が高いようです。

1のJBAのライセンス試験レベル1は、「JBAバリスタとしての基本的な知識や技術を身に付け、JBAが定める一定基準のエスプレッソコーヒーを抽出できる者」とされています。JBAが認定したスクールの受講生と、現在バリスタ業務に従事している人が対象で、2日間の座学・実技講習 → ライセンス試験という流れでライセンスが得られます。

2のコーヒーマイスターは、「コーヒーに対するより深い知識と基本技術の習得をベースとして、お客様に豊かなコーヒー生活を提案できるプロのサービスパーソン」とされています。養成講座テキストでの自宅学習 → 実技講習会 → 認定試験という流れで認定が得られます。

どちらの資格も、「バリスタになろうとしている人」ではなく「すでにバリスタとして業務を行っている人」が、より高度な知識や技術を習得していることを証明する資格、という位置づけです。取得していれば、就職や転職時に有利になるでしょう。

なお、カフェなどを開業する場合で、食品を取り扱う施設で設置義務のある「食品衛生責任者」がいない場合は、養成講習会を受講して資格を取得する必要があります。

出典
JBA - 日本バリスタ協会 -
コーヒーマイスターとは &コーヒーマイスターについて | 一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会

外国で本格的なバリスタ資格を取得するには

バリスタは、コーヒー文化の醸成、なかでもサードウェーブコーヒーの上陸やスペシャルティコーヒーの人気の高まりを受けて、日本でも職業として認知され始めたばかりです。2014年にはバリスタの世界競技大会で日本人が初優勝を果たし、職業としてのバリスタの注目度は上がりつつあります。しかし、まだまだ日本のバリスタ人口は少なく、これからバリスタになるにあたって師事する先がなかなか見つからないということもあるでしょう。そこで注目されているのが成熟したコーヒー文化を持つ諸外国への短期〜中長期のコーヒー留学です。

外国で本格的なバリスタ資格を取得し、日本に戻ってからその経験を活かして人気カフェに就職したり、自らカフェオーナーとしてお店を出す。そんなキャリアプランを描いて海外に飛び出す日本人の数が年々増加しているようです。

コーヒー文化の発信地として日本でも認知されているのが、エスプレッソ文化の発祥地であるイタリア、色濃くイタリアの影響を受けたオーストラリアのメルボルン、そしてアメリカのシアトル、サンフランシスコでしょう。最近ではノルウェーのオスロも注目されています。なかでもバリスタになるためのコーヒー留学の行き先として人気が高いのが、英語が通じ、日本から地理的にも近いオーストラリアです。オーストラリアは、イタリア系移民の影響から80年代よりエスプレッソベースのコーヒー文化が浸透しており、バリスタの地位が確立している世界でも有数のコーヒーカルチャーを持つ国です。

バリスタ志願の日本人がオーストラリアを目指すのには、日本から近い以外にも理由があります。オーストラリアの各都市にはバリスタコースを併設している語学学校が数多く存在し、学校併設のカフェ、もしくは実際にローカルのカフェで生の英語に触れながらバリスタの資格も取得できるのが、オーストラリアが選ばれる理由のひとつでしょう。英語が不得手でも語学学校で勉強しながらであれば、と考える日本人が多いようです。

広い国土を持つオーストラリアのなかでもバリスタになるための留学先として人気の街は、メルボルンを筆頭に、シドニー、ゴールドコーストが続きますが、そのほかブリスベン、パース、ケアンズ、アデレードなどにもバリスタコースを併設した語学学校が数多く存在します。

雑誌のコーヒー特集やインターネットを通して、いまや日本でも各国のカフェ事情を詳細に知ることができるので、どこに留学するか決めるにあたって、自分が行きたい街、働いてみたいカフェのある場所を調べて選ぶのもひとつの方法です。もちろんオーストラリアは観光都市としてもそれぞれの街に特色があるので、ショートトリップしてみたい街や住んでみたい街、という視点で選んでもよいでしょう。

