第二新卒は自己PRで何を書けばよい?企業が知りたいことをチェック

新卒で入社した会社を辞めて転職を考えているなら、第二新卒の自己PRの書き方を理解しておくのがおすすめです。第二新卒ならではのポイントを押さえておけば、魅力的な内容に仕上がるでしょう。第二新卒の自己PRを書くコツについて解説します。

第二新卒の自己PRに必要なもの

面接で話す女性

(出典) pixta.jp

社会で働いた経験が浅い第二新卒の場合、実務で得たスキルや経験を自己PRに書いても、アピールポイントとしては弱くなります。第二新卒ならではのやる気や熱意をアピールし、ポテンシャル採用を狙いましょう。

やる気や熱意・ポテンシャル

第二新卒の自己PRで採用担当者が特に重視するのは、応募者のやる気を感じられるかどうかです。希望業務に対するやる気が伝われば、「教育のしがいがある」「入社後も頑張ってもらえそう」と評価され、転職で有利に働きます。

企業が第二新卒に期待していることは、新卒と同じく応募者に秘められたポテンシャルです。経験が浅い第二新卒にはスキルや実績をそこまで求めていないため、スキルや実績の過度なアピールはあまり意味を持ちません。

やる気が高い人ほど吸収力も高い傾向があり、入社後に大きく成長する可能性があると判断されます。第二新卒の自己PRではやる気や熱意をアピールし、ポテンシャル採用を狙うのがポイントです。

企業が求める人物像を知る

第二新卒の自己PRを書く際は、企業が求める人物像を意識することが大切です。どのようなスキルや人柄の人が求められているのか、事前に調べておく必要があります。

どれだけアピールできることがあっても、企業が求める人物像と異なっていては意味がありません。求人広告や企業の公式サイトを隅々まで見れば、企業が求める人物像を知ることが可能です。

まずは企業が求める人物像にマッチする部分をピックアップし、自分の強みとしてアピールしましょう。このポイントを押さえておけば、企業からの評価を得やすくなります。

第二新卒とはどの範囲を指す?

就活生のイメージ

(出典) pixta.jp

第二新卒とはいつまでを指すのか、一般的な解釈について解説します。自分が該当するかどうか確かめてみましょう。

明確な定義はない

第二新卒に明確な定義はありません。一般的には、新卒で入社してから1~3年程度の間で転職を考えている人や、短期間でも社会経験がある人のことを指します。

新卒で就職せず卒業後1~3年経過してから就職しようとする人は、「既卒(きそつ)」と呼ばれます。第二新卒の人材を欲しがる企業は1~3年間の社会経験があることを前提にしているため、既卒は第二新卒としてはみなされないケースが多いでしょう。

新卒は採用時期が決まっていますが、第二新卒はいつでも企業による求人・採用が可能です。年間を通して好きなタイミングで求人を出せるため、第二新卒の需要は高まっています。

企業にとっての第二新卒とは

面接の様子

(出典) pixta.jp

第二新卒は転職市場において需要が高い人材です。企業にとっての第二新卒のメリットやデメリットを確認しましょう。

社会人経験がある

企業が新卒の人材を採用した場合、一般的にはビジネスマナーの基礎を習得してもらうための教育が必要になります。新卒は社会人として働いた経験がなく、ビジネスマナーが身についていないと考えられるためです。

一方で第二新卒は、既に前職で社会人経験があるため、最低限のビジネスマナーは身につけています。ゼロから教育しなくてもよい点が、第二新卒を採用するメリットです。

逆に考えれば、第二新卒として転職を検討するなら、基本的なビジネスマナーに自信を持っている必要があります。企業側は、既にビジネスマナーが身についていることを期待して採用しようとするためです。

将来性を期待できる

企業が第二新卒を欲しがる理由の1つに、将来性を期待できる点も挙げられます。まだ20代中盤と若く、感覚が擦れてもいないことから、素直にさまざまな仕事を吸収してくれると期待されるのです。

ある程度の実務経験を積んでいる人が転職する場合は、それまでの経験が邪魔になり、納得できないことは吸収してもらえないケースがあります。一方の第二新卒は吸収力が高いため、自社で活躍できる人材として教育することが可能です。

