そうだ、パリに住もう。—ゼロから始める、わたしの海外移住計画。

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はじめまして。岩佐純です。13年間勤めたリクルートを退社し、9月からパリで新生活を始めることになりました。

在職中は好きなファッションの事業を立ち上げ、夢中で走りまわる日々を送っていました。会社のお金で好きなことを仕事にできている楽しさで走りつづけていたら、あっというまに10年が過ぎ、気がついたら35歳のアラフォー。

その年に結婚したのをきっかけに「この会社で仕事人生を終えるのだろうか……」と疑問がわいて、残りの人生悔いのないようやりたいことにトライしたいなぁと思うようになりました。そんな私が第2の人生をスタートするのに選んだのはフランスの首都パリ。今回は私がパリに渡るまでのお話を書いていきます。

パリに住んでみたい!がすべての始まり

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もともと夫は「将来は海外に住みたい」という考えの持ち主。もし移住するならどこがいいか聞かれたとき、私は長年習っていたクラシックバレエに影響され「パリ!」とお花畑のような発言をしました。でも、その本当になにげない言葉が夫の心を動かし、その日から私たち夫婦のパリ移住プロジェクトが始まります。

ワーキングホリデーもフランス語もダメ

2人ともとっくにワーキングホリデーができる年齢は超えていたので(ワーキングホリデーは一般的に30歳まで)他の方法を調べたところ「フランス就労VISA」なるものを発見。VISAを獲得するには夫が飲食業を目指すのがいいのではないかという結論に至ります。

私がパリの会社に転職するのも考えられなくはないのですが、パリで暮らしたいというわりに、フランス語はまったくしゃべれないので早々に断念。それに、これまで13年間リクルートで激走してきたので、ちょっと休みたかったしできたら子供も欲しいなぁと人生の時間の使い方を変えたい気持ちがありました。

掲示版でみつけた和食店に採用された

「パリに移住するために、就労VISAを出してくれるお店はないのかな……」2年間ほど模索を続けていたところ、パリ在住の日本人向け求人情報の掲示板『MixBフランス掲示板』で和食店の求人情報を見つけました。

「永住する覚悟でパリに行きたい!将来は自分でお店を出したいので修行させてほしい!」と日本から応募してみると、パリ和食店のオーナーが夫の強い気持ちを感じとり、Skypeでの面接に応じてくれ、パリでの最終面接後に採用が決定したのです。

就労VISAでパリに行ける!

「取得が難しいといわれる就労VISAを出してくれるオーナーに出会えるなんて本当にラッキーだね!」と夫婦で大喜びし、すぐにでもパリに飛んでいけるような気分になりました。

オーナーはパリ内で人材を探すのに大変苦労していて、せっかく雇っても長続きしないのに悩んでいました。オーナーにとってフランスのVISAを持っていない外国人を雇うのは、いろいろと面倒ではあるがそれほどの覚悟でやってきてくれるなら、すぐ辞めるかもしれないパリ在住の人を雇うよりもいいと思ってくれたようです。

「まだ日本にいるの?」とにかく待ちぼうけの日々

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就職先が見つかった喜びも束の間、私たちを待っていたのはフランス式の強烈な洗礼でした。

さようならリクルート。ついに迎えたVISA申請

VISA取得にあたって、私たちはフランス在住のVISAコンサルタントに取得を依頼しました。コンサルタントはVISA取得に特化した弁護士のような人で、状況に応じてアドバイスをくれたり、手続きを代行してくれたりします。そしてついに2014年8月、就労VISAを申請。早ければ3〜4ヶ月でVISAが出るからと言われ、2014年11月末に会社を退職しました。

しかし、11月になっても、12月になっても、年が明けて、1月になっても……フランス労働局から連絡が来ない……!コンサルタントが確認したところ、なんと労働局の手違いで申請がストップしていたことが判明しました。

