未経験職種の志望動機の書き方は?効果的な自己PR方法や例文を紹介

新しい業界にチャレンジする場合、これまでの仕事経験をアピールしにくくなります。未経験業界や職種への転職は可能なのでしょうか?未経験者に期待されるポイントや、志望動機の書き方を解説します。応募職種に合わせた志望動機の例文も見ていきましょう。

未経験の仕事でも転職できる?

ネクタイを締めるスーツの男性

(出典) photo-ac.com

ほかの業界や職種へ転職したいと考えたとき、未経験でも応募できるのかは気になるポイントです。まずは、一般的なケースについて見ていきましょう。

未経験者を歓迎する企業は少なくない

求人サイトには、「未経験歓迎」の募集も多数あります。即戦力というよりも、幅広い人材を募集する目的で未経験歓迎としている企業もあるのです。

なお、未経験者の意味は一般的に「業界未経験」や「職種未経験」を指します。社会人経験は必要になることがあるため、別途確認しましょう。

業界や職種未経験で転職を希望するなら、まずは未経験歓迎の求人への応募を考える必要があります。スタンバイでも、未経験歓迎の求人を数多く扱っています。

これから専門分野の経験を積んでキャリアアップしていきたいと考えるなら、未経験の業界や職種も含めて転職先を検討してみましょう。

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業界・職種により差がある

未経験の人材を募集しているかは、業界・職種によって違いがあります。専門職や資格が必要な職業は、経験者を求めることが多いでしょう。

未経験歓迎が多い業界として、IT・飲食業・不動産・建築業界などが挙げられます。飲食関係は未経験でも比較的仕事が覚えやすく、分かりやすいこともあるでしょう。

IT関係や建築業界は、未経験者を育てて人材を確保したいという思惑も予想されます。

未経験歓迎の職種には、販売員・事務職・営業職などが多いでしょう。難しいスキルを必要としない職種は、比較的未経験者でも転職しやすくなっています。

求人サイトや時期によっても募集が多い業界・職種は変化するため、転職したい分野を定めて求人情報をチェックしましょう。

年齢が若いほど有利

年齢が若いうちは、多くの人が業界未経験です。採用する側も未経験でも当たり前と考えているため、別業界や職種に転職するなら早いうちが有利です。

今働いている業界が自分に合わないと考えるなら、未経験でもチャレンジできるうちに動きましょう。早く転職するほど、自分に合った業界で経験やキャリアを積むことができます。

年齢を重ねるほどキャリア育成が難しくなり、長期間働いてほしいと考える企業から敬遠される原因になるでしょう。

未経験者が期待されるポイント

面接

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企業は、未経験者にどのような期待を抱いているのでしょうか?未経験歓迎求人を出している企業の思惑や、未経験者ならではの魅力について解説します。

成長意欲が高く、伸びしろが大きい

すでに業界や職種を経験したことのある応募者は、ある程度能力が予想できます。しかし、未経験者の能力は未知数です。今後の伸びしろを期待するなら、未経験者が有利です。

営業職でいえば、商材の違いはあるものの、仕事内容に大きな違いがない場合もあります。そのため、営業経験者であれば業界が違ってもこれまでの成績と似た結果になる可能性が高いでしょう。

一方の未経験者であれば、本人の資質や育て方によって、経験者よりも高いパフォーマンスを発揮できる可能性があります。固定観念にとらわれず、仕事ができるのもよいところです。

また、未経験業界や職種にチャレンジする意欲も高く評価されます。前向きに仕事に取り組もうとする未経験者を、採用したいと考える企業は多いのです。

新しい視点やアイデアを取り入れたい

未経験者を積極的に採用することで、会社に新しい風を取り入れたいと考える企業もあります。別業界の経験から、新しいアイデアを出すこともできるでしょう。

新商品の開発や新しいサービスの提供など、社内の雰囲気を変えたいと感じるきっかけはいくつもあります。新規部署・事業の立ち上げに、これまでにない戦力を期待する企業もあるはずです。