固定観念がないうちにさまざまな業務経験を積ませれば、自社で長く働いてもらえる人材に育てられるかもしれません。将来的な幹部候補としても期待できるでしょう。

ネガティブな印象を持たれる場合も

第二新卒は、企業からネガティブな印象を持たれるケースもあります。前職を1~3年で退職することになるため、「自社もまたすぐに辞めてしまうのではないか」と思われる恐れがあるのです。

企業側が抱く懸念を払拭するためには、自己PRや志望動機で前向きな退職理由を伝える必要があります。実際にネガティブな理由で退職する場合も、ポジティブな表現に言い換えましょう。

退職理由と志望理由に一貫性を持たせることも大切です。前職をとにかく早く辞めたいと思っている場合は、退職理由や志望動機が後付けになってしまうため、それぞれに矛盾が生じないように注意する必要があります。

第二新卒の自己PRの仕上げ方

ノートに書きだす手元

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第二新卒は企業から求められているポイントが新卒と異なるため、自己PRも新卒とは違う書き方で作成しなければなりません。第二新卒の自己PRの仕上げ方について解説します。

前職の経験を書き出す

第二新卒の自己PRを作成する場合は、最初に前職の経験を思いつく限り書き出してみましょう。具体的な業務内容や意識的に取り組んできたことなどを洗い出します。

この段階では、自己PRに書く内容を選別する必要はありません。在職中に取得した資格や、スキルや知識を得るために勉強したことなどを書き出すのもおすすめです。

前職で新人研修を受けている場合は、研修内容も自己PRに記載しましょう。研修について何も触れずにいると、基礎的なビジネスマナーに関する教育を受けていないとみなされかねません。

評価・工夫した業務をピックアップ

前職の経験を書き出したら、自己PRに記載する候補を選びます。先輩や上司から評価された点があれば、積極的にピックアップしましょう。

評価されたことに関しては、状況や理由などを深掘りするのがおすすめです。深掘りした内容をエピソードとして添えれば、評価されたことに対する説得力が増します。

成果や実績がなくても、自分で考えて取り組んだ項目があるなら、意欲的に仕事に向き合っていた姿勢を示すことが可能です。自ら成長するために頑張っていた内容を述べれば、評価につながりやすくなります。

応募企業に合わせた自己PRに整える

アピールできるポイントが複数ある場合、全てを自己PRに書きたくなる人も多いでしょう。しかし、アピールポイントを複数書くと要点が定まりにくくなるほか、文章を簡潔にまとめる能力がないと判断されてしまう恐れもあります。

評価・工夫した業務をピックアップした後は、応募企業のニーズに合わせてアピールポイントを1つに絞ることが重要です。応募企業が求める人材であることを示せるものを選択しましょう。

アピールポイントをアレンジする際は、徹底した企業研究が不可欠です。応募企業のニーズを的確に捉えられれば、的を射た説得力のある自己PRに仕上がります。

例文も参考にして自己PRを考えよう

手帳に書き込む手元

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第二新卒の自己PRの例文をアピールポイント別に紹介します。自分の強みに合った例文を参考にして、魅力的な自己PRを作成しましょう。

人柄でアピールする例文

前職での大きな成果や実績がない場合は、人柄をアピールするのがおすすめです。コミュニケーション能力や責任感の高さなどを示すとよいでしょう。

<例文>

私の強みは前職で培ったコミュニケーション能力です。営業として働く中でさまざまな顧客と接する機会があり、常に顧客の潜在ニーズを引き出せるよう努めていました。

入社2年目からは顧客と良好な関係を築けるようになり、こちらから営業に出向かなくても相談を受けるケースが増えたため、コミュニケーション能力の成長に自信を持てるようになっています。

貴社で営業として働かせていただく際は、コミュニケーション能力を存分に発揮し、売上アップや販路拡大に貢献したいと考えています。

スキル・資格でアピールする例文

前職で培ったスキルに自信がある場合は、自己PRで積極的にアピールしましょう。入社後に取得した資格について伝えるのもおすすめです。

<例文>

前職では営業事務として働いていました。営業担当や他部署とスムーズに連携するため、スケジュール管理能力と調整力の向上に努め、今ではさまざまな方面から信頼して業務を任されるようになっています。

