会社を早退するのに適切な理由とは?伝え方のマナーやポイントを解説

会社を早退したいと考えたとき、「この理由で早退してもいいのかな?」と不安になることもあるでしょう。会社に認められやすい早退理由と、認められにくい早退理由を紹介します。早退に関するマナーも解説するので、正しい知識を身に付けましょう。

この記事のポイント

早退理由には2パターンがある
早退理由には「会社に受け入れられる理由」と「会社に受け入れられない理由」とがあるため、早退を検討するときは注意が必要です。
早退を上司に伝えるときはタイミングや伝え方が重要
タイミングや伝え方を間違えると、上司に与える印象が悪くなってしまう恐れがあります。
会社を早退するときには同僚たちへの気配りも欠かせない
早退者の穴を埋めるのは同僚たちなので、同僚たちが気持ちよく働けることが大切です。

会社に認められる早退理由とは?

マスクをした女性

(出典) pixta.jp

早退理由には、「会社に許可されやすい理由」と「会社に許可されにくい理由」があります。以下で紹介する6つの理由に当てはまる状態であれば、スムーズに早退できると考えて問題ないでしょう。まずは、会社に認められやすい早退理由を解説します。

体調不良のため

会社に受け入れてもらいやすい早退理由の代表例が、「体調不良」です。どんなに気を使っていたとしても、体調不良は避けることが難しいトラブルであるため、早退理由としては妥当といえます。

真面目に仕事に取り組んでいる人ほど、「体調不良なんかで早退するのは気が引ける」と考えてしまいがちです。しかし、体調不良を隠したまま仕事をすれば、大きなミスをしてしまったり、期限までに仕事を完了させられなかったりと、結果的に同僚に迷惑をかけてしまいかねません。

明らかに体調不良を感じているのであれば、素直に早退するのが賢明な判断といえるでしょう。早退して早く職場復帰するのが、職場への最大の貢献です。

役所や銀行の手続きをするため

役所や銀行など、平日の日中にしか行けない場所に行かなくてはならないときも、早退が認められやすいといえます。具体的には、役所や銀行で下記のような手続きをする場合、早退を抵抗なく受け入れてもらえるでしょう。

  • 結婚に関する手続き
  • 引っ越しに伴う住所変更
  • 免許やマイナンバーカードの更新
  • 新居の購入に伴うローンの申請

役所や銀行に行くために早退しなくてはならないときは、あらかじめ「いつ早退する予定なのか」を上司に申告しておくべきです。事前に申告しておけば、当日も円滑に早退できるでしょう。

家庭の事情のため

どうしても自分が対応しなくてはならない家庭の事情があるときも、早退が認められやすいでしょう。早退理由になり得る家庭の事情の一例は、以下の通りです。

  • 子どもが発熱したため保育園に迎えに行く必要がある
  • 親族に不幸があったので早急に帰宅しなくてはならない
  • 入院中の家族の容体が急変し、病院に行かなくてはならない

会社によっては、子どもの授業参観やペットの体調不良でも早退できる可能性があるので、該当する人は上司に相談してみましょう。予定が決まっているものは、早めに申告しておくのがおすすめです。

なお、育児・介護で頻繁に早退が発生してしまう場合には、勤務形態を在宅勤務・時短勤務などに変更してもらうことを検討するのがベターです。

急な用事ができたため

緊急性の高い用事ができてしまった場合も、早退がスムーズに認められやすいといえます。

例えば、ガス・電気・水道の点検が急な用事に該当します。これらの点検作業は、住人の立ち会いが必要であるため、点検当日に仕事が入っている場合には早退が必要です。

ただ、事前に日程が共有されるケースも多いでしょう。点検の日程が事前に決まっているのであれば、前もって上司に相談し、早退を願い出ておくのが適切です。

急なトラブルによって当日に早退を願い出る場合には、上司にしっかり理由を説明しましょう。緊急性が高いことを伝えれば、気持ちよく送り出してくれるはずです。

冠婚葬祭のため

結婚式・葬式などの冠婚葬祭も、早退理由として受け入れられやすいといえます。冠婚葬祭は、個人で予定を変更できるものではないためです。

結婚式・披露宴など、事前に予定が決まっているものに関しては、予定が確定し次第、上司に早退を申し出るとよいでしょう。通夜・葬式に参列する場合には、なるべく早く上司に相談するのが大切です。

