印象が良くなる希望年収の答え方とは。NGな答え方も併せて解説

面接で希望年収を聞かれると、「正直に答えてよいのだろうか」「いくらと答えれば好印象だろう」とさまざまな考えが頭をよぎるでしょう。希望年収を質問されたときの理想的な答え方を解説します。印象の良い伝え方を知って、面接対策を固めましょう。

希望年収の答え方のポイント

面接を受ける女性

(出典) pixta.jp

面接で受け答えをするときは、少しでもポジティブな印象を残したいものです。希望年収を質問されたときも例外ではありません。実現したい年収を尋ねられた際、自身の希望を伝えながら好印象を残す方法を解説します。

求人票に記載された金額内で答えるのが基本

希望年収を質問されたときは、求人票に記されている年収額の範囲内で答えるのが大前提です。

求人票には、その仕事に就いたときに得られる年収目安が書かれています。企業は応募者に対して、求人票に記された額に納得した上で入社を望んでいると考えます。

前提を無視して、求人票の記載よりも大きな額を希望すれば、「求人票をしっかり確認していないのではないか」と思われてしまうでしょう。

もし求人票に書かれている金額よりも高い年収を望むなら、求人票以上を交渉するよりもその額を実現してくれる仕事を探すのが近道です。

現職や前職の年収を基準に答える

希望年収を伝える場面でよく比較されるのが、現職や前職の年収です。

現職や前職で得ていた年収なら、その人の能力に見合った報酬として参考になります。その額を希望年収として答えれば、応募先の企業からの納得も得られやすいでしょう。

希望年収の答え方に困ったときは、「前職では600万円いただいていたので、御社でも600万円以上を希望いたします」というように伝えるのがおすすめです。

現職や前職の年収は、希望年収を答えるときの根拠として言いやすく、スムーズに希望を伝えられます。

年収アップを希望するなら理由も答える

現職や前職よりも高い年収を希望する場合には、年収アップに足るだけの根拠を一緒に伝えるのがポイントです。はっきりとした根拠を示せれば、企業側も納得して給料アップを検討してくれるでしょう。

例えば営業職への転職なら、「年収700万円を望みます。現職の営業では常にトップの成績を残しており、クライアントの心をつかむトーク術には自信を持っています。御社でも持ち前のコミュニケーション力を生かして、成果に貢献できると考えています」というように根拠を説明するとよいでしょう。

スキルや経験をアピールし、報酬に見合う価値がある人材だと証明するのが大切です。

年収ダウンの可能性があるなら最低希望年収も

応募先企業が提示する年収が低いにもかかわらず、その企業に応募したい場合には、許容できる最低限の年収を示すのが大切です。

最低希望年収を提示せず、年収の設定を応募先の企業に丸投げすると、希望よりもずっと低い額に設定され、モチベーションを失ってしまうかもしれません。

最低限許容できる年収を述べる場合は、「前職同様、年収800万円を希望しますが、御社にもご事情があるかと存じますので、最低でも700万円いただければ十分と考えています」というように、本当の希望年収を併せて提示するのが効果的です。

企業側の意向に従う意思を示すのも大切

希望年収を伝えるときは、企業側の決定に従う姿勢をアピールするのも重要です。希望の年収を伝えた後は、「最終的には御社の規定に従います」とひと言添えましょう。企業側へ歩み寄る姿勢を見せることで、好印象に近づきます。

もし希望年収に届かない額で内定が出ても、入社を決めるのは応募者自身です。設定された額に納得がいかなければ、就活を続ければよいだけです。

内定をもらえなければ仕事を選ぶこともできません。企業側の意向に従う姿勢を示して好印象を残し、まずは内定を勝ち取ることを優先しましょう。

希望年収へのNGな答え方

NGサイン

(出典) pixta.jp

年収に関する質問に上手に答えられないと、印象が悪くなって採用が遠のいてしまうかもしれません。希望年収を尋ねられたときに注意したいNGな答え方を解説します。

個人の能力や相場に合わない額を提示する

希望年収を質問された際、個人の能力に合っていない額を答えるのは避けましょう。

具体的な理由を示さず、現職や前職の年収から大幅アップした額を伝えたり、未経験の仕事への応募にもかかわらず、現職や前職の年収をはるかに上回る額を望んだりすれば、自分を客観的に分析できていないと判断されてしまいます。

相場からかけ離れた金額を提示するのもNGです。仕事への理解が足りていないと判定されてしまいます。しっかり自己分析や業界研究を重ね、企業を納得させられるような適正価格を提示できるように準備しましょう。

「特に希望はありません」と伝える

希望年収を尋ねられたときに「希望はありません」と伝えるのは好ましくありません。業務内容そのものに魅力を感じている仕事の場合、「年収がいくらでも働きたい」と思うケースもあるでしょう。

ただ、実現したい報酬額がないからといって、素直に「希望年収はありません」と答えるのはNGです。「仕事に対する意欲がないのではないか」「自己分析が足りていないのではないか」などの不信感を面接官に与えてしまいます。

希望年収がない場合でも、求人票に書かれている年収を参考に、おおよそどれくらいの額を希望するのか伝えることが大切です。

個人的な事情を年収アップの理由にする

年収アップの理由として、プライベートな事情を引き合いに出すのは控えましょう。人によっては、結婚・出産・子どもの進学など、給与アップをお願いしたい事情がある人もいるはずです。

