起業家王国!慶應SFC出身のITベンチャー経営者7選

近年、日本でも注目されている言葉の一つに「スタートアップ」という言葉があります。「新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で一獲千金を狙う人々の一時的な集合体」と定義され、「今までに無いイノベーションを通じ、人々の生活と世の中を変える」という起業家たちの思いがその行動の原動力になっています。慶應湘南藤沢キャンパス(以下、慶應SFC)は、「ベンチャー起業家王国」と呼ばれ、そういった起業家精神を養い社会に出て活躍する起業家を多く排出することで有名です。そこで今回は慶應SFC出身のITベンチャー起業家について紹介したいと思います。

慶應SFC出身のITベンチャー企業の経営者

ネクタイを整えるビジネスマン

(出典) photo-ac.com

クックパッド株式会社 佐野陽光氏

【年齢】
2014年現在、41歳
【略歴】
1997年 慶應義塾大学環境情報学部卒業
1997年10月にクックパッドの前身となる「有限会社コイン」設立
2004年9月 有限会社コインからクックパッド株式会社へ組織変更
【概略】
「毎日の料理を楽しみにすることで、心からの笑顔を増やす」をモットーにしています。慶應卒のITベンチャー企業起業家の中でもトップクラスの知名度を誇る経営者として知られています。

起業とともに公開されたクックパッドは、ユーザーが投稿したレシピをチェックし、チェックを介して様々なコミュニケーションを取ることが出来るレシピコミュニティーサイトで、豊富なレシピはもちろん、作りたい料理のレシピを簡単に探せる使い勝手の良さも好評です。今では、数ある料理関係のwebサービスの中でもトップクラスのアクセス数を誇るサイトとして成長しました。

株式会社じげん 平尾丈氏

【年齢】
2014年現在、32歳
【略歴】
2005年 慶應義塾大学環境情報学部卒業
2005年4月 株式会社リクルートに入社人事部に配属
2007年3月 株式会社じげん取締役就任(現任)
2008年1月 株式会社じげん代表取締役社長(リクルートグループで最年少)に就任
【概略】
学生時代からさまざまなビジネスコンテストに参加し、その優勝賞金でITベンチャー企業を設立して、事業を行っていました。自身で起業した2社の企業の経営をしながらリクルートに就職しました。

株式会社じげんでは「オンライン・リード・ジェネレーション(OLG)」というサービスを提供しています。これは独自のWEBマーケティング力、営業力、高い開発力・制作力を活かし、インターネット上で見込み顧客を集客支援を行う新しいサービスとして注目を集めています。過去3年間における売上成長率で148%を記録し、2012年版日本における「働きがいのある会社ランキング」で5位となりました。今最も注目され成長が期待されているベンチャー企業です。

株式会社コロプラ 千葉功太郎氏

【年齢】
2014年現在、40歳
【略歴】
1997年 慶應義塾大学環境情報学部卒業
1997年 リクルート社に入社
2000年 株式会社サイバード社へ転職
2001年 KLab社 (当時Kラボラトリー) へ移籍、取締役に就任
2009年 KLab社にて親交のあった馬場功淳と株式会社コロプラを設立
【概略】
コロプラ社を立ち上げる前に、07年から2年間育児のために会社を辞めるなど、仕事だけではない人生バランスも大切にしています。位置ゲーを通じた地域活性に取り組むほか、NPO法人ドットジェイピー顧問も兼任するなど活動範囲は広いです。

株式会社コロプラではオンラインゲームの開発・運営を行っています。商標登録している「位置ゲー」をコアコンピタンスとし、「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」などの人気携帯ゲームを世に送り出しています。設立当初、社長や副社長よりも給料の高い人材を採用したことで話題を呼びました。

Sansan株式会社 寺田親弘氏

【年齢】
2014年現在、38歳
【略歴】
1999年 慶應義塾大学環境情報学部卒業
1999年 三井物産株式会社入社
2007年 Sansan株式会社設立
【概略】
経営者であった父親の影響から小学生の頃から起業を志しました。三井物産勤務中、シリコンバレーに転勤、アメリカのベンチャー企業のあり方を学び、「世界変える」起業を目指しています。

