面接で重要となるのが、挨拶です。企業での受付から入退室まで、挨拶で最初の印象が決まるといっても過言ではありません。社会人としての常識ある挨拶をして面接で結果を残せるよう、正しい挨拶の仕方や好印象のポイントについて解説します。
受付での挨拶の仕方
面接は、企業で受付をするときから始まっています。まずは、受付での正しい挨拶の仕方をパターン別に紹介します。
早く到着しすぎるのはマナー違反なので、いずれの場合も5~10分前に受付するのが理想的でしょう。
受付に人がいる場合
企業の受付に人がいる場合は、受付の人に挨拶をしてから「自分の名前」「約束の時間」「訪問の目的」「担当者」を伝えます。
自社ビルなど1社のみの単独受付の場合と、複数の企業が入っているビルでの受付の場合では言い回しが異なるため、応募先の企業の受付に合わせて使い分けましょう。
なお、受付で話しかける際には「すみません」「あの」といった声のかけ方ではなく、「おはようございます」「こんにちは」「失礼します」などの挨拶が適切です。
【1社のみの単独受付】
「こんにちは。本日△時より面接予定の○○と申します。□□様/人事部の方/ご担当者様にお取り次ぎ頂けますでしょうか。」
【複数の会社が入っているビルでの受付】
「こんにちは。本日△時より××社で面接予定の○○と申します。」
インターホンで呼び出す場合
有人受付ではなく、会社やオフィスの入口にインターホンが設置されている企業も多いものです。そのような企業では、入口に着いたらインターホンで担当者を呼び出す必要があります。
通常は番号表が置いてあったり、「面接の方は○○まで」という案内が掲示されていたりします。該当の番号に内線をかけ、以下のように伝えましょう。
【インターホンでの呼び出し方】
「本日△時より面接予定の○○と申します。□□様/人事部の方/ご担当者様をお願いできますでしょうか。」
その後、「そちらでお待ちください」や「お入りください」など、指示された通りに動きます。
なお、インターホンで内線をかける場合、対応してくれた相手の人が電話を切ってから受話器を置くのがマナーです。
面接入室時の挨拶の仕方
受付が済むと、いよいよ面接をする部屋への入室です。面接官のいる部屋に案内される場合や、控室に案内される場合など企業によって異なるため、3つのパターン別に入室時の挨拶の仕方を解説します。
部屋に入っていく場合
部屋の前に着いたらドアをゆっくり2〜3回ノックし、返事があったら「失礼します」と言ってドアを開け入室します。
入室後、ドアの方を向いてドアを閉めたら、面接官に向き直り「○○と申します。本日はよろしくお願いいたします。」と挨拶をして一礼します。
面接官から「どうぞ」「おかけください」などと言われたら、カバンを椅子の横に置き「失礼します」と言ってから着席するのが基本の流れです。
部屋で待っている場合
控室や無人の面接室に先に案内された場合は、面接官が来るまで静かに待機します。待機中は携帯などはいじらず、履歴書を机の上に用意して、背筋を伸ばして座って待つのがマナーです。
部屋に面接官が入ってきたら立ち上がって「おはようございます」や「こんにちは」など挨拶をし、正面に来たら「○○と申します。本日はよろしくお願いいたします。」と自己紹介をします。
「どうぞ」「おかけください」と声をかけられるか、面接官が着席するまでは先に座らないようにしましょう。
オンライン面接の場合
近頃スタンダードになってきているオンライン面接では、時間になったら指定されたURLなどからルームに入ります。時間前だとアクセスできないこともあるので、時間ぴったりの入室で問題ありません。
ルームに入ったら、まずは「おはようございます」「こんにちは」などの挨拶をし、続いて「○○と申します。本日はよろしくお願いいたします。」と自己紹介します。挨拶や自己紹介のときに、立つ必要はありません。
音声・カメラの不具合がないよう事前にアプリなどでチェックを行い、画面の反射や角度にも注意しましょう。
面接退室時の挨拶の仕方
続いて、面接終了後に部屋から退室するときの挨拶の仕方について説明します。面接官が部屋に残る場合と、面接官と一緒に部屋を出る場合がありますが、退室の流れは基本的に同じです。
面接が終了したらまずお礼を伝える
面接終了と言われたら「本日はお時間を頂きまして、ありがとうございました」と挨拶し、座ったままお辞儀をします。その後、立ち上がってカバンを取り、「失礼します」と再び一礼してドアに向かいます。
オンライン面接の場合も同様に「本日はお時間を頂きまして、ありがとうございました。失礼いたします。」と挨拶をして退出しましょう。
面接官が退出してから退出ボタンを押すのが望ましいですが、面接官がなかなか退出しない場合や接続したまま席を離れた場合などは、先に退出しても問題ありません。
部屋を出る前にもう一度挨拶する
部屋を出る前に、ドアの前でもう一度面接官に向き直り「ありがとうございました。失礼します。」と一礼してから退出して、静かにドアを閉めます。面接官も一緒に部屋を出る場合は、面接官の後に続き、別れ際に同様の挨拶をしましょう。
企業によっては、面接官がエレベーターまで見送ってくれることもあります。その場合は、別れ際に挨拶し、エレベーターに乗り込んだらドアが閉まるまで礼をし続けるのがマナーです。
面接で好印象を与える3つのポイント
最後に、面接で相手に好印象を与える3つのポイントを紹介します。面接に限らず、社会人として働く上でも基本となることなので、覚えておきましょう。
相手の目を見る
挨拶をするときや話すときは、しっかりと相手の目を見ることを意識しましょう。緊張すると目線を外してしまいがちですが、目を見て話せないと「コミュニケーションスキルがない人」という印象を与えてしまいます。
ただし、緊張でこわばった顔でじっと見つめると威圧感を与える可能性があるので、口角を上げることを意識できるとなおよいでしょう。
どうしても目を見るのが苦手だという人は、面接官の眉間あたりを見るのも1つの方法です。
ハキハキと明るく話す
明るい声でハキハキと挨拶をするのは、社会人としての基本です。好印象を与えるためにも、気持ちのよい挨拶を心掛けましょう。
面接中の受け答えも同様です。小さい声や相手に聞こえにくい声で話していると、あまり印象がよくありません。普段から聞き返されることが多い人や声が小さいという人は、発声練習をしておくのもおすすめです。
また、面接で訪れた際に、社内ですれ違う社員の人たちにもきちんと挨拶できると印象アップです。
身だしなみを整える
どんなに明るく挨拶ができたとしても、どんなに面接の内容がよかったとしても、身だしなみが整っていないと社会人としての常識を疑われてしまいます。
「シャツは汚れていないか?」「服にシワはついていないか?」「髪はボサボサじゃないか?」など、面接にふさわしい服装と髪型をしているかを事前にチェックしましょう。
また、髪で顔が隠れているのもNGです。男女ともに耳を出し、表情がよく見える髪型にすると清潔感を演出できます。
正しく挨拶をして面接を成功させよう!
面接に合格するには、面接内でのアピールや発言内容が最も重要だと考えている人も多いでしょう。しかし、面接において第一印象の強さが占める割合は、非常に高いものです。
自己PRや志望動機が魅力的でも、挨拶がしっかりできていないと「常識のない人」だとみなされて、不合格になってしまうこともあり得ます。受付から退室まで正しい挨拶をし、好印象を与えて面接を成功させましょう。