履歴書に通勤時間を記入する欄があるときは、どのように書けばよいのでしょうか?実際に利用する交通機関や、かかる時間は分かっていても、正式な書き方が分からずに悩むケースもあります。通勤時間の長さや交通費が、合否に影響するのではと気になる人もいるでしょう。
履歴書に通勤時間を書くときに意識したいポイントや記入例、所要時間を調べる方法などを解説します。引っ越し予定や在宅勤務などのケースも併せて紹介するので、参考にしましょう。
この記事のポイント
- ・履歴書の通勤時間欄の基本的な書き方
- 片道の移動にかかる時間を5分単位で書き、移動手段を併記します。
- ・特殊なケースでの書き方
- 引っ越しを予定している場合や勤務地が複数あるようなケースでも、できる範囲で記入する方がよいでしょう。
- ・採用担当者が見ているポイント
- 通勤時間の長さから、応募者の負担や交通費の目安を確認しています。ただし通勤時間そのものが合否に影響する可能性は低いでしょう。また履歴書に通勤時間欄がない場合は、無理に書く必要はありません。
履歴書の通勤時間欄を書くときの基本ルール

履歴書の通勤時間欄には、自宅から勤務先までの移動にかかる時間と、その手段を書きます。採用担当者に分かりやすく伝えるために、まずは基本的なルールをチェックしましょう。
時間は5分刻みで書く
通勤時間は、以下のポイントを押さえて記入します。
- 時間は5分刻み
- 1分単位は切り上げまたは切り下げ
- 1時間未満の場合は0時間◯分と書く
応募の段階では、採用担当者は厳密な通勤時間を知りたいわけではありません。あまり細かく書くと分かりにくくなるため、5分刻みでまとめるとよいでしょう。
1時間33分かかる場合は1時間35分、48分の場合は50分のように書くと、読みやすくなります。
また1時間もかからない場合は、時間の前に「0」を書くのが基本です。
効率的な通勤手段を選び片道の時間を書く
家から勤務先までの移動手段が複数あるときは、以下を参考に最も効率的なものを選びましょう。
- 最短の時間で会社に着く
- 遠回りや無駄な乗り換えがない
- 不必要な交通機関の利用がない
通勤には公共交通機関を利用するのが一般的です。電車とバスの所要時間が同じくらいで迷ったときは、遅れる可能性が低い電車を優先するとよいでしょう。
また、応募先から特別な指示がない限り、基本的には片道の時間を書きます。
家から会社までの全ての通勤手段を併記する
時間だけでなく、どのような手段で移動するのかも書いておくと、より分かりやすくなります。例えば電車を利用する場合は、空いた部分に発着の駅名を追記すると丁寧です。
バスと電車を乗り継ぐなら、最寄り駅までバスを利用する旨を記載するとよいでしょう。
なお、通勤手段は内容を分かりやすくするためのもので、必ず書かなければならないものではありません。欄が狭く書けない場合や、採用されるかどうか分からない段階で最寄り駅を知られたくない場合などは、無理に書く必要はないでしょう。
原則空欄は作らない方がよい
履歴書の記入欄に何も書かれていないと、書き忘れを疑われる恐れがあります。
特に通勤時間欄は、あらかじめ「時間」と「分」が印字されていることが多く、どちらかが抜けていると、書き忘れと受け取られる可能性があるため注意しましょう。
仮に自宅から勤務先までちょうど1時間で着くとしても、「分」の前は空白にせず「0」と書く方が親切です。
応募時点で通勤時間が分からない、教えたくないなどの事情があるときは、「時間」や「分」の前に「−(ハイフン)」を入れておけば問題ありません。
履歴書の通勤時間欄の書き方と記入例

