職務経歴書と履歴書の違いを解説!役割を理解して作成に役立てよう

初めて転職活動をする場合は、職務経歴書の役割について理解しておきましょう。職歴やスキルをアピールすることが可能な書類で、新卒で就職活動をする場合には提出は不要です。職務経歴書と履歴書の違いや、作成のポイントについて解説します。

職務経歴書と履歴書の役割の違い

履歴書と職務経歴書

(出典) pixta.jp

転職活動中に企業に提出する主な応募書類は、職務経歴書と履歴書の2つです。それぞれの役割について解説します。

職務経歴書は職歴や資格を詳しく伝える役割

職務経歴書は、主に職歴・スキル・資格について記載する書類です。応募者がそれまで仕事でどのような経験を積んできたのか、応募企業で生かせるスキルは何なのかをアピールします。

新卒採用の就活生には職歴がないのに対し、中途採用の転職希望者には既に何らかの職歴があるはずです。中途採用では、応募者が職歴において身につけてきた実務能力が重視されます。

実務能力やスキルが分かる職務経歴書は、転職希望者の選考において重要な参考資料です。面接においても、履歴書よりも職務経歴書の内容について質問されるケースが多いでしょう。

履歴書は略歴を正確に伝える役割

応募者の略歴を正確に伝えるための書類が履歴書です。学歴や志望動機、希望する勤務形態など、応募者の基本的な情報を履歴書に記載します。

履歴書に目を通して分かることは、応募者の人柄や熱意です。自己PRや志望動機を読めば、応募者がどのような人なのかを判断しやすくなります。

履歴書には、応募者の身元を証明する役割があるのもポイントです。応募者の身分証明書を提出してもらう代わりに、応募者が自分で作成した履歴書を身元証明書類とし、入社後は人事資料として保管されます。

職務経歴書と履歴書の作成方法の違い

書類に書き込む女性

(出典) pixta.jp

職務経歴書と履歴書は、フォーマットや記載内容が異なります。それぞれの書類が持つ役割を理解し、目的に沿ってポイントを押さえた内容に仕上げることが重要です。

職務経歴書にフォーマットはある?

職務経歴書には、決められたフォーマットがありません。基本的には自由なレイアウトで作成できますが、採用担当者が目を通しやすいような工夫は必要です。文字を大きくしたり表や箇条書きを使ったりして、読みやすさを意識しましょう。

職歴を書く順番も自由です。一般的には古い順に職歴を書いていきますが、直近の経歴が応募職種に近い場合は、新しい職歴から順に並べていく方法が適しています。転職回数が多い人にも向くでしょう。

時系列で経歴を書くのではなく、特定の分野・職種ごとにまとめて記載する方法もあります。スキルや実績を採用担当者にアピールしたい場合に最適です。

職務経歴書のボリュームは、A4サイズの用紙1~2枚程度に収めるのがおすすめといえます。

職務経歴書に記載する内容

一般的な職務経歴書には、日付・氏名・職務経歴・応募職種・免許資格・経験やスキル・志望動機・自己PRを上から順に記載します。

経験やスキルを記載する際は、応募企業で求められているものを意識し、それを満たせそうなものを重点的に書きましょう。事前に企業研究をしっかりと行っておけば、応募企業にとって魅力的な内容に仕上げやすくなります。

職務経歴は長文になりがちです。書くべきポイントを絞り、簡潔に分かりやすくまとめる必要があります。伝えたいことが豊富にある場合も、読みやすさを重視して書くことが大切です。

履歴書はフォーマットに従う

履歴書のフォーマットはある程度決まっています。かつてはJIS規格が推奨されていましたが、厚生労働省が現在推奨するテンプレートは、JIS規格のものから性別・通勤時間・扶養家族数(配偶者を除く)・配偶者・配偶者の扶養義務が削除されました。

いずれも、選考の公平性や応募者のプライバシーに配慮して削除された項目です。特に指定がない場合は、厚生労働省のウェブサイトから推奨テンプレートをダウンロードして使うとよいでしょう。

履歴書は手書きでも構いませんが、パソコンで作成した方が書き間違いが生じた場合に手軽に修正できます。手書きで間違った内容を書いてしまった場合は、修正せずに最初から書き直しましょう。

参考:ハローワークインターネットサービス - 履歴書・職務経歴書の書き方

履歴書に記載する内容

履歴書には、日付・氏名・生年月日・現住所・連絡先・学歴職歴・免許資格・志望動機・自己PR・趣味特技・本人希望を記載します。フォーマットに従って書いていけば問題ありません。

年月を書く欄の西暦・和暦は、履歴書内だけでなく職務経歴書とも統一します。学校・免許・資格は正式名称で書くのが基本です。分からない場合は調べてきちんと書きましょう。

書くことがない欄がある場合でも、空欄にするのはNGです。空欄があると、書き忘れたのか書くことがないのか、採用担当者が判断できません。書くことがなければ「特になし」と記入しましょう。

職務経歴書と履歴書の重複項目の書き分け

履歴書と封筒とペン

(出典) pixta.jp

職務経歴書と履歴書には、重複する項目がいくつかあります。主な重複項目の書き分け方を確認しましょう。

【職歴】履歴書は簡潔に職務経歴書は詳しく

履歴書の職歴は簡潔に書くのがポイントです。社名・部署名・役職・入退社日など、概要をまとめて記入しましょう。

一方、職務経歴書は職歴を伝えるのが最大の目的である書類です。履歴書に記入した内容に加え、職務の詳細や実績についても書く必要があります。

ただし、長すぎる文章や読みにくい文章はNGです。見出しや箇条書きを活用し、採用担当者が読みやすい文章になるように意識しましょう。

【志望動機】履歴書には要約を記載

志望動機も両方の応募書類に重複している項目です。どうしても同じ内容になってしまいますが、まったく同じ文章は避けなければなりません。

履歴書には志望動機の要約を書き、職務経歴書には詳しい志望動機を書きましょう。職務経歴書の方にエピソードを盛り込めば、ボリュームに差が生まれます。

最初に職務経歴書を書き、後から履歴書を書くのもおすすめです。職務経歴書を見ながら、内容をまとめる形で履歴書を書けば、双方の職歴欄に矛盾が生じなくなります。

職務経歴書・履歴書作成時の注意点

履歴書を読む男性

(出典) pixta.jp

職務経歴書と履歴書を書く際は、企業がそれぞれの書類で何を確認しようとしているのか意識する必要があります。作成時に気を付けたい重要なポイントを押さえておきましょう。

職務経歴書は入社後をイメージされる

過去の実績や仕事に生かせるスキルを書く職務経歴書により、入社後の働き方や活躍ぶりをイメージされます。入社してもらいたいと思われるような内容を意識することが重要です。

ただし、余計なことを書いてしまうと読みにくい文章になり、採用担当者に与える印象が悪くなります。書く必要がないことを書かないようにしましょう。

誤字脱字も大きなマイナスポイントです。誤字脱字が散見される場合、基本的なビジネススキルが備わっていないと判断されかねません。最後に見直しをしっかり行いましょう。

履歴書はビジネスマナーを見られる

企業は履歴書から応募者のビジネスマナーを評価します。文章を書くことや書類を作成することは、ビジネスにおいて必須の業務であるためです。

例えば会社名を記載する場合、「(株)」や「(有)」と略称を使うのはNGです。「株式会社」「有限会社」と書かなければなりません。また、コピーした履歴書の使い回しも評価を大きく下げてしまいます。

履歴書に貼付する写真の身なりにも注意しましょう。私服で撮影したものではなく、清潔感があるスーツ姿の写真を貼るのがマナーです。

魅力的な職務経歴書と履歴書を作ろう

封筒を手にした女性

(出典) pixta.jp

職務経歴書と履歴書は役割が異なります。職務経歴書は職歴やスキルを示して入社後をイメージしてもらう書類、履歴書は略歴の提示やビジネスマナーの評価を目的とした書類です。

それぞれの書類はフォーマットや記載内容も違います。正しい書き方をしっかりと理解し、魅力的な応募書類を作成して転職を成功させましょう。