また、事務を進める上で経理知識の必要性を痛感したため、独学で日商簿記2級も取得しました。前職で身につけたスキルや資格を生かし、今後も事務職として活躍できるように頑張りたいと思います。

熱意・意欲でアピールする例文

第二新卒が自己PRで熱意や意欲をアピールする場合は、その根拠を具体的に伝えることが重要です。退職理由や志望理由を結び付けてやる気を示しましょう。

<例文>

新卒でエンジニアとして就職しましたが、Webデザイナーへの夢を捨てきれず転職を決意しました。前職で培ったWebサイト開発のスキルや経験は、貴社で業務を行う際にも生かせるものだと考えています。

Webサイト開発を通して身につけたコミュニケーション能力やプレゼン能力も、私の強みです。Webデザインの勉強も独学で進めており、今年に入ってからはさらなるスキルアップのためにスクールにも通っています。

Webデザイナーになりたいという強い意欲を仕事のモチベーションに変え、できるだけ早く即戦力として働けるように頑張りたいと思っています。

第二新卒が自己PRを書く上での注意点

手帳に書き込む女性

(出典) pixta.jp

第二新卒の自己PRを魅力的なものに仕上げるためのコツを紹介します。意識したい点や、書いてはいけない内容を押さえておきましょう。

自分の強みと企業の求めるものを一致させる

自己PRでアピールする自分の強みは、企業が求めるものと一致させましょう。PRする内容が応募企業の業務に関係ないものだと、企業側からの評価を上げにくくなります。

まったく関係のない強みを選んだ場合、企業研究がおろそかだと思われる可能性もあります。自己PRの意図が分かっていないとみなされ、逆に評価を下げてしまいかねません。

企業が求めている人材は自分に自信がある人ではなく、あくまでも自社で活躍できそうな人です。誰にも負けないような強みがある場合でも、企業のニーズに合わないものは選ばないようにしましょう。

学生時代のことばかりアピールしない

転職活動の応募書類や面接で述べる経験は、社会人になってからの経験を選ぶのが基本です。社会人経験があるにもかかわらず、学生時代のことばかりアピールするのは避けましょう。

第二新卒の自己PRで学生時代の経験ばかり書くと、社会人になってから何も考えずに働いていたのではないかと思われてしまう恐れがあります。仕事に対して真剣に向き合わない人だと捉えられかねないのです。

学生時代に大きな経験をしたことがある場合も、自己PRでは学生時代の経験ではなく、社会人になった後の経験を書くように心がけましょう。

受け身の姿勢ばかりにしない

「入社後も成長していきたい」という意欲を自己PRで示すことは重要です。ただし、自身の成長にばかりフォーカスした文章にすると、受け身の姿勢とみなされて評価を下げてしまいます。

「自分が成長できる環境に身を置きたい」などと書いた場合、自分から動けない人だと見られかねないのです。主体性が見込めない人材を企業は求めていません。

自分の成長ばかり気にしている人は、さらなる成長を望んで会社を辞めてしまうリスクがあると思われる点もポイントです。自己PRでは応募企業に貢献できる内容を盛り込む必要があります。

前職の不満を書かない

第二新卒の自己PRでは、前職の不満を書かないようにしましょう。転職のきっかけが前職への不満だったとしても、ネガティブな情報は書かないことが大切です。

「入社前のイメージと違った」「人間関係がうまくいかなかった」「やりたいことができなかった」などの不満を書くと、同じ理由で再び辞めてしまうのではないかと考えられてしまいます。

嘘を書くのではなく、ネガティブな理由をポジティブに言い換えるように表現しましょう。また、体調不良が原因で退職した場合、現在は問題が解決していることを書いておく必要があります。

まとめ:企業が求めるポイントを理解して自分を伝えよう

自己PRをする男性

(出典) pixta.jp

第二新卒には、社会人経験や将来性を期待されています。スキルや実績のアピールは一般的な転職に比べて弱くなるため、やる気や熱意を中心にアピールするのがおすすめです。

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