就職が決まったらハローワークに報告!時間が取れない場合の対処法も

雇用保険の受給者が就職すると、基本手当の支給はストップされます。採用後の手続きが、どのような流れで進んでいくのかを確認しましょう。ハローワークに足を運ぶタイミングや、採用が決まった際にもらえる再就職手当についても解説します。

ハローワークに通う中、就職が決まったら?

ハローワーク

(出典) pixta.jp

雇用保険(失業保険)の受給資格がある人は、就職が決まるまでの間、雇用保険の基本手当(失業給付)を受給できます。失業認定のためにハローワークに通っている期間中に採用が決まったら、どう対応すればよいのでしょうか?

採用が決まったらすぐに報告する

採用が決まった際は、すぐにハローワークに連絡を入れましょう。その後、就職日の前日にハローワークに足を運び、就職日前日までの失業認定を受ける流れとなります。

そもそも雇用保険の基本手当は、失業状態にある人が対象です。就職をすれば支給対象から外れてしまいますが、ハローワークに連絡を入れた時点で支給が止まるわけではありません。採用が決まっても、就職日の前日分までは基本手当が支給されます。

参考:雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり|厚生労働省

採用証明書を準備する

基本手当の支給を停止するに当たっては、ハローワークに就職を届け出ます。就職の届け出には、採用証明書が必要です。

採用証明書とは、雇用保険の受給者が再就職したことを証明する書類で、ハローワークから配布される「受給資格者のしおり」に同封されています。紛失した場合は、ハローワークのホームページからダウンロードしましょう。

採用証明書には事業主記入欄があるため、採用先に記入をお願いしなければなりません。内定の連絡をもらった時点で、記入を依頼しておくとスムーズです。

採用先が採用証明書を記入したら、雇用年月日(在籍となる初日)を確認しておきましょう。

就職日の前日に失業認定を受ける

就職日より前に次の認定日が設定されている人は、認定日にハローワークに行き、通常通りの認定を受けます。就職日より後に認定日が設定されている人は、就職日の前日に失業認定を受けるのが原則です。

当日は、失業認定と同時に就職の届け出をします。以下の書類を忘れずに準備しましょう。

  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書
  • 採用証明書

所定の手続きをしなかった場合は、再就職した後に受け取れるはずの手当が受給できません。

参考:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~

採用が決まることでもらえる手当も

封筒に入った現金

(出典) pixta.jp

再就職後は基本手当がもらえなくなりますが、「再就職手当」「就業手当」「就業促進定着手当」を受けられる可能性があります。手当を受給するには、それぞれの要件を満たす必要がある点に留意しましょう。

再就職手当

基本手当を全部受け取ってから就職をしようと考える人もいますが、早期に安定した仕事に就けば、毎月の収入が安定する上に再就職手当が受けられる可能性があります。ハローワークからの、就職祝い金のようなものと考えましょう。

再就職手当の金額は、以下の式で算出します。

  • 基本手当日額(上限あり)×所定給付日数の支給残日数×給付率

給付率は、所定給付日数の1/3以上が残った人は60%、2/3以上が残った人なら70%です。

再就職手当を受けるには、定められている支給要件を全て満たす必要があります。離職前の事業主に再雇用される場合や1年を超えた勤務が確実でない場合などは、手当を受けられません。

参考:就職促進給付 - ハローワークインターネットサービス

就業手当

就業手当は、再就職手当の対象から外れている「常用労働者以外」を対象とした手当です。常用労働者以外とは、アルバイトやパート、雇用期間が1年を超える見込みのない契約社員などを指します。

基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上かつ45日以上の場合、就業日ごとに基本手当日額の30%に相当する額が支給されます(上限あり)。

就業手当を受けるには、再就職手当の支給対象とならない職業に就くことが前提です。再就職手当と同様、所定の要件を全て満たさなければなりません。

参考:ハローワークインターネットサービス-就職促進給付

就業促進定着手当

就業促進定着手当は、再就職手当の受給者を対象とした手当です。再就職先で支払われた6カ月間の賃金が、前職を辞める直前の賃金よりも低い場合、就業促進定着手当の支給が受けられます(上限あり)。

就業促進定着手当の金額を求める式は、次の通りです。

  • (離職前の1日分の賃金-再就職後6カ月間の1日分の賃金)×再就職後6カ月間の賃金の支払い基礎となった日数

簡単にいうと、再就職先で前職での賃金より下回ってしまった差額を、再就職してから約半年分だけ支給するということです。

この制度は定着の促進を目的としており、同じ事業主に引き続き6カ月以上雇用されていることが前提です。満たすべき支給要件があるため、事前に確認しておきましょう。

参考:再就職手当を受給した皆さんへ

失業保険受給中の再就職に関するQ&A

受付窓口

(出典) pixta.jp

失業保険を受けるのが初めての人は、受給や就職の届け出に関するルールが複雑に感じるかもしれません。失業保険受給中の再就職に関して、よくある疑問点をピックアップしました。

就職前日に時間が取れない場合はどうする?

就職が決まったときは、原則として就職日の前日にハローワークを訪れ、失業認定と就職の届け出をする決まりです。都合が付かない場合は、早めにハローワークに連絡をし、職員の指示に従いましょう。

就職日の前日が土日祝日・年末年始の場合は、その前の開庁日に手続きを済ませます。就職日が月曜日であれば、前の週の金曜日に足を運びましょう。この場合、認定対象となるのは金曜日の分までとなり、土日分は対象外です。

土日分の基本手当をもらうには、次回の認定日までにハローワークに行き、失業の認定を受けるのが原則です。ただし、一定条件を満たしている場合は、失業認定申告書と受給資格者証の送付によって手続きが済みます。

参考:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~

手続きを済ませて新天地でのスタートを

前向きな男性

(出典) photo-ac.com

失業保険の受給中に就職が決まったら、就業前日までの失業認定の手続きと、就職の届け出をしなければなりません。

指定された日に手続きができない場合、くれぐれも自己判断はしないようにしましょう。ハローワークに連絡を入れ、担当者の指示に従うことが重要です。

就職すると基本手当は停止されてしまいますが、安定した職場が見つかれば、再就職手当をはじめとする各種手当が受けられるケースがあります。手続きを遅延なく済ませれば、新たな気持ちでスタートを切れるはずです。

現在まだ再就職先を探している人には、求人数が豊富なスタンバイがおすすめです。細かい条件の指定ができるため、希望に合う仕事に出会えるでしょう。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら