面接で質問されるキャリアプランの立て方や答えるポイントを解説

面接ではキャリアプランについて聞かれることがあります。採用を意識したキャリアプランの立て方や答え方を知り、万全の対策を講じて面接に臨みましょう。面接でキャリアプランを聞かれる理由や評価が上がる例文を紹介します。

面接でのキャリアプランの答え方

男性面接官

(出典) pixta.jp

キャリアプランとは、仕事や働き方における理想の将来像を実現するための、具体的な行動計画のことです。企業は面接で応募者にキャリアプランを聞き、さまざまな評価を下しています。

重要なポイントを押さえてキャリアプランを考えれば、面接官に与える印象を良くすることが可能です。面接でキャリアプランを聞かれた際の適切な答え方について解説します。

具体的なイメージを伝える

漠然とした内容のキャリアプランを伝えても、面接官からすると具体性や信ぴょう性が薄く見えてしまいます。面接でキャリアプランを説明する際は、具体的なイメージを伝えることが重要です。

前職までの経歴を見据えた上でのプランの提案や、年齢を意識すると良いでしょう。「前職ではチームのリーダーを務めておりましたが、将来的に〇〇になるために、御社では30歳までにプロジェクトマネージャーになりたい」といった目標を述べるのがおすすめです。

20代後半から30代の転職希望者なら、既に一定期間の社会人経験を持つ年代であるため、より具体的なキャリアプランを回答する必要があります。

企業理念やビジョンに合っているかも重要

面接で伝えるキャリアプランは、応募企業で実現できるものにしましょう。実現不可能な内容を述べると、離職するリスクが高いと判断され、不採用になる可能性が高まります。

事前に企業研究を行い、企業理念やビジョンを把握しておけば、応募企業で実現できるキャリアプランを作りやすくなります。自分の目標と企業が目指すものをできるだけ寄せることが重要です。

キャリアプランが企業理念やビジョンに合っていれば、入社後も同じ価値観を持って仕事をしてくれると判断してもらえます。

志望動機などと一貫性を持たせる

面接では、志望動機や退職理由も聞かれます。キャリアプランは志望動機や退職理由と一貫性を持たせましょう。

5年後にプロジェクトマネージャーとして活躍することが目標なら、応募企業への志望動機は「プロジェクトリーダー候補として働けるから」「マネジメントスキルを生かしたい」といったものになるのが理想です。

キャリアプランを実現するための転職活動であることを説明できれば、履歴書全体に納得感を持たせられます。面接でもスムーズな受け答えができるでしょう。

目標に向けて努力している内容も必要

キャリアプランの説明では、単に目標や計画を述べるだけでなく、目標に向けて努力していることも盛り込みましょう。具体的に何をしているのかを述べる必要があります。

将来的に海外の支店で働くことを目標に掲げる場合は、英語の勉強を頑張っていることや、語学留学に取り組みたいといったことを伝えるとよいでしょう。IT業界でのキャリアプランなら、プログラミング言語やIT系資格の取得に向けた努力を述べるのがおすすめです。

目標や計画と現在の努力内容を併せて伝えることで、キャリアプランの実現に対する強い熱意を示せるため、志望度の高さを評価されて採用されやすくなるでしょう。

面接でキャリアプランが質問される理由

面談の様子

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面接でキャリアプランが質問されることはよくあります。なぜ質問されるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

自分のことを客観視できているか知るため

キャリアプランをしっかりと立てるためには、自分と向き合わなければなりません。「自分に何ができるのか」「自分は何をしたいのか」ということを、自己分析で明確にする必要があるのです。

面接でキャリアプランについてきちんと答えられる人は、自分のことを客観視できていると判断され、評価が高まります。自己分析ができる人は、強みをうまく発揮しながら活躍できる上、苦手なことへの対策もしっかりと考えているためです。

自己分析だけでなく企業研究を行っているかどうかも、キャリアプランを聞くことで確かめられています。応募者が会社を深く理解していれば、キャリアプランを通して応募者の本気度も伝わりやすくなるのです。

