第二新卒は職務経歴書に何を書く?基本ルールと書き方のポイント

転職活動では多くの場合、応募企業から職務経歴書の提出を求められます。第二新卒の場合は社会経験が少ないため、何を書けばよいのか迷う人も多いでしょう。第二新卒者向けに、職務経歴書の基本的なルールや作成のポイントを解説します。

第二新卒に職務経歴書は不要?

履歴書とペンとスマホ

(出典) pixta.jp

第二新卒の場合、前職については履歴書に記載すれば十分と感じる人もいるかもしれません。職歴が少なくても職務経歴書が必要な理由と、履歴書との違いを見ていきましょう。

職歴が少なくても必要

前職での業務期間や経験の多寡にかかわらず、転職活動をするなら職務経歴書の提出は必須と考えましょう。履歴書の職歴欄に記載する情報だけでは、採用側は応募者がどのような仕事をしていたのかが分かりません。

例えば履歴書に配属部署が営業部とだけ書いてあった場合、外回り経験があるのか社内で補助的な業務を担っていたのかまでは、判断できないでしょう。

新卒なら志望動機や特技などが選考基準となりますが、転職の場合は前職での経験が重視されます。

このため履歴書に職歴を記載する以上は、職務経歴書もセットで提出するのが基本なのです。募集要項に「職務経歴書不要」と明記されている場合を除き、提出するものと考えておきましょう。

職務経歴書と履歴書の違い

職務経歴書と履歴書は似ているようですが、その役割はまったく違います。履歴書とは、応募者の氏名や連絡先・家族構成・保有資格などの基本情報を知るための書類です。

通勤時間やその他の希望事項を書く欄もあり、採用担当者が知りたい情報が一目で分かるようになっています。

一方の職務経歴書は、履歴書に記載された職歴について、具体的に説明するための書類です。採用担当者は職務経歴書の内容を見て、自社に適した人材かどうかを判断します。

また職務経歴書は履歴書と違って、ほとんどの場合、定型フォーマットがありません。企業によっては用紙サイズ・枚数などを指定するケースもありますが、記載内容は基本的に応募者の判断にゆだねられます。

職務経歴書に書くべき項目

職務経歴書に記入する手元

(出典) pixta.jp

ほとんどの第二新卒者にとって、職務経歴書は初めて作成する書類です。何をどのように書けばよいのか、イメージできなくても無理はありません。職務経歴書に書くべき項目と書き方のポイントを解説します。

職務要約

職務要約は、職務経歴の要点を簡潔にまとめた項目です。物語のあらすじのようなものと考えればよいでしょう。職務要約を書く目的は、採用担当者の興味を引くことです。

採用担当者の多くは他の業務で忙しいため、応募者全員の書類を最後まで読むとは限りません。詳細を読むかどうかを、職務要約で判断するケースもあるのです。

職務要約を書く際には、以下の点を意識しましょう。

  • 長くなりすぎないようにする
  • 応募する職種に関連する情報を盛り込む

職務要約が長すぎる人は、簡潔にまとめるスキルが不足しているとの印象を与えかねません。3~4行程度でまとめるようにしましょう。

また応募する職種に合う情報をピックアップすると、採用担当者の興味を引きやすくなります。第二新卒の場合は、仕事を進めるうえでの工夫・取り組み方などでも構いません。自社が求める人材にふさわしいと思わせることが大切です。

職務経歴

職務経歴は、社会に出てから今までの職務内容を詳しく記載する項目です。いつ・どこで・誰に・何をしたのかを、できるだけ具体的に書きましょう。

採用担当者に分かりやすく伝えるポイントは以下の通りです。

  • 職歴は古い順に書く
  • 数字などを用いて具体的に伝える
  • 社内用語・業界用語の使用を避ける

第二新卒ですでに転職歴がある場合や、前職で異動があった場合は時系列で書きます。会社の規模・所属したプロジェクトのチーム人数・売上実績などは、可能な限り数字で表しましょう。

例えば「営業成績はトップクラスでした」と書くよりも、「入社1年後に営業部○○人の中で月間売上トップ3に入りました」と書く方が、採用担当者の印象に残りやすくなります。

特殊な部署名や前職の会社だけで通用する用語などがある場合は、言い換えるか誰でも分かる言葉で補足を入れると好印象です。

次の仕事で生かせる経験・知識・資格など

職務経歴の次は、経験や知識・資格などを記載します。経験・知識・スキルについては、入社後に生かせるものを選び、簡潔に示しましょう。

例えばパソコンスキルを書く場合、以下のようにソフト名とできることを箇条書きで記載すると読みやすくなります。

  • Word:社内用資料作成
  • Excel:入力・集計・表やグラフの作成
  • PowerPoint:プレゼンテーション資料作成・アニメーション

資格は他の項目と見出しを分け、履歴書と同じ内容を記載しましょう。履歴書と異なっていたり、何も書いていなかったりすると採用担当者が混乱してしまいます。資格の名称や取得時期も、正確に記載するよう心がけましょう。

