給料が振り込まれる時間がわかれば、すぐ引き出したいときに困りません。それには給料振り込みのルールや、銀行によって変わる引き出し可能な時間を把握しておくことが大切です。振り込まれていなかったときの対策も紹介するので、チェックしていきましょう。
給料を振り込む時間に決まりはある?支払う側のルール
まずは、支払う側のルールから見てみましょう。給料を振り込む時間に決まりはあるのか、詳しく解説します。
給料日の午前10時までに引き出せるよう指導されている
支払う側は、労働基準監督署より『給料日の午前10時頃までに引き出せるように』との指導を受けています。給料日が土日にあたる場合は、前営業日に振り込まれるのが一般的です。例えば、給料日が20日で土曜日になっている月は、19日の午前10時までに振り込まれます。
ただし、あくまでも指導を受けているだけなので、必ず午前10時までに振り込まれるとは言い切れないのが実情です。
参考:賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい。|厚生労働省
従業員の多い企業なら深夜0時振り込みが多い
従業員の多い企業は、銀行へ事前にデータを送っていることがほとんどです。多くは給料日の数日前には振り込み作業が終わっており、給料日当日に作業することはありません。
また、銀行側も企業からデータを受け取った後に振り込み予約をしているので、日付けが変わったと同時に振り込まれます。
ただし従業員の少ない企業や個人事業主は、当日に振り込み作業をすることも珍しくありません。給料振り込みの処理をする前にやらなければいけないことができれば、若干遅れが生じることもあるでしょう。
銀行によって引き出せる時間に差はある?
給与口座の銀行によって、引き出し時間に差が出るのか解説します。自分の給与口座とする銀行はどうなのか、チェックしていきましょう。
都市銀行の場合
まずは都市銀行をはじめ、普通銀行を給与口座にした場合の引き出し可能時間を紹介します。一般的には、振り込み処理が完了した時点で、即時入金されるので、営業開始時間とともに引き出しが可能です。
例として、みずほ銀行 渋谷支店・三菱UFJ銀行 渋谷支店・三井住友銀行 渋谷支店の3行の平日の利用時間をチェックしていきましょう。
- みずほ銀行 渋谷支店:窓口営業時間 9~15時/ATM利用時間 0~24時(月曜0〜7時は利用不可)
- 三菱UFJ銀行 渋谷支店:窓口営業時間 9~15時/ATM利用時間 7時~19時
- 三井住友銀行 渋谷支店:窓口営業時間 9~15時/ATM利用時間 0~24時
ATMの利用時間は店舗、または平日・土日祝によって異なることが多いので、事前に確認するようにしましょう。また各銀行のアプリを活用すると、すぐに残高を確認できるので便利です。
ネットバンクやゆうちょ銀行は?
ネットバンクは実店舗を持たず、ネットの中でのみ取引する銀行です。主にソニー銀行やauじぶん銀行、楽天銀行などがあります。振込手続きをされると即時入金されるので、待ち時間がありません。
楽天銀行を例にすると、不定期に行われるシステムメンテナンス時を除き、提携銀行ATMの利用可能時間によって引き出し可能です。取引履歴もネットの中で確認できるので、店舗に行って確認する手間が省けて便利でしょう。
また、ゆうちょ銀行に関しても、振り込み手続きがされると即時入金されます。窓口営業時間は9~16時までですが、ゆうちょ銀行店舗内や郵便局内のATMでの引き出しは、店舗によって異なりますが最長で平日0時5分〜23時55分までです。またファミリーマート等にもATMが設置されています。
ゆうちょ銀行にも便利なアプリがあるので、手軽に残高確認をしたい方におすすめです。
給料日が土日祝日の場合
一般的には、土日祝日前の平日に振り込まれることがほとんどです。例えば、給料日が土日になる場合は金曜日に、祝日になる場合は前日に振り込まれます。
ただし、会社によっては休日が明けてから支給する場合もあります。もし、給料日が土曜日の場合、振り込まれるのは月曜日になるので、家計には厳しい週末となるでしょう。
給料振り込みのタイミングについては、契約時にしっかり確認しておくことが大切です。
もし給料が振り込まれていなかったら?3つの対策を紹介
まれなケースではありますが、給料が振り込まれていないこともあるかもしれません。振り込まれていなかったときの対策を紹介します。
勤務先に確認する
まずは勤務先に確認しましょう。必ずしも、『給料が振り込まれていない=倒産の危機』とは限りません。繁忙期で忙しく作業に遅れが出ていたり、データに不備が見つかり銀行から返却されていたり、何かしら原因があって遅れている可能性があります。
もし、午前中の段階で給料が振り込まれていない場合は、銀行窓口が開いている15時まで待ってみましょう。15時までであれば、労働基準法第24条で規定している『一定の期日を定めて支払わなければならない』には違反していないことになります。
参考:賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい。|厚生労働省
勤務先に未払い賃金の支払を請求する
連絡しても一向に支払われないときは、勤務先に対して未払い賃金の支払い請求を行います。手順としては、以下の通りです。
- 未払いの証拠を集める(タイムカード・シフト表など)
- 未払い賃金請求書を作成する
- 会社に未払い賃金請求書を内容証明にて送付する
会社宛てに送る際は、必ず内容証明で送るのがポイントです。郵便局が記載内容を確認した上で、郵便物の存在を証明してくれるので、会社側が「もらっていない」と言い逃れることを防げます。
労働基準監督署に相談する
未払い賃金請求書を送っても給料が支払われない、連絡が途絶えてしまったなどのときは、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は、管内の企業が労働関係の法令に違反していないかを監督したり、ときには行政指導したりする機関のことです。
勤務先を管轄している労働基準監督署に、電話相談した後、窓口での対応となります。ただし、労働基準監督署は未払いがあることを証明するものがないと対応してくれない可能性があります。
タイムカードやシフト表など、証拠になるものをそろえてから相談するようにしましょう。
給料の振込時間はしっかり覚えておこう
一般的に、給料は当日の午前10時までに引き出せるよう振り込まれています。従業員の多い企業などでは深夜0時に振り込まれるよう、事前に処理している場合もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
給料の振込時間をしっかり覚えておくことで、引き出せる時間の思い違いを防げます。また、給料が振り込まれないときの対処法も覚えておくと、万一に備えられるでしょう。
就業規則など社内諸規程作りのプロフェッショナル。人事労務コンサルタント・特定社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー(AFP)。企業人時代を含め通算24年の人事コンサルを経験。一部上場企業から新設企業までを支援。セミナー講師、雑誌・書籍の執筆実績も多数。
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