特撮や人気作品のキャラクター役として活躍する「スーツアクター」には、どうやってなるのでしょうか?目指す方法や、一般的な仕事内容を紹介します。仕事を得る上で求められる資質やスキル、収入の傾向についても確認しましょう。
スーツアクターになるには?
着ぐるみや戦隊もののヒーロースーツを着用し、演技・アクションを披露するスーツアクターにはどうやってなるのか、気になる人もいるでしょう。まずは、主な目指す方法を解説します。
養成校で学ぶ
スーツアクターは演技・アクション・ダンスなど、さまざまなスキルを身に付けなければなりません。養成校に通えば、学びたい技術を効率的に身に付けられます。
特撮シリーズ・アクション映画などへの出演を目指すのであれば、アクションやスタントを中心に学べる養成校がおすすめです。
また、舞台俳優やダンサーのスキルを身に付け、ショーで演技・ダンスを披露するスーツアクターを目指すことも可能です。演技・ダンスを中心に学びたいのであれば、俳優やダンサーを輩出している養成校を探してみましょう。
なお、アクションやスタントを中心とする養成校では、年齢制限が設けられているケースもあります。スーツアクターとして活躍したいのであれば、なるべく若いうちに目指す方がよいでしょう。
事務所に所属する
スーツアクターは裏方であるものの、俳優の一種です。スーツアクターやスタントマンを得意とする事務所に所属できれば、仕事を見つけやすくなります。
多くの場合、事務所に入るには何らかの実績・経験が必要です。養成校に通うと、関連の事務所に入所しやすくなる可能性も高いでしょう。
なお、事務所に所属しただけでは、必ず仕事が回ってくるとは限りません。ほかの人にはない演技力・アクションスキルなど、仕事を得る力を持っていれば活躍できるでしょう。
未経験OKの求人を探す
これまでにスーツアクターの仕事を経験したことがないものの、すぐにでもなりたいと考えるなら、求人サイトを活用するのもおすすめです。
求人サイトで募集されているのは、特別なスキルがなくても対応できる「着ぐるみアクター」が主流ですが、身体能力・体力に自信があれば、キャラクターショーやゆるキャラの「中の人」として活躍できるチャンスがあります。
求人検索エンジン「スタンバイ」でも、スーツアクターの求人情報を探せます。アルバイトから経験を積んで事務所への入所を目指す人や、自分に合う仕事かどうかを判断したい人はチェックしてみましょう。
スーツアクターが任される仕事内容
スーツアクターは、具体的にどのような仕事をするのでしょうか?着用するスーツや着ぐるみによって、仕事の内容はやや異なります。主なケースを確認しましょう。
俳優の代わりにスタントを担う
特撮系・アクション系のスーツアクターは、俳優の代わりにスタントを担うのが特徴です。一般的な俳優は演技がメインであり、完璧にアクションをこなせるとは限りません。
アクションやスタントの知識を持ち、高い身体能力を備えたプロのスーツアクターがいるからこそ、安全に撮影ができるのです。
ヒーロースーツを着用していれば顔が見えないため、背格好がある程度似ていればアクションの部分で活躍できます。
着ぐるみを着用して演技を担当する
スーツアクターは、着ぐるみを着用しての演技を求められるケースもあります。特撮系であれば、敵役や怪獣の着ぐるみを着用します。アニメ・漫画のキャラクターショーでも、着ぐるみを着用するシーンは多いでしょう。
また、テレビ番組やアトラクションで活躍する、ゆるキャラや人気キャラクターの「中の人」として働くケースもあります。
ヒーロースーツと着ぐるみでは可能な動き・アクションが異なるものの、高い身体能力と演技力を持つスーツアクターは、着ぐるみアクターとしても需要が高いといえそうです。
スーツアクターに求められる資質
ショーや撮影では、さまざまな能力が求められます。スーツアクターを目指すにあたって、持っておきたい資質や特徴を見ていきましょう。
アクションをこなせる身体能力
俳優の代わりにスタントを担うスーツアクターには、高い身体能力が求められます。一般の人では難しいスタントを担うため、優れた運動神経や体力があれば大きなアドバンテージとなるでしょう。
着ぐるみを着用して演技・ダンスを披露するスーツアクターにも、高い運動神経や体力は求められます。重い着ぐるみを着て違和感なく演技するには、生身で運動する以上の能力が必要です。
季節によっては暑さ・寒さも感じやすいため、丈夫な肉体と身体能力はスーツアクターに欠かせない要素といえるでしょう。
周囲を惹きつける演技力
スーツアクターは、顔を出さない状態で演技をします。スーツアクター自身がキャラクターの声を担当していない限り、声を出すシーンもほぼありません。
顔・声がない状態でキャラクターの魅力を表現するには、高い演技力が必要です。動きや雰囲気だけで、周囲を惹きつけなければなりません。
指名を受けるためには、キャラクターのイメージを正確に表現できる能力や、特徴的な演技が求められると考えておきましょう。
スーツアクターのやりがい
身体能力や演技力、体力を求められるスーツアクターは大変な仕事です。仕事を続ける上で、どのようなやりがいがあるのでしょうか?
