コールセンターへの職務経歴書を魅力的にするには?押さえるべきコツ

コールセンターのスタッフに応募する際、職務経歴書にはどのような内容を記載すればよいのでしょうか?採用担当者がチェックするポイントや企業が求める人材像を理解した上で、自分の魅力やスキルを最大限にアピールしましょう。

コールセンターへの応募でアピールする内容

コールセンターで働く女性

(出典) pixta.jp

職務経歴書には、業務経験や保有スキル、実績などを記載します。採用担当者は、内容から「業務を遂行する実務能力を満たしているか」を判断するため、応募する職種・ポジションを意識して書くことが重要です。

コールセンターに応募する際は、どのような面をアピールすればよいのでしょうか?

円滑なコミュニケーション能力

電話では、身ぶりや表情などの非言語のコミュニケーションが通用しません。顧客の話からニーズや心情を理解したり、自社商品を言葉だけで説明したりするには、高いコミュニケーション能力が必要です。

また、コールセンターでは大勢のスタッフが一緒に働きます。情報やナレッジの共有をしながら、センター全体の対応力向上を目指していくため、個人プレーではなく協調性を大事にする姿勢が求められるでしょう。

自分の長所をアピールする際、「コミュニケーション能力がある」「協調性が高い」と伝えるだけでは、抽象的すぎて採用担当者との間に認識の齟齬が生じるケースがあります。具体例を挙げたり、ほかの言葉に言い換えたりして、分かりやすく伝えましょう。

経験・エピソードを伴う顧客対応力

コールセンターのコミュニケーターは企業の顔といえる存在です。エンドユーザーに最も近い存在であるため、真のニーズをくみ取り、お客さまの言葉を受け止め、顧客満足度の向上につなげる必要があります。

採用担当者は、どんな顧客にも柔軟に対応できる「顧客対応力」がある人材を求めています。接客業の経験があれば、柔軟な顧客対応ができたエピソードを添えましょう。

「専門用語を多用しない」「クレームがあっても感情的にならない」など、自分なりの工夫や心構えをアピールするのも有用です。「どのような対応をし、どのような結果につながったのか」を具体的に伝えましょう。

実績なども積極的にアピール

職務経歴書は、これまでの成果をアピールするための書類です。経験した職種・業務内容を明記すると同時に、表彰歴や受賞歴があれば漏れなく記載しましょう。

「コミュニケーション力がある」「顧客対応が得意」とアピールしても、具体的な根拠がなければ、説得力に欠けてしまいます。第三者からの評価は、その人のスキルや実力の証明であり、免許や資格と同等の価値があると捉えてよいでしょう。

「部署内の表彰だから大したことはない」と自分を過小評価せず、実績は積極的に伝えることが大切です。当然ながら、誇張表現やうその実績を書くのはNGです。

採用担当はどこを見ている?

面接官の男女

(出典) pixta.jp

どのような職種にも、これだけは満たしてほしいという最低限の基準があります。コミュニケーターには多くのスキルが求められるものの、適性があれば未経験でも採用される確率は高いといえます。採用担当者は応募者のどこを見ているのでしょうか?

人のために動けるかがポイント

コールセンターの仕事は、顧客ありきです。常に顧客の立場で考え、心情に寄り添った対応ができるかどうかがポイントといえます。チームで働く上では、自分の都合だけを考えず、メンバーと連携して業務を遂行できるかも重要でしょう。

職務経歴書から、「相手の真意をくみ取るためにヒアリングを徹底している」「現状維持で満足せず、新たな提案を積極的に発信している」といった具体的なアクションが読み取れると、評価はグッと上がります。

心身ともにタフであるか

コールセンターで働くには、心身のタフさが求められます。顧客と対面しない分、ストレスは少ないと思われがちですが、より高い傾聴力や理解力が必要です。

強い口調で文句を言う顧客や話の途中で電話を切る顧客もいて、人によってはネガティブな気持ちを引きずりやすいようです。勤務中は気が張り詰めた状態が続くので、「肉体的に疲れる」「肩が凝る」という声も少なくありません。

欠勤が続くと、他のコミュニケーターにしわ寄せがいきます。気持ちの切り替えが早い人や、自己管理がきちんとできる人が歓迎されるでしょう。

コールセンター志望の職務経歴書の例

職務経歴書

(出典) pixta.jp

職務履歴書には履歴書のような決まったフォーマットはありませんが、書き方には一定のルールがあります。過去の経歴を羅列するだけでなく、必ず自己PRを盛り込みましょう。具体例を挙げながら、書き方のポイントを説明します。

【NG例】簡潔すぎる・分かりにくい

■職務経歴
2020年5月~現在  〇〇株式会社

<〇〇株式会社>
2020年5月~現在

【業務内容】
・自社商品の受注・案内
・クレーム対応
・書類作成
・新人指導

【生かせる経験】
・パソコンスキル(Word・Excel)

【保有資格】

・秘書技能検定試験2級(〇年〇月〇日)