なお、冠婚葬祭の予定が入っている場合には、早退ではなく有給休暇を取る人が多い傾向があります。職場の傾向を見定めて、早退と有給休暇のどちらを選択するか決めましょう。

通院をするため

通院も、会社に認めてもらいやすい早退理由の1つです。社員の健康管理は会社の義務なので、通院のための早退も嫌な顔をされずに受け入れられるでしょう。

近年は土曜日に診察を行っている病院・クリニックも増えているものの、多くの医療機関では平日にのみ診察を行っています。このような病院に通っている場合には、通院のための早退もやむを得ないといえるでしょう。

通院を理由に早退するときは、通院の予定が入り次第、上司に報告して早退を願い出るのが適切です。

会社に認められにくい早退理由例

胸の前で✕マークを作る男性

(出典) pixta.jp

会社を早退する理由の中には、なかなか受け入れてもらえないものも存在します。これから紹介する理由で会社を早退したいと考えている人は、一度立ち止まって早退を考え直す必要があるでしょう。ここでは、会社に認められにくい早退理由を3つ紹介します。

遊びの予定

会社に受け入れてもらえない早退理由の代表例が、「遊びに行きたいから」です。遊びを理由に仕事を投げ出すのは、社会人として好ましい行為とはいえません。

交友関係を大切にする人の中には、「友だちからの誘いを断れない」と考える人もいるでしょう。急な遊びの予定が入った場合には、予定を後ろ倒しにしてもらったり、後から合流することを提案したりし、しっかり仕事を終えてから参加するのが適切です。

事前に遊びの予定が決まっている場合には、有給休暇を取得しましょう。有給休暇を取ってしまえば、気兼ねなく遊びに集中できます。

仕事が暇だから

仕事が暇だからといって、職場を早退するのは不適切です。業種や業務内容によっては、暇な社員に対して早退を認める場合もありますが、一般的な企業であればまず認められることはありません。

もし、自分が受け持つ仕事を終えて暇になった場合には、同僚に「何か手伝えることはない?」と声をかけ、同僚の仕事を助けるのが望ましいといえます。

会社という組織は、構成する社員1人1人が力を尽くすことと同時に、社員同士が協力し合うことで成り立っています。1人の社会人として認められたいのであれば、暇なときには同僚をサポートするのが適切です。

特に理由はない

帰宅が妥当と思われる理由がない場合、早退は認められません。単純に「早く帰りたいから」という理由で早退を申し出るのは、社会人として責任感が欠けているといえます。

もちろん人並みの責任感を持っている人であっても、24時間365日、100%のやる気を持って仕事に臨めるわけではありません。時には、「何だかやる気が出ない」「とにかく早く帰ってお酒を飲みたい」などと思う日もあるでしょう。

しかしだからといって、理由もなく早退するのは好ましくありません。ましてや、うその理由で早退するのは言語道断です。もしうそがばれれば、上司・同僚からの信頼を一気に失ってしまいます。

早退を伝えるタイミング

マスクをしながら働く女性

(出典) pixta.jp

早退を上司に申し出るときは、伝えるタイミングが重要です。タイミングを間違えると、職場に迷惑をかけてしまったり、上司の気分を害してしまったりする可能性があります。以下で、早退を伝えるタイミングについて解説します。

分かった時点で早めに相談をする

早退を上司に相談するときは、外せない予定が入ってしまった時点で、早めに申し出るのがマナーです。特に、当日に早退することになってしまった場合には、緊急事態が判明した時点ですぐに上司に相談しましょう。

社員が1人早退すると、現場では早退した社員の穴を埋めるために、スケジュール変更やタスク管理が必要になります。早めに早退を申し出れば、これらの対応を行う時間的余裕が生まれるので、早退も受け入れられやすくなります。