これまでの経験が生かせる仕事であれば、未経験業界や職種でも活躍できるでしょう。

社会人の基本を身に付けた即戦力が欲しい

業界・職種未経験の若手は、ある程度の基礎を備えています。すでに新人教育を終えているため、教育にかかるコストや時間を削減できるのが魅力です。

年齢が若い場合、低コストで長く働いてもらえるメリットがあります。他業界・職種での社会人経験から、即戦力としても期待できるでしょう。

企業によっては、コストが低い未経験者を採用したいと感じています。特に業界経験が重視されない職種では、経験者とそれほど差がないためです。

求人情報で第二新卒や業界未経験者を歓迎している企業は、未経験者でも採用につながりやすいでしょう。

志望動機の書き方の基本

履歴書の志望動機欄

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未経験で応募する場合、志望動機はどのように書けばよいのでしょうか?まずは共通する基本的なポイントを見ていきましょう。書き方を工夫するだけで、動機に説得力が増すはずです。

結論から始め、簡潔にまとめる

志望動機を書くときの基本は「結論から書くこと」です。採用担当者が最初に見る冒頭に結論を書くことで、内容が分かりやすくなります。

結論の後に理由やエピソードを付け加えることで、説得力も高まるでしょう。動機は複数入れ込むよりも、何を言いたいのか簡潔にまとめることがポイントです。

志望理由の後半部分では、入社後のビジョンや何に貢献できるのかを加えて、採用担当者に魅力を印象付けましょう。

具体的なエピソードを書く

具体的なエピソードを入れ込むと、なぜ応募しようと考えたのかが伝わりやすくなります。実体験から生まれた動機は、担当者の心にも響くでしょう。

志望動機に入れ込むエピソードは、「なぜ転職をしようと考えたのか」「退職の理由は何だったのか」を考えると見つけやすくなります。「業界に興味がある」「自分の力を生かせる」など、理由を掘り下げていきましょう。

応募先の企業ならではの特徴と、自分の体験や性格に共通する点を探すのも説得力を高めるコツです。

未経験業務の志望動機をまとめるコツ

メモを取る女性

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未経験の業務について、志望動機を考えるのは難しい面もあります。どうやって採用担当者に訴えかけるのか、志望動機のまとめ方を知っておきましょう。

転職しようと思った理由を明確にする

未経験の業界にチャレンジする場合、今までの経験職や業界を選ばなかった理由を説明しなければなりません。理由が薄いと、「自社や業界への興味が薄い」と判断されてしまいます。

まずは、なぜ転職しようと考えたのか理由をはっきりさせましょう。志望動機として書くときは、前向きな内容に置き換えるのがコツです。

「給料が安く昇給の可能性が低い」といった理由であれば、「新しい業界でスキルアップしてキャリアを積みたい」などに言い換えることができます。

「業界に興味がありチャレンジしたかった」というような理由であれば、そのまま志望動機に入れ込んでも前向きに捉えられるでしょう。

しっかり企業・業界研究を行う

未経験だからこそ、企業・業界の研究は重要です。しっかり調べることで、意欲や興味をアピールできるでしょう。

志望動機は、採用担当者にとって気になる内容です。動機からは「なぜ自社を選んだのか」が分かり、応募者の熱意も伝わってくるでしょう。

応募先企業を選んだ理由やこの業界に挑戦した理由をきちんと伝えるには、企業をよく知る必要があります。社風や経営理念によって、求める人材も変わってくるためです。

また、求人票の募集要項も忘れずに読み込みましょう。必要なスキルや勤務時間、仕事内容から企業が求める人材が把握できます。志望動機の中に企業が求めるスキルや資質を盛り込むことができれば、採用に近づくはずです。

これまでの経験との共通項を見つける

未経験であっても、これまでに得た知識やスキルは仕事に生かせます。多くの職種に共通するビジネスマナーや、仕事への姿勢は他業界・職種でも役立つでしょう。

未経験業界への応募では、できるだけ応募先企業とこれまでの経験を結び付けることが重要です。例えば、「取引先とのコミュニケーションが必要」という点が同じなら、これまでに取引先と築いた良好な関係をアピールするのもよいでしょう。

