バーテンダーが取得すべき資格は?勉強方法や求められる能力も解説

バーテンダーへの転職を考えているなら、資格を取得しておくのがおすすめです。バーテンダーに資格は必須ではありませんが、持っておくとさまざまな面でメリットがあります。バーテンダーが取得すべき資格や勉強方法、求められるスキルについて解説します。

バーテンダー資格を主催する法人

お酒を作るバーテンダー

(出典) photo-ac.com

バーテンダー向けの資格は、主に以下の3法人が主催しています。それぞれの法人が主催する資格の種類や特徴を見ていきましょう。

日本バーテンダー協会(N.B.A.)

一般社団法人日本バーテンダー協会は、バーテンダーの資質向上を目指して発足した民間団体で、多くのバーテンダーが入会しています。

日本バーテンダー協会が主催する資格がバーテンダー呼称技能認定試験です。バーテンダーとして持っておくべき基礎的な知識やスキルを証明できます。初めてバーテンダー資格を目指す人におすすめです。

バーテンダー呼称技能認定試験の上位資格がインターナショナル・バーテンダー呼称技能認定試験です。バーテンダー呼称技能認定試験を取得して2年が経過した協会員のみ試験を受けられます。

呼称技能認定試験 | 一般社団法人 日本バーテンダー協会 -N.B.A.-

日本ホテルバーメンズ協会(HBA)

一般社団法人日本ホテルバーメンズ協会は、5種類の認定資格試験を主催しています。

一般向けに実施される資格試験がHBAカクテルアドバイザーです。通信講座型の資格であり、自宅で受講・受験できます。カクテルの知識を深めておきたい人におすすめです。

HBAバーテンダー資格を目指す人が最初に受ける試験がHBAビバレッジアドバイザーです。バーテンダーの経験がなくても試験を受けられます。

HBAビバレッジアドバイザーの取得後は、段階を踏んで会員限定の上位資格3つを目指せます。最上位資格はHBAマスターバーテンダーです。

資格認定制度 | HBA 一般社団法人 日本ホテルバーメンズ協会

プロフェッショナル・バーテンダーズ機構(PBO)

NPO法人プロフェッショナル・バーテンダーズ機構は、バーテンダーの育成と資質向上を目的としたプロフェッショナル・バーテンダー資格認定試験を実施しています。

試験形式は筆記による知識試験とカクテル調合による技術試験の2種類です。知識試験は酒類に関する問題が全体の約80%を占めています。技術試験では4分以内にシェイクとステアによるスタンダードカクテルを1杯ずつ作らなければなりません。

プロフェッショナル・バーテンダー資格認定試験を取得すれば、PBOが主催するバーテンダーの全国大会にも出場できるようになります。

PBO:NPO法人 プロフェッショナル・バーテンダーズ機構   ≫ 認定試験

バーテンダー資格の勉強方法

バーテンダーの道具

(出典) photo-ac.com

バーテンダー資格を取得するための勉強方法は、独学と通信講座・専門学校の2パターンに大別できます。メリット・デメリットを理解し、自分に合った方法で学習しましょう。

独学

バーテンダー資格の勉強は独学で進めることが可能です。バーテンダー資格に特化した市販の参考書を使えば、筆記試験対策を自分で行えます。

独学のメリットは自分のペースで学習できることです。通信講座や専門学校は時間的な制約を受けますが、独学なら仕事をしながらでも空いた時間を活用して学習を進められます。

コストを最小限に抑えられることも独学のメリットです。資格取得までにかかる費用を、参考書代と受験料のみに抑えられます。

独学では効率よく学習を進めるための計画を立てることが重要です。基本的には誰も頼れないため、モチベーションを落とさないように工夫する必要もあります。

通信講座・専門学校

バーテンダー資格の取得に向けてしっかりと力を付けていきたい場合は、通信講座や専門学校を利用するのがおすすめです。独学に比べ費用は高くなりますが、講師のサポートを受けながら体系立てて学習を進められます。

資格試験によっては実技試験がありますが、独学や通信講座ではカクテル作りのスキルを磨くのは困難です。一方、専門学校ならプロからカクテル作りを直接教えてもらえます。

現役のバーテンダーが通信講座や専門学校の講師になっていることも多く、プロの話を講義で直接聞けることもメリットです。転職に役立つ情報も得やすいでしょう。

バーテンダー資格を取得するメリット

シェーカーを振る手

(出典) photo-ac.com

バーテンダー向けの資格を持っていると、どのようなメリットがあるのでしょうか。資格を取得しておいた方がよい理由について解説します。

スキルを証明できる

バーカウンターでゲストにカクテルを作るバーテンダーには、お酒に関する豊富な知識やカクテル作りの優れたスキルが求められます。

バーテンダー資格を取得しておけば、バーテンダーとしての実力を証明することが可能です。一定以上の知識・スキル・実務経験を提示できるため、転職で有利に働きます。

未経験者がバーテンダーを目指す場合も、資格を持っていれば採用されやすくなります。資格取得のために必要な知識やスキルのレベルを店舗側は分かっているため、実務経験がなくても履歴書や面接で実力を判断しやすくなるのです。

