面接時にアピールポイントを聞かれた場合、良い印象を与えるためにはいくつかのコツがあります。アピールポイント別の例文と、自分の強みの探し方、効果的な伝え方のコツまで紹介します。しっかり対策して、印象に残るアピールポイントを伝えましょう。
正確性を重視したアピールポイントの例
事務職や研究職の面接でイメージアップを図れる、正確性を重視したアピールポイントの例を紹介します。企業の面接担当者に、細かい作業や地道な作業も、正確にこなしてくれそうだという印象を与えられるポイントを押さえておきましょう。
コツコツと真面目に作業できる
コツコツと真面目に作業できるという人は、細かい作業に真正面から取り組み、努力できるということにつながります。サボらずやり続け、確実に業務をこなしてくれる人だという印象を与えられるでしょう。
例文
私の強みはコツコツと真面目に作業を続けられる点です。
英語は苦手科目でしたが、ビジネスで生かす機会が多いと考え、TOEICの勉強を始めました。毎日の勉強に加え、リスニング対策として空き時間に英語のラジオを聞いたり、友人と英語のみでディスカッションをしたりして、英語に触れる時間を増やしました。その結果、TOEIC850点を達成できました。
入社後も英語力をさらに高めながら、成果につながるスキルを身に付けたいと考えています。
几帳面で丁寧に作業できる
几帳面で丁寧に作業ができる人は、細やかな点まで気配りできて、正確に仕事ができるというところがアピールポイントになります。ミスをしないために入念に準備をするのはもちろん、手を抜かずに時間を厳守するイメージにもつながります。
例文
私の強みは、準備を万全に整え、丁寧に作業できる几帳面さです。
学生時代に飲食店でアルバイトをしていたとき、ランチの混み合う時間は料理を提供するまでに時間がかかっていました。そこで、付け合わせやトレーを事前にセットし、ドリンクの補充をランチ前に済ませておくようにしました。前もって準備することで、スムーズな回転につながり、店にも貢献できたと自負しております。
入社後も几帳面な性格を生かし、細やかな作業で業務に取り組みたいと思っています。
営業上手につながるアピールポイントの例
営業職や販売職に向いているアピールポイントと、例文を紹介します。好奇心旺盛なところや、目標達成に関する計画性などを上手にアピールしましょう。
積極的で好奇心が旺盛である
学習意欲や向上心に長けていて、すぐに行動へと移せる人は、積極的で好奇心が旺盛であるとアピールできます。新しい環境や初めての業務など、さまざまな顧客の対応にも臆せず挑戦できる点は、営業職や販売職の大きなアピールポイントになります。
例文
私の強みは、積極的で好奇心が旺盛なところです。
大学時代は気になったことは、まず挑戦し、柔軟に取り組んでいました。ダンスと軽音の2つのサークルに所属し、演技や演奏だけでなく、音響や照明などの知識も深め、観劇やライブ鑑賞も熱心に行い、そこで得た知識を舞台やライブに生かしていました。
入社後はさまざまな業務に挑戦して、知識を広げていきたいと考えています。
目標設定など計画性を持って取り組める
多くの営業職は、ノルマが設定されるでしょう。そのため、自分で目標設定と管理や、目標達成のための段取りを計画する必要があります。
自分を律しながら計画通りに行動できる人は、その点をアピールポイントにできます。目標を達成するために物事の優先順位を精査し、リスク管理できることを伝えましょう。
例文
私は目標達成に向けて、計画性を持って物事に取り組めます。
メンタルヘルス・マネジメント検定の資格を取得するために、通勤時間や、昼休憩・終業後など、効率よく勉強する計画を立てました。すきま時間には資格取得セミナーの動画や、録音した音声を聞いたり、単語帳を利用したりしました。時間を無駄なく使うことで、検定にも合格できたと自負しております。
入社後は計画性を生かして、効率よく業務に当たり、自分のスキルも磨いていこうと考えています。
相手の気持ちに寄り添って考えられる
ビジネスにおいて、相手の気持ちに寄り添って考えられる人は重宝されます。相手に不快感を与えず、求めていることを察する能力は会社にとってもメリットといえます。
例文
私の強みは、相手の気持ちに寄り添い、現状では何をすべきか考えられる点です。
大学時代に家庭教師のアルバイトをしていた際に「勉強する意味がわからないから、勉強が嫌い」といっている生徒に対しては、なぜそう思うのか尋ね、まずは生徒の気持ちを考えるよう努めていました。詰め込む勉強ではなく、自分で理解する勉強に切り替えたところ、やる気が出て成績アップにつながりました。
入社後は、お客様の気持ちに寄り添い、求められる商品を紹介できる営業で、会社に貢献したいと考えています。
成長が期待されるアピールポイントの例
業務を担うに当たって、途中であきらめない人や、学ぶ意思が強く成長しようとしている人は、企業にとって貴重な人材ともいえます。成長が期待されるアピールポイントと、例文を紹介します。
粘り強く努力し続けられる
企業が求める粘り強さは、業務を完遂するために努力を続けられる精神力です。試行錯誤を繰り返し、自ら問題を見付け、解決する力も必要です。
黙々と努力を続け、多くの時間をかけても途切れない集中力がある人は、アピールポイントとして、しっかり伝えましょう。
例文
私の強みは、目標を達成するまで粘り強く努力できる点です。
学生時代はテニス部に所属していました。スタミナがない点が課題だったので、持久力を養うトレーニングに取り組みました。すぐに結果は出ませんでしたが、粘り強く続けたことで、周りから持久力がある選手だといわれるまで成長できました。
入社後も目標を達成するまで、あきらめずに粘り強く業務に取り組みたいと考えています。
探究心があり専門性を高められる
就活における探究心とは、1つの事柄について、深く向き合って考え、明確にしていくことです。応募企業に対し、妥協せずに徹底的に業務に当たってくれそうだという印象を与えられるでしょう。
例文
私の強みは、1つの事柄についてとことん掘り下げる、探究心があるところです。
TOEIC800点を目指していたところ、長文読解問題に苦手意識がある点に気が付いたのです。基礎的な学習を行いながら、英語の文章に親しむことが大切だと思い、毎日英字ニュースを読むことにしました。気になる事柄や、詳しく知りたいことついて調べるようにしたところ、苦手意識が軽減し、ニュースを楽しめるようになりました。TOEICの点数を達成した今も、英字ニュースは続けて読んでいます。
入社後も持ち前の探究心を生かし、任せていただいた業務をこなしたいと考えています。
チームワークを重視したアピールポイントの例
企業では、チームとして業務を担うケースがほとんどです。チームメンバーや、業務に関わる人に配慮できる人材が企業に求められる傾向にあります。チームワークを重視したアピールポイントの例を紹介します。
チームをまとめるリーダーシップ力が高い
企業が求めるリーダーシップとは、チームをまとめながら、自分とメンバーのモチベーションを高められる力のことです。目標達成のために団結するだけでなく、客観的に状況を見極める力も求められます。
メンバーのさまざまな意見を受け入れられる柔軟さと、トラブルに対応できる臨機応変さも必要です。リーダーシップ力をアピールポイントにする場合は、統率力だけでなく、さまざまな角度から伝える必要があります。
例文
私の強みは、メンバーのモチベーションを高めつつ、チームをまとめられるリーダーシップがあるところです。
前職では、ネットショップの出荷チームを担当していました。時間帯やポジションによって仕事量に差があり、スタッフの不満とモチベーションの低下につながっていました。そこで、フリーポジションのスタッフを配置したところ、仕事量の差と不満が解決され、モチベーションの向上とチームの団結につながりました。
入社後はチーム作業の効率化のために、メンバーの様子や業務状況を分析しながら、業務に当たりたいと考えています。
協調性があり良好な人間関係を構築できる
会社ではチームで業務に取り組むのが一般的です。そのため、周囲と適切なコミュニケーションを取って連携できる点は、アピールポイントになります。
就活における協調性とは、周りの人と仲良くすることではなく、目標達成に向けて周囲と協力できる人です。良好な人間関係を構築しながらも、協力・配慮ができる、ルールを重視して行動できる人が求められます。
例文
私の強みは協調性があり、良好な人間関係を構築できるところです。
前職では同チームのメンバーと、目標達成に向けて協力し合うことが重要でした。メンバーが求めていることや、どうサポートすればいいかを考え、積極的にコミュニケーションを取り「仕事がやりやすくなった」「他の人ともコミュニケーションが取りやすくなった」との評価をいただきました。
入社後も、部署やチームの人間関係を円滑にしながら、力を合わせて目標達成を目指していきたいと考えています。
責任感があり問題解決に立ち向かえる
責任感がある点をアピールポイントにする場合、与えられた仕事に全力で取り組み、長期的に企業に貢献できることを伝えましょう。
企業が求める責任感のある人とは、トラブルが起こった際、自分に原因がなくても当事者として捉え、問題解決に立ち向かえる人です。自分のことだけでなく、チーム全体・会社全体のことを考えられる視野の広さが必要です。
例文
私の強みは、仕事を最後までやり遂げ、責任感があるところです。
大学時代にアパレルショップでアルバイトをしていた際に、お客様に気分よく買い物を楽しんでもらいたいと考え、店内を清潔に保つように気を配りました。開店前に試着室の床や、鏡・窓ふきなどの掃除を人一倍意識して取り組んでいました。
地味な努力ですが、責任感を持って続けられたと自負しています。入社後も自分にできることから、責任を持って取り組みたいと考えています。
対応力につながるアピールポイントの例
業務を担う際、想定外の出来事やトラブルはつきものです。自ら考えて対応できる人材は、企業に重宝されるでしょう。対応力につながるアピールポイントと、例文を紹介します。
臨機応変に対応できる柔軟性がある
環境の変化に柔軟に対応できる人は、さまざまな物事に対しても臨機応変に対応できるといえます。
柔軟性がある人は、1つのことにこだわりすぎず、自分と異なる考え方や、周囲のアドバイスを受け入れられる傾向にあるので、素直な印象を与えます。新しい職場や部署移動に適応しやすい点も、企業にとっては魅力となるでしょう。
例文
私の強みは、環境の変化や意見の違いにも対応できる柔軟性があるところです。
前職で新しい部署に異動になったとき、部署ごとの方針の違いや、担当者ごとの意見の違いに気付きました。自分の意見を無理に通そうとせず、違いを受け入れることで、スムーズに対応できました。
入社後も、意見や立場が異なる人との共通項を見いだし、柔軟に対応して業務に当たりたいと考えています。
物事を主体的に取り組む行動力がある
自分で考えて行動できる人は、主体性をアピールポイントにするとよいでしょう。主体的に物事に取り組み、考えたことを実行できる人は即戦力につながります。
また、自ら課題を発見しながら解決策を講じられる点も、強みになります。
例文
私の強みは、主体的に物事に取り組む行動力があるところです。
前職は営業事務をしていました。営業担当から頼まれた仕事をこなすだけでなく、仕事に集中できるよう、自ら資料をテンプレート化したり、進捗表を作成したりして、サポートをしていました。営業担当からは「事務作業が減ったよ!ありがとう」と感謝の言葉をもらい、業務もスムーズに遂行できました。
入社後は業務効率化や業績向上につながるよう、主体的にサポートをしたいと考えています。
原因を分析し問題解決する能力がある
課題やトラブルの原因を発見し、解決できる人は、問題解決能力がある点をアピールポイントにするのがおすすめです。
問題解決能力は、いわれた課題を解決することだけではありません。原因を自ら発見する能力と、解決する能力がある人のことをいいます。
例文
私の強みは、課題の原因を分析し、解決する力があるところです。
前職のデータ入力業務では、スタッフによって業務量に差がありました。業務量を部署内で共有・可視化し、業務量の平準化を提案した結果、スムーズに業務が進み、スタッフの不満も解消されました。
入社後も強みを生かし、課題を見付けた場合は解決・効率化を図りながら、業務に携わりたいと考えています。
好印象を与えるアピールポイントの探し方
面接時に、なぜアピールポイントを尋ねられるのかを理解しておけば、好印象を与えられるような内容を伝えられます。どのようなアピールポイントを伝えるべきなのか、探し方も見ていきましょう。
なぜ聞かれるのか?まずは意図を把握しよう
面接官がアピールポイントを応募者に質問する意図は「どのような強みがあるのか」「採用したら自社でどう活躍する人材なのか」を把握したいからと考えられます。
面接官は、応募者が自社とマッチするかどうか、採用後にどう育てるかを考えながら面接するのが一般的です。
アピールポイントを上手に伝えるためには、自己分析力も必要になるでしょう。
客観的な視点で自分の長所を分析する
アピールポイントを見付けるためには、客観的な視点で自己分析し、長所を探すところから始めましょう。
まずは自分の得意なことや好きなこと、心がけていることを振り返ります。人から褒められることや、伸ばしたいと思っている長所なども挙げていきます。
失敗しても心が折れない・楽観的・毎日続けているルーティンがあるなど、ささいなことでも、思いつく限りを書き出してみましょう。
家族や友人に、自分の強みを質問するのも一案です。「聞き上手だと思う」「気配りができる人だと思う」など、自分では気付かなかったアピールポイントの発見があるはずです。
企業や業種にマッチした強みを考える
自分の長所をひととおり挙げたら、そこから強みを探してアピールポイントにします。
面接官は、自社に合う人材かどうかを知りたいので、自分の強みを応募企業の業務につなげられるものや、企業理念に合っているものを選ぶ必要があります。
会社説明会に参加したり、企業サイトの募集要項や企業理念を確認したりと、応募企業の情報を集めて対策しましょう。
複数企業の面接を受ける場合、アピールポイントは使いまわさず、それぞれの企業に合ったものを作成する必要があります。
アピールポイントを効果的に伝えるコツ
面接官に伝えたいアピールポイントがまとまったら、上手に伝えるための工夫が必要です。面接官の印象に残りやすい伝え方を紹介します。
アピールポイントは1つに絞って伝える
複数のアピールポイントを伝えてしまうと、面接官にとって印象が弱くなる上に、何を伝えたいのがわかりにくくなり、マイナス評価につながる可能性もあります。
そのため、アピールポイントは1つに絞って、細かく伝えるようにしましょう。1つのアピールポイントを掘り下げて上手に伝えられれば、面接官の印象に残りやすく、高評価につながる可能性も高くなります。
アピールポイントは結論から伝える
アピールポイントは最初に結論を提示し、エピソードで補足説明するという流れで作成しましょう。
エピソードを先に伝えてしまうと、アピールポイントの印象が、あいまいになってしまう可能性があります。自分の強み・資質・長所がしっかり伝わらなければ、面接官の印象にも残りにくいといえます。
エピソードでアピールポイントの裏付けする
アピールポイントだけを伝えても、その根拠がなければ、面接官は採用の判断をしかねるでしょう。そのため、アピールポイントを提示した後に、エピソードで裏付けをします。
例えば「私の強みは協調性があるところです」と強みを提示した後に、アルバイト・サークル・前職などで、協調性がある点が伝わるエピソードを補足します。
自分の強みをどのように生かしたのか、エピソード部分もしっかり考え、自分の魅力を伝えましょう。
入社後に強みをどう生かすか伝えて締める
アピールポイントを伝え、エピソードで根拠を提示したら、入社意欲・意気込み・働き方などのビジョンを伝えます。
アピールポイントを入社後、どのように生かすかを伝えると、入社後の姿を想像しやすく、入社意欲も伝わるはずです。
入社後のビジョンを、企業理念や業務に合わせた内容にすると「よく企業研究をしてくれている」と、高評価につながるでしょう。
企業にマッチしたアピールポイントを伝えよう
面接官がアピールポイントを質問するのは、応募者にどのような強みがあり、入社後はどのように活躍してくれる人材なのかを見極めるためでもあります。そのため、アピールポイントを考える際は、自分の長所を伝えるだけでは不十分です。
企業理念や業務内容に合った自分の強みを探し、アピールポイントを作成する必要があります。
入社後に活躍する姿を面接官に想像してもらいやすいよう、明確かつ、応募企業にとって魅力を感じるアピールポイントを考えましょう。