東京駅まで50分。首都圏に近い一大リゾート地、熱海で生きる魅力とは

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静岡県の最東部に位置し、神奈川県と接する熱海市は、首都圏から近く、いわずと知れた温泉リゾート地だ。熱海温泉は、徳川家康が湯治に訪れたことをきっかけに広く知られるようになり、現在まで栄えてきた。2011年に過去最低まで落ち込んだ宿泊客数は現在V字回復を果たし、熱海市は再び活気を取り戻し、ビジネスチャンスも多くなっている。一方で、大きな課題として抱えているのが、働き手の不足だ。そこで、熱海で働く・住む価値について、熱海市市長の齊藤栄氏に話を聞いた。

 

首都圏に近い、自然豊かなリゾート地・熱海

熱海市は海のレジャーや温泉を楽しめるリゾート地です。全国にたくさん観光地はありますが、他と違うのが首都圏にとても近いこと。

新幹線を使えば、東京駅まで50分、新横浜駅なら30分で着きます。熱海に住んで働きながら、東京に遊びに行くのが簡単にできる距離なのは一つの魅力。新幹線の停車駅だから、「田舎過ぎて不便」な場所ではなく、「交通の便の良い」地方都市なのです。

そんな恵まれた場所でありながら、豊かな自然に囲まれているのが熱海の良いところ。釣り好きな人には最高の漁場が広がっているので、仕事帰りに種類の豊富な海の幸を好きなだけ釣る、なんてことも可能です。

サーフィンが好きな人は、仕事前に車で15分も走れば人気スポットである湯河原に行けますし、ダイビングが好きな人は、休みの日に高速船に30分乗ればリゾートアイランド「初島」に到着。美しい海でダイビングなどのレジャーを堪能できます。

また、東を向く熱海港は、朝日や満月が昇る美しいビュースポット。特に満月の日は、月光が海面に描き出す美しい「月の道」が現れ、それに合わせて「月光ヨガ」などのイベントが開催されることもあります。

地形や地質が希少な「世界ジオパーク」に認定された伊豆半島にある熱海は、日常的に大地からのエネルギーをたくさん得られる場所です。海と山がすぐそばにあり、いつでも温泉で癒やされる。これが、観光地・熱海市で働く大きな魅力です。

 

排他的ではない、オープンに受け入れる土壌

とはいえ、「知らない場所に住み、働く」ことには抵抗があるかもしれません。ですが熱海市は、もともと外から集まって来た人たちによって繁栄してきた歴史があり、そのDNAは今でも受け継がれているため、とてもオープンに受け入れる土壌があるんです。

そもそも熱海は、江戸時代に徳川家康が湯治で訪れたことをきっかけに広く知られるようになりました。明治時代には皇族、政財界の重鎮、著名な文豪たちなどさまざまな人が訪れ、昭和30年頃には「新婚旅行といえば熱海」と言われるほどでした。

その頃からホテルや旅館、飲食店が爆発的に増え、全国から「熱海には仕事がある」と多くの人が移住してきたんですね。ホテルや旅館は約100軒、飲食店は約500店が集中しています。

しかし、新婚旅行は国内よりも海外が主流となり、高度経済成長期は当たり前のように行われていた「社員旅行」も減少。東日本大震災があった2011年まで宿泊客数は減る一方で、この年に過去最低にまで落ち込みました。

しかし熱海市はこの状態から脱却するために、ホテルや旅館、行政など「オール熱海」での改革を実行。結果、見事宿泊客数のV字回復を果たし、若い方を中心に宿泊客を増やすことに成功したのです。2017年度は過去10年間で一番多くのお客様にお越しいただきました。

こうして観光客が増え続けているなかで、大きな課題なのが人材不足です。特に、ホテルや旅館は、本来なら営業をしたいのに、人が足りないから毎週水曜日を休館日にしたり、サービスレベルを下げないためにわざと空き部屋を作って受け入れる宿泊客を減らしたりしているのが現状です。

人口と比較したときの社会増の割合は静岡県内でも高く、外から移り住んでくる人は多いのですが、それでも人材は足りていません。

まち全体に活気がある今こそ、熱海市のポテンシャルを多くの人に知ってもらいたい。外の人たちが集まったことで栄えた熱海市が持つ、オープンに外からの人を受け入れる土壌を生かし、再びその歴史を繰り返したいと考えています。