これら語学学校に併設されているバリスタコースには、1日で基礎の基礎を学ぶ体験コースから1ヶ月以上かけて本格的に技術を学んで、Barista Certificate(バリスタ資格)を取得するコースもあります。費用は1日コースが120豪ドル(日本円で約1万円)から、1ヶ月のコースであれば2,500〜3,500豪ドル(20万〜30万円)以上かかるものまでさまざまです。当然、語学学校への支払い以外に滞在費がかかりますので、日本にいる間に留学費用を工面しておく必要はあるでしょう。

前述の通り、バリスタの資格はそれぞれの関連団体が認定するものが複数ありますが、必ずしもバリスタになるにあたって必須というわけではありません。前述の1日コースでも資格が取得できたり、オンラインで学んでCertificateをもらえたりするコースもあります。どれだけの時間をかけていかにして腕を磨くかは受講者側の価値観しだいといえるでしょう。

すでにバリスタの基礎技術を身につけており、英語力に自信のある人であれば、ローカルカフェの求人に直接応募するという手もあります。数ヶ月から数年間学んで日本に帰国し、諸外国で学んだカフェカルチャーを日本で広めることを目標にして働く、というバリスタも年々増えているようです。

日本でバリスタの専門学校を選ぶなら

バリスタ専攻・カフェ専攻の学科を持つ専門学校・調理師学校が近年、日本でも増えています。学生として1〜2年かけて学ぶのか、すでに社会人であれば土日で学べる専門学校に通うのか、置かれている状況によって選ぶ学校は自ずと変わってくるでしょう。

現役のバリスタの出身校としてよく耳にするのが、クリエイターの輩出で有名な株式会社バンタンが運営する「食」の専門学校「レコールバンタン」です。授業は実習も多く、有名バリスタが講師として招かれて講義する機会もたくさん設けられています。独立・開業のサポート体制も整っていることから、卒業生のネットワークも広がりつつあるようです。近年バリスタ志願者のなかで人気が高まっています。対象は中学卒業直後の人から社会人まで幅広く、1年制、2年制、週3、週5などライフスタイルに合わせたコースが選べます。

カフェ専攻の学科を持つ専門学校や調理師学校はたくさんありますが、授業の質やカリキュラムについては入学前の念入りな調査が必須です。調理師学校などのカフェ学科は、パティシエ学科の延長線上で設けられた場合があり、バリスタとして目指す方向性と合致するかどうか、事前に見極める必要があります。見極めのポイントとして重要なのは、講師陣の顔ぶれでしょう。大手コーヒー製造業者やコーヒーチェーン店のバリスタを招いて講師にしている専門学校と、独立系のバリスタを講師に迎えている専門学校では、学べる内容の方向性が異なる可能性があります。将来、バリスタとして自分が向かいたい方向性と一致しているのか、事前にしっかり情報収集することをおすすめします。

専門学校で学ぶ価値の高いカリキュラムとして、カフェオーナー向けのコースが挙げられます。バリスタとして独立してお店を持つということは、職人として自立するだけでなく、事業を安定して継続していくための経営者としての知識が必須です。開業資金の集め方、お店を出す場所の選び方、メニューの作り方・選び方、商品の値付けの仕方、収支管理、税務処理など、カフェオーナーが身につけるべき知識は数多くあります。せっかくバリスタとしての知識と技術を身につけても、店舗運営で失敗したら目も当てられません。学校で学ぶメリットとして、これら経営者の視点を得られることも挙げられるでしょう。

蛇足ではありますが、バリスタになるには必ずしも専門学校への入学から始める必要はありません。学校に入学して一定の経験を積んでからバリスタ見習いとして働く先を探す、というのがもっとも確実な方法ではありますが、情熱次第で未経験から実地でバリスタを目指すという手段もあります。

資格にはなりませんが、ラテアートセミナーやハンドドリップセミナーを開催している個人経営のカフェや大手の店舗があります。これらに参加して費用をあまりかけずに経験を積み上げるという方法もあります。まずは自分がどこでどんな技術を身につけ、どんなバリスタになりたいのかを考えることから始めることをおすすめします。