早退を申し出るときは、上司に直接伝えるのが基本です。職場によっては、メール・チャットによる申告でも認められるため、ルールを確認しておきましょう。

就業時間前や休憩中に伝える

上司に早退を願い出る場合には「なるべく早く」が基本ですが、タイミングによっては「何で今?」と思われかねないので注意が必要です。

朝の段階で、その日に早退することが決まっている場合には、出社後すぐ、就業時間前に伝えるのがベストです。朝一番に伝えれば、上司もスケジュールの変更や仕事の割り振りなどをしやすくなります。

お昼休みの休憩中も、早退を申し出るタイミングとしては望ましいといえます。食事から帰ってきたタイミングを狙えば、上司に「何で今?」と思われることもないでしょう。

会社に早退を伝える際のマナー

オフィスで働く女性

(出典) pixta.jp

上司に早退を申し出るときは、伝え方にも気を配りましょう。伝え方を間違えてしまうと、上司にぶしつけな印象を与えてしまいます。

ここでは、早退を申し出るときのマナーを解説します。併せて、早退を申告した後にすべきことも解説するので、一緒に頭に入れておきましょう。

できるだけ具体的な理由を伝える

早退を申し出るときは、理由を具体的に説明することが大切です。「子どもが熱を出してしまったから」「通院の予定が入っているから」など、具体的な理由を述べた方が、上司からの理解を得られやすいためです。

具体的な理由を伝えるべきといっても、「保育園に通っている下の娘が39℃の熱を出してしまい、保育園からお迎えに来てほしいと頼まれている」などと、詳細な描写をする必要はありません。この場合は、「体調不良の子どもを迎えに行かなくてはならないから」で十分です。

また、どうしても理由を上司に言いたくない場合には、「私用のため」とだけ伝えても問題はありません。前もって早退を願い出る場合には、「私用のため」であっても許可されるケースがあります。

引き継ぎや日程調整を行う

事前に早退を申し出て許可された場合には、必要に応じて業務の引き継ぎや日程の調整を行いましょう。

早退する日にどうしても外せないタスクが入っている場合には、早退を申し出るときにタスクの内容・締め切りなどを上司に共有します。上司の指示に従って後任者を決め、タスクを引き継ぐようにしましょう。

また、早退する日に取引先との約束・会議の予定などが入っている場合には、日程の調整を行って業務に影響が出ないように取り計らうことが大切です。事前に準備を整えておけば、早退当日もスムーズに仕事が回るようになります。

退社前に一言あいさつをする

早退の許可が下りたからといって、早退する当日、黙って職場を後にするのは厳禁です。同じ職場で働く全ての人の耳に届くように、「本日はここで早退させていただきます。後はよろしくお願いいたします」とあいさつをしてから、退社するようにしましょう。

何も言わずに勝手に早退すれば、少なからず職場を動揺させてしまいます。上司から早退を後から知らされたとしても、「何で勝手に帰っちゃったんだろう?」と思われることは必至です。

このように思われれば、早退した翌出勤日、出社するのが気まずくなってしまうでしょう。会社を後にする際は、同僚に一言あいさつしてから退社するのが基本です。

早退をする際の注意点

マスクをして歩く男性

(出典) pixta.jp

早退を申し出る前に知っておきたい、早退するときの注意点を解説します。注意点をあらかじめ知っておかないと、早退してから「こんなはずじゃなかった」と後悔する羽目になる可能性があります。以下で、ポイントをしっかり押さえておきましょう。

早退理由以外の用事は避ける

具体的な理由を申告して会社を後にした場合には、理由として述べたこと以外は早退した当日に行わないようにすることが重要です。

理由に則した行動以外を取ってしまうと、その場面を同僚に目撃された場合、「うそをついて帰ったのでは?」という疑惑が職場に広がってしまいます。この手の悪いうわさは、あっという間に広まるので注意が必要です。

また、早退当日はSNSの更新を避けましょう。会社を早退するときは、緊急事態で帰宅しなくてはならない場面が大半です。緊急事態のはずなのにSNSを更新していれば、「SNSを更新する余裕はあるんだ」と不信感を抱かれてしまうでしょう。