バーテンダーについて学べる

バーテンダー資格を取得するメリットとしては、バーテンダーについて学べることも挙げられます。バーテンダーのことを漠然としか知らない人でも、資格取得に向けて勉強すれば、バーテンダーがどのような仕事なのか理解できるようになるのです。

お酒が好きな人でカクテル作りを自分で勉強している場合も、いざバーテンダーを目指すとなると学習の方法や方向性を迷いやすくなります。しかし、最初に資格取得を目指せば、必要な勉強を効率よく進めることが可能です。

既にバーでアルバイトをしながらバーテンダーを目指している人にとっても、資格取得に向けた勉強は知識やスキルの底上げにつながるでしょう。

有資格者向けのコンテストに出場できる

バーテンダー業界ではカクテル作りの技術を競うさまざまなコンテストが開催されています。バーテンダー資格を取得すれば、有資格者向けのコンテストへの出場が可能です。

例えば、プロフェッショナル・バーテンダーズ機構が主催する全国バーテンダーズコンペティションは、プロフェッショナル・バーテンダー資格認定試験を取得していなければ参加できません。

バーテンダーのコンテストに参加すれば、自分の実力を知れるほか、ほかのバーテンダーとの人脈も作れます。受賞歴があると活躍の場を広げられる点もメリットです。

バーテンダーに求められる能力

お酒を作るバーテンダー

(出典) photo-ac.com

バーテンダーにはコミュニケーションスキルとお酒に関する深い知識が必須です。心を込めてゲストをもてなせるホスピタリティ精神も欠かせません。

コミュニケーションスキル

バーテンダーの仕事はゲストにカクテルを作ることだけではありません。気の利いた会話でゲストを楽しませることも、バーテンダーの重要な仕事です。

人とコミュニケーションを取るのが好きな人は、バーテンダーに向いています。ゲストと一緒に会話を楽しめる人なら、信頼できるバーテンダーとして活躍できるでしょう。

客層を問わず会話で楽しませられるかどうかも大きなポイントです。バーには若者から年配者まで幅広い年齢層のゲストが訪れるため、あらゆる客層に対応できるコミュニケーションスキルを求められます。

お酒に関する深い知識

バーテンダーにはお酒に関する深い知識が必須です。数千種類あるお酒のそれぞれについて理解し、お酒を組み合わせてどのような味わいになるのかも知っておく必要があります。

バーテンダーが作れるカクテルの種類は無限です。定番カクテルの作り方だけでなく、オリジナルのカクテルやゲストの要望を満たすカクテルも対応できる必要があります。

さまざまな組み合わせを試せる豊かな創造性や高い探求心がある人は、バーテンダーとして楽しく働けるでしょう。少量のアルコールですぐに酔わない、お酒への強さも必要です。

ホスピタリティ精神

ホスピタリティとは「思いやり」「気配り」「心のこもったもてなし」などの意味を持つ言葉です。バーテンダーにはホスピタリティ精神も求められます。

バーテンダーはゲストごとに対応を変えながら、常に過ごしやすい店内の雰囲気を作らなければなりません。バーを訪れるゲストは毎回違うため、ゲストに合った居心地を毎回調整する必要があるのです。

ゲストが求めることを単にこなしていくだけでは、サービスを提供しているのに過ぎません。全てのゲストが満足するためには何をすればよいのかを、バーテンダー自身も常に考えることが重要です。

未経験者がバーテンダーを目指すポイント

お酒をとるバーテンダーの女性

(出典) photo-ac.com

バーテンダーとしての実務経験がない場合、まずはバーテンダーの仕事を身近なものにすることから始めてみましょう。バーテンダーの仕事は体力を消耗しやすいため、体力を付けておくことも重要です。

まずはアシスタントから始める

未経験者がバーテンダーを目指すなら、まずはアシスタントから始めるのがおすすめです。先輩バーテンダーをサポートできる立ち位置で働ければ、現場でゲストと接しながらバーテンダーとしてのスキルアップを図れます。

未経験者OKの職場にとりあえず転職し、営業時間外にお酒の知識やカクテル作りの勉強をすることで、働きながら一人前のバーテンダーを目指せるでしょう。

ダイニングバーやショットバーなら、経験が浅い段階でもカウンターに立たせてもらえるチャンスがあります。学べるスキルはバーごとに違うため、理想のバーテンダーを目指せる職場を選ぶことも重要です。

体力を付けておく

バーテンダーは基本的に立ちっ放しで仕事をしなければなりません。仕込みや片付けの時間を含めると、10時間以上座れないケースもあります。

また、昼夜逆転の生活になりやすいことで体に負担がかかりやすく、体力勝負の面が大きい仕事なのです。

体力に自信がない場合は、さまざまな負担にも耐えられるだけの体力を付けておく必要があります。

バーテンダーに転職するなら資格の取得を

メジャーカップとカクテルグラス

(出典) photo-ac.com

バーテンダーに資格は必須ではありませんが、取得しておくと転職で有利に働きます。バーテンダーについて学べることやコンテストに参加できるようになることも、資格取得のメリットです。

バーテンダー資格は独学でも取得できるものの、通信講座や専門学校を利用した方が確実性を高められます。自分に合った方法で資格取得を目指してみましょう。

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