コーヒーフェスティバルやフードエキスポで業界のトレンドを知る

コーヒーイベント・フェスティバル、フードエキスポなどは、コーヒー関連事業に携わる大小さまざまな企業が出展社として名を連ね、業界やマシンの最新トレンドなどを知るいい機会です。有名バリスタがブースに来場したり、競技会が実施されたりすることもあり、憧れのバリスタの手技を見る、あるいは知り合いになるという目的で訪問する人も多いようです。見逃しがちですが、これからバリスタになりたい人、駆け出しの人は勉強の機会として利用するとよいでしょう。

バリスタの競技大会で日本一、世界一を目指す

いまのようにバリスタという職業が世界中に知れ渡るようになる前から、バリスタの技術を磨いて互いに切磋琢磨する機会のひとつとして、バリスタの競技大会が毎年開かれています。コーヒー関連企業や協会、団体が独自で開催しているものや世界的に注目を集める競技大会もあります。

世界最高峰のバリスタの競技大会として名を馳せているのが「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC=World Barista Championship)です。これはSCAA(Specialty Coffee Association of America)とSCAE(Speciality Coffee Association of Europe)が共同開催しており、毎年開催国を変えながら、世界中のバリスタ競技会の優秀者が集い、手技・所作・仕上がりなどを総合的に競います。審判員の数から、作るコーヒーの種類、数まで、競技のルールが細かく定められていますが、このルールも毎年少しずつ変更されています。競技者は、3つのカテゴリ(エスプレッソ、カプチーノ、独自のアレンジを加えたシグニチャードリンク)をそれぞれ作り、味わいを審査する審査員、立ち居振る舞いや手技を評価する審査員、総合的に判断する審査長に全部で12杯ふるまいます。作る順番は自由ですが、ひとつのカテゴリのコーヒーを作り終えてから次のコーヒーを作らなければ失格です。シグニチャードリンクについてはいつでも準備が始められます。これらの作業は15分以内に終えないとなりません。与えられるコーヒーマシンや道具はすべて一緒なので、入れたコーヒーの味やひとつひとつの所作が評価の鍵となります。

コーヒーはいくら豆がよくても、飲み手に提供されるまでのプロセスで味わいが変わる繊細な飲み物であるといわれます。バリスタは、豆の知識や複雑な動作を同時にこなす能力だけでなく、優雅な立ち居振る舞いまで求められる、非常に奥深い職業であるといえるでしょう。

日本の競技大会としては「ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(JBC)」があり、この大会での優勝者が前述の世界大会への切符を手にします。2007年にはワールド・バリスタ・チャンピオンシップの開催地として日本が選ばれ、2014年には日本人として初めて井崎英典氏が優勝を飾り、日本でのバリスタの知名度向上に大きく貢献しました。競技大会に出るモチベーションとして、まだ日本では認知度が低いバリスタの地位向上を目指すという人たちもいるようです。WBC、JBCにかぎらず、ラテアートの技量を競う競技大会、コーヒー豆の産地を当てるカッピングの競技大会、焙煎技術を競う大会なども開催されています。 これからバリスタを目指すにあたっては、これらの競技大会で日本一、ひいては世界一を目指すのも一興ではないでしょうか。

バリスタの求人傾向

コーヒーを注ぐ

(出典) photo-ac.com

飲食業界全般にいえることですが、早朝や深夜の勤務があったり、シフト勤務で就業時間が不規則だったり、月の休日が6日といった条件の求人も多いです。土日や祝日など、世間が休んでいるときは仕事、ということも珍しくないでしょう。

インターネット上の求人状況をみると、正社員よりアルバイトスタッフとしての求人が多く見られます。マニュアルや研修体制が整っている大手のコーヒーチェーン店などでは、バリスタの経験を問わず求人を行っており、未経験者でもバリスタの道に踏み出しやすいといえます。また、広い地域で店舗を展開しているので、勤務地を選びやすいのも特徴です。

個人店を含む小規模な店舗では、エスプレッソマシンなどの機材の扱い方や、コーヒーやラテアートに関する知識と技術をすでに身につけている人が求められやすいでしょう。JBAのライセンスや、コーヒーマイスターの資格を取得していれば、書類審査で有利にはたらく可能性が高いです。書類審査後、技術やサービスを実技で審査するという流れが考えられます。

コーヒー専門店以外のカフェやレストランなどでは、バリスタとして求人を行っていても、実質的にはホールスタッフやキッチンスタッフの業務ということもあります。応募時には自分がイメージするバリスタの仕事ができるかを、よく確認することが必要です。

求人の給与情報から集計したバリスタの年収帯

気になるバリスタの給料・年収は? 