会社によっては有給休暇が使えない場合も

当日の早退が有給休暇の扱いになるかどうかは、所属する企業のルールによって異なります。企業に、半休制度・時間単位の有給休暇制度などのルールが整備されている場合には、後から早退を有給休暇扱いにできる可能性が高いといえます。

しかし、ルールとして1日単位の有給休暇しか認められていない会社では、勤務途中で家に帰った場合、有給休暇としては認められません。

たとえ有給休暇として認められたとしても、半休制度がなければ半休扱いにはならず、丸1日分の有給休暇が消化されます。早退を検討する際は、自社の休暇制度の内容をしっかり確認しておきましょう。

早退した翌出勤日にすべきこと

オフィスで働くビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

ここでは、早退した翌出勤日にやっておくべきことを解説します。翌出勤日に適切な対応を取れるかどうかで、周囲に与える印象が大きく変わってきます。以下、やるべきことを事前に確認しておきましょう。

周囲におわびと感謝を伝える

早退した翌出勤日に出社したら、まず同じ職場で働く同僚たちに、おわびと感謝を伝えるのが肝心です。

早退は、同僚に少なからず迷惑をかけてしまう行為です。フォローしてくれた同僚たちにおわびと感謝を伝えなければ、職場にわだかまりが残ってしまう恐れがあります。

例えば、子どもの体調不良で早退せざるを得なかった場面では、「昨日はご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。皆さんのおかげで、子どもも今朝は元気に登園できました」というように、おわびと感謝をしっかり伝えましょう。

積極的に仕事に取り組む

早退した翌出勤日は、いつも以上に力を入れて仕事に取り組むことが重要です。フォローしてくれた同僚たちに、恩返しをするつもりで積極的に働けば、周囲に与える印象がぐっと良くなります。

早退した翌日は、言葉でおわびや感謝を伝えることも大事ですが、行動を通して、仕事に向かう真摯な姿勢を見せることも大切です。誠意を行動で示せば、同僚たちに「フォローに入ってよかったな」と思ってもらえるでしょう。

このような「ちょっとした配慮」ができるかどうかで、その後の職場の人間関係が大きく変わってきます。

周囲に早退を理解してもらうには

パソコン操作をする女性

(出典) pixta.jp

同じ職場で働く同僚たちに早退を認めてもらうには、日頃の行いが重要です。最後に、いざというときに早退を受け入れてもらうために、日頃からできることを解説します。心がけ次第で、周囲に「帰る」と伝えたときの反応が大きく変わってきます。

緊急時以外は早退をするのは控える

早退をスムーズに認めてもらうには、本当の緊急事態のとき以外は早退しないようにしましょう。頻繁に早退をしていると、だんだんと同僚たちから白い目で見られるようになり、本当に必要なときに早退しにくくなります。

何かと理由を付けて早退を繰り返していると、同僚たちから「本当に早退が必要なの?」と勘ぐられてしまうでしょう。程度によっては、「さぼり癖のある人」「だらしのない人」というイメージを持たれてしまいます。

早退という選択肢は、体調不良・緊急の用事など、必要に迫られたときにのみ使うのが適切です。

普段から勤務態度に気を付ける

早退を受け入れてもらいやすい環境をつくりたいのであれば、日頃から真面目に仕事に取り組むことが大切です。日常的に仕事と真剣に向き合っていれば、早退を申し出たとき、「この人が帰りたいと言ってくるのだからよほどの緊急事態なのだろう」と上司を納得させられます。

また、早退が受け入れられやすい環境をつくるには、職場の人間関係を良好に保つ努力も欠かせません。職場に「互いを支え合う人間関係」が築かれていれば、早退を申し出やすくなります。緊急事態による帰宅も、「お互いさま」と受け入れてもらいやすくなるでしょう。

早退する際は周囲への配慮を忘れずに

席を立つビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

早退を申し出るときには、フォローしてくれる同僚たちに対する配慮を忘れないことが重要です。感謝の気持ちを伝えたり、引き継ぎ・日程の調整を行ったりして、自分がいないときでも同僚たちがスムーズに働ける環境を整えましょう。

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