退職時にもらえる給付金の種類とは?対象者や金額の目安を解説

退職時には、給付金がもらえる可能性があります。退職を視野に入れている場合、自分がどの給付金をもらえるのか、金額はどのくらいなのか気になることも多いでしょう。

給付金の種類や受給要件を把握しておくと、自分がもらえる給付金が明確になります。退職後の生活を支えるためにも、対象となる給付金について確認しておきましょう。

主な給付金である失業保険とその他の給付金について、受給要件や計算方法などを詳しく解説していきます。要件を満たしているときには、期限を過ぎることのないよう、できるだけ早く申請を検討しましょう。

この記事のポイント

退職時にもらえる給付金は、収入の減少を補うためのもの
退職時に対象となる給付金を申請することで、退職による収入減少を補えます。
退職時にもらえる給付金の代表として「失業保険」が挙げられる
退職し、求職活動をする場合には失業保険の基本手当を受給できる可能性があります。
失業保険以外にも、さまざまな給付金がある
広域求職活動費・移転費・求職者支援制度・就職促進給付金・特例一時金など、さまざまな種類の給付金があります。

退職時にもらえる給付金とは

給付金と書かれたブロックとお金のブロック

(出典) pixta.jp

退職時には、さまざまな給付金がもらえるケースがあります。なぜ給付金が支給されるのでしょうか?給付が受けられる理由や申請時の注意点など、退職時給付金に関する基礎知識を解説します。

退職による収入減少を補う目的で支給される

退職時の給付金は、退職による収入の減少を補うために支給されるものが中心です。特に、公的制度に基づく給付金は、収入減少を補う性質が強いでしょう。

企業によっては「退職給付制度」を設けており、退職金が受け取れます。しかし、全ての企業に退職給付制度が設けられているわけではありません。制度があっても、働いた年数や雇用形態によっては、対象外となることもあります。

退職金以外の給付金は、公的制度に基づくものが一般的です。企業の退職金がなくても、要件を満たしている場合は失業保険や傷病手当など、公的制度に基づく給付金を受け取れるでしょう。

退職による収入減少の影響を少なくするためにも、給付金の種類や金額を把握しておくことをおすすめします。

退職時に給付金の申請をする際の注意点

退職時に公的制度に基づく給付金を申請する場合、まずは自分が対象となる給付金があるかどうかを調べましょう。ほとんどの給付金には受給要件が設けられているため、状況によって対象となる給付金は異なります。

給付金の申請にも、ほとんどのケースで期限が設けられています。特に、転職先が決まると受給できなくなる失業保険などは、早めに手続きをしておく方がよいでしょう。要件を満たしている場合は、できるだけ速やかに申請することで、もらい忘れや受給要件を満たさなくなるリスクを防げます。

退職時給付金の代表「失業保険」

失業保険の書類とお金

(出典) pixta.jp

失業保険は、退職して転職先を探しているときにもらえるものです。退職時の給付金としては、代表的なものといえるでしょう。失業保険の受給要件や、支給される金額の目安を解説します。

失業保険の受給要件

失業保険の基本手当を受給するには、以下のような要件があります。

【基本的な受給要件】

  • 離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上ある(特定受給資格者または特定理由離職者は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上)
  • ハローワークに来所して求職の申し込みをしている
  • いつでも就職できる意思と能力がある
  • 求職活動はしているが失業中である

要件を満たした上で、待機期間または給付制限期間が過ぎた後に受給できます。受給期間は原則離職日から1年間ですが、状況によっては延長も可能です。

出典:ハローワークインターネットサービス - 基本手当について

失業保険でもらえる金額の目安

失業保険の基本手当は原則、「離職する直前の6カ月間に毎月きまって支給された賃金」によって決まります。基本的な計算方法は以下の通りです。

【基本手当の計算方法】

  1. 「離職する直前の6カ月間に毎月きまって支給された賃金の合計」÷180=賃金日額
  2. 賃金日額×45~80%=基本手当日額

賃金日額に掛ける割合は、年齢や賃金によって異なります。基本手当日額は、受給期間1日ごとに支給される基本手当の金額です。なお、年齢区分ごとに基本手当日額は上限が定められています。

【基本手当日額の上限】

  • 30歳未満    7,065円
  • 30歳以上45歳未満    7,845円
  • 45歳以上60歳未満    8,635円
  • 60歳以上65歳未満    7,420円

例として、賃金日額が5,200円以上1万2,790円以下の場合、給付率は50~80%となるため、1カ月にもらえる金額は月給の50~80%程度が目安と考えておきましょう。

退職後の求職活動中にもらえる給付金

封筒と一万円札

(出典) pixta.jp

失業保険以外にも、退職後の求職活動中にもらえる給付金があります。要件を満たしている場合は、申請を検討しましょう。それぞれ受給要件や支給される金額の目安などを解説します。

広域求職活動費・移転費

広域求職活動費と移転費は、求職活動や就職によって交通費や引っ越し費用がかかる場合にもらえる給付金です。

広域求職活動費は、雇用保険の被保険者がハローワークを通して求職活動を行ったときに、面接などで往復200km以上の距離を移動する場合の交通費を支給するものです。状況によっては、宿泊費も支給の対象になります。