全国の求人の給与情報をまとめて集計、バリスタの給与帯・年収帯を独自にグラフ化しました。就職・転職・バイト探しの参考にしてください。



※スタンバイ掲載中の全求人データ(2017年6月時点)から作成

バリスタの求人の給与情報から、バリスタの年収帯を独自に集計しました。上記のグラフの通り、求人のうち300万円台と400万円台が合わせて約50%を占めています。平均的な年収を400万円台ということを考えると、極端に低いということはありません。ただし、立ちっぱなしや力のいる作業のほか、ラテアートなどの繊細な作業など、体を酷使する仕事でもあります。職場によっては早朝から深夜まで営業していたり、シフト勤務で生活が不規則になりがちだったりという事情がある場合も多いです。それらの点を考えると、この年収データの金額が勤務内容に見合っているかは、意見の分かれるところでしょう。

出典:
JBA - 日本バリスタ協会
一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会「コーヒーマイスターとは」

World Barista Championship
World Latte Art Championship
国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」

バリスタ経験者の口コミ

コーヒーとパソコン

(出典) photo-ac.com

現役バリスタ、バリスタ経験者にアンケートを実施。バリスタの仕事の口コミ・評判を集めました。

Q1.バリスタのやりがいを教えてください

M.Y.さん (女性 / 北海道)
バリスタ 勤続年数2年 (職業 : 会社員)

煎りたてのコーヒー豆から淹れる香り高いコーヒーをお客様に味わっていただけること、そしてそのお客様の喜ぶ表情を近くで見られることに尽きます。
バリスタになる前は、ずっとデスクワークの仕事をしていました。収入は安定していましたが仕事にやりがいを見いだせず、悶々とした日々を過ごしていました。
そんな私でしたが、唯一の楽しみが休日のカフェ巡りでした。カフェでゆっくり読書をしながらコーヒーをいただく時間は本当に至福の時です。こんな空間で働くことができればと遂に転職し、念願のカフェで働くことができました。
やりがいは最初に記述したとおりですが、私自身がこうしてカフェのコーヒーで癒され、幸せな時間を過ごせてきた経験があります。目の前にいるお客様も同じ思いで過ごしていただけると考えると、やはり素晴らしい仕事だとやりがいを感じます。

Z.M.さん (男性 / 山梨県)
バリスタ 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

私自身、コーヒーを飲むことや喫茶店に通うことが趣味だったため、「バリスタであること」自体がやりがいであるとすら言えます。
大学生の頃は、喫茶店でのアルバイトを通してバリスタとしての技術を得ていったのですが、客商売ゆえのお客様とのコミュニケーションが楽しかったり、オリジナルメニューを店の関係者や常連客の皆様に認めてもらえることが私のやりがいでした。
その後、大学を卒業し、個人で喫茶店の経営を始めました。ゆっくりと、ゆるりと経営していく中で、コーヒーを通じてさまざまなお客様と知り合いました。そして半人前だった私が、修行を積み、一人前となって認められました。努力は認められる、必ず実を結ぶ、というところが、バリスタとしてのやりがいではないでしょうか。

S.M.さん (女性 / オーストラリア ゴールドコースト)
バリスタ 勤続年数1年 (職業 : 自由業)

何十回もコーヒーを作り、手に入れたラテアートのスキルが、お客様にコーヒーを出すたびにさらに磨かれ、どんどん上手くなっていくのを見ることや、毎回「いかに美味しいコーヒーを淹れることができるか」に挑戦することにやりがいを感じます。
他にも、エスプレッソマシンをパーフェクトな状態に保つメンテナンスの方法や、ミルクの品質などにより変わるスチーマーのコツの習得、新しい豆で作るコーヒーの新たな発見など、常に新鮮なことばかりでコーヒーについて学べば学ぶほど奥が深く、知れば知るほどコーヒーの魅力に引き込まれてしまいます。
そんな素晴らしいコーヒーの魅力に毎日関われることにもとてもやりがいを感じますし、お客様などからコーヒーのことを聞かれ説明することにもとても喜びを感じます。

