エンジニアの職務経歴書はどう書く?技術・スキルのアピール方法

エンジニアへの転職を検討している場合、履歴書だけでなく職務経歴書の準備も必要です。ほかの職種と、項目や内容は違うのでしょうか?職務経歴書の必要項目や書き方、自己PRの例文を紹介します。未経験なら、実績やスキル以外の項目も充実させましょう。

エンジニアの職務経歴書には何を書く?

プログラマーのデスク

(出典) pixta.jp

職務経歴書には、これまでに働いた勤務先の情報だけでなく、仕事の実績や身に付けたスキル、自己PRなどを記入します。エンジニアの職務経歴書では、スキルのアピールが重要です。盛り込みたい主な内容を紹介します。

即戦力を見る「テクニカルスキル」

エンジニアは、使えるプログラミング言語やこれまでに携わったシステム開発の詳細など、テクニカルスキルをアピールするのが大切です。

職務経歴書には、スキルとして使用経験のあるプログラミング言語や資格を記入し、職歴欄には細かい実績を盛り込みましょう。具体的なシステム概要や携わった工程を書くと、応募先で役立つスキルが浮き彫りになります。

社名や勤務期間だけでなく、プロジェクトの内容をアピールするのが大切です。これまでの仕事経験が応募先の求める人材とマッチすれば、採用の可能性が高まります。

人間力を見る「対人スキル」

職務経歴書でアピールできるのは、単純な職歴だけではありません。対人スキルも強みになります。エンジニアはクライアントとの交渉や納期調整など、一般の仕事と共通する要素も多いためです。

仕事経験が浅く身に付けたテクニカルスキルが少ない場合や、異業種からの転職でエンジニアとしての職歴がない場合には、技術面以外のスキルや実績を書きましょう。

強みをアピールできる自己PR欄や、担当業務の内容にさりげなく盛り込むのがポイントです。

営業で身に付けた交渉力や、トラブル時の問題解決能力は、エンジニアの業務でも活用できます。テクニカルスキルを持っている場合でも、対人スキルは積極的に記入しましょう。

未経験の場合は「ポテンシャル」

エンジニアが未経験の場合でも、年齢がある程度若ければポテンシャル採用があり得ます。職務経歴書の内容が少なくても、さほど心配はありません。

未経験の場合、職務経歴書にスキルとして書けるのは、IT系の資格や異業種で担当したIT関連の業務です。しかし専門職では、一般的な知識だけでなく業務経験が重視されるため、パソコンの使用経験程度ではアピールになりません。

無理にITスキルをアピールしようとせず、これまで働いてきた経験や学習意欲の高さなどを伝えましょう。

経験年数が浅い場合でも、1社を深掘りし、コミュニケーションスキルやスケジュール管理能力など、どの仕事でも必要となる能力・経験を積極的に記入します。

職務経歴書の基本もチェック

職務経歴書とペン

(出典) pixta.jp

「形式」や「必要項目」は、職務経歴書を書く上で意識しておきたい内容です。エンジニアが重視しなければいけない点と、ポイントを解説します。

スキルをアピールしやすい形式を選ぶ

職務経歴書の体裁は、仕事の経験や状況によって使い分ける必要があります。主なフォーマットは編年体式・逆編年体式・キャリア式です。

編年体式は古い職歴から並べていきます。逆編年体式は、新しい職歴から並べるフォーマットです。キャリア式は、業界・職種・仕事内容など、キャリアごとにまとめて職歴を書きます。

エンジニアは、会社ごとの職歴よりもプロジェクトごとの実績や仕事内容をまとめて書く方が、スキルを伝えやすいのが特徴です。職務経歴書に書く内容が多くなるため、逆編年体式が向いています。

プロジェクトによって仕事内容が大幅に変わるタイプなら、キャリア式がおすすめです。経験が浅く、携わったプロジェクトが1枚にまとまるようであれば、一般的な編年体式でも問題ありません。

