営業事務の仕事内容とは?必要とされるスキルや向いている人も解説

事務職には営業事務や経理事務など、〇〇事務と名の付く職種がいくつかあります。一般事務を続けていると、ほかの事務職がどのような仕事なのか気になることもあるでしょう。営業事務の仕事内容について、必要なスキルや適性を合わせて解説します。

営業事務の仕事内容

パソコンで資料を作成する

(出典) photo-ac.com

営業事務は、具体的にどのような業務を担当するのでしょうか?代表的な業務を中心に、営業事務の仕事内容を紹介します。

書類や資料の作成

営業事務のメインともいえる業務が、見積書・納品書・請求書・契約書など、営業活動に使用する書類の作成です。

営業部門が扱う書類の多くは、会社の売上にかかわる重要なものです。正確に記された書類があって初めて、顧客との正当な取引が成立します。

営業事務は、プレゼンや会議など、営業担当者が社内で使用する資料の作成を依頼されることもあります。担当者の要望を反映し、見やすく伝わりやすい資料を作る力が求められるでしょう。

電話やメールへの対応

営業担当者宛の電話やメールに対応するのも、営業事務の仕事です。営業部門には、顧客からの連絡がひっきりなしに届きます。

ただ営業職は外回りが多いため、常にデスクにいるとは限りません。担当者が電話に出られないとき、代わりに用件を聞き、適切に引き継ぐのが営業事務の役割です。

問い合わせの内容によっては、営業事務が直接対応するケースもあるでしょう。聞かれたことに正しく答えるには、自社や顧客の現状をよく知っておく必要があります。

常に営業担当者と同じ目線で、さまざまな情報を集め理解する姿勢が求められます。

商品管理や受発注業務

企業によっては、倉庫に眠る在庫管理も営業事務の担当業務です。顧客の求めに応じて滞りなく商品を届けるには、日頃の管理が欠かせません。営業部門が在庫を管理・記録することで、適切な数を維持できます。

受発注業務も、営業事務の仕事の1つです。営業担当者が取ってきた注文に合わせて出荷指示を出したり、配送を手配したりします。ほかには、来客対応や顧客情報の管理、資料のファイリングなどがあります。

営業事務のやりがい

パソコンを前に考え事をする男性

(出典) photo-ac.com

営業事務は、一般事務よりもやりがいを感じやすいという人もいます。事務職の中でも特にやりがいを体感できる仕事を求めている人には、営業事務がぴったりです。営業事務を担当していると感じられるやりがいについて解説します。

会社への貢献を実感できる

営業事務は会社に貢献している意識を持ちやすい仕事です。営業部門は営業担当者や営業事務をはじめ、営業に携わる人たちによって構成されたチームで動いています。

チームの成績は、売上という数字で可視化されます。目標を達成したり大きな成果を上げたりすれば、自分のことのように喜べるでしょう。

営業事務は、チームの一員として丁寧な顧客対応や分かりやすい資料作りなどを通し、会社の売上に貢献しているのです。

顧客とのやり取りがある

顧客との接点があるのも、やりがいを感じられるポイントです。営業事務の仕事は、デスクワークだけにとどまりません。

電話や来客対応などを通して、直接顧客とかかわりを持つ機会があります。顧客からの問い合わせに回答したり、商品について説明したりするシーンもあるでしょう。

顧客との関係作りは、事業活動を進めるうえでも大変重要です。営業事務として顧客対応を受け持つと「なくてはならない仕事をしている」との実感が湧き、会社への貢献を意識できるでしょう。

営業事務に求められるスキル

対面での打ち合わせ

(出典) photo-ac.com

営業事務には、一般事務とは異なるスキルが求められます。営業事務として活躍したい人は、事前に必要なスキルを身に付けておくと、希望の仕事に就ける可能性が広がるでしょう。営業事務に求められる、代表的なスキルを3つ紹介します。

よりよい関係を築くコミュニケーションスキル

営業は、人との接点が多い部署です。このため営業事務にも、卓越したコミュニケーション能力が求められます。

営業事務をしていると、担当者に代わって顧客対応する場面に数多く遭遇するでしょう。このとき高度なコミュニケーションスキルを発揮できれば、顧客との信頼関係を強固にできます。

