自己PRの基本知識!高校生が就職・進学時に書く場合のポイントとは

自己PRは、高校生の就職時・進学時においても必要なものです。スムーズに書ければ希望する企業や学校への道が開ける可能性が高まりますが、何をアピールすべきか分からない高校生も多いでしょう。高校生向けに自己PRの書き方を解説します。

高校生の自己PRとは

男子高校生

(出典) pixta.jp

高校生にとっても、就職や進学時には自己PRが欠かせません。まずは自己PRとはどのようなものか、基本的なところを押さえておきましょう。

自分の長所・できることを知ってもらう

自分の長所やできることを、希望する企業や学校に知ってもらうのが、自己PRの目的です。自分をうまくアピールするための項目であり、採用するべき(入学させるべき)理由を相手側に理解してもらう機会でもあります。

特に就職の場合、応募者のポテンシャルを重視する企業が近年では増えているため、うまく自己PRを伝えられるようになれば有利といえるでしょう。

表彰や実績だけが自己PRではない

自己PRでは、これまでの実績をアピールするのが効果的です。しかし、必ずしも表彰された過去や広く評価される実績を持っていなければ、自己PRができないわけではありません。

高校生の自己PRでは、小さなことであっても自分が何に取り組み、どのように変わったかを説明することが大切です。実績の有無よりも自分の強みや特性を発見し、磨いてきた過程が評価されます。

まずは自己分析を通じて、これまでの経験を洗い出すことが大事です。1つでも語れるエピソードがあれば、何を学びどのように変わったか、説明できるようにしておきましょう。

自己PRと志望動機の違い

自己PRと志望動機は混同されがちです。自己PRを求められている場面で志望動機を答えてしまう人は、決して少なくありません。事前提出する書類や面接では、企業や学校側が知りたいことを正確に伝える必要があるので、両者をきちんと分けて説明できるようにしましょう。

自己PRでは自分の経験や強みを伝え、企業や学校に自分を採用する(入学させる)メリットをアピールします。一方、志望動機とは、その企業や学校を選んだ理由であり、入社後・入学後に何がしたいかを説明するものです。

志望動機では入社後・入学後の未来を話す必要があるので、企業や学校についてよく調べておきましょう。その上で、入社後・入学後にどのように活躍できるか、説得力を持たせて伝えることが大事です。

自己PRが必要な理由

勉強する男子高校生

(出典) pixta.jp

面接における自己PRは、自分の強みや特性をアピールする時間です。一方、企業や大学などにとって、応募者・入学希望者に自己PRを求めるのにはどのような意味があるのでしょうか?募集側の目的を理解することで、何をアピールすれば効果的か分かるようになります。

企業にとっての自己PR

企業が人材を採用する際、面接で自己PRをしてもらうのは、採用担当者が1人1人の応募者を理解するためです。それぞれの人柄や性格・入社意欲などを確認し、どの応募者が採用ニーズに合っており、入社後に長く活躍できるか判断する材料にしています。

就職活動ではエントリーシートや履歴書などにも、自己PRを記載する欄があるので、志望する企業についてよく調査しておきましょう。応募先の企業がどのような人材を求めているか調べれば、自己PRに書くべき内容が分かってきます。

大学・専門学校などにとっての自己PR

学校によっては、入試で自己推薦書やエントリーシートに、自己PRの記載が必要な場合もあります。

大学や専門学校にとっても、応募者の自己PRの位置付けは企業と同じです。1人1人の応募者を理解するための情報であり、志望する学部への適性や、学校側が求めている人材かどうかを判断する材料になります。

特に、成績以上に人物面が重視される傾向にある総合型選抜や学校推薦型選抜になると、自己PRの記載内容が合否にも関わってきます。就職活動の場合と同様に、応募する学校についてよく調査し、書くべき内容を整理しておきましょう。

アピールしたい長所の見つけ方

考え事をする女子高生

(出典) pixta.jp

高校生が自己PRを考える場合、何をアピールすればよいか分からない場合も多いでしょう。アピールすべき自分の長所を見つけるには、以下のポイントを意識することが大事です。

企業・進学先が求める人物像を知る

まずは、企業や進学先がどのような人物を求めているのか、情報収集から始めましょう。企業や大学などが求めている人物像を把握することで、アピールすべき長所や実績を効率良く見つけられます。

たとえ自分がよりアピールしたい事柄があっても、相手に合わせて内容を考えることが大切です。企業や大学の採用ページや公式ページ、パンフレットなどを確認した上で、どのような人物ならば採用されやすいか自分なりに考えてみましょう。

過去・経験から強みのエピソードを抽出

希望する企業や学校の情報を収集し、どのような人物を求めているか把握したら、自己PRの内容を考えていきます。自分自身を振り返り、成功体験や自分が思う強みを見つけましょう。いくつかの候補を書き出して、希望先のニーズにマッチしているものを選びます。

