ハローワークとは?種類ごとの特徴や利用する流れを解説

ハローワークとは厚生労働省が運営する機関で、仕事探しに関連する多様なサービスを無料で受けられるものです。さまざまなタイプのハローワークがあり、求職者が抱える事情ごとに最適なサービスの利用が可能です。

この記事のポイント

ハローワークの役割
ハローワークは仕事を探している方と人材を探している企業を結びつける役割を担っている施設です。
ハローワークの種類
ハローワークには、わかものハローワーク、新卒応援ハローワーク、マザーズハローワークなど、求職者ごとの事情に合わせたさまざまな種類があります。
ハローワークの利用方法
ハローワークで求職登録をすれば、多様なサポートを受けながら就職活動を進められるようになります。

ハローワークとは?

ハローワーク

(出典) pixta.jp

ハローワークといっても、その種類はさまざまです。ハローワークは、誰でも無料で利用できる就労支援サービスです。まずは、ハローワークという施設について、基本的な情報を整理しておきましょう。

厚生労働省が運営する総合的雇用サービス機関

ハローワークとは厚生労働省が運営する総合的雇用サービス機関で、公共職業安定所とも呼ばれています。仕事を探している人と人材を探している企業を結びつける役割を担っている施設です。

ハローワークは全国に500カ所以上の施設があり、豊富な求人情報をベースにした職業を紹介しています。各都道府県の各地域にハローワークは点在しているため、扱っている求人は地域に密着した内容の多いことが特徴です。

他にも、雇用保険や雇用対策などの国の制度を適切に組み合わせて、地域の方のさまざまなニーズに応えるための雇用支援も実施しています。例えば、就職活動全般に関する悩み相談・失業保険や育児休業給付金の手続きなどが挙げられます。

働くことに関連する幅広いサポートを受けたい場合は、ハローワークを活用するとよいでしょう。

ハローワークプラザとの違い

ハローワークプラザとは、ハローワークと同様の職業紹介や雇用情報提供機能を持つ出先機関のことです。ハローワークプラザは駅前や周辺にあるケースが一般的で、多くの人が利用しやすいように工夫されています。

ハローワークプラザでは職業紹介を受けるだけでなく、パソコンを使用して求人情報検索もできます。加えて、担当者との個別面接や相談、カウンセリングなどもハローワークプラザで実施が可能です。

ただし、ハローワークプラザでは離職後の失業給付金の手続きなど、雇用保険の各種業務は実施していない施設がほとんどです。そのため、利用したいサービス内容によっては、ハローワークでの相談を検討しましょう。

求人サイトや転職サイトとの違い

求人サイトや転職サイトとは求職者が求人情報を検索して、応募するためのWebサイトです。

求職者は勤務地・職種・業務内容・希望年収などを検索条件に入力して、求人情報を検索できます。マッチする求人情報が見つかれば、求人サイトや転職サイトを経由して応募する流れが一般的です。

傾向としてハローワークで検索できる情報よりも、業務内容が具体的に記載されているケースが目立ちます。

求人サイトや転職サイトとハローワークは求人情報を探せることは共通点です。しかし、求人サイトや転職サイトの利用だけだと、職業相談や面接対策などの人によるサポートは不足しがちです。

もちろん、求人サイトや転職サイトによっては、エージェントのサポートを受けられたり、就職活動で役立つ情報が掲載されていたりするケースもあるため、ご自身に合う方法を選択するとよいでしょう。

ジョブカフェとの違い

ジョブカフェとは都道府県が主体的に設置している、若者の就職支援をワンストップで実施する施設のことです。「若年者のためのワンストップサービスセンター」が正式な名称ですが、ジョブカフェという通称が一般的に使用されるようになりました。

ジョブカフェは若者が自身の働き方にマッチする仕事を見つけるための多様なサービスを、全て無料で受けられる場所です。例えば、就職セミナー・職場体験・カウンセリング・職業相談・職業紹介など、さまざまなサービスを提供しています。

現在ジョブカフェは46の都道府県に設置されており、カフェのように気軽に立ち寄れる施設です。ハローワークに行くのは気が重いという方でも、ジョブカフェであれば仕事の悩みを解消できるかもしれません。

専門的な相談ができるハローワークの種類

ハローワークの室内

(出典) pixta.jp

ハローワークを利用する上で、より利用しやすいように種類分けがされています。これらのハローワークは、専門的な相談ができる点が特徴です。ここでは、主なハローワークの種類について解説します。

