産婦人科看護師の役割とは?仕事内容・年収・活躍の場を紹介

産婦人科看護師の役割や仕事内容は、他の診療科目とどのような違いがあるのでしょうか?産婦人科看護師が担う一般的な役割や、主な仕事内容を紹介します。向いている人の特徴や、活躍できる施設についても確認しましょう。

産婦人科看護師の役割とは

ハートのオブジェを持つ白衣の人物

(出典) pixta.jp

看護師の中でも、産婦人科で働く看護師を「産婦人科看護師」と呼びます。産科・婦人科で働く看護師には、どのような役割があるのでしょうか?主な特徴や、年収について見ていきましょう。

産科・婦人科で患者のケア・サポートを行う

産婦人科看護師は、産科・婦人科で働く看護師の総称です。働く施設や配属先によっては、産科・婦人科のどちらかを担当するケースもあります。

いずれにせよ、女性の患者や妊婦のケア・サポートをする役割であることに変わりはありません。医師の指示に従い、看護師として医療行為の補助を担います。

他の診療科目と異なる点は、訪れる患者が基本的に女性に限られるという点です。産科では、妊婦だけでなく新生児のケアを担うこともありますが、おおむね女性の対応が中心となるでしょう。

平均年収は約508万円

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、看護師の一般的な年収は約508万円です。産婦人科に配属されている看護師であっても、大きな差はありません。

看護師の年収は、日勤・夜勤どちらをメインに対応するかで変化があります。必ずしも平均的な年収になるとは限りませんが、専門的な職業でもあり安定した収入を得られるでしょう。

同じように産婦人科で働く「助産師」の年収の場合は、「jobtag」で約567万円となっています。助産師は、出産のサポートを直接的に行う専門的な職業のため、年収はやや高めです。

出典:看護師 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

出典:助産師 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

産婦人科看護師の主な仕事内容

看護師

(出典) pixta.jp

産婦人科看護師は、どのような仕事をしているのでしょうか?産科・婦人科それぞれのケースを紹介します。勤務先によっては、両方の仕事を担当するケースもあるでしょう。

【産科】産前産後のケア・サポート

産科には、主に出産を控える女性が訪れます。妊娠しているかどうかの確認から分娩の対応、出産後のケアまで幅広く対応する診療科です。

産科で働く看護師は、妊産婦のサポートが主な仕事です。妊娠中は妊婦健診や、必要に応じて医療行為も行います。

子どもが生まれた後も、産科は女性のサポートを続けます。出産後の新生児健診や産後の女性のケアも、産科が対応する分野です。

施設の規模や対応範囲によっては、分娩前後の入院対応も担当することになるでしょう。分娩に直接携わるのは助産師ですが、看護師も間接的なサポートは担当します。

【婦人科】婦人科疾患の患者対応や相談受付

婦人科には、主に女性特有の悩みを持つ患者が訪れます。婦人科が対応する分野は幅広く、特定の疾患を持つ患者だけが通うわけではありません。

日常的な悩みやホルモンバランスによるトラブル、更年期の相談など、さまざまな悩みを持つ広い年齢層の女性が訪れます。

施設が取り扱う診療分野が決まっている場合は、特定の婦人科疾患や悩みを持つ患者の対応が中心となるでしょう。中には、不妊治療や相談を中心に扱うクリニックもあります。

産婦人科看護師の活躍する場

産婦人科

(出典) pixta.jp

産婦人科看護師は、具体的にどのような施設で働いているのでしょうか?一般的な勤務先と、特徴を紹介します。仕事を探す前に、どのような場所で働きたいのかイメージを固めておきましょう。

産婦人科がある総合病院

病院によって対応する診療科目は異なりますが、産婦人科がある場合は産婦人科看護師が働いていると考えられます。総合病院での勤務を検討している場合は、まず診療科目を確認しましょう。

また、産婦人科の看護師を募集しているかどうかも重要です。必ずしも全ての診療科の求人が出ているとは限らないため、希望する部門に配属されるかは確認しておかなければなりません。産科と婦人科が、分かれているケースもあります。