移転費は雇用保険の被保険者がハローワークを通して求職活動を行い、ハローワークが移転が必要と認めた場合に移転にかかる費用を支給するものです。

支給金額は、ハローワークが通常の経路および方法でかかる費用を算出します。一般的な金額の範囲内であれば、全額が支給されることになるでしょう。

出典:ハローワークインターネットサービス - 就職促進給付

求職者支援制度による給付

求職者支援制度は、原則雇用保険の対象外となる人が利用できる制度です。給付金をもらいながら、職業訓練が受けられます。

給付金額は月10万円と通所代です。就職先を探すために職業訓練を受けたいと考えるのであれば、利用を検討しましょう。

なお、雇用保険の対象外であること以外に、ハローワークで求職の申し込みをしていることや労働する意思があること、世帯や本人の収入などの要件があります。

出典:求職者支援制度のご案内 |厚生労働省

「再就職手当」などの就職促進給付金

就職促進給付金には、再就職手当・就業促進定着手当・就業手当・常用就職支度手当があります。どの手当も、就職先が決まった後に支給されるものです。

例として、再就職手当の受給要件や金額の目安を見てみましょう。

【受給要件】

  • 失業保険の基本手当の受給資格がある
  • 基本手当の支給日数が残っているうちに再就職先が決まる

【金額の計算方法】

  • 基本手当の支給残日数が所定給付日数の2/3以上の場合 所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額
  • 基本手当の支給残日数が所定給付日数の1/3以上の場合 所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額

※上限あり

再就職先が早く決まると再就職手当の金額も高くなるため、早めに求職活動を進めることも検討しましょう。例えば、支給残日数が所定給付日数の2/3以上で、基本手当日額が5.000円の場合、残日数1日当たり3,500円が支給される計算です。

出典:ハローワークインターネットサービス - 就職促進給付

特例一時金

特例一時金は季節雇用労働者など、短期特例被保険者が受け取れる一時金です。失業保険の基本手当が受け取れない場合、特例一時金の対象になっていないか確認しましょう。

受け取れる金額は、失業保険の基本手当日額の30日分です。暫定的に40日分の支給が続いているため、支給日数は都度確認しましょう。

基本手当日額が6,000円の場合、18万円(40日分の場合は24万円)がもらえる計算になります。

出典:ハローワークインターネットサービス -基本手当について

退職・休職時にもらえる給付金

傷病手当申請

(出典) pixta.jp

退職・休職の際には、求職活動をしていなくてももらえる給付金があります。どのような種類があるのか、確認しましょう。受給要件と支給される金額の目安も解説します。

傷病手当金

傷病手当金は、けが・病気などで連続して4日以上仕事を休むか、退職になった場合にもらえる給付金です。退職後に傷病手当金を受給するには、主に以下の要件を満たしている必要があります。

【退職後の傷病手当金の受給要件】

  • 退職日までに雇用保険の被保険者期間が1年以上ある
  • 退職日の前日までに3日以上連続で出勤せず、退職日も出勤していない
  • 退職日に傷病手当金を受給していた傷病で引き続き働くことができない

【1日当たりの傷病手当金の計算方法】

  • 直近12カ月の標準報酬月額を平均した額を計算し、1/30にする
  • 上記の計算で出した金額を2/3にする

直近12カ月の標準報酬月額が18万円の場合、1日当たりの傷病手当金は4,000円です。退職後にも引き続き傷病手当金を受給するには複数の要件がありますが、対象となっていれば退職後も安心して療養を続けられます。

出典:傷病手当金について | よくあるご質問 | 全国健康保険協会

未払賃金立替払制度による給付

未払賃金立替払制度は、企業が倒産し賃金が未払いになってしまったときに利用できる制度です。受給には以下の要件があります。

【主な受給要件】

  • 破産手続開始の申立等の6カ月前から2年の間に退職している
  • 未払い金額について、証明を受ける(破産管財人等または労働基準監督署長)
  • 破産手続開始決定等の日から2年以内に申請を行う

支給される金額は、未払金額の8割です。年齢層によって立て替え払いの上限が定められており、30歳未満の場合は88万円、30歳以上45歳未満の場合は176万円、45歳以上の場合は296万円までが支払われます。

あくまでも一部賃金の立て替え払いであるものの、倒産した企業からの支払いを待つ必要がなくそのまま未払いになるリスクも避けられるため、条件に該当する場合は申請を検討しましょう。

出典:未払賃金立替払制度の概要と実績 |厚生労働省

育児休業給付金

育児休業給付金は、出産・育児によって休業する際に支給される給付金です。退職する意思がある場合は支給の対象となりませんが、育児の途中で考えが変わることもあるでしょう。

途中で考えが変わり、退職を決意したとしても支給された給付金の返還を求められることはありません。復職の意思があるなら、育児休業給付金の利用を検討しましょう。

育児休業給付金の1日当たりの金額は、「休業開始時賃金日額×67%(181日目以降は50%)」で計算できます。休業開始時賃金日額は休業開始前6カ月間の賃金合計を180で割ったものです。

例として、平均の月額が20万円の場合、1カ月当たり10万~13万4,000円が支給されることになります。また、2025年4月より「出生後休業支援給付金」が新設されることに伴って、出産・育児に関する手当はさらに充実しています。

出典:ハローワークインターネットサービス - 育児休業給付

退職時にもらえる給付金の種類や金額を知ろう

お金と虫眼鏡

(出典) pixta.jp

退職や休職を決めたとき、さまざまな給付金が支給されます。受給要件を満たし、対象となっている場合は申請を検討しましょう。

特に、転職を考えている場合は、失業保険や就職促進給付金の対象になる可能性があります。給付金を受け取ることができれば、金銭面の不安なく求職活動を進められるはずです。

求人情報検索サイトからの応募も、基本的には求職活動として認められるため、求人情報一括検索サイト「スタンバイ」を活用して求職活動を進めるのもよいでしょう。

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