問い合わせに対しては、要望に合った答えを素早く返すことで顧客の満足度が上がり、売上UPに貢献できるかもしれません。

高いコミュニケーションスキルは、クレーム対応でも役立ちます。営業事務が高度な傾聴力や共感力を持っていれば、的確なクレーム処理ができるでしょう。

業務をスムーズにこなせるパソコンスキル

営業事務の主要な業務である書類作成を滞りなく進めるためには、さまざまなパソコンソフトを使いこなすスキルが欠かせません。文書作成ソフトはもちろん、売上の集計や分析を担当するとなれば、表計算ソフトも使うことになります。

スキルが足りず、その都度先輩に質問したり、ソフトのヘルプに頼ったりすれば、業務に支障をきたします。パソコン操作に自信がない人は、スクールや通信講座などを利用してスキルアップしておくとよいでしょう。

柔軟に行動できる対応力

不測の事態に臨機応変に対応できる力も、営業事務に求められるスキルです。営業部門では、顧客の都合に左右されて仕事が予定通りに進まないケースが多々あります。

ときにはマニュアルにない、無茶な対応を迫られる場面も十分考えられます。そんなとき「マニュアルにないから」と対応を拒めば、顧客の信頼を裏切ることになりかねません。営業担当者のこれまでの努力も、無駄になってしまうでしょう。

どんなに難しい要求でも、反射的に無理だと断っているようでは、事態は解決しません。どうすれば顧客の要望を実現できるのか、試行錯誤を重ねる姿勢が重要です。

営業事務に向いている人

笑顔で電話をする男性

(出典) photo-ac.com

営業事務に向いている人の特徴を3点紹介します。自分が営業事務に適しているか、チェックしてみましょう。

誰かのために働くのが好きな人

仲間をサポートすることにやりがいを感じられる人は、営業事務に向いています。営業事務は、営業職として働く社員をオフィスでサポートするのが主な仕事です。

自らが直接的に成果を上げるのではなく、最前線で活躍する人を事務仕事で支える縁の下の力持ちのような存在といえるでしょう。このため表舞台に立ってスポットライトを浴びるより、裏方として輝ける人の方が適しています。

細かく丁寧な仕事が苦にならない人

営業事務はデータや数字を扱う場面が多く、ミスが許されない仕事です。細部にまで神経を行き届かせ、正確に仕事をこなせる人材が求められます。

単調な仕事をコツコツ積み上げられる人も、営業事務に適しています。営業事務は、決して華やかな仕事ではありません。パソコンに向かって淡々と作業するだけの日が、何日も続くこともあるでしょう。単純作業が続いても苦にならず、集中力をもって取り組める人が向いています。

強い責任感を持って仕事に臨める人

仕事に責任感を持てる人も、営業事務に向いているといえます。営業は、顧客との信頼関係がものをいう部門です。「この人が勧める商品・サービスなら信頼できる」と思ってもらえて初めて、契約が成立します。

その代わり、誰かが1つでもミスをおかせば、取引を停止される可能性があります。営業事務は営業担当者と立場は違いますが、顧客にとっては同じ部署の人であることに変わりはありません。

営業事務も「自分が会社の命運を握っているのだ」と、強い責任感を持って仕事に臨むべきでしょう。

仕事にやりがいを求めているなら営業事務がおすすめ

パソコン作業をする女性

(出典) photo-ac.com

やりがいを感じられるかどうかは、仕事選びの重要なポイントです。やりがいを感じられる仕事に就ければ、人生に対する満足度が上がります。

事務職の中でも、特にやりがいのある仕事を探している人には営業事務がおすすめです。営業は会社の業績に貢献する部署なので、成果が見えやすく責任感や緊張感を持って働けます。

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小松俊明
【監修者】All About 転職のノウハウ・外資転職ガイド小松俊明

国立大学法人東京海洋大学グローバル教育研究推進機構教授。サイバー大学客員教授を兼務。「できる上司は定時に帰る」「エンジニア55歳からの定年準備」「人材紹介の仕事がよくわかる本」他、キャリアやビジネススキル開発に関する著書がある。元外資系ヘッドハンターであり、企業の採用や人材育成事情に詳しい。
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人材紹介の仕事がよくわかる本
エンジニア55歳からの定年準備