本当にできる人と思わせる「雑談力」とは? 8000人に会ったコンサルが教える5つのコツ

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「どうだ、最近は?」と、何気なく上司が話しかけてきたとしましょう。「ええ、まあ問題ありません」と当たり障りなく返す人もいるでしょう。ただ、これでは話が続きません。

社内のランチの時の同僚との雑談、顧客と商談が終わったあとの雑談、上司との飲みの席での雑談…それら全てがあなたの印象を形作ります。繰り返されれば、あなたの社内での印象や立ち位置も変わるかもしれません。たかが雑談、されど雑談なのです。

では肝心の「雑談の上手い人」は何が違うのでしょうか。今回は、雑談力を高めるためのコツをご紹介したいと思います。

雑談の原則は、たった2つ

雑談がうまい人は2つの原則を守っています。

原則1.相手の話したいことを聞け

原則2.相手の聞きたいことを話せ

 
世界で1500万部を販売したベストセラーであり、出版70年を数えても未だ売れ続ける名著、デール・カーネギー著「人を動かす」では、人に好かれる原則として「聞き手に回れ」「相手が関心を寄せる話題を提供せよ」と述べています。雑談力の本質は、この2つに集約されるのです。

では、2つの原則を守るための具体的方法に移りましょう。

「相手の話したいことを聞く」には、感情を汲む・解決しない・話を取らない

コップのフチ夫
まずは3つのことを行うだけで「原則1.相手の話したいことを聞く」ことができます。

人は感情の生き物。感情を汲む

基本的に人は感情の生き物です。感情的な言葉に注意を払うと雑談がスムーズに運びます。

同僚:「最近、残業続きで嫌になっちゃうよ。全く」

あなた:「いや、オレも残業続きでさ、もう今月は残業100時間を超えたよ」

 
これは、あまりうまくありません。相手の感情を汲んでおらず、自分の話をしてしまっているからです。

このようなときには相手の「嫌になっちゃうよ」を汲み、「そうだよな。嫌になっちゃうよね。顔がつかれているよ。ちゃんと寝てる?」と相手の感情を一旦受け止めましょう。このほうが遥かに相手はあなたに好意を持つでしょう。

相手の課題を解決しない

相談されると、「つい相手の課題を見つけて、解決したくなる」人がいます。とくに男性に多いようですが、ほとんどの場合「上から目線」と、嫌われます。

同僚:「最近、失注続きでさ、結構ヘコんでるんだよね」

あなた:「え、そうなの?お客さんを回ってる数が足りないんじゃない?」

 
いけません。あなたは相手の課題を解決しようとしています。

さり気なく相手の気持ちを受け止め、相手に話をさせ、不安を解消させてあげましょう。大抵の人は、誰かに話を聞いてもらうだけで勇気づけられるのです。この場合、「そうかぁ、そりゃヘコむよね。大変でしょう。明日はどこ回るの?」と言うのが正解です。

自分の話は後。人の話を取らない。

同僚:「今日の全体会議、キツかったな−。部長の話、長くて参るよな」

あなた:「そうだよね。そういえば今日俺が行ったお客さんも話が長くて、2時間ずっと無駄話をしてたよ。おかげでこっちの話が全くできなかったよ。そりゃ聞くのも俺らの仕事だけどさ…」

 
お気づきかと思いますが、完全に会話を奪ってしまっています。

相手は「キツかった」と言っているのです。まずはそこを聞くべきです。「そうだよな−、長かったよね。あの間、何考えてた?」と返せば相手を話の主人公とすることができ、雑談の主導権を奪わずに済みます。

「相手の聞きたいことを話す」には感情を伝える

出会い
前項では、「原則1.相手が話したいことを聞く技術」を説明しました。

ただし、これだけでは相手に話をさせるだけです。会話のキャッチボールを続けたい…と考えた時に必要なのは、「原則2.相手が聞きたいことを話す」こと、すなわち「自己開示」です。あなたが口をつぐんだまま、自分のことを何一つ話さなければ、あなたは相手にとって「わかりにくい人」「何を考えているかわからない人」です。適度に「情報提供」を行い、相手を安心させる必要があります。相手が最も安心するのは、「同じシチュエーションで、同じ感情を持つこと」です。

同僚:「今日、部長と喧嘩したよ。この前提出した報告書が気に食わなかったらしい。まったく、結構時間かけたのに、参っちゃうよな」

あなた:「そうだよな−。一生懸命やったのに、それ否定されるとつらいよなー」(感情を汲み、解決しない)

同僚:「また提出しなきゃだよ、今日はちょっと遅くまでかかりそうだよ」

 
この場合、相手が話したエピソードと似たエピソードを選択し、「同じように感じた」ことを相手に伝えましょう。「そうかー。そういえばこの前全く同じようにオレも部長に提案書をレビューしてもらったら、真っ赤になって返ってきた。修正に10時間は掛かったんじゃないかな。参るよね」が正解です。

「本当にできる人」の雑談は、相手に「興味を持つ」ことから

キーボードのフチ夫
これまでの方法を実践すれば、当り障りのない雑談はほとんど問題なくできるでしょう。ただ、「この人は本当にできる人だな」と思ってもらうためには、もう一工夫する必要があります。

よく「会話で相手を褒めて気に入ってもらえ」と言いますが、褒めることは非常に難しい行為です。とくに日本人は謙遜を美徳とするため、必要以上に相手に気を使わせてしまうことにもなりかねません。ですから、「褒める」のではなく相手の好きなことに「興味を持つ」ことが重要です。

相手:「今日、無事お客さんから注文をもらいましたよ」

あなた:「嬉しいですね!」(感情を汲む)

相手:「ええ、本当に苦労しました。もう半年以上待たされましたからね」

 

この後、褒めるのではなく興味を持って「そうですか、えらい忍耐強く待ちましたね。私だったら諦めてましたよ。どうやって注文まで持ち込んだんですか?」と返せば、「ああ、実は結構計画的に動いたんです…」などと会話は盛りあがるでしょう。

相手に興味をもつことが、自然に相手をほめることにつながるのです。

おわりに

雑談といえど、侮ってはいけません。突き詰めれば、「相手に対する興味の度合い」が端々に出てしまいます。

小手先のテクニックに終止せず、本質的に「相手に興味をもつことで、深い話もできる」ことを、雑談を通して身につけてみてはいかがでしょうか。

執筆者

経営・人事・ITコンサルタント。ティネクト株式会社代表取締役。
世界4大会計事務所の1つである、Deloitteに入社し、12年間経営コンサルティングに従事。1000社以上の大企業、中小企業にIT・人事のアドバイザリーサービスを提供し、8000人以上のビジネスパーソンに会う。
自身の運営するブログBooks&Appsは月間PV数150万以上。
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