グラフィックデザイナーの職務経歴書の書き方とポイントを解説

グラフィックデザイナーは、視覚的にメッセージを伝えるためにデザインやイラスト、画像などを制作する職種です。すでにグラフィックデザイナーとして活躍しており、転職によってさらにキャリアアップしたい人に向けて、職務経歴書の書き方を解説します。

グラフィックデザイナーの職務経歴書には何が必要?

デザイナーのイメージ

(出典) pixta.jp

グラフィックデザイナーの転職では、それまでの実績やスキルを示すためにポートフォリオを作成し、応募先に提出するのが一般的です。

デザイナーとしての力量は主にポートフォリオでアピールしますが、職務経歴書には関わったプロジェクトの経験や具体的なスキル・資格などを記載します。

これまでの実績や経験、スキルを記載

職務経歴書には、デザイナーとしての仕事の実績や経験、転職先で生かせるスキルや資格などを、分かりやすく記載します。

採用担当者は応募者の制作実績や担当してきた仕事、使用できるツールなどを職務経歴書で確認するため、手を抜かずに時間をかけて作らなければいけません。

また、職務経歴書には自己PRも記載するので、採用担当者を引きつける魅力的なアピールをすることも大事です。職務経歴書とポートフォリオの内容で、書類選考の合否が決まるので、しっかりと準備をして作成しましょう。

職務経歴書の記載項目

職務経歴書のフォーマットに特に決まりはないものの、一般的には一番上にタイトル(職務経歴書)と右上に日付と氏名を記載したら、次のように「職務要約」「職務経歴」「これまでの経験や取得した資格」「自己PR」を順に記載していきます。

  • 職務要約:これまでのキャリアを端的にまとめた文章
  • 職務経歴:これまで所属した企業や担当した職務について、期間や業務内容、従業員数、売上高などの情報を順に記載
  • 経験や取得した資格など:グラフィックデザイナーとして培ったスキルや取得した資格などを、主に箇条書きで記載
  • 自己PR:デザイナーとしての経験やスキルなどをアピールするとともに、転職後の意気込み、応募先でどういった活躍ができるかをアピール

応募者が自分でゼロから職務経歴書を作成するのであれば、この流れで記載しておけば問題ないでしょう。ただし企業指定の職務経歴書の場合、上記とは異なる項目が含まれるケースもあるので、その際は指定された項目の情報を記載して提出しましょう。

職務要約の書き方と例文

職務経歴書と履歴書

(出典) pixta.jp

職務要約にはそれまでのキャリアや実績を、端的に分かりやすくまとめて記載します。採用担当者によっては、冒頭の職務要約だけを読んで評価する場合も考えられるので、短くても読み手の興味を引けるように、応募先の採用ニーズに合った形で記載することも重要です。

職務要約を書く際のポイント

職務要約はその名の通り、職務経歴書の要点をまとめたもので、職務経歴書の冒頭に記載するのが一般的です。

3~4行で簡潔にまとめ、採用担当者の目を引く情報をうまく散りばめるのがポイントです。ただし、短くまとめる必要があるので、キャリアのどの部分をアピールするか選択しなければいけません。

冗長で回りくどい表現にすると文章量が多くなるだけでなく、焦点のぼやけた表現になってしまい、採用担当者からの評価が下がってしまう恐れがあるので注意しましょう。アピールすべき部分を絞り込み、シンプルに記載することが大事です。

職務要約の参考例文

グラフィックデザイナーの職務要約の例文を記載します。以下を参考にして自分なりの職務要約を作成しましょう。

<例文>

デザインの専門学校を卒業後、○○株式会社にデザイナー職として入社しました。印刷物を中心に、WebサイトやYouTube広告で表示する画像のデザインなどを手がけており、ここ2年ほどはディレクターとしてデザインプロジェクトの進行・管理や、企画にも広く携わっています。

実制作3割・ディレクション業務7割ほどのバランスで、関わった顧客からは高い評価を頂いており、2カ月前に開催された「○○デザインアワード」でも入選を果たしました。

職務経歴の書き方と例文

デザイナーのイメージ

(出典) pixta.jp

職務経歴の部分には、所属企業でどういった業務に携わってきたのか、具体的な成果とともに分かりやすく記載します。スムーズに記載できるように、これまでのキャリアを整理しておきましょう。

職務経歴を書く際のポイント

グラフィックデザイナーとして、どこでどのような仕事をしてきたのか、分かりやすくまとめる必要があります。所属してきた企業の在職期間や会社名、業務内容に加えて、実績・成果についてしっかりと記載することが大切です。

誰に対して、どういった価値を提供してきたのかについても、端的に記載しましょう。実績を数字で記載すると説得力が増します。

職務経歴の参考例文

グラフィックデザイナーの職務経歴の例文を紹介します。

<例文>

○○株式会社[在籍:2019年4月~現在]

事業内容:インターネット広告代理店

従業員数:13名 資本金:1,000万円 雇用形態:正社員

[職務内容]

  • 2020年4月~2020年9月:ADの指示の下、デザイナーとして展示会・イベントでの販促物の構成案作成、実制作(パンフレット・カタログ)およびクライアント対応。主なクライアントは株式会社○○、株式会社□□など。制作物の1つが「○○賞」に入選。
  • 2021年1月~2021年8月:主にFacebook広告の画像デザインの構成、および実制作に従事。主なクライアントは株式会社○○、株式会社□□など。
  • 2022年3月~2022年12月:ディレクターおよびデザイナーとして、主にYouTube広告の構成デザインおよび掲載物の作成に従事。主なクライアントは株式会社○○、株式会社□□など。

スキルや資格記載項目の書き方

カラーチャートを見ている女性

(出典) pixta.jp

デザイナーとして培ってきたスキルや、取得した資格などは、箇条書きを用いて端的に記載します。デザイナーとして経験豊富な人は、記載すべきスキルが多くなる傾向にありますが、応募先で生かせるものを厳選することが大事です。

グラフィックデザイナーがスキルを書く際のポイント

職務経歴の中で紹介できなかった能力やスキル、取得済みの資格などをまとめて記載します。経験豊かなデザイナーは、応募先で生かせるものをピックアップして紹介しましょう。

また、デザイナーの場合は、使用可能なツールも箇条書きで記載します。「得意とする分野の仕事」や「資格」「PCスキル」を、それぞれカテゴリごとに整理して記載すると分かりやすいでしょう。

スキルや資格記載項目の参考例文

グラフィックデザイナーのスキルや資格記載項目の例文を紹介します。

<例文>

[得意分野のスキル]

  • チラシやパンフレットのデザイン・ディレクション
  • Webバナー全般の制作
  • デザインプロジェクトの進行管理

[PCスキル]※Windows・Macどちらも対応可能です。

  • Photoshop(使用歴8年)
  • Illustrator(使用歴8年)
  • InDesign(使用歴6年)

[資格]

  • 色彩検定1級(2019年取得)
  • DTPエキスパート認証試験(2021年取得)

自己PRの書き方と例文

パソコンとスマホとメモ

(出典) pixta.jp

自己PR欄は応募企業への転職意欲や、自分の望むキャリアなどについて、採用担当者に伝えられる重要な項目です。何をアピールするか整理しておき、経験やスキルとともに、応募企業でどういった活躍ができるか記載しましょう。

自己PRを書く際のポイント

職務経歴の内容を踏まえて、自分の強みやアピールすべきポイントをまとめましょう。デザイナーの転職の場合、採用担当者は即戦力を求める傾向にあります。

事前に応募先の採用ニーズを調べておき、自分の実績や経験の中で特に何をアピールすべきか慎重に判断することが重要です。ディレクターやプロジェクトマネジメントの経験があれば、積極的に記載しましょう。

自己PRの参考例文

グラフィックデザイナーのスキルや資格記載項目の例文を紹介します。参考にして自分なりの自己PRを作成しましょう。

<例文>

Web制作会社および広告代理店で、グラフィックデザイナーとしてWebバナーやパンフレットをはじめ、各種販促物の企画・構成・制作を担当して参りました。

制作の経験は6年ほどで、2年程前からはディレクターとして、制作プロジェクトの進行管理と新人デザイナーのマネジメントを担当した経験もあります。

クライアントのニーズを定性的かつ定量的に把握・分析するのが得意で、成果物のクオリティに結び付けられるように工夫してきました。

デザイナーとしてのスキルの向上に加えて、チーム全体の業務効率の改善にも腐心し、制作期間を短縮しつつクオリティをアップできる業務体制を構築できたと自負しております。

貴社でのデザイン業務を通じて、デザイナーとしてさらに成長し、アートディレクターへの道を目指したいと考えております。

職務経歴書を書くときの注意点

職務経歴書に記入する

(出典) pixta.jp

グラフィックデザイナーとして職務経歴書を作成する際には、以下の点にも配慮が必要です。単に経験や実績を記載するのではなく、それが応募先にとってどういった価値を持つのか、説明する必要があります。

「何ができるのか?」を明確にする

デザイナーをはじめクリエイティブ系の職種では、これまでの実績やスキルを簡潔に記載するのに加えて、転職後に「何ができるのか?」を明確にすることも大切です。

業務を通じでどのようなスキルを身に付けており、応募先でそれをどのように生かせるのか、その結果どういった貢献ができるのか、論理的に説明しましょう。

応募先のニーズを調べておき、どのような人材を求めているのか理解しておけば、何をアピールすべきか分かるようになります。

自分の果たした役割も記載する

職務経歴を書く際には、関わった仕事の内容と課題、制作時に提案した内容などを記載することも大事です。

さらに開発プロジェクトに関わっていたならば、そこでどういった役割を果たしたかも記載し、対応能力をアピールしましょう。

プロジェクトの管理者やディレクターとして活躍していた人は、管理能力についても記載すれば、即戦力を求める企業に強く訴求できます。

ポートフォリオの作成にも力を入れる

グラフィックデザイナーの具体的なスキルは、ポートフォリオで示します。

職務経歴書は文章で経験・実績・スキル・資格などをアピールしますが、ポートフォリオは実際の成果物を採用担当者に見てもらうので、クオリティが高ければ、それだけ採用される可能性が高まります。

特にデザイナーの場合、履歴書や職務経歴書の内容以上に、ポートフォリオを重視している企業も多いため、時間をかけてしっかりと作成しましょう。また職務経歴書では、ポートフォリオに掲載した成果物を取り上げ、補足情報を記載すると効果的です。

まとめ:グラフィックデザイナーの職務経歴書の書き方を理解しよう

デザイナーのイメージ

(出典) pixta.jp

グラフィックデザイナーの職務経歴書では、他の職種同様に職務要約と職務経歴、スキルや資格、自己PRを記載するのが一般的です。ポートフォリオとともに採用の重要な基準となるので、応募企業の情報をよく調べた上で、何をアピールすべきか明確にしましょう。

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