【自己PR】
・お客さまの立場に立ち、誠意を持って対応することを心掛けました。コミュニケーション力の高さを生かし、貴社の即戦力になれるように尽力します。

職務履歴書は誰が見ても簡潔で分かりやすいことが重要です。ただし、内容が薄く、働きぶりがイメージできないようでは、採用担当者の印象には残らないでしょう。

コールセンターの経験者は、インバウンドとアウトバウンドのどちらに従事したのかを明記する必要があります。自己PRに、エピソードや実績、具体的な取り組みが記載されていないと、実務能力の有無が判断できません。

【OK例】分かりやすさだけでなくアピールも

■職務経歴
2020年5月~現在  〇〇株式会社

<〇〇株式会社>
2020年5月~現在

・事業内容:サプリメントの通信販売
・所属:コールセンター(インバウンド・メンバー30人)
・雇用形態:契約社員

【業務内容】

・自社商品の受注・案内(約30件/1日)
・クレーム対応(3~4件/1日)
・社内マニュアルの作成
・新人指導(2021年4月~)

【生かせる経験】
・Word(文書作成・提案書・社内文書)
・Excel(表計算・関数・ピボットテーブル)

【保有資格】
・秘書技能検定試験2級(〇年〇月〇日)

【自己PR】
「どのサプリメントを選べばよいか分からない」と迷うお客さまに対して、生活習慣や悩みを丁寧にヒアリングすることを心掛けました。商品説明の際には、専門用語は使わず、分かりやすい言葉に言い換えるようにしています。

お客さまの立場に立ったコミュニケーションを心掛けた結果、社内の「2022年度電話応対コンクール」では3位の成績を収めました。

在籍していた会社の事業内容や日々の業務内容は、できるだけ詳細に書くのが理想です。1日に受けた電話の件数について記載があると、仕事のスピード感が分かります。

自己PRでは「成果を上げました」とせずに、具体的な実績を示しましょう。業務上で工夫している内容を伝えると、仕事への熱意が伝わります。

【OK例】コールセンター未経験の場合

コールセンター未経験の場合、過去の経験を募集ポジションにどれだけ関連付けられるかが重要といえます。

「ゼロから学ばせていただきたいです」という言葉は一見、前向きに聞こえるかもしれません。しかし即戦力を求める企業側からすれば、採用のメリットは小さく、受動的な人物とも受け取られます。

自己PRでは、長所や強み、経験をどのように生かしたいかに触れ、自分を採用するメリットを伝えましょう。

【自己PR】

ホテルのフロントとして5年間働き、さまざまなバックグラウンドを持ったお客さまのニーズに応えてきました。私の強みは、お客さまのニーズをくみ取り、素早く行動に移すところです。

チームリーダーとして、情報の共有や問題点の改善に積極的に取り組み、お客さまアンケートではお褒めの言葉を多くいただきました。前職で培った柔軟な対応力を生かし、お客さまにとって頼れるコミュニケーターを目指します。

コールセンターの仕事の種類を確認

コールセンターで働く人たち

(出典) pixta.jp

コールセンターの仕事は「インバウンド(受信業務)」と「アウトバウンド(発信業務)」の2種類に区別されます。それぞれに向き・不向きがあるため、業務内容の特徴や違いを把握しておきましょう。

電話を受ける「インバウンド」

インバウンドは、お客さまからの電話に対応する業務です。自社商品に対する申し込みや問い合わせ、クレームなどへの対応がメインで、コミュニケーター自らが電話をかける場面は多くはありません。

お客さまは何らかの目的を持ってコールセンターに電話をかけます。コミュニケーターはニーズを素早く把握し、適切な解決方法を提示しなければなりません。

インバウンドは、業務内容によって以下の種類に細分化されます。

  • テレフォンオペレーター:商品の注文や契約の対応
  • テクニカルサポート:技術的な問い合わせへの対応
  • カスタマーサポート:質問やクレームへの対応

電話をかける「アウトバウンド」

アウトバウンドでは、コミュニケーターから顧客に対して電話やメールを発信します。業務内容は、以下の2つに大別されます。

  • テレフォンアポインター
  • テレマーケティング

テレフォンアポインターは、自社の商品・サービスを売り込んだり、商談のアポイントメントを取ったりと、営業職のような役割を担います。

テレマーケティングは、既存顧客に利用状況や満足度、要望などをヒアリングし、自社商品の品質向上につなげる仕事です。企業によっては、追加の売り込みを行うケースや、サポートサービスが含まれていることもあります。

まとめ:コールセンターで求められる人物を知ろう

コールセンターで働く女性

(出典) pixta.jp

コールセンターのスタッフには、コミュニケーション力や顧客対応力、協調性が不可欠です。職務経歴書を書く際は、企業が求める人物像をイメージしましょう。スキルの棚卸しをした上で、募集ポジションで自分の強みをどう発揮できるかを考えます。

コールセンターへの転職を検討中の人は、求人サイト「スタンバイ」を活用しましょう。「未経験OK」や「経験者優遇」など、条件を絞って検索できるため、自分の経歴やスキルを生かせるポジションが簡単に見つかります。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら