秘書の職務経歴書の書き方と例文。アピールすべきポイントも解説

業界・業種にかかわらず、多くの企業の経営者は秘書を必要としています。秘書として転職を目指す際の職務経歴書の書き方を解説するので、自分なりにアピールポイントを絞り込み、書類を作成してみましょう。記載する際に参考となる例文も紹介します。

秘書の職務経歴書のポイント

秘書のイメージ

(出典) pixta.jp

秘書として転職を成功させるには、以下の点を意識して職務経歴書を作成することが大切です。事務処理能力を中心に、これまでの実績を指標や数字で客観的に記載しましょう。

事務処理能力を中心にアピールする

秘書の仕事は多岐に渡り、企業によっても異なるため、転職の際に何をアピールすべきか迷う人も多いでしょう。しかし、事務処理能力やコミュニケーションスキル、仕事に対する柔軟性や適応力などは、共通して求められる要素です。職務経歴書には、これらを中心に記載するとよいでしょう。

経営者や役員をどういった形でサポートしてきたのか、臨機応変な対応が求められた際、どのように行動したかなど、具体的に説明すると効果的です。相手の状況を把握して、適度な気遣いができる点もアピールしましょう。

実績を指標や数字で記載する

多くの業務の中でアピールすべきポイントを絞り込んだら、実績を客観的な指標や数字で記載しましょう。どのようなサポートをして、結果的にどういった成果を上げられたのか、売上や案件の獲得数などに結び付けて記載すると説得力が増します。

秘書の場合、企業の実績には間接的に関わることが多いので、自分のサポートがもたらした実績について、独自に調べておくとよいでしょう。また、事務処理能力の高さが求められる秘書の場合、職務経歴書の読みやすさ、分かりやすさも評価の対象となる可能性があります。全体の構成や文字のバランスにも注意しましょう。

秘書の職務経歴書は具体的に何を書く?

職務経歴書に書き込む手元

(出典) photo-ac.com

秘書の職務経歴書に書くべき内容は、基本的に他の職種と変わりません。ただし、採用担当者が秘書としての力量を判断できるように、細かいところに気を配ることが重要です。

職務経歴書のフォーマット

職務経歴書は、応募先からの指定がなければ、自ら作成する必要があります。特にフォーマットが決まっているわけではありませんが、一般的には一番上に「職務経歴書」と大きく記載し、右上に日付や氏名を書き入れます。

続いて、次のように職歴の要約と職務経歴、秘書としての経験・スキル・自己PRの順に記載しましょう。

  • 職務要約(職務概要):どの企業で、秘書としてどういった業務をこなしていたか、要約して説明する。
  • 職務経歴:過去に就いた職歴を順に説明する。アルバイト経験の記載は不要(※ただし、秘書として働いていた場合は記載しても問題ない)。
  • 秘書としての経験・スキル・資格など:基本的なビジネススキルやPCスキル、秘書に関する資格などを、カテゴリーごとに記載する。
  • 自己PR:秘書として培ってきた経験やスキルを、応募企業でどう生かせるのか、どういった活躍ができるのかをアピールする。

無料で利用できる職務経歴書のフォーマットも多くあるので、ダウンロードして利用するとよいでしょう。Wordなどで自ら作成しても構いませんが、要素のバランスやフォントなど、細かい点に配慮が求められます。

基本的な記載ルール

職務経歴書はA4用紙の横書きで、1~2枚程度に収めるのが原則です。手書きでも構いませんが、近年はパソコンで作成するのが主流であり、修正のしやすさや、読みやすさの観点からもパソコンで作成する方がよいでしょう。パソコンを使う場合、本文のフォントサイズは10.5~12pt程度が基本です。

また、フォーマットを利用するなら、すでに記載されている欄に、各要素を書き入れます。しかし、読み手となる採用担当者を意識して、全体のバランスを整えるようにしましょう。