顧客対応や細かいチェックが必要な業務など、業界が違っても似たような仕事はいろいろあります。採用担当者が、この応募者の経験は自社で役立つと考えてくれれば、採用に近づくでしょう。

職種別未経験で使える志望動機の例

説明をする男性

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職種によって、志望動機の書き方は大きく変化します。志望動機を作成するポイントを、職種別に見ていきましょう。また、具体的な例文も紹介します。

営業職に応募する場合

営業職に未経験で応募する場合、「顧客対応の経験」「行動力」「フレンドリーな性格」などがアピールにつながる項目です。

これまでの仕事経験から、共通項を探すのはそれほど難しくないでしょう。

【例文1】

これまで、飲食店での接客業務に携わってきました。営業職は未経験ですが、お客様に喜んでもらうために対応する点は前職と同じです。おすすめメニューの紹介や、店舗で販売している商品の販促なども対応しておりましたので、営業でも経験が生かせると考えています。

 

【例文2】

大学卒業から、事務として3年間勤務しています。しかし、昔から人と話をするのが好きで、直接お客様と関わる仕事をしたいと考え、営業職にチャレンジしようと考えるようになりました。前職でも、来客対応や電話でのクレーム対応など、顧客対応は一通り経験しています。

 

事務職に応募する場合

事務職に応募する場合、「パソコンスキル」「コミュニケーション能力」「事務系資格」などがプラス評価になります。

他業種であっても、保有している資格やスキルを入れ込みながら志望動機を作成しましょう。

【例文1】

これまで、コールセンターでオペレーター業務をしてきました。事務職は未経験ですが、電話対応は慣れていますので、生かせる部分も多いのではないかと思います。また、業務上顧客データのパソコン入力も多かったため、データ入力業務にも不安はありません。

 

【例文2】

前職では、営業を担当してきました。取引先や他部署とのコミュニケーションを取る際に、営業としての経験が生かせると考えています。また、仕事をしながら日商簿記2級を取得しました。今後も、スキルアップを目指していきたいと思っています。

 

マーケティング・企画職に応募する場合

マーケティング・企画職は、未経験での応募が難しいともいわれます。しかし、未経験OKの企業であれば、十分にチャンスはあるはずです。

これまでの企画経験や顧客対応経験などを積極的にアピールしましょう。

【例文】

前職では、営業部門で勤務してきました。お客様に合う商品を提案し、真摯に希望をうかがうことを心掛け、2021年には上半期の営業売上1位を獲得しています。営業で顧客対応を続けていくうちに、販売の基礎となる企画職に興味を持ち、転職を決めました。これまで営業として、顧客ニーズをつかむために努力してきたことは、企画分野でも生かせると考えています。

 

管理部門に応募する場合

人事や労務など管理業務に応募するときは、まず「管理部門の業務内容」を確認しましょう。企業の規模や状況によって、部署の対応範囲が異なる可能性があります。

志望動機を書くときは、求人票の業務内容をチェックし、応募先企業で求められるスキルや経験を書くよう意識しましょう。

【例文】

これまでは、○○株式会社で転職支援に関わる仕事をしてきました。企業と人材を結び付ける業務を通して、仕事をあっせんするだけでなく、教育や人材育成にまで携わりたいと感じ、人事部門への転職を決意しました。これまでの経験を、人材の発掘やマッチングに生かしていきたいと考えています。

 

販売・接客職に応募する場合

販売・接客職では、これまでの「顧客対応経験」や「接客に対する適正」が重視されます。販売・接客職に興味を持ったきっかけや、応募先企業を選んだ内容も盛り込んでいきましょう。

【例文】

前職では、事務として働いていました。前職でも、来客やカスタマー対応を担当しております。お客様に満足してもらえることに達成感を覚え、直接会話ができる販売の仕事にチャレンジしたいと考えました。販売職の経験はありませんが、貴社の製品・サービスに強い魅力を感じ、自分でも使用しています。お客様に魅力を伝えるときに、自らの使用経験が生かせると考えています。

 

