面接の自己紹介では何を話す?基本の内容や例文・ NG例を解説

面接の自己紹介では、自分自身の情報を適切に開示すること、その企業にどのような価値を提供できるかを明確に伝えることが大切です。面接の自己紹介で伝えるべき内容や伝え方のポイント、さらには好印象を与える例文やNG例を紹介します。

面接での自己紹介で伝える内容

面接を受ける女性

(出典) photo-ac.com

面接での自己紹介は、応募者の属性・経歴・人となりを判断するために行われます。採用では大きな比率を占めることが多いため、必要な内容をしっかりと伝えましょう。

氏名などの基本情報

自己紹介では「自分が何者なのか」の開示が必要です。「自己紹介をお願いします」といわれたら、まずハキハキと名乗りましょう。その後にこれまでの職歴について簡単に述べれば、面接官が求める最低限の基本情報を伝えられます。

基本情報を伝えるときのポイントは、一言一句はっきりと発音することです。面接官が冒頭に応募者の氏名を尋ねるのは、手元の書類が本人のものに相違ないかを確認する意味もあります。聞き間違いが起こらないよう、モゴモゴ話すのは避けましょう。

名乗る際に「本日はどうぞよろしくお願いいたします。」と伝えるとより好印象ですが、忘れた場合は自己紹介の最後に伝えても構いません。

現職の仕事内容や実績

自己紹介では「現在どのような仕事に就いているか」を確実に伝えることが重要です。現職の業種・職種とともに、担当している業務について簡潔にまとめましょう。応募企業と共通する部分は積極的にアピールすると、好印象を与えやすくなります。

実績を述べるときに意識したいのは、数字や根拠を提示することです。中途採用では、即戦力が求められるケースが少なくありません。「実務をこなせるスキル・知識がある」と具体的にアピールすることが、採用につながります。

一方、提示できる実績がない場合は、関連するスキルや資格などを強みとしてもよいでしょう。仕事で気を付けていることや、熱意・興味なども伝えて、応募企業への適性をアピールするのがおすすめです。

簡単な志望動機や意欲

自己紹介の最後は、志望動機や仕事への意欲を簡単に伝えて締めくくります。ただし、志望動機は、後で詳しく聞かれるかもしれません。伝えることが重複しないよう、自己紹介ではさわり程度に留めておきましょう。

なお面接によって「1分で自己紹介をしてください」「自己紹介と志望動機を教えてください」などと、求められるケースもあります。

「1分で」なら、簡潔さ・分かりやすさを重視しなければなりません。一方、志望動機も求められた場合は、より詳細な説明が必要です。

自己紹介では求められていることを適切に見極め、臨機応変に対応しましょう。

面接での自己紹介の必要性

バインダーに記入する手元

(出典) photo-ac.com

履歴書や職務経歴書を見れば、応募者のスキルや経歴は確認できます。それにもかかわらず、なぜ面接では自己紹介が求められるのでしょうか?

応募者の緊張をほぐすためでもある

企業によっては、面接前のアイスブレイクとして自己紹介を求めることもあります。アイスブレイクとは、会議や面接の前に行われる、緊張をほぐすための取り組みです。場の雰囲気を和ませたり、コミュニケーションのきっかけを作ったりする効果に期待できます。

応募者の中には、面接への緊張から普段の自分を出せなくなる人もいます。自己紹介でワンクッション挟んだ方が、口元もなめらかに動くようになるはずです。

自己紹介を面接前のちょっとしたウォーミングアップだと考えれば、苦手意識を克服しやすくなるのではないでしょうか。

コミュニケーション力を確認するため

面接官は自己紹介を求めることで、応募者のコミュニケーションスキルをチェックしています。

自己紹介では、言葉の選び方や、まとめ方・話のポイントの置き方などに、その人の個性や価値観・考え方が反映されます。面接官は自己紹介から「自社と価値観を共有できるか」「採用した際にすんなりなじめそうか」などを測っているのです。

求められていない話をしたり、とりとめもなくダラダラと話したりする人は、質問を理解できていない・要約するスキルがないと判断されかねません。自己紹介でマイナスな印象を与えないよう、情報の選別が必要です。

面接での自己紹介のポイント

面接官に向けて話す女性

(出典) photo-ac.com

自己紹介の印象が、その後のやり取りに影響を与えるケースは多くあります。自己紹介ではどのようなポイントに気を付けるべきなのでしょうか。

話し方や表情は明るく

面接官に好印象を与えやすいのは、ハキハキした話し方や明るい表情です。

ハキハキと聞き取りやすく話せる人は、ポジティブで積極的な印象を与えます。面接官に対し、やる気・熱意をアピールしやすくなるでしょう。

また、表情もその人の印象を大きく左右する要素です。面接で緊張しているとしても、口角を上げて、柔らかい表情を意識しましょう。終始笑顔で受け答えできれば、面接官の印象もアップします。

特に接客や顧客対応がある業務は、他者に与える印象が重視される傾向にあります。面接官は自己紹介の内容はもちろん、応募者の態度や、表情・声のトーンまで厳しくチェックする場合があります。

要点を押さえて簡潔に伝える

自己紹介は重要なポイントを押さえつつ、分かりやすく簡単にまとめることが大切です。長すぎると、冗長な印象を与えるため、1~2分程度に収まるようにしましょう。

印象がよいのは、簡潔かつ面接官の求める情報がしっかりと組み込まれている自己紹介です。職歴や現在の業務について述べるときは、アピールにつながらないことまでダラダラと話す必要はありません。

面接官が知りたいのは、自社と関係する業務・スキル・実績の有無や内容、入社後にどのような貢献ができるかなどです。要点を押さえてコンパクトにまとめられれば、印象のよい自己紹介となるでしょう。

自分自身の人柄も伝えよう

自己紹介では、応募者が自社の求める社員のイメージにマッチしているかどうかも見られています。「自分はこんなタイプです」という情報が伝わるよう、自己紹介には人柄が感じられる情報を含めるのがおすすめです。

例えば、営業職なら「交渉力を褒められた」、事務職なら「仕事が丁寧だと評価された」などの経験は、アピールポイントになります。

ただし、人柄について長く話すと、自己紹介の趣旨からずれる恐れがあります。あまり広げすぎず「仕事に対する姿勢」として、端的にアピールするのがおすすめです。

面接の自己紹介の例文を紹介

手帳に記入する

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面接の自己紹介では「何が求められているか」を適切に把握することが大切です。シンプルな自己紹介の例文と、自己PRや志望動機を交えた自己紹介の例文を紹介します。

簡単な自己紹介を求められた場合

「自己紹介をお願いします」とだけいわれた場合は、お礼を述べた後、名前・職歴・実績・強みをコンパクトにまとめましょう。以下は、事務職の自己紹介例です。

◯◯と申します。
本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
株式会社〇〇へ新卒にて入社し、〇年間営業事務に従事して参りました。現在は100社以上の取引先を任され、見積書・請求書の作成からデータ入力までを行っています。ミスの少なさや対応の速さ・柔軟さを評価していただくことが多く、自身の強みだと感じています。

応募企業によっては「自己紹介を1分でお願いします」などといわれることもあります。少ない言葉で職歴の説明や、実績・強みのアピールができるよう、情報の精査と適切な言葉選びが必要です。

PRや志望動機を交える場合

面接官に「自己紹介と自己PRをお願いします」「自己紹介と志望動機をお願いします」などといわれた場合は、自己紹介からスムーズに自己PRや志望動機につなげなければなりません。

以下で営業職の例文をチェックしましょう。まずは自己PRを含んだ例文です。

◯◯と申します。
本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
株式会社○○に新卒にて入社し、〇年間法人営業に従事して参りました。現在は主に企業規模500人以上のクライアントを中心に担当しています。営業成績は安定しており、営業目標120%を下回ったことはありません。
私の強みは、顧客ニーズに応える提案力です。丁寧なヒアリングで、潜在的なニーズまで見極めることが、確実な成果につながっていると自負しています。御社の営業も法人中心であるという点で、これまでの経験を生かせると感じました。

営業職は成果が数値化される分、アピールポイントを打ち出すのは難しくありません。目標達成率や担当クライアント数など、具体的な数値を挙げるとよいでしょう。

一方、強みの代わりに、以下のポイントを加えると、志望動機を聞かれたときにも対応できます。

御社を志望したのは、クライアントの満足度を非常に重視されているためです。営業のやりがいは、クライアントの課題を解決し、満足してもらうことだと考えています。御社なら、私の理想とする営業がかなうと確信し、応募いたしました。

志望動機は、応募企業で働きたいとアピールする絶好のチャンスです。「なぜこの企業なのか」が伝わるよう、ポイントをまとめておきましょう。

面接の自己紹介のNG例

ストップのイメージ

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面接での自己紹介は、相手が求めていることを理解して、分かりやすく伝える必要があります。多くの人が失敗しがちな、自己紹介のNG例を紹介します。

詳細まで長く話しすぎる

自己紹介では、伝えるべきことを頭の中で整理し、不要な部分はカットします。例えば、以下のようなエピソードは自己紹介では不要です。

1年目は先輩方に付いて回るばかりで、なかなか成果を上げられませんでした。2年目は少し成績が上がったのですが、満足できるとはいえなかったと思います。3年目くらいから、やっと営業らしくなってきました。

職歴に触れる場合は、実績や成果以外を詳細に説明する必要はありません。細かいエピソードや状況を延々と説明すると、論点がぼやけてしまいます。

余計なことをダラダラと話す人は「要点を押さえて話せない人」「何を求められているかを理解できない人」という印象を与えかねません。面接官からすると、あまり印象はよくないので、端的にまとめられるようにしておきましょう。

プライベートの話をする

転職の自己紹介では、仕事以外の話は不要です。

  • 趣味はランニングで、毎朝10km走っています
  • 特技は小学3年生から習っている空手で、現在〇段です

面接官は、上記のようなエピソードを求めていません。自己紹介は、職務経歴や仕事の実績・成果に関係するエピソードでまとめましょう。

面接で自己紹介にかけられる時間は、ごくわずかです。趣味や特技などに時間を割くよりも、実績や成果のアピールに少しでも多くの時間を使うことをおすすめします。

専門用語ばかり使う

自己紹介は「分かりやすく」が基本です。どんな人が聞いてもすぐに理解できるよう、業界や会社でのみ通用する専門用語の使用は控えましょう。

特に、IT業界は英単語・カタカナの専門用語が多く、一般の人には分からないことが多くあります。例えば、以下のような言葉は、異業種に転職するときの自己紹介では避ける方がよいでしょう。

  • ○○にコミットしてきました
  • △△というサービスのローンチに尽力しました

とはいえ、専門用語が当たり前になっていると、何が業界用語なのか分からなくなってくるかもしれません。面接の前に、自己紹介をひととおり書き出し、別の業種の人に目を通してもらうのも1つの方法です。

面接での自己紹介で好印象を残そう

面接をする女性

(出典) photo-ac.com

面接での自己紹介は「何が求められているのか」を適切に把握することが大切です。自己紹介のみなら、名前・職歴・実績を簡単にまとめましょう。一方、自己PRや志望動機も必要なら、適宜情報を追加するだけで済みます。

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ポイントを押さえた自己紹介で、希望の企業からの採用を目指しましょう。

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