目標に向けて努力ができるか判断するため

目指すゴールや実際に努力している内容を盛り込んでキャリアプランを説明すれば、目標に向けて努力できる人として見なされ、高く評価されます。

実現可能な目標を立てられることや、目標達成のために頑張れることは、ビジネスで成果を出すための重要な要素です。自分のキャリアプランをきちんと伝えれば、これらの能力を証明することにもなるのです。

努力家を上手にアピールするためにも、キャリアプランの説明では、実際の努力内容を伝える必要があります。適切な目標を定めることも大切です。

キャリアプランの立て方

ノートに書き込む女性

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高く評価されるキャリアプランを立てるためには、自己分析を徹底した上で、理想の自分を想像する必要があります。目標達成のための具体的な計画も考えなければなりません。

自己分析をする

キャリアプランを立てる際は、最初に自己分析を行いましょう。今まで経験してきたことや自分の強みを自己分析で洗い出せば、理想の働き方が見えてきます。

過去の経歴を振り返り、得意だったと思えることや周囲から評価されていたことがあれば、それらは自分の強みです。強みを把握することで、本当は何が好きなのかも分かります。

今までの経験を振り返る際は、満足できたポジションを確立するまでの期間も思い出してみましょう。今後の目標をかなえるために要する時間の目安も把握できます。

理想の自分を想像する

自分に対する理解度が深まったら、次に理想の自分を思い描く作業が必要です。実現できそうなことややりがいを感じられそうなことが、理想の将来像にふさわしいでしょう。

例えば、今まで営業として働いてきて一定の成果を上げている人は、自分が営業に向いていると判断できます。さらに、チームをまとめた経験にやりがいを感じられていたのであれば、営業部門のリーダーとして活躍する姿を理想の将来像とすることが可能です。

理想の自分を想像する際は、ライフプランとの兼ね合いを考慮することも大切です。結婚や老後の生活を絡めてキャリアプランを立てれば、より納得感のある説明を行えるでしょう。

実現するための具体的な計画を考える

キャリアプランには具体的な計画も必要です。理想の将来像を実現するために不足していることを考え、足りない部分を補うために努力すべきことを述べなければなりません。

IT分野でスペシャリストになることをゴールにする場合は、目標を実現するためにスキルや実績を得る必要があるでしょう。資格取得の勉強も目標達成のための有効な手段になります。

具体的な計画を考える際は、応募企業の企業理念やビジョンも考慮しましょう。自分と企業の目標が重なっていなければ、どれだけ立派なキャリアプランを立てられても、企業の評価が上がりにくくなるためです。

面接のキャリアプランの例文

資料を見ながら書き込む

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面接で役立つキャリアプランの例文を、営業職と事務職のケースに分けて紹介します。部分的にアレンジして面接の準備に活用しましょう。

営業職の場合のキャリアプラン例

営業職の場合は、過去の経験や自分の強みを交えたキャリアプランを立てるのがポイントです。

<例文>

将来の目標は御社の海外支社で活躍できる営業になることです。まずは3年後に少しずつでも海外営業に携わっている姿を目標としています。

前職では売上のみにこだわるのではなく、いかに効率よく営業活動を進められるかも意識してきました。無駄の削減と業務の効率化を促進している御社でも、前職の経験を存分に生かせると考えています。

海外営業として活躍するために、現在は個人的に英語の学習も進めているところです。5年後には海外支社でリーダーになれるよう、人間力も向上させたいと思っています。

 

事務職の場合のキャリアプラン例

事務職のキャリアプランでは、自分に足りないことを伝えた上で、どのような努力をしているかをアピールしましょう。

<例文>

事務職のスペシャリストとして、3年後にはより専門性の高い業務を任せられる存在になりたいと考えています。業務効率を改善するための施策立案に携わることも目標の1つです。