A.K.さん (女性 / 群馬県)
バリスタ 勤続年数3年 (職業 : 会社員)

コーヒーを淹れることと、エスプレッソマシンを使用してラテアートを作ることが主な仕事でしたが、初めは毎日淹れたコーヒーの味が違うので、気温と湿度や自分のコンディションなどがそのまま素直に味に表れることを知りました。
豆を開けてから酸化するにつれて味が変化することも学び、コーヒーの深さを知れば知るほど面白く、美味しく淹れられたときは最高に嬉しかったです。
そしてラテアートは終わりがないと言ってもいいほどさまざまな種類があり「より多くの絵を描きたい」、「さらにミルクのきめ細やかさも極めたい」という気持ちと、目標が常にあり続けることで向上心を持つことができています。向上心を持てることが一番のやりがいを感じられる理由だと思っています。

Q2.バリスタになるために努力したことを教えてください

M.Y.さん (女性 / 北海道)
バリスタ 勤続年数2年 (職業 : 会社員)

まずは、コーヒーの淹れ方です。私が働いていたカフェはペーパードリップ方式を使用しており、注文ごとに豆をその場で挽き、淹れたてをお出しするという流れです。
しかし、一度に別々の種類のコーヒーを5杯同時に並べて淹れるということもありましたから、じっくり時間をかけて淹れるというより流れを止めずうまく順序だてて淹れていけるかということが大変でした。
もちろん最初は1杯ずつ入れるところからですが、2杯、3杯とだんだん一度に淹れられる数が多くなると流れ作業みたいになり、心のこもった美味しいコーヒーなんて淹れることはできないんじゃないかと落ち込みました。
しかし、まずはコツコツと続けることだと思います。大変ですが数をこなして学ぶことの方が多いです。コーヒー豆の状態が日によって違ったりだとか、豆の状態によって淹れ方を変えようとか、結果的にそんなことも楽しく考えられるようになりました。

Z.M.さん (男性 / 山梨県)
バリスタ 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

私はもともと、「バリスタになりたい」と強く思っていたわけではなく、努力というほどの努力、厳しい修行などをしていたわけではありませんでした。あくまで最初はバイトの一環として、ミスに気をつけながら基礎を学んでいただけでした。
私は大学では経営学を学んでいましたが、アルバイトで知ったコーヒーの魅力こそが、今の自分を作ったと思っています。
意識的に努力していたわけではありませんが、自分が将来の夢を実現するために必要なことをしていたら、自然とそれが世間一般で言う「努力」になっていた、というわけです。

S.M.さん (女性 / オーストラリア ゴールドコースト)
バリスタ 勤続年数1年 (職業 : 自由業)

まずは学校で基本的なコーヒーの勉強や、エスプレッソマシンでのコーヒーの淹れ方を学び、Prepare and Serve Espresso Coffeeという資格(Certificate/証明)を取得しました。
最初はカフェでウエイトレスとして働き、空き時間にラテアートの練習をさせてもらい、徐々にラテアートができるようになり、バリスタとして仕事に就きました。コーヒーを作ることだけではなく、さまざまな豆や抽出法などを勉強しました。コーヒーはかなり奥が深いので、学べば学ぶほどさらに新しいことへ挑戦することができます。そしてラテアートもさまざまな模様に挑戦すればするほどスキルが必要になってきますし、ミルクの種類によっても入れ方を変えなければいけないので、常に練習が必要となってきます。

A.K.さん (女性 / 群馬県)
バリスタ 勤続年数3年 (職業 : 会社員)