本当ならもうパリにいるはずだったのに…

なんのお詫びもなく「もう1回出して」とだけ言われる始末……!!出し直しと一言でいっても、またここから最低でも3〜4ヶ月待たなければなりません。しかも就職先のお店が夫を受け入れるまでには、フランスに求人情報を1ヶ月ほどだし、国内にほしい人材がいないことを確認してからやっとVISAの申請ができることになります。フランス人の友達からは「フランスはそういうところだからね〜」と慰められました。諦めて待つしかないようです。

この時点で会社を辞めてからすでに4ヶ月が経過。知人は当然パリに行っているものと思っており、SNSで「パリはどお?」なんてメッセージがくる日々。忸怩たる思いでVISAを待ち続けるしかありませんでした。

もう我慢できません。行ってしまえ!

そして時は流れて2015年9月。2回目のVISAを申請してから半年が経過しています。そう、まだ「就労VISA」が出ていないのです。フランス労働局に問い合わせてみても「まだ出してから6ヶ月でしょ、こんなの普通よ?」とあっけらかんとしています。

フランスの就業率の悪化も影響していて、就労VISAの取得に厳しい調整が入っているようです。愕然としますが、気長に待つしかない。これがフランス式なんだ…!と自分に言い聞かせていましたが、待ち続けるのも疲れてきました。

果報は寝て待て……ない!

就業予定のお店も人手不足で大変らしいし、ほかの方法でもいいからどうにかパリに行きたい。そして私がとった行動は、私が「長期観光VISA」で、夫は「研修」でパリへ行くことでした。

しかし「就労VISA」とは大きく異なる点が。「長期観光VISA」は1年滞在できますが、働けません。「研修」は3ヶ月までの滞在で、給料は出ません。そして「就労VISA」はフランスから社会保険がもらえますが、今回の方法ではもらえないので、個人で海外旅行保険に入る必要があります。それでもこのまま就労VISAを待ち続けるよりはマシだ!と心に決めた私たちはパリで生活しながら「就労VISA」が出るのを待つのを選択しました。

長期観光VISAの取得

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そういうわけで、私は「長期観光VISA」をとることになりました。必要な書類は、自分の情報を書いた申請書類とともに、フランスに行きたい旨の動機書(フランス語か英語)フランスで働かない旨を示した書類、1年間の海外旅行保険など。そんなに苦労せずに準備できたなぁというのが私の所感でした。

Merci! 1週間でVISA取得完了

手続きはすべて南麻布にあるフランス大使館で行います。担当者によってはフランス語で質問する人もいるようですが、私の場合は日本語が流暢なフランス人の男性が書類の確認をし「Merci(フランス語でありがとうの意味)」の簡単なやり取りで終了しました。

肩透かしにあったような気分でフランス大使館を後にしましたが、きっちり1週間で長期観光VISAを取得できました。(就労VISAもこんなに簡単に出してくれたらいいのに…)

ついに始まる第2の人生 in パリ

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そんなこんなで、まだ一番の希望の形ではありませんが9月からパリに渡ることになりました。次回の記事は住みたてホヤホヤのパリから、フランスで働く日本人女性に聞いたお話をお届けする予定です。

ちなみにいまの私は「あー、パリってやっぱりおしゃれな人が多いのかなー、通勤着もおしゃれなのかなー!」とワクワクしたり「パリのアパートって古い建物が多いみたいだけど、水漏れとか大丈夫なのかな……?」とソワソワしたり。楽しみも不安もいっぱいですが、ずっと憧れていた街・パリでの新生活。楽しむしかない!

執筆者

株式会社リクルートに13年間勤務後、フリーランスに。在職中は、主に新規事業の担当として、ファッション情報サイト・フリーマガジンを立ち上げ、編集長を務める。また、ファッション・下着通販サイトの立ち上げにも関わり、MerchanDisingとしての経験も積む。2014年末に13年間勤めた同社を退職。夫の仕事の関係で、長年憧れだったパリで新生活を始めることに。趣味は、旅行・食べること・お酒を飲むこと。野菜ソムリエやフードアナリストの資格も持つ。