履歴書に「現在に至る」を書く際、どこにどうやって書くのが正解なのか、悩むことがあります。間違った書き方をすると、採用担当者を誤解させる原因になるでしょう。
スムーズに転職活動をするには、自分の状況に合わせて正しい情報を書き入れることが大切です。この記事では「現在に至る」「以上」の書き方や、必要性などを解説しています。
在職中、退職済みの場合の職歴欄の書き方や、ありがちな疑問に対する回答なども併せて見ていきましょう。
この記事のポイント
- 「現在に至る」はどこで使う?
- 在職中の場合、履歴書の職歴欄の最後に「以上」とセットで使います。既に退職している場合は記載しません。
- 書き忘れるとどうなる?
- 在職中であるかどうかが不明確になり、応募先に誤解される恐れがあります。
- 在職中と書いてもいい?
- 職歴欄の「現在に至る」は企業に所属している状態を示しているので、在職中と書いても同じ意味です。どちらかを使用し、現時点での情報を正しく伝えましょう。
履歴書に使用する「現在に至る」の意味

履歴書には応募者の立場を明確にするため、さまざまな表現が用いられます。言葉の意味や、セットで使われる「以上」との違いを見ていきましょう。
「在職中」でも同じ意味
履歴書の「現在に至る」は、現在働いているのかそうでないのかを伝える際に記載します。職歴に加えると、最後の行に記載した企業に在籍中であると分かります。在職中と同じ意味で使えると覚えておきましょう。
退職してから転職活動をする人もいれば、在職中から行動を開始する人もいます。雇う側にとって、応募者が現状「どこかに勤務しているのか」「退職しているのか」といった情報は選考の際に重要です。
履歴書の職歴欄には「働いていた企業名と期間」「在職中かどうか」の情報を分かりやすく正確に書きましょう。
「以上」との違い
「以上」は、その項目についての記載を終了する意味で記載します。履歴書では「現在に至る」とセットで使われる言葉です。
記載すると、それ以上の職歴がないことを明確に表現できます。入れなかったからといって意味が通じないわけではありませんが、あった方が丁寧です。情報に書き漏れがないことの印にもなります。
学歴や職歴の内容が正確に記載できていても、「以上」は書き忘れてしまいがちです。職歴を書き終えたら必ず点検し、完璧な履歴書を目指しましょう。
「現在に至る」「以上」の書き方

履歴書の「現在に至る」「以上」の書き方は、形式が決まっています。正しく記載しないと、在職中なのかそうでないのかが分かりにくくなります。書き方のポイントを見ていきましょう。
職歴欄の最後に書く
職歴を書き終えたら、すぐ下の行に左寄せで「現在に至る」と書きます。左端にそろえることで、見やすいレイアウトになります。職歴が長く、行の残りに余裕がない場合は、下記のように同じ行にまとめて書きましょう。
【例】
平成○年 ○月 営業部営業一課に配属 現在に至る
退職予定日が決まっている場合、「現在に至る」の横に括弧書きで日付を入れましょう。
スペースに余裕がなければ「本人希望欄」に、退職予定日を書いても構いません。例えば「〇月〇日に退職を予定しています」のように書きましょう。
こうすると、いつから働き始められるのかが明確になり、採用担当者が選考の参考にしやすくなります。
締めくくりに「以上」を書く
「現在に至る」と書いたら、その下の行の右端に「以上」を書き入れます。スペースに余裕がなく枠に入らない場合は、下記のように同じ行に書いても構いません。
【例】
平成○年 ○月 営業部営業一課に配属 現在に至る 以上
職歴欄が長くなってしまう場合、無理に小さい文字で書き入れてスペースを増やそうとすると、見づらくなります。読み手のことを考えるなら別紙の職務経歴書を用意し、提出するようにしましょう。
退職日と最終出社日を混同しない
すでに退職している場合、「現在に至る」は書きません。転職活動を開始するタイミングが有給消化中で、退職日より前ならば必要です。
正しい情報を記載するには、退職日と最終出社日を混同しないように注意しましょう。最終出社日は、その企業に在籍期間中の最後の出社日のことです。
例えば、退職日が5月30日でも、有給休暇が15日間残っている場合は、5月15日を最終出社日とすることがあります。
「有給休暇が残っていない」「引き継ぎに時間がかかってしまった」などの理由で、退職日と最終出社日が同じになるケースもあるでしょう。
シーン別「現在に至る」「以上」の例文

在職中なのか、退職済みなのかで職歴欄の書き方が変わります。そのときの状況によって書き方を変えねばならず、間違えやすい部分です。在職中、退職後、フリーランスの経歴がある場合、それぞれの例を紹介します。
例文中の「学歴」「職歴」の文字は中央、「現在に至る」は左端、「以上」は右端にそろえて書きましょう。
在職中の場合
在職中に転職活動をする際の書き方の例を紹介します。
【例1】
- 学歴
- 平成○年 ○月 ○○県立○○高等学校 卒業
- 平成○年 ○月 ○○大学経営学部経営学科 入学
- 平成○年 ○月 ○○大学経営学部経営学科 卒業
- 職歴
- 平成○年 ○月 株式会社○○入社
- 営業部営業一課に配属 新規顧客開拓、既存顧客への対応
- 現在に至る
- 以上
退職日が決まっている場合は、下記のように日付を入れましょう。
【例2】
- 職歴
- 平成○年 ○月 株式会社○○入社
- 営業部営業一課に配属 新規顧客開拓、既存顧客への対応
- 現在に至る(令和○年○月○日 退職予定)
離職した場合
離職している場合、企業に所属していない状態なので「現在に至る」は書きません。下記のように記載しましょう。
【例】
- 職歴
- 平成○年 ○月 株式会社○○入社
- 営業部営業一課に配属 新規顧客開拓、既存顧客への対応
- 令和○年 ○月 一身上の都合により退職
- 以上
在職中も退職後も、職歴欄の終わりには「以上」を書きましょう。退職理由が自己都合の場合は「一身上の都合により退職」としますが、倒産やリストラなど、会社都合の場合は「会社都合により退職」とします。
フリーランスや個人事業主の場合
会社員ではなく個人事業主やフリーランスとして働いている場合、書き方が変わります。開業届を出している場合は以下のように書きましょう。
【例】
- 職歴
- 平成○年 ○月 株式会社○○入社
- 令和○年 ○月 一身上の都合により退職
- 令和○年 ○月 個人事業主○○(屋号を入れる)として活動開始
- 現在に至る
- 以上
開業届の有無で書き方を変えるのがポイントです。出していない場合は「フリーランスの○○として活動開始」とします。○○の部分には職種名を入れましょう。フリーランスでなくなった場合は「廃業」もしくは「活動停止」とします。
「現在に至る」「以上」がないとどうなる?

「退職と書いていなければ、在職中であると分かるのではないか?」と思う人もいるでしょう。既に履歴書を提出しており「現在に至る」「以上」などを書き忘れてしまった場合、選考で不利になるのでしょうか。
書き忘れがあったとき、採用担当者にどう思われるのか、合否に影響があるのかどうかなどを見ていきましょう。
応募先に現状が伝わらない
在職中か退職しているかによって働き始めるタイミングが変わるため、企業にとって正確に把握しておきたい部分です。人手不足や業務拡大などで、すぐにでも人員を補充したいというケースでは、特に重要な意味を持ちます。
履歴書には応募する時点での情報を、正確に記載する決まりです。採用担当者の中には「現在に至ると書かれていないから、既に退職していてすぐに働き始められるのだろう」と、誤った解釈をする人もいるかもしれません。
誤解されるくらいなら、最初から現状が正しく伝わるように書いた方がよいでしょう。
漏れがあると思われる
「以上」はそれ以上、書くべき情報がないことを意味します。加え忘れると、他に学歴や職歴があるのではないかと誤解される可能性があるでしょう。
在籍中と退職済みどちらの場合も「以上」を書き入れれば、情報に漏れがないことを表せます。
「以上」は履歴書だけで使われる表現ではなく、ビジネス文書でもよく使われる言葉です。例えば、送付物一覧や連絡事項のまとめなどに用いる「記書き」では「記」と「以上」をセットで使います。
この両方があることで、伝えるべき内容を全て伝えたという意味になり、読み手が情報を分かりやすく整理できる点がメリットです。
書類選考での評価が下がる可能性がある
「現在に至る」を書き忘れたからといって、選考に大きく影響するとは限りません。応募先が求める人物像と一致していれば、履歴書の書き方のささいな間違いを重視するケースはないと考えてよいでしょう。
しかし、採用担当者の中には、厳しい目で履歴書の内容をチェックする人もいます。「現在に至る」の記載がないことでマナー違反だと感じ、マイナスの印象を抱く場合もあるかもしれません。
自分と同じ評価の人物が複数いた場合は、不利になる可能性もあります。また、履歴書のミスは、細かい仕事が苦手なイメージを与える心配があるでしょう。余計な印象を与えないためにも、正確に書き入れる方が得策です。
「現在に至る」の書き方に迷ったときのQ&A

就業状況はそれぞれであり、どのようなタイミングで転職活動をするかにも個人差があります。初めて転職をする場合、履歴書の書き方に迷うことは珍しくありません。
「現在に至る」の書き方で、ありがちな疑問と回答を見ていきましょう。
退職予定日が決まっていない場合の書き方は?
退職予定日は「現在に至る」とセットで書くと決まっているわけではありません。退職すると決めていても「勤務先に申し出ていない」「話し合いが進んでいない」などの理由で、具体的な日付を書けない場合もあります。
決まっていない場合は具体的な日付を書かなくてよいですが、入社可能日はある程度決めておきましょう。企業は、いつから働き始められるか見当が付かない人は採用しません。
よほどの有望な人材であっても、待てる期間は2カ月程度です。入社日があまりにも先になってしまう場合、採用を見送られることが一般的だといえます。
また、退職する日を決める際は、現在の勤務先の都合も考慮しましょう。「退職する場合は○日までに申し出ること」というように、就業規則で決まっている場合もあります。
企業によって異なりますが、退職の1〜2カ月前には申し出るように決められていることが少なくありません。
「現在に至る」の日付は入れるべき?
「現在に至る」の現在がいつなのか、日付を入れた方が丁寧に感じる場合があります。「現在に至る(○年○月○日)」のようにすれば、情報がより具体的になるでしょう。
しかし、履歴書の上部に日付を入れる欄が設けられています。ここには提出日を入れる決まりです。履歴書の提出日が現時点を表しているため、他の部分に現在の日付をあえて入れる必要はありません。
日付を入れるのは、最新の情報であることを明記するためや、履歴書の使い回しを防止する意味があります。履歴書の提出日がはっきりとしない場合は空欄にしておき、提出日が決まった時点で書き入れると無駄がありません。
在職中と書くのは間違いなの?
在職中とは、現在勤めている会社に在籍中であることを示しています。在職中と書いても現在に至ると書いても同じ意味です。
履歴書に書く方法として、どちらが良いと決まっているわけではなく、書きやすい方で構いません。在職中とする場合の書き方は以下の通りです。
【例】
- 平成○年 ○月 株式会社○○に入社 在職中
在職中と書く場合も、書き終わりを示す「以上」を、すぐ下の行の右端に入れるのを忘れないようにしましょう。
退社と退職はどちらが正しい?
退社と退職はどちらも会社を辞める意味で使えますが、履歴書では退職を使用するのが一般的です。入社と対になる表現なので、退社の方が正確なのではと感じる場合もあるでしょう。
どちらを使用しても意味として間違っているわけではありませんが、その日の勤務を終える際にも退社を使うので、履歴書には退職と書きます。
2つの意味があることを考えると、より意味が伝わりやすい方を選ぶのが正解です。勤務先に辞める意思を伝える際も、ただ「退社します」と言っただけでは、会社を辞める意味だと分かってもらえない可能性があります。
退社という言葉を使いたいのであれば「転職を考えていて、既に内定をいただいているため、今月末で退社できますでしょうか」というように、具体的に伝えるか「退職」の方を使いましょう。
履歴書に「現在に至る」を正しく記入しよう

「現在に至る」を記入すると、現状を正しく伝えられます。職歴欄は、これまでにどのような仕事をしてきたのか、いつから働き始められるのかなど、応募先の企業にとって重要な情報が書かれている部分です。
「現在に至る」を書き忘れたからといって、合否に大きく関係するわけではありませんが「うっかりミスをしやすい人かもしれない」と、思われる可能性はあります。
履歴書を書く際は読み手の理解しやすさを第一に考え、書き方を工夫することが大切です。全てを書き終えたら、分かりにくい点はないか読み返してみましょう。