エンジニアの職務経歴書で必要な項目

職務経歴書には、一般的に以下の項目をまとめます。

  • 職務要約
  • 転職先で生かせる経験や得意分野
  • 保有資格やスキル
  • 職務経歴
  • 自己PR・志望動機
  • 成果・実績

エンジニアの場合、「テクニカルスキル」として、システム構築やプログラミング言語に関するスキルをまとめる項目を設けると親切です。

保有資格は資格の項目にまとめ、経験や得意分野はアピールとして職務経歴書の序盤に書くと分かりやすいでしょう。役職・売り上げ・契約数など、明確な成果がある場合には書いておくと、評価につながります。

職務経歴書の各項目の書き方

履歴書に書き込む手元

(出典) pixta.jp

職務経歴以外の項目にも、それぞれ書き方のポイントがあります。全体をうまくまとめるためにも、注意を払いましょう。職務経歴書を書く際に重要な項目をピックアップし、基本的な書き方を紹介します。

職務要約

職務要約は、職務経歴書の冒頭に書く「経歴や実績を短くまとめた文章」です。実際の経歴や実績は長くなるため、採用担当者が要約を読むだけでだいたいの経歴を判断できるようにまとめます。

経験数が多い場合は勤務した会社や携わったプロジェクトを厳選し、ピックアップするのがポイントです。おおむね200〜300字程度を目安に、長くなりすぎないよう注意しましょう。

経験が少ない場合は、職務要約に「応募先への熱意」や「エンジニアに対する思い」など、PRを含めてもよいでしょう。

得意分野

エンジニアが扱うプログラミング言語は数が多く、テクニカルスキルとして挙げられるとしても、知識や使用経験には差があります。

応募先で扱っているプログラミング言語やシステムの種類をチェックしておき、得意分野としてアピールできると有利です。

自分が得意な分野を伝えるのではなく、自分が持っているスキルの中で応募先が魅力に感じるものを選択しましょう。

テクニカルスキル

テクニカルスキルは、扱えるOSやプログラミング言語の種類、知識レベルをまとめたものです。

基本的には、業務で使用していた期間やその言語を使って何ができるのかについて書くものであり、業務経験がなければ「テクニカルスキル」としてまとめるのは避けた方がよいでしょう。

独学やスクールで学んだ知識レベルでは、業務には役立たない可能性があります。応募先で求められているレベルを把握し、最低条件を満たしているスキルをテクニカルスキルとしてまとめるのがおすすめです。

開発経歴

開発経歴は、「システム開発の経験」を分かりやすくまとめたものです。どのようなシステムを開発したのか、エンジニアとしてどの工程に携わったのかを記入します。

使用したプログラミング言語やシステムの規模・種類、担当した業務などを端的に書いていきましょう。

抽象的な書き方は避け、システムの概要も詳しく解説します。サービス名が書けるとスムーズですが、他社の技術に関する部分のため、名前を出せないケースもあるでしょう。

「ECサイトの構築」や「勤怠管理システムの機能追加」など、固有名詞を出さずに分かりやすくまとめるのがポイントです。

未経験者は「なりたい理由」も

未経験者の場合、職務経歴書にIT分野のスキルや業務経験を書けません。別分野の仕事経験を書くことになりますが、アピールとしてエンジニアになりたい理由を添えるのもよいでしょう。

履歴書にも志望動機を書きますが、スペースが限られており熱意を伝えきれない可能性があります。これまでの職務経験を絡めてエンジニアになりたい理由が書けるのであれば、履歴書とは異なる方向性で「なりたい理由」をまとめましょう。

職務経歴ではないものの、独学で学習した内容や取得した資格について触れるのもおすすめです。未経験の場合には、やる気やポテンシャルをアピールするのが採用への近道といえます。

エンジニア経験者の自己PR例文

パソコンとノートとスマホ

(出典) pixta.jp

エンジニア経験者が職務経歴書で自己PRをするにあたり、これまでの職務経験に基づいたアピールが必要です。スキル別の書き方と例文を紹介します。

テクニカルスキルに焦点を当てる場合

テクニカルスキルを中心に自己PRを組み立てると、自分の技術力を強くアピールできます。特にこれまでの職務経験で、応募先が必要とするプログラミング言語やOSを扱っている場合は、積極的に盛り込みましょう。