わかものハローワーク

わかものハローワークとは正社員を目指すおおむね35歳未満の若者を対象に、さまざまな就職支援を無料で行っている施設です。主に以下のような一貫した支援を実施しています。

  • 担当者制による職業相談
  • 自己理解、職務理解のサポート
  • 能力開発の支援
  • 職業訓練(ハロートレーニング)
  • 応募準備各種のサポート
  • 就職後の職場定着支援

向いている仕事が分からない方・面接に自信がない方・周囲に悩みを共有できない方など、わかものハローワークに行けば一歩前進できるかもしれません。

わかものハローワークには、キャリアコンサルティング有資格者・企業の人事労務管理経験者など、就職支援ナビゲーターと呼ばれるプロフェッショナルが在籍しています。

専門家による適切なサポートを受けながら、個々の状況に合わせた就職活動をマンツーマンで全面的にサポートを受けられます。

新卒応援ハローワーク

新卒応援ハローワークとは大学・大学院・高専・短大・専修学校などの学生や、これらの学校を卒業した方に特化したハローワークです。また卒業後から約3年以内の方であれば、新卒応援ハローワークを利用できます。

新卒応援ハローワークは各都道府県に1カ所以上、全国で56カ所に設置されており、無料で幅広い就職支援を受けられます。新卒応援ハローワークで利用できる主なサポート内容は以下の通りです。

  • 個別支援
  • 応募書類の作成支援
  • 面接対策
  • セミナーの開催
  • 求人情報の検索と閲覧
  • 企業説明会
  • 就職後の定着支援

なお、新卒応援ハローワークにも就職支援ナビゲーターが在籍しています。大学の要望に応じて就職支援ナビゲーターが、職業相談やセミナーを実施するケースもあります。

マザーズハローワーク

マザーズハローワークとは子育てをしながら仕事を探す方を応援する施設です。例えば、次のような方がマザーズハローワークを利用できます。

  • 子育てと両立させられる仕事を探したい方
  • 子育てが落ち着いたので就職活動を始めたい方
  • 子育てによる仕事のブランクで不安な方
  • 子育てをしながら働くために準備を進めたい方

マザーズハローワークは専門のスタッフが個々の状況を丁寧にヒアリングした上で、適切な就職活動をサポートします。残業できないなどの事情を抱えていても、子育てと両立させられる仕事の紹介を受けることが可能です。

またマザーズハローワークは、キッズコーナーやチャイルドシートの設置など、子ども連れでも利用しやすい環境が整っています。さらに、保育所など子育て支援に役立つ情報も発信しているため、子育てと仕事で悩んでいる方はマザーズハローワークに相談してみるとよいでしょう。

外国人雇用サービスセンター

外国人雇用サービスセンターとは、外国人留学生の方や、専門的・技術的分野の在留資格を所有して仕事を探している外国人の方を支援する機関です。無料で主に以下のサービスを利用できます。

  • 職業相談・職業紹介
  • 就職支援セミナー
  • 就職面接会
  • インターンシップ
  • 職業体験プログラム

例えば、仕事探しでは外国人採用を検討している企業の情報を一覧でチェックできます。ただし、在留期限が切れた人などは、サービスを利用できない場合があります。

ふるさとハローワーク

ふるさとハローワークは地域職業相談室とも呼ばれる、ハローワークが設置されていない市町村で職業相談や職業紹介などを行っている施設です。国と市町村が共同で運営しており、利用料は一切かかりません。

ハローワークと同様の職業情報を閲覧でき、職員が常駐しているため気軽に職業相談ができます。しかし雇用保険関係の手続き・職業訓練の受付などはできません。

ハローワークが設置されている街は、人口がある程度多い都市に限られています。お住まいの地域で近くにハローワークがないという方は、ふるさとハローワークを探してみましょう。

一体的実施施設

一体的実施施設とは労働局・地方公共団体が一体となり、無料職業紹介業務・地方公共団体が行う福祉関連の業務を、ワンストップで実施する施設です。一体的実施施設は日本全国にあり、地域ごとに特色ある支援を実施しています。

例えば青森県では、ハローワークヤングプラザ・ジョブカフェあおもり・あおもり若者サポートステーションの3施設を、一体的実施施設として運営中です。総合案内窓口の設置などで、求職者の利便性の向上を実現しています。

利用者の一体的実施施設に対する満足度は高く、丁寧な相談を評価する声が数多く寄せられています。求職だけでなく福祉的な側面でも不安を抱えている方は、一体的実施施設の利用を検討してみるのもよいでしょう。

ハローワークを利用する流れは?

ハローワークの看板

(出典) pixta.jp

実際にハローワークを利用したいと思った際、何から始めればいいのでしょうか。無料で利用できるとはいえ、利用する流れが分からないと活用も難しくなります。ここでは、ハローワークを利用する際の流れを段階ごとに解説します。

1.求職登録をする

就職活動をスタートするために、求職登録をしましょう。ハローワークに設置されているパソコンを使用して、求職申込書にご自身の求職情報を入力します。

時間をかけて記載内容を考えたい場合は、インターネットで求職者マイページアカウント登録も可能です。アカウント登録後14日以内に求職情報を入力し求職者マイページを開設します。オンライン登録者は、求人情報の検索やオンライン自主応募などの自主的な就職活動が可能となります。

2.ハローワーク受付票を受け取る

次に、求職登録を完了したら、忘れずにハローワーク受付票を受け取りましょう。この書類には求職者の基本的な情報が登録されており、以下のようなサービスを利用する際に必ず提示が求められます。

  • 仕事の相談
  • 仕事の紹介
  • 求人検索用パソコンの利用
  • セミナーの受講
  • 応募書類の添削・アドバイス
  • 面接対策
  • 失業保険の受給手続き

求職者マイページを開設している場合は、ホーム画面からハローワーク受付票を表示させることも可能です。ハローワーク受付票を窓口で提示することで、全国のハローワークを利用できます。

なお、ハローワーク受付票の有効期限は、求職申し込みを行った日の翌々月末までとされています。ただし、手続きを行えば再発行できるので、継続してハローワークを利用することも可能です。

3.就職活動の準備をする

続いて、就職活動の準備を進めましょう。就職活動の代表的な準備としては、以下が挙げられます。

  • 自己分析
  • 企業の情報収集
  • セミナー受講
  • 書類選考対策
  • 面接対策

ハローワークではこのような対策を、求職者向けに無料で実施しています。もちろん、求職者ごとに必要な準備は異なるので、自身が求めている情報や対策を明確にしなければなりません。

全ての求職者に共通している点は、自身にマッチする企業を見極めた後、書類を提出して面接を受けるという就職活動の大きな流れです。苦手や不安を感じるステップがあれば、無料で利用できるサービスを活用して対策しましょう。

4.仕事を探す

就職活動の準備が整ったら、仕事探しをスタートしましょう。求人情報を探すためには最寄りのハローワークに出向いて、設置されているパソコンから検索する方法があります。他にも、自宅のパソコンから同様の求人情報の検索も可能です。

ただし、パソコンから閲覧できる求人情報の数は膨大で、そこから自身にぴったりな仕事を見極めるのは難しいものです。ハローワークなら気軽に専門家に相談できるため、まずはハローワークに通うというのも1つの方法でしょう。

ハローワークには、雇用指導官・職業指導官と呼ばれる就職相談の専門家・障害について知見のある相談員が配置されています。さらに、求人の条件が求める内容にマッチしない場合、職員の方を通して交渉できる場合もあります。

ハローワークは求職者と企業が希望する求人条件を調整して、両者をマッチングすることが大きな役割です。求人情報の年齢・学歴・資格などの条件を満たしていなくても、志望度が高い場合には職員の方に相談してみるとよいでしょう。

5.応募準備をして求人に応募する

興味がある仕事が見つかったら、応募準備をして求人に応募します。

求人に応募する流れは、まずハローワークの職員が該当の企業へ応募者がいることを連絡します。次に、企業から選考受付の了承を得た上で、企業の住所・地図・希望条件などが記載された紹介状を受け取ります。

履歴書などの書類と一緒に紹介状を提出することで、企業の求人の選考を進められます。求人への応募で紹介状を提出すると、選考結果がハローワークに通知されます。加えて、採用されると企業には助成金が支払われる仕組みです。

ハローワークから渡される紹介状は重要な書類なので、面接当日まで大切に保管しましょう。

ハローワークを活用して就職を成功させよう

スマホで通話をする女性

(出典) pixta.jp

ハローワークは求職者の心強い味方です。多くのサービスを無料で利用でき、悩みや不安があれば専門家に相談しながら就職活動を進められます。何から就職活動を進めていいか分からないという方は、ハローワークに足を運んでみましょう。

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