ビジネスマンの必須アイテムである名刺。あらゆる場面で多くの名刺がやり取りされますが、従来の管理方法はあまりにも非効率でした。そこでSansan株式会社では個人向け無料名刺管理アプリ「Eight」を開始。高い成長の可能性を秘めた事業を立ち上げ、それをマーケットリーダーへと発展させることができる優れた起業家に贈られるThe Entrepreneurs Awards Japan U.S. Ambassador’s Award(駐日米国大使賞)を、2011年に受賞しました。

コーチ・ユナイテッド株式会社 有安伸宏氏

【年齢】
2014年現在、33歳
【略歴】
慶應義塾大学環境情報学部卒業
卒業後、ユニリーバ・ジャパン株式会社入社
2007年 コーチ・ユナイテッド株式会社設立
【概略】
ネットが世に出回り始めた頃に、ヤフオクにて子どもの頃に集めていたビックリマンシール非常に高額で売れたことを契機に、インターネットビジネスに興味を持ち、大学在学中に株式会社アップステアーズを創業しています。

コーチ・ユナイテッド株式会社では、語学・楽器・スポーツなど100種類のジャンルから個人指導の講師が見つかるWebサービス「プライベートコーチのCyta.jp」を運営しています。2013年9月に全株式をクックパッドに譲渡し、クックパッドのグループ会社になることでCyta.jpの先を見据たサービス対象である「主婦層」へのセグメントを獲得。これを契機にして更なる「生活インフラになるレベルのサービス」への成長を目差しています。

BEENOS株式会社 佐藤輝英氏

【年齢】
2014年現在、39歳
【略歴】
1997年 慶應義塾大学総合政策学部卒業
1997年 ソフトバンク株式会社入社
2000年 株式会社ネットプライス(現ネットプライスドットコム)設立、2014年、社名をBEENOS株式会社に変更する。
【概略】
アメリカでYahooやAmazonが立ち上がり、EC市場ができはじめた時期に、日本でeコマースビジネスを展開することを切望、その結果、大学在学中からソフトバンク社にて米国EC決済技術を持つサイバーキャッシュ社(現ベリトランス社)の日本法人立ち上げに参画しました。

BEENOS株式会社は携帯電話インターネットを活用したモバイルコマースに強く、代穂表的なものとしてちびギャザ、iモード、EZweb、Yahoo!ケータイなど、各キャリアの公式ショッピングサイトを運用しています。「仕入れてから売る」のではなく、「売ってから仕入れる」、日本初となる「ギャザリングモデル」を展開し、インターネットビジネスで「世界地図に載る会社にすること」を目差しています。

株式会社カヤック 柳澤大輔氏

【年齢】
2015年現在、41歳
【略歴】
1995年 慶應義塾大学環境情報学部卒業
1995年 ソニー・ミュージックエンタテインメント入社
2005年 株式会社カヤック設立
【概略】
高校のときから起業を志し、大学時代の友人である貝畑政徳、久場智喜の3人で株式会社カヤックを設立。会社経営の原点に「働いている人間が面白いことがまず第一」という考え方を置いています。

株式会社カヤックはWebサービス制作やスマートフォンなどのアプリ制作、ソーシャルゲームなどのインターネット系のサービス全般に行っています。「鎌倉に本社を置く」「サイコロを振って給料を決める」「スマイル給」などのユニークな社内制度や、全員がクリエイターとしてアイデアをブレストし、毎年100以上の新サービスを世に送り出す組織づくりが話題を呼んでいます。

おわりに

入試問題に「数独」が出されたり、脳科学からデザインまで学べるなど一風変わった特色を持つ慶應SFC。こうした土壌で育つある種の独創性は、起業家の資質とマッチするものです。2000年代から増加したITベンチャーは他との差別化が難しくなり、現在はサービスの細分化が進んでいます。そんな状況下では、慶応SFCの特徴でもある独創性が優位に働くといえます。七名の後輩にあたる若者が業界をどのように牽引していくのか。慶應SFCの卒業生に期待は高まる一方ですね。