秘書の職務経歴書の書き方【参考例文】

手帳に書き込む男性

(出典) photo-ac.com

秘書として転職を目指す場合の、職務経歴書の書き方を解説します。あくまでも参考程度に留めておき、自分なりに作成・改善を重ねましょう。

職務要約の例文

<参考例文>

2020年に株式会社○○に入社し、経営者の秘書として企業の成長に貢献してきました。経営者のスケジュール管理と、クライアントとの面談・出張の手配・業務資料の作成などがメインの業務です。

社内の状況はもちろんのこと、クライアントの状況も自分なりに調査し、取引関係を結びやすいように、レポートの作成にも力を入れていました。プレゼン資料の作成や翻訳も得意で、海外との取引窓口も担当しておりました。

職務経歴の例文

<参考例文>

(2018年~現在:株式会社○○に正社員として所属)

【企業情報】

  • 事業内容:小売業界へのコンサルティング事業
  • 資本金:1,000万円
  • 売上高:○億円
  • 従業員数:10人

【担当】

  • 経営者の個人秘書(3年間)

【業務内容】

  • 業務資料の作成
  • スケジュール管理
  • 面談・出張の手配
  • 議事録の作成
  • 海外企業との取引資料の翻訳
  • 電話・来客対応

経験やスキルの例文

<参考例文>

【PCスキル】

  • Word:テキスト入力・表やグラフの挿入・フォーマットの活用など
  • Excel:集計・表やグラフの作成・関数の利用・ピボットテーブルの使用など
  • PowerPoint:図版の作成・マスタ作成・アニメーションを生かしたプレゼン資料の作成など
  • Access:テーブル入力・クエリ作成・フォームの作成など

【資格】

  • 秘書技能検定試験1級(2020年取得)
  • TOEIC900点(2020年取得)
  • 日商簿記2級(2018年取得)

自己PRの例文

<参考例文>

4年以上、役員秘書としてスケジュール管理や、資料作成・電話対応などの基本的な業務はもちろんのこと、海外企業とのやり取りや、面談の調整・契約書類の翻訳業務に携わっていました。

経営者がスムーズに仕事ができるように、業務の進捗以外に、体調にも気を遣っており、スケジュールの優先順位を柔軟かつ、素早く対応できるのが強みです。

日常的に海外クライアントと取引しておりましたので、貴社のように海外企業との取引が多い組織では、特に調整業務や書類の翻訳業務などで活躍できると自負しております。今後も秘書としてのスキルを磨いていく所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

秘書として採用される職務経歴書を作成するコツ

パソコンで作業をする女性

(出典) photo-ac.com

秘書としての転職を成功させるためには、職務経歴書を作成する前に、これまでのキャリアの棚卸しをしておき、応募企業ごとに内容をうまく調整する必要があります。

キャリアの棚卸しをする

まずは自分の秘書としての経歴を振り返り、経験や実績を書き出して整理します。秘書の業務は多岐に渡るので、職務経歴書に細かい仕事まで記載する余裕はないでしょう。

何を中心にするのかをよく検討し、採用担当者が読みやすい形で記載します。実績に加えて、仕事への取り組み方や姿勢、何を重視しているのかなど、秘書として組織に価値を提供するための工夫もアピールすると効果的です。

応募企業ごとに内容を調整する

応募する企業によって採用ニーズは異なるので、事前にできる限り調査しておき、内容を調整することが重要です。複数の企業に、全く同じ職務経歴書を提出する人は少なくありませんが、企業研究を徹底した上でアピールすべき点を絞り込めば、おのずと採用される可能性が高まります。

採用側としても、自社の研究をしっかり行っている点が伝われば、そうでない応募者よりも優遇しようと考えるものです。企業の公式サイトや、SNSでの発信・業界紙の情報などを参考に、どういった人材ニーズがあるのかを調べた上で、自分のキャリアと照らし合わせ、アピールすべきポイントを考えましょう。

まとめ:秘書になるために魅力的な職務経歴書を作成しよう

働く女性

(出典) photo-ac.com

秘書の職務経歴書では、事務処理能力やサポート能力を積極的にアピールしましょう。事前にこれまでの実績や、経験・スキルの棚卸しをしておき、具体的に何を記載すべきか決めることが重要です。

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