自己PR

自己PR欄は履歴書にもあるため、どのように書き分ければよいのか悩みがちです。履歴書とまったく同じ内容では書く意味がありませんし、別のことを書くと整合性が取れなくなってしまいます。

職務経歴書の自己PRは、基本的に履歴書の内容をより具体的に示すものと考えておきましょう。採用担当者が「入社後に活躍する姿」をイメージできるよう、一般的な長所や評価ではなく、企業が求める人物像に合わせるのがポイントです。

業務で心がけていたことや実際に行動したこと、発揮したスキルなどを振り返り、アピールポイントを整理するとよいでしょう。

第二新卒の職務経歴書では何を見られる?

履歴書を確認する職員

(出典) pixta.jp

第二新卒の場合、職務経歴書に華やかな実績や特別なスキルを書ける人は少ないと予想できます。では採用担当者は、何をチェックしているのでしょうか。

活躍できるかどうかのポテンシャル

採用担当者が応募者に関して知りたいことは、今後自社で活躍できるポテンシャルの有無です。第二新卒に即戦力を期待するほどの実績や特別なスキルがないことは、採用担当者も理解しています。

それよりも、応募者の人柄・意欲・最低限のスキルなどを知り、将来性や自社に合っている人材かどうかを判断したいと考えています。

職務経歴書を書くためには、必要な情報を簡潔にまとめる力や論理的に説明する力、相手を説得する言葉選びなど、業務につながるさまざまな能力が必要です。

たとえ特筆すべき実績やスキルがなくても、職務経歴書をしっかりと作り込むことで「創意工夫ができる人」として評価されるでしょう。

これまで経験した業務内容

職務経歴書では、これまでに経験した業務内容も当然チェックされます。第二新卒の場合は書くことが少なくて困るかもしれませんが、職務要約や職務経歴を省略したり「特になし」と書いたりするのは避けましょう。

前述の通り、採用担当者が見るポイントは、実績や特別なスキルの有無ではありません。もちろん実績やスキルがある人はアピールするべきですが、ない人は前職で経験した業務について説明すれば十分です。

配属先で教わったことや、自力で成し遂げた業務などを詳しく記載するとよいでしょう。前職で受けた新人研修が応募先の業務にマッチする場合は、研修期間や内容を書くと採用担当者に業務への理解度をアピールできます。

第二新卒が職務経歴書を書く3ステップ

職務経歴書に記入する

(出典) pixta.jp

職務経歴書を初めて書く人は、何から着手すればよいのでしょうか。評価の高い職務経歴書に仕上げるポイントを、3段階に分けて解説します。

入社後の経験をすべて書き出す

まずはノートやメモ帳などに、社会人としての経験や仕事で得られた知識を書き出します。配属先や新人研修での出来事はもちろん、インターンやアルバイト・生徒会活動なども含めて、あらゆる経験を振り返ってみましょう。

アルバイトでも、働いて得る経験は多岐にわたります。業界への理解が深まったことや、経済感覚が身に付いたこと、コミュニケーション力が向上したことなど、自己アピールにつながる材料が見つかるかもしれません。

実際に何を書くかは後で決めればよいので、経験したすべての項目について、細かく書き出すのがポイントです。

評価された・工夫した業務を書き出す

次に、書き出した項目の中から、周りにほめられたり工夫しながら取り組んだりした業務をピックアップします。選び終えたらそれぞれについて、評価の内容や工夫したポイントなどを具体的に書き出しましょう。

ピックアップする項目は、応募企業に関係のない業務でも、ささいな経験でも構いません。例えば研修中に学んだことを忘れないようにするため、独自に取り入れたノート術でもよいでしょう。

自ら努力や工夫ができる人は、どのような職場でも活躍できるポテンシャルの持ち主として評価されます。「こんなことを書いても仕方がない」などと自分で決めつけず、積極的に取り入れましょう。

評価・工夫の背景を明確にする

書き出しが終わったら、実際に職務経歴書に書く内容を決めます。評価や工夫については、評価された理由や工夫したきっかけなど、背景を明確にしましょう。

例えば自分が作った販促資料を上司にほめられた経験がある人は、「見やすさ」なのか「完成までのスピード」なのか、上司が評価したポイントをはっきりさせると説得力が増します。

具体的な事例がない場合は、業務に携わる際に意識している姿勢や、前職を通じて成長した点をアピールしてもよいでしょう。

清書の際は業務ごとにまとめ、箇条書きなどを使って見やすく仕上げます。

パソコンで作成するメリットや注意点は?

タイピングする手元

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企業からの指定がない限り、職務経歴書は手書きでもパソコンで作成しても、どちらでも構いません。複数の作成や修正の手間を考えると、パソコンで作成した方が楽だと感じている人も多いかもしれません。パソコン利用のメリットと注意点を整理します。

パソコンなら見やすく仕上がり修正もしやすい

職務経歴書をパソコンで作成する主なメリットは、以下の通りです。

  • 誤字脱字の修正が容易
  • 文字の大きさや字間が均等で読みやすい
  • データを保存して他社への応募時に使える
  • パソコンスキルを証明できる

職務経歴書や履歴書で、修正液や修正テープは使えません。手書きの場合、誤字脱字があると最初から書き直す必要があり、作成に時間がかかってしまいます。

また、手書きで文字の大きさや字間を揃えるのは容易ではありませんが、パソコンなら簡単に揃えられ、読みやすい書類を作成できます。一度作成すれば応募企業に合わせてデータを修正するだけで済むのも、大きなメリットです。

文字の大きさ・フォントに気を付ける

パソコンで職務経歴書を作成するときは、文字の大きさやフォントの種類に気を付けましょう。フォントサイズは11~12ポイントが適切とされています。

小さな文字でびっしりと書かれた書類は読みにくく、大事な部分を読み飛ばされるおそれもあります。書きたい内容が多くて用紙に収まらないからといって、文字を小さくするのは避けましょう。

使用するフォントは基本的に明朝体で統一します。パソコンに最初から入っているフォントなら、採用担当者も見慣れている可能性が高くおすすめです。

また目立つためにと、ビジネス文書にふさわしくない丸文字やポップ体などを使うのはNGです。社会人としての良識がないと思われるだけですので注意しましょう。

図表を入れると分かりやすい

パソコンのメリットを生かすなら、図表を活用するのも有効です。職務経歴書では、情報を分かりやすく整理する能力も見られています。採用担当者は毎日多くの応募書類を目にするため、他者の応募書類との差別化も必要です。

図表を適切に使用すれば、採用担当者の目に留まりやすくなり、パソコンスキルに加えて情報整理能力に優れていることもアピールできます。

職務経歴の項目を年表にしたり、営業実績をグラフ化したりと、自分なりに工夫してみましょう。

第二新卒の職務経歴書に関するQ&A

履歴書に記入する女性

(出典) pixta.jp

第二新卒の職務経歴書作成に関するよくある疑問に答えます。書き方の参考にしましょう。

学生時代のアルバイトも書くべき?

職務経歴書は基本的に、社会に出てからの職歴を記載するものです。ただし職務経歴が少ない第二新卒の場合は、学生時代のアルバイト経験を書いても問題ありません。

以下の経験を持つ人は、むしろ積極的に記載するとよいでしょう。

  • 半年以上継続して勤務した
  • 応募先で生かせるスキルを身に付けた
  • 業務改善に取り組み、評価された
  • 業務内容が社員並みだった
  • バイトリーダーなどに昇進した

前職を辞めてからアルバイトをした人は、内容にかかわらず記載します。退職から現在までにブランクがあると、何をしていたのか分からず採用担当者に不安を与えるからです。社会に出てからのアルバイトは立派な職歴なので、もれなく記載しましょう。

1カ月など短い職務経験も書くべき?

短期間で辞めた仕事でも、1日でも働いていれば履歴書や職務経歴書に記載する必要があります。短期離職はマイナス評価につながるのではとおそれる人もいますが、隠すと以下のように余計に面倒な事態を招くため、正直に記載しましょう。

  • 職歴に空白があると、何をしていたのか面接で質問される
  • 面接を切り抜けても、採用時に社会保険の加入履歴でバレてしまう
  • 経歴を詐称したとして、内定取り消しや処分の対象になるリスクがある

そもそも応募時に嘘をついたことが分かると、信用を失い会社に行きづらくなります。第二新卒の場合は短期離職を繰り返しているわけではないため、退職理由をしっかりと説明できるようにしておけば、マイナス評価をそこまで心配しなくてもよいでしょう。

まとめ:自分の経験を振り返って職務経歴書でアピールを

履歴書に記入する手元

(出典) pixta.jp

第二新卒が職務経歴書を書くときは、業務上の経験値やスキルの低さが気になるものです。しかし採用担当者が期待しているのは、どちらかといえば活躍してくれそうかどうかのポテンシャルです。前職だけでなく学生時代の経験も振り返り、自分の強みを見つけましょう。

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