憧れのキャラクターを演じられる
スーツアクターが演じるのは、多くの場合、人気の高いキャラクターです。特撮のヒーローや、漫画・アニメの人気キャラクターなどが挙げられます。
自分が好きな分野でスーツアクターを目指せば、子どもの頃に憧れたキャラクターを演じることも可能です。興味を持って見ていたキャラクターであれば、性格やイメージも分かっており、表現しやすいでしょう。
ヒーローや人気キャラクターに憧れているなら、ぴったりの職業といえそうです。
子どもたちと触れ合える
スーツアクターが活躍する場は、特撮・アニメ・アトラクションといった、子どもたちが喜ぶ分野です。テレビの撮影だけであれば難しいですが、ヒーローショー・キャラクターショーに出演する場合、ショーを見に来た子どもたちと触れ合えます。
小さな子どもは、スーツアクターを本物のヒーロー・キャラクターと思っているケースもあり、応援の声や好意を寄せられる機会も多いでしょう。
子どもが好きな人や、ヒーロー・人気キャラクターとして子どもと接したい人には適した職業です。
スーツアクターの収入の傾向
スーツや着ぐるみを着用して演技をするスーツアクターは、珍しい職業です。収入の傾向は、どうなっているのでしょうか?活躍場所や個々のスキルによっても異なりますが、主なパターンを紹介します。
キャラクターショーは時給制が中心
施設のアトラクション・イベントとして開催される「キャラクターショー」で活躍するスーツアクターの収入は、時給制が中心です。短時間の勤務であれば、日給制や1ステージごとの歩合制も考えられるでしょう。
どのパターンであっても、多くはアルバイトのような形態で、大きな収入は期待できない傾向です。演技力や身体能力を発揮し、スキルを生かせる場合は収入が高くなるケースもあります。
常設の施設で行われているショーを除き、多くのイベントは休日・長期休暇を中心に開催されます。収入を安定させるには、事務所に所属したり、企業から直接指名を受けたりなど、一定以上の能力が求められるでしょう。
能力次第で高収入も目指せる
スーツアクターの中には、高収入を得ている人もいます。人気作品のスタントを担うケースや、テレビ番組の出演が多い場合は収入も高くなる傾向です。
ほかの人にはできない演技・アクションをこなし、実力を認められることが収入アップにつながります。顔・声を出さないスーツアクターは、能力があれば多くの作品への出演も可能です。
俳優として認められ、作品や出演ごとにギャラが発生するようになれば、継続して高収入を得るチャンスもあるでしょう。
スーツアクターになるには経験やスキルが必要
スーツアクターは、さまざまなヒーロー・キャラクターを演じる魅力的な職業です。中でも、高度なアクション・演技を求められる仕事では、経験やスキルが重要になってきます。
本格的にアクション・演技を学びたいなら、養成校に通うのもおすすめです。スキルを必要としない着ぐるみアクターからプロを目指すのであれば、「スタンバイ」で求人をチェックしてチャレンジしてみるのもよいでしょう。