通勤時間の書き方は、移動手段によって異なります。公共交通機関を利用する場合や、徒歩・自転車・車などを利用する場合の書き方と記入例を確認しましょう。
公共交通機関を利用する場合
電車・バスといった公共の交通機関を利用する場合、駅・バス停の名称や最寄り駅・バス停までの移動手段を併記するケースが一般的です。
【電車のケース】
約0時間55分
〇〇電鉄▲▲線〇〇駅~▲▲線〇〇駅を利用
【バスのケース】
約0時間30分
バス停◯◯〜◯◯を利用
【電車とバスの乗り換え】
約1時間15分
電車、バスを利用
【自転車と電車のケース】
約0時間50分
▲▲線◯◯駅まで自転車、◯◯駅〜◯◯駅を利用
徒歩や自転車の利用を書くかどうか、駅名などの詳細を入れるかは、余白の都合や状況に合わせて判断しましょう。
車やバイクを使う場合
車やバイクでの通勤を検討している人は、先に求人情報でそれぞれの利用が可能なのかを確認しましょう。
駐車場や安全性の都合で、ほかの交通機関を利用するよう指示されるケースもあります。記入例は以下の通りです。
【車の場合】
約0時間30分
自家用車を利用
【バイクの場合】
約0時間20分
自動二輪(または原動機付自転車)を利用
車やバイクを使ってよいかどうか分からないときは、公共交通機関を使う前提で記入しておき、別途希望を書いてもよいでしょう。
特記事項欄などにマイカー通勤を希望していることや、交通機関を使うよりも利便性が良いことなどを記入しておくと分かりやすくなります。
徒歩や自転車の場合
徒歩や自転車のみで通勤する場合は、以下のように記入します。
【徒歩の場合】
約0時間20分
徒歩
【自転車の場合】
約0時間25分
自転車を利用
自転車通勤には、車やバイクと同じく、会社側の駐輪場の整備や安全性への配慮などが必要です。このため、会社が認めているかどうかをあらかじめ確認する方がよいでしょう。
特殊なケースでの通勤時間の書き方と記入例

引っ越しで住所が変わるときや、勤務先が分からないときは、どのように書けばよいのでしょうか?特殊なケースでの書き方と記入例を見ていきましょう。
引っ越しを予定している
引っ越しを予定している場合、基本的には引っ越し後の住所から勤務先までの時間を記入します。引っ越し先の住所が決まっていないときは、目安を記入するとよいでしょう。
【引っ越し先が決まっている場合の記入例】
約0時間40分
※〇月に転居予定のため、新住所からの通勤時間を記入(電車を利用)
【引っ越し先が決まっていない場合の記入例】
‐時間‐分
※採用後、30分圏内に引っ越し予定
引っ越し予定の有無を採用前に伝える義務はありませんが、現在の居住地が会社から遠い場合、引っ越しによって通勤しやすくなることをアピールできます。
勤務地候補が複数ある
勤務地候補が複数ある会社に応募するときは、自分がどこに配属されるか分からず通勤時間を判断しにくいかもしれません。
決まったルールはありませんが、記入例を紹介します。
【勤務地候補の中から具体例を出す】
約0時間20分
※自転車を利用。〇〇店勤務の場合
【勤務地候補の詳細が不明の場合】
‐時間‐分
※勤務地が決まっていないため、未定
希望する勤務地や最寄りの勤務地が分かっていれば、一例を出して記入するのもよいでしょう。応募時点で詳細が分からないときは、「未定」で構いません。
在宅勤務を予定・希望している
採用後、完全に在宅勤務となることが決まっている場合は、通勤時間を記入する必要はありません。ただし空欄のまま提出するのは避けましょう。
定期的に出勤が必要な場合や、「在宅勤務可」の求人に応募する場合は、本社までの所要時間を記入しておくと丁寧です。
それぞれの記入例は以下の通りです。
【完全在宅勤務が確定している場合】
‐時間‐分
※在宅勤務のため、時間は記入していません
【出勤が必要な場合】
1時間30分
〇〇電鉄▲▲線〇〇駅~▲▲線〇〇駅を利用
【在宅勤務を希望する場合】
約1時間20分
※在宅勤務希望です
採用担当者が通勤時間欄を見るときのポイント

採用担当者は、履歴書の通勤時間欄で何を確認しているのでしょうか?主なポイントを解説します。
通勤時間が適切かどうか
採用担当者は、通勤時間の長さから、応募者の負担の度合いを判断しています。自宅から勤務先までの移動時間が長いほど、従業員の肉体的・精神的な負担は大きくなります。
通勤時間が長いからといって、必ずしも問題があるとはいえません。しかし担当者としては、交通機関の遅延による遅刻・欠勤のリスクや、心身の疲労による業務への影響を考える必要があります。
片道90分以上かかる場合は、面接の際に本当に通えるかどうか、質問されるかもしれません。
交通費がどのくらいかかるのか
会社によって交通費の負担上限や、許可している通勤手段などは異なります。このため交通費がどのくらいかかるのか、どうやって通勤するつもりなのかといった情報は、担当者にとっては気になるポイントです。
ただし極端に高額でない限り、交通費を理由に不採用となる可能性は低いでしょう。履歴書に書かなくても、面接の際に聞かれる可能性は高いため、記入欄がある場合は正直に書くことをおすすめします。
通勤時間を調べる主な方法

