オンスケの意味や使い方をチェック!リスケとの違いやほかの略語も紹介

ビジネスシーンでは、打ち合わせなどで「オンスケ」という言葉が使われることがあります。企業によっては全く使わないケースもあるので、聞いたことのない人や、転職で初めて聞いた人もいるでしょう。オンスケの意味や、使用時の注意点などを解説します。

オンスケの意味とは?

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(出典) pixta.jp

打ち合わせやミーティングなどの際、使われることの多い言葉に「オンスケ」があります。何となく意味を察してはいるものの、正しく理解しているか自信がない人もいるでしょう。まずは言葉の意味と、簡単な使い方を知っておきましょう。

「オンスケジュール」を略した言葉

オンスケとは、英語の「on schedule」を片仮名の「オンスケジュール」に変換した後、さらに使いやすく略した言葉です。当初の計画などが予定通りに進んでいることを意味し、遅れがない状態を指す言葉として使われています。

ただし、英語が語源ではあるものの日本特有の表現であり、基本的に英語圏の人々には通じないので注意しましょう。ビジネスシーンで使われる言葉の中でも、とりわけ砕けた表現です。

オンスケの使い方・例文

オンスケを使った例文を紹介します。実際の使い方を参考にしつつ、どのようなシーンで使用できるかイメージしてみましょう。

  • 若干のトラブルは発生したものの、研修はオンスケで無事に終了しました
  • A社の案件は、オンスケで進んでいますか?
  • 後れを取っているので、残りのタスクはオンスケで完了しなければならない

オンスケは主に、作業やプロジェクトが計画や想定に対して、問題なく進んでいるか(進んでいたか)を示す際に使う言葉です。上記の使用例はビジネスシーンでよくある状況といえるでしょう。

リスケとの違い

オンスケと似た言葉に「リスケ」があります。リスケとは英語の「reschedule」を片仮名の「リスケジュール」に変換し、使いやすく略した言葉です。金融業界では計画や予定を再調整することで、債務の返済を繰り延べるといった意味もあります。

ビジネスシーンでは主にリスケジュールの意味で使われており、当初の予定や計画からずれが生じたために、やむなくタスクを「リスケする」といった使い方をするのが一般的です。

一方のオンスケは、計画や作業が当初の予定通りに進んでいる状況を指す言葉なので、リスケとはほぼ反対の意味といえるでしょう。

オンスケを使う際の注意点

男性会社員

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オンスケは砕けた表現であるため、誰に対しても使えるわけではなく、相手を選ぶ必要があります。また、会話の中で気軽に状況を確認するための口語でもあるため、文章には使わない方がよいでしょう。

基本的に目上の人には使わない

同僚やチームメンバーなど、気軽に話せる相手に対してはオンスケといった表現を使っても、特に問題はないでしょう。

一方、上司や取引先の人など、目上の人に使うのは避ける必要があります。正式な言葉ではなく略語であるため、カジュアルな印象を与えてしまうでしょう。相手によっては、悪い印象を持たれる可能性もあります。

ただし職場環境によっては、上司や取引先が相手でも使える場合があるため、ケースバイケースといえます。

相手との関係性や、日頃のコミュニケーションの仕方などを鑑みて、使用すべきかどうか考えましょう。気心が知れていない相手に対しては、一般的に使われる言葉でやりとりするのが無難です。

主に会話で使う言葉

オンスケは気軽な会話で使う言葉(口語)であるため、書類やメールでの文章には使わない方がよいでしょう。テキストコミュニケーションの場では、「予定通り」「問題ありません」といった表現に言い換えることが大事です。

チーム内のチャットで使う程度ならば問題ありませんが、上司や取引先が目にする可能性のある書類やメールに関しては、一般的な日本語できちんと記載する必要があります。

オンスケの対義語

ミーティング

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オンスケやリスケのように、英語が語源ではあるものの、日本語として使用されている言葉は少なくありません。ここでは、オンスケの対義語として使われている「ビハインド」「ペンディング」について、意味や使い方を解説します。

遅れている状態を指す「ビハインド」

ビハインドとは英語の「behind」のことで、後ろに物事がある状態や、遅れなどを表現する言葉です。スポーツの分野では、相手に点数で負けていることを「●点ビハインド」といった表現をするので、一度は聞いたことのある人も多いでしょう。

一方ビジネスシーンでは、業務が遅れている状態や、進捗(しんちょく)が芳しくない状況を指す言葉として使われています。

例えば、数日残業を続けることで「仕事のビハインドを取り戻した」といった表現や、プロジェクトにおいて「ビハインドを想定したチーム編成をする」といった使い方をします。

保留中で使われることが多い「ペンディング」

ペンディングとは英語の「pending」のことで、もともとは「未解決の」「未定の」などの意味があります。何か問題や課題を抱えているものの、解決・解消できていない状態を指し、争いが続いている(係争中)といった意味もあります。

ビジネスシーンでは、決断を「先送り」にする意味で使うことが多く、ひとまず保留にしておき、後から解決に取り組むといったニュアンスを持たせる言葉です。

「先送りにする」とダイレクトに発言すると、無責任な印象を与える可能性があるため、表現を和らげるために使用される傾向があります。

ビジネスでよく使われる片仮名語

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ビジネスでは、ほかにも語源が英語の片仮名語が使われるシーンが珍しくありません。ここでは、よく使われる言葉として「アジェンダ」「アサップ」「バッファ」の意味や使い方を紹介します。

アジェンダ(Agenda)

アジェンダ(Agenda)とは、もともとはラテン語で「実行すべき事柄」といった意味があります。

ビジネス用語としては、会議の「議題」として頻繁に使われる言葉で、ほかにも「計画」「日程表」などを指す言葉として使われるケースもあります。

例えば、「明日会議があるので、朝までにアジェンダを作成しなければならない」といった使い方が一般的です。厳密には、議題として取り扱う「内容をまとめたもの」との意味がありますが、単純に議題の意味で使っている人が多いでしょう。

アサップ(ASAP)

アサップ(ASAP)は「As Soon As Possible」の頭文字を取った略語で、日本語にすると「できるだけ早く」「可及的速やかに」といった意味になります。

「なるべく早く」を「なるはや」と表現する人は少なくありませんが、省略のニュアンスとしては同じです。

英語圏においては「エー・エス・エー・ピー」と読むのが一般的ですが、日本では「アサップ」をはじめ「エイサップ」と読む場合がほとんどです。

ビジネスシーンでは主に「アサップ」と表現する傾向にあります。「A社から新製品に関する質問が来ているので、アサップ(ASAP)で回答をお願いします」といった使い方をします。

バッファ(Buffer)

バッファ(Buffer)とは、もともと「余裕」「緩衝」などを意味する言葉で、ビジネスシーンでは「余裕を持たせる」といった意味で使われています。

状況の変化や思わぬトラブルに対応するため、主にスケジュールや予算・投入する物資などに、余裕を持たせる必要がある場合に使用する言葉です。

例えば、「バッファを含めた予算編成をする」「バッファとしてもう1人、人員を連れて行く」といった使い方をします。また交渉の場において、当事者の衝突を避けるための仲介役を「バッファ」と表現する場合もあります。

オンスケの意味を理解して会話をスムーズに

打ち合わせ

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オンスケは、計画や予定が問題なく進んでいる状況を指す言葉で、ビジネスシーンでよく使われています。計画や予定の再調整を意味するリスケと同様に、同僚やチームメンバーなどと、気軽に状況を確認する際に使用するのが一般的です。

あくまでもカジュアルな表現であるため、上司や取引先に対しては使わない方がよいでしょう。書類やメールでも、「予定通り」「問題なし」といった表現にするのが無難です。

オンスケのほかに、リスケやビハインド、ペンディングなどの言葉もよく使われるので、この機会に覚えておきましょう。