しかし、年収は仕事の対価として支払われるものです。個人的な事情に合わせて決まるものではありません。

例えば「前職では年収500万円をいただいていましたが、結婚を考えているので600万円以上を望みます」と答えれば、仕事とプライベートの切り分けができない人と見なされ、印象が悪くなってしまうかもしれません。

希望年収の基礎知識

手帳に書き込む

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面接で希望年収を聞かれたとき、最低限理解しておきたい知識を解説します。これから解説する項目を分かっていないと、思わぬ事態に見舞われる可能性もあるため、おさえておきましょう。

手取り額ではなくあくまで年収を答える

希望年収を尋ねられたときは、手取り額ではなく年収を答えるようにしましょう。間違えて手取り額を答えると、面接官との間に認識のズレが生じてしまいます。

そもそも年収とは、労働の対価として支払われる総支給額のことです。手当やボーナスなども含んだ金額で、源泉徴収票の支払金額が年収に当たります。

一方手取りとは、従業員が実際に手にする金額のことです。総支給額から所得税・住民税・社会保険料などを控除した金額です。

希望年収を答える場面で間違って手取り額を伝えると、報酬が低く設定され、手取りが少なくなってしまうおそれがあります。

希望年収が質問される理由

面接を受ける女性

(出典) pixta.jp

企業が面接で希望年収を尋ねるのには訳があります。質問される理由を知っておけば、年収に関する質問の大切さが理解できるでしょう。希望年収が質問される理由を解説します。

採用予算内に収まる人材か確認するため

面接で希望年収が聞かれる背景には、予算内で雇用できる人材かどうか確かめたいという企業側の思惑が隠れています。

採用活動においては、1人の応募者に支払える年収の額が予算として決められているのが一般的です。もし想定している予算よりも高い年収を提示されれば、企業側からすれば予算オーバーになってしまうため、その人材を雇うのが難しくなります。

想定した予算よりも申告された年収が上回っていれば、予算オーバーを受け入れてまでも雇いたい人材か、検討する必要性が生じます。予算内で雇用できる人材であれば、その人のスキルや経験だけを考慮して採用するか決められるので、企業側の負担が軽くなるのです。

自分を客観視できているかチェックするため

自己分析がしっかりできているかを確認する手段の1つとして、希望年収に関する質問が活用される場合もあります。望む年収を尋ねる質問は、応募者自身が自分の価値を理解できているか見極めるのに有効です。

自己評価ができている人の方が、採用後のミスマッチが起こりにくいため、企業側はしっかり自分を客観視し、正しい自己評価ができている人材を求めます。

経験やスキルに見合わないほど高額な年収を希望すると、自分の経験やスキルがどれくらいの評価を受けるのか、正しく見極められていないと判断されるでしょう。

希望年収の決め方

電卓とメモ

(出典) pixta.jp

希望年収は、現職や前職の年収を基準に答えるのが基本です。しかし、全く未経験の業界や職種にチャレンジする場合には、現職や前職の年収が参考にしにくくなります。そんなときに使える希望年収の決め方を紹介します。

自分の市場価値から考える

希望年収の額で迷ったときは、自分自身の人材としての価値から決めてみましょう。年収はその人が培ってきた経験やスキルによって決まるものであるため、希望年収も経験やスキルに見合った額である必要があります。

自分の市場価値を知るには以下のような方法を試してみましょう。

  • 同業他社の求人を調べて、書かれている年収を参考にする
  • 面接の際に応募先企業に提示された年収を参考にする
  • 転職エージェントに客観的に評価してもらう

これらの方法を実践すると、自分が転職市場に足を踏み入れたとき、どれくらいの市場価値を提示されるのかが分かります。

応募先の平均年収から考える

応募先の企業に納得してもらえる希望年収を導き出すには、応募先の企業に勤める人がどれくらいの年収をもらっているのか調べ、その平均値から希望年収を算出しましょう。

応募先の平均年収を調べるには、まず求人サイトで応募先企業が出している求人を探します。どれくらいの年収で募集されているかをチェックし、平均値を割り出して、企業全体の給与相場を求めます。

企業内でどれくらいの年収が普通なのかが分かれば、どれくらいの希望年収を提示すべきかが見えてくるはずです。申告する額が平均値から逸脱することもないので、企業側からの納得感も得やすくなります。

転職先の業界や職種の相場から考える

希望年収の額で悩んだときは、転職に挑戦している業界や職種の年収相場を調べ、その値を基準に決めてもよいでしょう。

年収は、所属する業界や分類される職種によっても左右されます。業界や職種に注目して平均年収を調べておけば、応募している仕事の年収相場が分かります。相場が分かれば現実的な年収額が見えてくるので、希望年収を決めやすくなるでしょう。

業界や職種ごとの年収を知るには、国税庁の「民間給与実態統計調査」や、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」を活用するのがおすすめです。

令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁
ホームページ|job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

希望年収はスマートに答えよう

面接の様子

(出典) pixta.jp

日本人はお金の話をタブー視する傾向があります。そのため面接で希望年収を尋ねられると、妙におどおどしてしまったり、企業側に丸投げするような姿勢を取ってしまったりしがちです。

しかし、正当な契約を結ぶには報酬面の擦り合わせが必要不可欠です。ポイントを押さえてスマートに希望年収を伝えれば、マイナスな印象を与えてしまうことはまずありません。

希望年収に対する理想的な答え方が作れたら、求人にどんどん応募しましょう。求人を探すならスタンバイがおすすめです。スタンバイを活用して転職活動を活発化させ、理想的な転職を実現させましょう。

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