コーヒーの基本的な知識を知るために通信の「コーヒーコーディネーター」の資格を取りました。基本的な知識を頭に叩き込んでおけば、あとはひたすらコーヒーに触れて勉強をするだけです。コーヒーの味を表現している言葉を覚えるのではなく、実際に飲むことで味を覚えて自分なりの言葉で表現することを意識していました。コーヒーの淹れ方もたくさんの方から教わることで良い部分を吸収し、美味しいコーヒーを安定して淹れられるようにしました。
バリスタとは、メニューを言われなくてもお客様の気分や要望を聞いておすすめのコーヒーを用意するくらいのことができて当たり前なので、ひたすら豆の特徴や香りを覚えるために毎日何杯も試飲をして覚えました。

Q3.バリスタのいいところ・悪いところ・将来性は?

M.Y.さん (女性 / 北海道)
バリスタ 勤続年数2年 (職業 : 会社員)

まずは良い点です。私も経験してわかりましたが、バリスタの仕事は端から見ているよりずっと奥深く、やはり経験値がないとすぐにはできません。そういった意味では、一度スキルを手に入れてしまえば転職しても即戦力になると思いますし、年齢に関係なくできる仕事だと思います。もうひとつは、ゆくゆくは自分のカフェを持つということにも挑戦できるという点です。
悪い点ですが、これはやはり収入面です。仕事が好きで働いていても金銭的な理由で別の職種に転職する人を多く見てきました。もうひとつは良い点とも重なりますが、念願のカフェを開業したとしても、チェーン店が多く出店していますから、個人経営で戦うのは難しいことです。お店を軌道に乗せ、事業として継続するにはかなりの努力が必要ですし、バリスタの仕事能力とは別の経営能力も優れていないと難しいと思います。

Z.M.さん (男性 / 山梨県)
バリスタ 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

バリスタという仕事は、業務形態にもよりますが、安定した収入を得ることができる職業とは言い難いです。
個人で店舗を構えていた私は、アルバイトを雇えるくらいには、安定した収入を得ていましたが、それ以上に大きくするのは難しい、と個人的には思います。
私は現在勤めている会社からヘッドハンティングを受けたことで、満足のいく収入を得ることができていますが、正直、バリスタ一本で満足する人の方が多いと思います。
まとめると、バリスタという仕事には夢があります。将来性があるわけではありませんが、「経営」を地でいく感じがして、好きな人にとってはとても良い仕事でしょう。ただ、それ以上、キャリアとしてステップアップすることはできないと思います。

S.M.さん (女性 / オーストラリア ゴールドコースト)
バリスタ 勤続年数1年 (職業 : 自由業)

日本はまだ海外に比べてコーヒーの需要が低いですが、海外では年々コーヒーの需要が増えており、人々のコーヒーに対する意識も高くなってきているので、そのような影響が日本にも少なからず訪れるのではないかと思います。
今後長い目で見たとき、日本でもコーヒーにこだわりを持つ人々が増え、今のカフェチェーン店には新しい改革が必要になってくるかもしれません。もしくは全てをマシンに任せるカフェチェーン店は需要が減り、今後バリスタのスキルが必要となる「こだわりのコーヒー」を作れるカフェなどの需要が高まってくるのではないでしょうか。そうなると必然的にバリスタのスキルがある人のニーズが高まると思います。

A.K.さん (女性 / 群馬県)
バリスタ 勤続年数3年 (職業 : 会社員)

バリスタはコーヒーを美味しく淹れることはもちろん、コーヒーを飲む時間を最高に素敵な時間にすることも仕事のうちだと思います。良い点は不景気だとしても、忙しい日々の中で少しの贅沢にとカフェで一休みする方は多いというところです。需要があるからこそ将来的にも希望があります。またラテアートも3Dになったりとどんどん進化しているので、話題性でもまだまだ人気が衰えないところも良い点です。
悪い点はコーヒーショップなのにスイーツのように甘く見た目が華やかで、肝心なコーヒーの味はそこまでこだわっていないお店でも、絶大な人気があることです。シンプルなコーヒーで勝負したとしても、見た目が華やかなものを好む方は多いです。わざわざコーヒーを深く勉強したとしても、そういうお店で働くとなるとやりがいを感じられないことが多いのではないかなと思います。