エンジニア職に応募する場合

エンジニア職で重視される項目は「IT系スキル」「コミュニケーション能力」「プログラミングを学ぶ姿勢」などです。

年齢が若いうちは未経験でも採用の可能性はありますが、基礎的なパソコンスキルは求められると考えておきましょう。

【例文】

エンジニア経験はありませんが、前職ではソフトウエアの販売に携わってきました。自社製品の販売でお客様に説明をするにあたり、独学でプログラムやソフトウエアの概要を調べるようになり、開発に興味を持ちました。独学ですが、プログラミングの勉強を始め、PHP技術者認定試験の初級を取得しております。今後、上級試験にも挑戦するつもりです。

 

未経験者がアピールすべきポイント

面談をしている社員

(出典) photo-ac.com

未経験者は、経験を持つ人に比べてアピールできる材料が少なくなります。今までの経験との共通項やスキル以外に、何を書けばよいのでしょうか?未経験者が積極的にアピールしたい内容を紹介します。

熱意やポテンシャルの高さ

未経験者は、経験がない分「新しい業界で働く意欲や熱意」をアピールしましょう。熱意がある応募者は、意欲的に長く働いてくれる印象を持たれます。

ただし、熱意だけでなく、業界や職種を選んだ理由も重要です。これからキャリアアップを重ねるためにも、納得して働ける業界・企業を選択しましょう。

特に年齢が若いうちは、本人の資質や適正によるポテンシャル採用も多いはずです。経験がなくても、これからの教育でカバーできます。必要なことは入社前・入社後に学んでいくという意思を伝えましょう。

主体的に学ぶ姿勢

未経験であっても、自分から学ぶ姿勢は重要です。例えば、入社前に関連資格を取得するなど、自主的な努力は評価されます。

「研修で学べると考えている」「先輩に教えてもらいたい」など、全てを会社任せにするのは印象がよくありません。ある程度必要なスキルについて分かっている人の方が、入社後のビジョンも描きやすくなります。

持っている資格やスキルは積極的に伝え、今後も自分から学んでいくつもりであることをアピールしましょう。

未経験で応募する際の注意点

資料を記入するスーツの男性

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未経験業界に応募する場合、いくつか注意点があります。業界や応募先企業を決める前に、未経験業界に応募するリスクについても知っておきましょう。

ミスマッチが起こるリスクがある

異業種や業界に応募する場合、外から見た仕事と、実際の業務内容にズレがある可能性があります。

「ゲームが好きだから」「動物が好きだから」と楽しそうな印象だけで関連業界を選ぶと、想像と現実の違いに悩むことも考えられるでしょう。実際の業務内容についてしっかり調査し、業種や業界を選ぶことが大切です。

また、完全な異業種を選ぶと、これまで築いてきた経験やキャリアがなくなってしまいます。異業種・業界への転職が必要なのかも含めて、応募前によく検討しましょう。

同じ未経験でも同業界の別職種など、経験を生かしやすい転職先もあります。今後のキャリア形成を考え、転職先での出世がかなうのかや、自分の求めるキャリアが得られるのかを確認しておきましょう。

職種によっては採用確率が低い

「未経験歓迎」「未経験OK」の表記があったとしても、職種によっては採用確率が低いこともあり得ます。特に記載がない場合でも、経験者のみを想定している職種もあるでしょう。

資格が必須となる職種は、原則応募前に資格取得が求められます。介護や大型免許など、入社後に資格取得を目指せる業界もありますが、数は多くないでしょう。

また、人手が足りている企業の専門職も、採用確率が低くなります。エンジニアや電気工事など一定の経験を必要とする職種の場合は、企業が積極的に人員を募集しているかが重要なポイントになるでしょう。

未経験者の転職は志望動機が重要!

机に手を置き主張するスーツの男性

(出典) photo-ac.com

未経験の業界・職種へ転職する場合、志望動機で熱意や意欲を伝えることができます。これまでの業務経験とひも付けると、転職先で生かせる自分の強みもアピールできるでしょう。

未経験であっても、自分から学ぼうとする姿勢やポテンシャルを見せることで採用につながります。未経験でも採用が狙える業界や職種をチェックし、新しい分野にチャレンジしましょう。