地方公務員の仕事に興味があるならば、自分が向いているのか、どのようなスキルが求められるのか、知っておくと役立ちます。地方公務員に向いている人や向いていない人の特徴、求められるスキル、地方公務員になる方法を確認しましょう。
地方公務員に向いている人の特徴3点
地方公務員になりたいなら、自分に適性があるかどうかを確認するとよいでしょう。地方公務員に向いている人の特徴を紹介します。
地域に貢献したい
地域貢献に関心がある人は、地方公務員に向いているといえます。地方公務員は、主に地域住民の生活や福祉に密着した仕事に従事するためです。
地域社会に貢献したいという強い思いがある人や、住民の要望を行政の施策に反映したいという意志がある人に適している仕事といえるでしょう。
近年では、人口減少や財政難など、さまざまな課題を抱える自治体が増加しています。少しずつでもよりよい地域にしたいという気持ちを持って、仕事に取り組む必要があるでしょう。
地味な仕事・同じ仕事を難なくこなせる
単調な仕事や、淡々と同じ作業を繰り返す仕事であっても難なくこなせる人は地方公務員に向いています。
地方公務員の仕事の多くは地味ともいえる裏方業務です。膨大なデータに基づいて資料を作成したり、住民に配布するための書類や封筒の準備をしたりする機会も多いでしょう。
毎日同じ業務を繰り返していると、慣れから仕事自体に飽きてしまう可能性もあります。ただし、それは自治体を運営する上で大切な基盤業務でもあるのです。担当する業務が、大きな使命や目的のために存在することを理解しなければなりません。
地味な作業であってもこつこつと継続できる人は、地方公務員への適性が高いといえるます。堅実に1点の仕事に向き合えるのであれば、地方公務員として社会に貢献できるはずです。
仕事の変化を成長のチャンスと捉えられる
仕事が変化する状況を、自分の成長のチャンスだと前向きに捉えられる人も、地方公務員に向いています。
地方公務員は、3年程度で異動になるケースが多い仕事です。時には、自分が希望していない部署への異動を迫られるケースもあります。
異動になると、新しい部署での仕事を覚える必要があるほか、同僚との人間関係もゼロから構築しなければなりません。そのたびにモチベーションを落としているようでは、地方公務員として活躍は難しくなります。
新しく担当する仕事に対して、自分を成長させる機会であると前向きに考えられるのであれば、地方公務員として長く働く素養があるといえます。
地方公務員に向いていない人の特徴
地方公務員に向いている要素があったとしても、次に紹介する特徴に該当する場合は、地方公務員という選択を慎重に考える必要があります。
早く出世したい・多くの収入を得たい
若いうちから頑張って早く出世したいと考える人は、地方公務員には向いていないかもしれません。地方公務員の世界には、年功序列制度が残っている場合が多いためです。
いくら成果を挙げても、ある程度の勤続年数が経過しなければ、昇進する機会は巡ってきません。つまり、若くて実力やスキルが高い場合でも、いきなり役職や要職に就ける可能性は限りなく低いといえます。
給与体系も同様で、年功序列で給与が上がることが、地方公務員として働くメリットである一方、個人の実力が給与に反映されにくいのも事実です。職場によっては、業務量に偏りがあったり、業績ではなくキャリアでベテランの方が給与が高かったりするといったケースもあるかもしれません。
意欲的に仕事に取り組みスピード出世したい人や、早く人の上に立って仕事がしたい人、成果主義で多くの収入を得たいという人は、一般企業への就職を検討した方がよいでしょう。
改革や変化を望む
職場内の改革や変化を望む人も、地方公務員としての適性は低いといえます。地方公務員の職場環境は、前例踏襲主義で保守的であるケースが多いためです。
年功序列の要素が残っている場合が多いため、大幅な改革案や変化を提案しても、受け入れてもらえない可能性が高いでしょう。
また、地方公務員の職場は、上下関係がはっきりしている場合が多いのが特徴です。上司に意見を表明しにくく、中には風通しの悪い職場も存在します。
そのため、変化を求める環境で仕事がしたい人は、地方公務員に向いていません。自分が目立つことよりも、サポート役に徹するマインドの持ち主の方が働きやすいといえます。
自己管理ができない
自分自身を管理するのが苦手な人も、地方公務員には向いていません。地方公務員には、担当する職務に対して公正さが求められるためです。