 

新しい誘客施策と、起業・経営の徹底した支援

V字回復を果たした熱海市の挑戦は、まだ始まったばかりです。今後の取り組みとして挙げられるのは「日本でナンバーワンの温泉観光地づくり」を目指すこと。

新たな誘客施策として、「熱海国際映画祭」を開催します。これまで熱海市は、映画やドラマ、バラエティーのロケ地に使ってもらうためのアテンドに取り組んできました。いつも有名な俳優さんたちが撮影しているような場所にしたいと考え、約7年前から支援を続けているのですが、2018年はその第2弾として映画祭を開催します。

映画祭は、上映が決まっていない映画や、若手監督や若手脚本家が作った映画を上映して、優秀作品を東京・大阪・名古屋で上演する国際コンペ。全世界から1,500本を超える応募が届きました。期間中は世界中から多くの関係者や観客が訪れるでしょう。この取り組みによって、新しい才能を発掘する場所=熱海として認知されることを目指しています。

加えて、地域の事業者が売り上げ増加を目指すために支援する「A-biz(熱海市チャレンジ応援センター)」を設置し、全国公募で選んだチーフアドバイザーに着任いただきました。既存事業者が売り上げを高めるための相談はもちろん、「何かに挑戦したい」と起業を考える人の相談にもすべて無料で対応し、成果が出るまで伴走するため、起業希望者が増えつつあるんです。

しかも、A-bizに相談しにくる年齢層で多いのは、30代前後の若い人たち。熱海市にビジネスチャンスを感じてくれているのだと思います。また、熱海に遊びに来たことがきっかけで興味を持ち、「熱海で何かやりたい」と思ってくれるケースも増加しています。事実、直近1年間で、空き店舗をリノベーションした飲食店や、新しいビジネスを始める人が増え、閉まっていたホテルがリニューアルオープンするなど、熱海全体が動き始めています。

 

未来への投資は惜しまない。住みやすいまち・熱海

熱海に興味を持ち、住んでくれる人たちのために、熱海市が数年前から力を入れているのが子育て支援です。2011年から、15歳までの保険適用内の医療費は無料にしているのですが、これには負担金も所得制限もありません。2018年の秋からは18歳までに拡大する予定です。

また、より良い幼児教育の環境を整えるべく、2018年から認定こども園を着工します。もともと待機児童数はゼロですが、希望する園に通えるよう、保育園と幼稚園の両方が備わった新しい施設をつくり、選択肢を広げようと考えました。

こうして、子どもや教育への投資を手厚くしていることもあってか、不登校者が少ないのも熱海市の特長。一人ひとりの子どもたちへの対応を手厚くしています。これは極端な例ですが、離島の初島にある小中学校は全校児童生徒4人に対して教職員は8人。個別に手厚い指導が行き届いているので、全員がとても優秀です。

ほかにも、全国的に小学校のトイレはまだ和式が多いなか、熱海市は国の補助を待たずに、市内2つの小学校のトイレから、約1億円をかけて洋式化を進める判断をしました。他の予算は削っても、子どもたちへの投資は惜しまないのが熱海市のスタンスです。

全国各地に温泉観光地はたくさんありますが、熱海市は子育てや教育、起業家など、「未来」への投資を惜しまない、熱海で生活する人のことを一番に考えたまちです。そして、首都圏に近いけれど地方都市の良さがあり、一年中レジャーや温泉を楽しめる、自然豊かな場所。より良い人生を送るためにも、熱海市で働くこと、住むこと、生きることを、ぜひ選択肢に入れていただけたらうれしいです。

まずは一度、熱海の活気を確かめに遊びに来てください。飲食店やホテル・旅館、アクティビティーなど地元の人との何気ない会話を通して、熱海のオープンさを感じ、自然から得られるエネルギーや癒やしを感じていただければと思います。きっと、熱海のことが気になるはずです。

 

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執筆者

地方企業・地方自治体の採用を支援するビズリーチ地域活性推進事業部。魅力的な地方の情報をお届けします。