アピールすべき長所や実績を選んだら、深掘りしてエピソードとして話せるようにしましょう。成功した経験のみならず、失敗した経験から学んだことも自己PRにつなげられます。

難しい場合は親・友人に聞いてもOK

過去の経験を振り返っても、自己PRに使える要素が見つけられない場合は、親や友人に聞いてみるのも有効です。自己分析に加えて「他己分析」をすることで、自分では気付いていなかった長所や、隠れた特性などが分かるケースは珍しくありません。

第三者の目から見ることで、思いもよらない長所やエピソードが出てくる場合もあります。自分との関係が深い人の何人かに話を聞いてみるのがおすすめです。同じ回答をもらえた場合、それが自分の強みや特性である可能性が高いでしょう。

自己PRを書く際のポイント

勉強する女子高生

(出典) pixta.jp

自己PRを書く際のポイントを紹介します。書くべき内容を整理し、しっかりと構成を考えて、説得力のある自己PRに仕上げましょう。

結論から書く

自己PRに限らず、文章を作成する際には結論から記載することが重要です。要点を最初に書くことで、読み手が内容を理解しやすくなります。自己PRの場合は、まず「私の強みは~です」といったように、最もアピールしたい内容を初めに記載しましょう。

結論を記載した上で、次にその理由を説明することで、最後までスムーズに文章を読んでもらいやすくなります。さらに理由を補強する具体例を挙げ、自分の強みが希望する企業や学校でどのように生かせるか説明しましょう。

具体的な内容を書く

自己PRは具体的な内容にすることも重要です。読み手がイメージしやすいように、アピールしたい事柄をエピソードと結び付けて説明する必要があります。

客観的に判断しやすい数値をエピソードに盛り込むと、説得力が増すのでおすすめです。

例えば「半年間にわたり英語の勉強を1日3時間こなしたことで、TOEICが800点を超えた」といったように、具体的に数値や期間を提示してみましょう。採用担当者や面接官に頑張りや成果が伝わりやすく、好印象を与えられます。

入社・入学後の展望を書く

将来の展望を書くのは主に志望動機の欄ではありますが、自己PRで自分の強みや特性を説明した後に、入社・入学後にどのように活躍できるか説明するのも効果的です。アピールした内容をどう発揮させていくのか、簡単に触れておきましょう。

企業や学校側が入社・入学後のイメージを抱きやすいように、どの領域(分野)でどう頑張りたいかなど、具体的に分かりやすく記載することが大事です。

就職・進学別に見る自己PRの例文

ノートに書く

(出典) pixta.jp

自己PRの例文を、就職・進学別に見ていきましょう。あくまでも一例なので、自分でしっかり情報収集と自己分析をした上で、何を書くべきか考えることが大切です。

【就職】エントリーシートなど

私の強みはコミュニケーション能力です。高校では2年・3年のころにクラスの委員長を務め、多くの友人の意見を聞いて、より過ごしやすいクラス環境の整備に努めてきました。

また週末のボランティア活動により、初めて会う他校の生徒とも良好な関係を築いています。学校同士の交流の機会を設けたところ、全体のリーダーを任せられるようになりました。

他者と協力しながら、新しいことにチャレンジしたり、難しい問題を解決したりするのが得意です。

貴社に入社した後も、社内の方々はもちろん、顧客やクライアントと良い関係を構築し、売り上げアップに貢献したいと考えております。周りを手助けしながら、みんなが良い環境で働けるように力を尽くしたいと思います。

【進学】大学・専門学校など

私は、自己成長への熱意を強く持っているのが強みです。高校の3年間を通じて、英語やボランティア・アルバイトなど、さまざまな活動に力を入れてきました。

授業以外でも1日に2時間は英語を勉強しており、2年の秋にはTOEIC700点、3年の春には750点を取れるようになりました。

中学から部活で陸上をしており、忙しくて時間が取れない日も少なくありませんでしたが、空いた時間で工夫して勉強を続けたことが、功を奏したと思います。

貴校に入学した際にも、英語の勉強を続けるのはもちろん、得意分野の物理の勉強に一層力を入れたいと考えております。

内面を見つめて自分だけの長所を発見しよう!

青空の下の高校生

(出典) pixta.jp

自己PRは、高校生の就職活動や進学の際にも必要なケースが多くあります。特に企業に就職する場合、エントリーシートの作成や面接の際に自己PRが求められるので、スムーズに書けるようにしておきましょう。

何をアピールすべきか分からない人は、まずは自己分析を通じて、自分の強みや特性を整理することが大事です。自己分析に加えて他己分析も組み合わせれば、客観的な評価を自己PRにつなげられます。

具体的なエピソードを盛り込みながら、入社・入学後の展望も伝えるなどのコツを押さえた上で、実際に自己PRを書いてみることが重要です。何度書き直しても構わないので、魅力的な内容に仕上げましょう。