履歴書の「現在に至る」の意味は?「以上」との使い分けを解説

転職活動をしているものの、履歴書に書く「現在に至る」の使い方がよく分からないという人もいるのではないでしょうか。「現在に至る」や「以上」の使い方を解説します。選考以外の部分で印象を落とさないよう、正しいマナーを身につけましょう。

履歴書における「現在に至る」の意味は?

履歴書を用意する

(出典) photo-ac.com

「現在に至る」の意味するところは何なのでしょうか。正確な意味を把握していないと、使いどころを間違える可能性があるため、ここで理解しておきましょう。

在職中であることを表す

「現在に至る」とは、現在その仕事に就いていることを意味します。つまり「現在に至る」と記載すれば、現在仕事をしながら転職活動していることを伝えられます。「在職中」と書いても同じ意味です。

これを踏まえると、すでに退職している場合には「現在に至る」とは記載しません。なお「現在に至る」は、学歴には使えないので注意が必要です。同じ意味を伝えるには、「在学中」や「卒業見込み」を使います。

「以上」は職歴の記載の終了を意味する

「現在に至る」と一緒に使われる言葉に「以上」があります。「以上」とは「このトピックについての記載はここまで」ということを意味し、在職中・離職中を問わず必ず書くのがマナーです。

つまり、在職中の場合は「現在に至る」と「以上」の両方を、離職中の場合は「以上」のみを書きます。また「以上」はトピックの終わりを意味するため、それ以降は何も記載しません。

「現在に至る」の書き方や注意点

履歴書を書く

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「現在に至る」の意味が分かったところで、実際に履歴書に記載する方法を見ていきましょう。ポイントを押さえれば難しくありません。

職歴欄最終行の1行下に左寄せで書く

「現在に至る」は、職歴欄最終行の1行下に左寄せで書きます。「以上」は職歴欄最終行の1行下に右寄せで書きましょう。残り1行しかない場合は、同じ行に書いても問題ありません。

1行も残っていない場合は、最終行の職歴の記載から2文字程度空け、それぞれ分けて書きましょう。「在職中」や「在学中」を使う場合は、職歴欄最終行に職歴と一緒に書きます。

有給消化中でも「現在に至る」と書く

選考を受ける時期が、有給休暇の消化中という場合もあるでしょう。有給消化中であっても退職をしたわけではないため、職歴欄には「現在に至る」と書きます。

退職日と最終出社日は異なるので、混同しないよう注意しましょう。アルバイトの場合も、考え方は同じです。

なお、フリーランスには退職という概念がありません。フリーランスの場合は、現在も仕事を続けているなら「現在に至る」と書きましょう。

退職予定日は「現在に至る」の下に書く

退職予定日が決まっているなら「現在に至る」の下に記載しましょう。退職予定日は「○○年○月○日 退職予定」と書きます。入社希望日がある場合は、本人希望欄に記載しましょう。退職日が決まっていなければ、書かなくても問題ありません。

しかし、採用担当者は入社できるタイミングを知りたいため、いつ退職するのか面接で聞かれる可能性があります。そのため、おおよその目安は把握しておくべきといえるでしょう。

職務経歴書の「現在に至る」の書き方

職務経歴書に「現在に至る」と記載する場合は、職務内容の最終行に書きます。職務経歴書には入社日と退職日をセットで記載しますが、在職中の場合は最新の経歴に退職日を記載しません。そのため、最新の経歴は入社日と「現在に至る」をセットで記入します。

退職予定日を書く場合は「現在に至る」の横にかっこ書きしましょう。職務経歴書でも、末尾には改行して「以上」と記載するので注意が必要です。

「現在に至る」を書き忘れるとどうなる?

履歴書を手渡す

(出典) photo-ac.com

もし「現在に至る」を書き忘れた場合、どのような事態が想定されるのでしょうか。書き忘れが選考や面接でのやり取りに、どのような影響を及ぼすのかを解説します。

就業状況について誤解を招く可能性がある

結論としては、履歴書に「現在に至る」を書き忘れただけで不採用になるケースはほとんどありません。しかし「現在に至る」がないと、退職済みと勘違いされる可能性があります。

その結果、入社時期について採用担当者と応募者の間で認識の齟齬が生まれる恐れがあり、印象を悪くする一因となります。また、基本的なマナーがなっていないと思われる可能性もあるので、書いておくに越したことはないでしょう。

マナーを守って履歴書を作成しよう

履歴書と封筒とペン

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「現在に至る」は、在職中の場合に記載する言葉です。「在職中」も同じ意味の言葉なので、どちらを記載しても問題ありません。学生の場合は「在学中」または「卒業見込み」と記載するので、注意が必要です。

「現在に至る」は職歴欄の最終行に左寄せで書くのが原則です。「以上」は記載が終わることを意味するので「現在に至る」の後に記載し、それ以降は何も記載しません。

社会人としては、履歴書を完璧に書けることが望ましいので、正しいマナーを把握して仕上げましょう。