交通機関の公式サイトや歩く時間の体感だけでは、具体的な通勤時間が分からないかもしれません。そのような場合は、スマートフォンやパソコンから、アプリやWebサイトを使って調べてみましょう。通勤時間の調査に役立つサービスを紹介します。
乗り換え案内サービスを利用する
乗り換え案内サービスでは、公共交通機関を利用する際の出発時刻・到着時刻・乗り換えにかかる時間などを確認できます。
発着の駅名と乗車したい日時を入力するだけで、簡単に結果が表示されるため便利です。電車だけでなく、バスに対応しているサービスもあります。
自分で個別に時刻表や到着時間を調べるよりも、乗り換え案内サービスを使う方が、正確かつ効率的といえるでしょう。
ただし乗換案内サービスの検索結果には、自宅・勤務先から最寄りの駅やバス停まで歩く時間は含まれません。履歴書に書く際は、歩く時間を含めるのを忘れないようにしましょう。
マップのルート検索サービスを利用する
徒歩・自転車・車などを利用するときや、複数の交通機関を組み合わせて通勤するときは、Googleマップなどのルート検索サービスがおすすめです。
自宅と勤務先の位置を指定すれば、最も効率的なルートと所要時間を表示してくれます。
調べる際は、業務開始時間に間に合うかどうかも意識しましょう。車やバスを使う場合は、時間帯によって道路の混雑状況が変わるため、注意が必要です。
履歴書の通勤時間欄に関するQ&A

履歴書の通勤時間欄について、よくある疑問と回答を紹介します。採否への影響や記入欄がない場合など、気になるポイントを確認しましょう。
通勤時間が採否に影響する可能性は?
現在、通勤時間はプライベートな項目として、採用前に履歴書で確認すべき内容から外れています。
このため通勤時間の長さが採否に影響する可能性は低いでしょう。しかし、影響がゼロとはいえません。
会社が負担できる交通費の上限を超える人や、通勤時間が長すぎる人は転居や入寮などを打診される可能性もあります。
また、勤務先にすぐに駆けつけられる人を探している場合、同じ条件の応募者が複数人いれば、通勤時間が短い方がよいと判断されるかもしれません。
通勤時間は少し長めに見積もるべき?
通勤時間は、交通機関の乱れや歩く速度、乗り換えの都合などで想定より長くなる可能性があります。
実際に通勤する場合、履歴書に書いた時間より長くかかるのではないかと心配になる人もいるでしょう。しかし原則として、交通機関の乱れや歩く速度の個人差などを考慮する必要はありません。
履歴書の通勤時間欄は、おおよその時間を知るためにあるものです。時刻表や一般的な歩行速度を元に計算されているなら、現実と多少ズレていても問題ないでしょう。
通勤時間欄が履歴書にない場合はどうする?
2021年4月に厚生労働省が公開した履歴書の様式例には、通勤時間の記入欄がありません。これは応募者のプライバシーに配慮したためで、通勤時間だけでなく、配偶者の有無や扶養義務などの記入欄も削除されています。
その代わり、採用に当たり会社側が確認したい情報は、面接で質問することが推奨されています。このため用意した履歴書に通勤時間欄がない場合は、書かなくても特に問題ありません。
ただ先述の通り、履歴書に空欄を設けるのも望ましくないため、フォーマットに合わせて柔軟に対応しましょう。
出典:「新たな履歴書の様式例の作成について」(事業主の皆さまへ)
履歴書の通勤時間は正確に調べて書こう

履歴書に通勤時間欄がある場合は、自宅から勤務先までの片道の所要時間を、5分刻みで記入するのが基本です。余白に利用する路線や駅を簡潔に併記すると、より伝わりやすくなります。
所要時間は乗り換え案内サービスやマップのルート検索サービスで調べられるため、活用しましょう。
現在は通勤時間欄のない履歴書も増えています。最寄り駅を知られたくないときや、引っ越しの予定があり書くのが難しいときは、欄がない履歴書を選ぶ方法もあります。
具体的な応募先が決まっていない人は、求人情報一括検索サイト「スタンバイ」を利用してみましょう。職種や働き方はもちろん、市区町村や駅名で勤務地を絞り込むことも可能です。自宅から通いやすい会社が見つかれば、履歴書の通勤時間の書き方で悩む必要もなくなるかもしれません。