現在は専門知識に乏しいため、パソコンや経理事務のスキルアップに向けて資格取得の勉強を進めています。ミスなく丁寧に業務を行えることには自信があるため、今後はスピードを上げることも強く意識して業務に取り組みたいと思っています。

 

面接でNGなキャリアプラン例

悩みながら履歴書を書く

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あまりにも現実味のないキャリアプランを立てると、企業が正当な評価を行いにくくなります。退職・リタイアを踏まえたキャリアプランも避けた方が無難です。

無謀すぎるキャリアプラン

およそ実現不可能なキャリアプランを立てるのはNGです。

客観的に見て実現不可能なキャリアプランを立てると、自分のことを客観視できていないと見なされ、面接での評価を落としてしまう恐れがあります。

意気込みや熱意を強調するのは悪いことではありませんが、面接では納得感のある説明を行うことのほうが重要です。無謀すぎるキャリアプランかどうか分からない場合は、周囲にも自分の説明を聞いてもらい、客観的な意見も参考にしましょう。

退職・リタイアを踏まえたキャリアプラン

キャリアプランにおける最終的な目標を立てる際は、あくまでも自分が働いている姿を想像する必要があります。退職・リタイアを踏まえたキャリアプランにするのは避けましょう。

「お金を貯めて静かに暮らしたい」「ゆくゆくはプライベートを重視した生活をしたい」など、プライベートのために仕事を辞めるプランは、面接で述べる内容としてはふさわしくありません。

転職して別の職に就くことを目標にするのもNGです。自社を踏み台としか考えていないと見なされ、評価を大きく下げてしまうことになるでしょう。

キャリアプランに似ている言葉

ノートにメモをとる

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キャリアプランに似た主な言葉には、キャリアパス・キャリアビジョン・キャリアデザインがあります。面接の会話に出てくる可能性があるため、意味をきちんと理解しておきましょう。

キャリアパス

キャリアパスとは企業における出世・昇進のルートのことで、制度化されているケースもあります。

企業に提示されたキャリアパスに沿って仕事を進めていけば、社内での理想のキャリアを実現できるでしょう。企業にとっても、効率よく人材を育成できるメリットがあります。

人事評価の公平さや妥当性の根拠になることも、キャリアパス制度の特徴です。昇給や昇進の基準が明確になっているため、キャリアパス制度がある企業で働けばモチベーションをキープしやすくなります。

キャリアビジョン

キャリアプランにおける最終目標がキャリアビジョンです。キャリアプランで立てた計画は、最初に設定したキャリアビジョンを実現するために行われることになります。

面接で「10年後のキャリアビジョンは何ですか」と聞かれたら、10年後のなりたい自分の姿を説明しなければなりません。

キャリアビジョンは応募企業で実現可能なものにすることが重要です。個人的な目標やライフプランが中心の目標は、面接で伝えるキャリアビジョンとしてはNGです。

キャリアデザイン

キャリアデザインとは理想のキャリアを設計することです。キャリアプランが目標や計画自体を指すのに対し、キャリアデザインは目標・計画を立てることを意味します。

キャリアプランはキャリアデザインにより生み出されるものです。キャリアプランに基づいてキャリア形成を進める上では、企業のキャリアパスに沿ったステップアップが有効です。

企業によっては、従業員の自己理解を促進するために、キャリアデザイン研修を実施しているケースもあります。キャリアデザイン研修は、他のメンバーの意見から気付きを引き出すために、グループワークで行われるのが一般的です。

面接で具体的なキャリアプランを伝えよう

笑顔で面接に答える女性

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企業が面接でキャリアプランを質問する理由は、応募者が自分のことを客観視できているか確認するためです。目標に向けて努力できる人か判断する目的もあります。

キャリアプランを面接官に述べる際は、具体的なイメージを伝えることや、志望動機と一貫性を持たせることが重要です。自己分析や企業研究をしっかりと行い、魅力的なキャリアプランを示せるように準備しておきましょう。