そのほか、入院設備を整えている病院が多いため、一般のクリニックに比べると入院・救急対応を任される可能性もあるでしょう。

妊産婦が通う産科クリニック

クリニックの中には、妊娠・出産・産後ケアを中心に担う産科クリニックもあります。出産を控える妊婦のサポートや新生児健診、産後ケアを担当したいと考えるのであれば、産科クリニックで働くことを検討しましょう。

取り扱う診療科目は、産科だけとは限りません。クリニックの方針によって、婦人科の対応をしているところもあります。

産科クリニックは、分娩対応のために入院設備を整えているところも多いでしょう。24時間体制で出産を迎える妊婦をサポートするため、夜勤を任されるケースも考えられます。

女性のケアを担う婦人科クリニック

一般のクリニックの中には、婦人科を中心に扱うところもあります。女性の全般的なサポートをしたいと考えるなら、婦人科クリニックが勤務先の候補となるでしょう。

医師の方針や専門分野によって、どのような診療を行うかは異なります。対応したい分野が決まっているのであれば、特定の分野を扱う専門クリニックを検討しましょう。

小規模な婦人科クリニックは、外来受付を中心としているケースが多く、夜勤がほとんどない点も特徴です。地域の病院と連携し、入院や専門的な治療が必要な患者の場合は紹介する形になります。

産婦人科看護師に向いている人

看護師

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どのような人が、産婦人科看護師に向いているのでしょうか?診療科の特徴や役割の面から、向いている人の特徴を紹介します。

共感力や傾聴力がある

産婦人科で働く看護師は、疾患に悩む女性や妊娠中・出産後の女性と話す機会が多くなります。

産婦人科に訪れる女性の声を聞き、悩みに共感できる人材は、チーム内でも活躍できるでしょう。じっくりと話を聞き、医師と連携を取りながらサポートを行います。

相手に対して配慮や心配りができ、話を聞くことが苦にならない人は、産婦人科看護師に向いているでしょう。

体力や精神力を備えている

産婦人科には、出産を控える女性が多く訪れます。分娩に携わる役割の場合、いつ出産が始まるかは分かりません。

状況によっては、急な呼び出しや残業などがあり、仕事が忙しくなる可能性もあります。婦人科の入院患者の対応や、救急対応を行う看護師も同様です。

多忙な中で医療行為の補助を行うためには、忙しさに負けない体力と精神力を備えている必要があるでしょう。特に夜勤を伴う場合は、より体力が求められます。

産婦人科看護師に関するQ&A

Q&A

(出典) pixta.jp

産婦人科看護師になろうと考えている場合、求人の応募前に悩むこともあるかもしれません。最後に、気になるポイントをQ&A方式で解説します。

産婦人科看護師になるには資格が必要?

産婦人科看護師として働く上で必要な資格は、看護師資格です。他の診療科目であっても、看護師として働いた経歴がある人や、学校に通って資格を取得した人なら問題ありません。

また、必須ではありませんが、産婦人科で働く上で活用できる資格もあります。例えば、分娩のサポートを行う助産師や、健診の対応を行う保健師などです。

そのほか、専門分野に特化した知識・技術を身に付ける、専門看護師の資格もあります。産婦人科に関連する専門看護師の資格には、「母性看護専門看護師」などがあります。

出典:看護師国家試験の施行|厚生労働省

出典:日本母性看護学会

助産師とは何が違う?

同じように産婦人科で働く助産師と看護師には、資格の名称以外に明確な違いがあります。もし、助産師が対応する業務に興味がある場合は、助産師の資格取得を検討してもよいでしょう。

主な違いは、医師の指示がない場合でも、助産師は正常分娩のサポートができることです。助産師は、出産から生まれた新生児のケアまで、女性の出産を専門的にサポートできる仕事です。

特に産科で働く看護師は、分娩に直接的に携われる助産師の資格を取得しておくと、仕事の幅が大きく広がります。専門的な資格を持つ人材として、キャリアアップの道も開けるでしょう。

出典:助産師とは 法律と定義|助産師の方・助産師を目指す方へ|公益社団法人 日本助産師会

出典:助産師国家試験の施行|厚生労働省

女性をサポートする産婦人科看護師を目指そう

妊婦と看護師

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産婦人科で働く看護師は、施設の診療科目によって、産科・婦人科どちらかの診療科をメインに対応するケースもあります。求人に応募する場合は、勤務先の特徴を理解した上で自分の適性に合う職場を選びましょう。

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