業務で使用していない言語が扱える場合も、自己PRとして伝えられます。技術面での実績や成果があれば、応募先の採用意欲も高まるはずです。

【例文】

エンジニアとして働き始める前からプログラミングに興味があり、多くの言語を独学で習得してきました。HTML・VB・Java・JavaScript・PHPは業務でも使用経験があり、特にVBを得意としています。独学で学習中の言語は、〇〇と〇〇です。

アプリケーション開発やWebサイト構築に携わる機会が多く、〇〇社の主力サービスである〇〇の開発プロジェクトでは△△(工程)を中心に担当し、リリース後には〇カ月でXX万ダウンロードを記録しました。

貴社でもアプリケーション開発に力を入れていると伺い、開発分野で貢献したいと考えております。

対人スキルに焦点を当てる場合

職務経歴書で対人スキルに触れる場合、業務中の具体的なエピソードを盛り込むのがポイントです。端的にまとめる職務経歴には書ききれない対人面でのスキルを持っているのであれば、自己PR欄を活用しましょう。

【例文】

取引先やチームメンバーとコミュニケーションを図り、業務を円滑に進める協調性と傾聴力が私の強みです。

前職ではクライアントとのメール・オンラインでのやりとりが多く、開発の進捗状況の連絡や希望の聞き取りなど、プログラミング以外にも対応を任されていました。

クライアントとコミュニケーションを取る際には、難しい専門用語を使わず、お互いが状況を共有できるよう心掛けています。

最後まできめ細かなサポートを続けた結果、本来機能拡張の発注だけだったものが社内システムの入れ替えに発展し、定期的な依頼をいただけるようになりました。

エンジニア未経験の自己PR例文

パソコンに向かって作業する女性

(出典) pixta.jp

エンジニア未経験の場合、これまでの職務経歴だけでは適性やスキルのアピールが難しくなります。自己PR欄を活用し、強みを伝えましょう。書き方と例文を紹介します。

学習意欲の高さをアピール

プログラミング言語を習得し、独学であっても応募先が求めるレベルに達している場合は、学習意欲の高さや成果をアピールするのがおすすめです。

未経験の場合は実際にプログラミングを見てもらうことで、採用に近づく可能性があります。公開しているサイトやアプリケーションがあれば、自己PRとして活用しましょう。

【例文】

エンジニアを目指すため、〇年間△△言語の習得に向けて勉強を続けてきました。プログラミングスクールに通い、〇〇言語と〇〇言語は▲▲ができる程度になっています。

実際に独学でサイトを構築し、現在も勉強を続けています。作成したサイトはXXXで公開しておりますので、ご確認いただければ幸いです。

コミュニケーション能力をアピール

技術面で不安がある場合や、ポテンシャル採用が可能な年代であれば、対人スキルをアピールするのがおすすめです。これまでの職務経験と絡めて伝えましょう。

【例文】

前職ではマネージャーとして、複数の店舗や取引先とのコミュニケーションを一任されていました。店舗の意見を取り入れながら本社の指示も伝えていく難しい仕事でしたが、その分、交渉能力が身に付いたと感じています。

各店舗の話を聞きながら粘り強く交渉した結果、早期に効率化を図ることができ、担当したエリアは〇年目に利益率1位を獲得しました。エンジニアとして交渉の場に立つ際にも、これまでの経験を生かしていきたいと考えています。

まとめ:自身に合ったアピール方法が大切

面談の様子

(出典) pixta.jp

エンジニアの職務経歴書には、特有の項目があります。専門職としての特徴を理解し、スキルや実績を詳細にアピールしましょう。

エンジニアへの転職を考えているなら、求人サイトで情報を比較するのも大切です。職務経歴書を書く前に、求人情報をチェックしてみましょう。スタンバイなら、エンジニアの求人情報も多く、自身の経験やスキルが生かせる仕事に巡り合えます。スタンバイを上手に活用して、理想の求人を見つけましょう。

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