公共機関で仕事をしていると、少しでも有利に仕事を受注したい企業などから、誘惑される可能性があります。しかし、賄賂を受け取ったりその見返りに便宜を図ったりすることは、地域社会や住民などに対する裏切り行為であるだけでなく収賄罪です。
地方公務員として働くのであれば、そのような誘惑に負けないよう、自分をしっかり律する必要があります。
また、自分の体調はもちろん、担当する業務の進捗を管理する能力も必要です。自分自身や仕事をマネジメントする能力が問われる点を理解しておきましょう。
地方公務員に求められるスキル
地方公務員として活躍するためには、一定のスキルが必要です。地方公務員に求められるスキルのうち、特に重要な3点を紹介します。
コミュニケーションスキル
地方公務員として働くためには、コミュニケーションスキルが欠かせません。地方公務員が仕事を進めるためには、職場の上司や同僚、住民、議員など、さまざまな人と関わる必要があります。
業務を円滑に進めたり、人々との関係性を築いたりするためには、コミュニケーションスキルと協調性が大切です。
コミュニケーションスキルはすぐに習得できるものではありません。相手の立場に立ってよく話を聞くことから始め、試行錯誤しながらコミュニケーションスキルを磨きましょう。
分かりやすく説明するスキル
地方公務員には、制度やサービスについて分かりやすく説明するスキルも必要です。行政サービスは公共性を担保するため仕組みが複雑であったり、使われている言葉が難しかったりするケースが散見されます。
行政サービスの利用者に制度やサービスについて理解してもらうためには、かみ砕いて分かりやすく説明する姿勢が求められるでしょう。
また、行政サービスの利用者には、その地域に住んで間もない人や海外から移住してきた人も含まれます。
さまざまな人に分かりやすく説明できるスキルがあれば、地方公務員として活躍できるでしょう。
正確かつ効率的な事務処理スキル
正確かつ効率的に事務を処理できるスキルも、地方公務員に求められます。地方公務員は、書類作成や整理、データ収集といった業務を担当する機会が多いのも特徴です。これらの業務を効率的に処理する知識やスキルがあれば、業務を円滑に進められます。
事務処理にはパソコンを用いる場合が多いため、パソコンを不自由なく使いこなせるスキルがあれば、業務の効率化につながります。
事務処理を正確かつ効率的に進められれば、時間の短縮につながるほか、気持ちに余裕を持って働けるようになります。結果的にミスを減らせるなど、仕事に好循環が生まれるでしょう。
地方公務員になるには?
適性や求められるスキルを理解できたからといって、地方公務員にはなれません。地方公務員になるための方法を解説します。
地方公務員試験に合格する必要がある
地方公務員になるには、地方公務員試験に合格する必要があります。試験は各自治体で実施されており、試験内容は受験する地域や職種によって異なるものの、以下のようにレベル分けされているのが一般的です。
・上級:大卒程度
・中級:短大・専門学校卒程度
・初級:高卒程度
上記のレベルは受験要件ではなく、難易度を示します。将来的に幹部になりたい場合は、大学を卒業し上級試験を受けるケースが多いでしょう。
ただし、試験に合格した後に自治体に採用されなければ、地方公務員にはなれません。また、退職者が出なければ採用を実施しない自治体もあるため、注意しましょう。
地域に関する情報のリサーチが欠かせない
地方公務員の2次試験では、面接が実施されます。受験する地域の状況や行政の内容について質問されるケースがあるため、地域情報のリサーチが必要です。
自治体の中には新しい考え方やアイデアを求めている場合があり、地域に対する積極的な姿勢は評価の対象になりえます。自分なりの意見を明確かつ簡潔に表明できれば、面接を通過できる可能性も高まるでしょう。
また、直接的に質問されるのではなく、なぜこの地域を選んだのかという質問を受けるケースもあります。その地域に対する思いに加えて、行政の方向性や自分自身の将来像を交えて説明できるように、練習しておくといいでしょう。
適性があるなら地方公務員への転職を
地方公務員は安定していることから、人気が高い職種です。公務員試験に合格する必要があるものの、社会貢献や地域住民へのサポートにやりがいを感じる人に向いている仕事といえるでしょう。
地方公務員に興味がある人は、公務員試験にチャレンジしてみましょう。試験に合格したら、スタンバイで地方公務員の求人を探すのがおすすめです。スタンバイでは、さまざまな地域の地方公務員の求人を扱っているので、チェックしてみましょう。