経理職の志望動機を書く際の注意点は?例文や有利な能力・仕事内容も

経理職へ転職を希望する人の中には、履歴書の志望動機の書き方で悩む人もいるでしょう。書き方のポイントを押さえておけば、魅力的な文章に仕上げられます。経理職の志望動機を書くコツや例文のほか、転職に有利な能力と仕事内容についても紹介します。

経理職の志望動機を書くポイント

経理作業

(出典) pixta.jp

経理職の志望動機では、最初に志望理由を端的に書き、具体的なエピソードや入社後の目標につなげるのが基本です。エピソードが思いつかない場合の対処法も解説します。

結論を端的に最初に書く

志望動機の冒頭には、結論を簡潔に書きましょう。なぜ経理職を希望しているのか、なぜその企業を希望しているのかなど、志望理由を端的にまとめます。

経理職を選んだ理由を書く際は、他の事務職にも当てはまるような理由にしないことが重要です。また、その企業を選んだ理由については、他の企業と差別化できる特徴を探す必要があります。

志望動機にかかわらず、転職活動でアピールする場合も、まずは結論から書くのが基本です。最初に結論を述べることで、自分の意見を的確かつ効果的に伝えられます。

具体的なエピソードや入社後の活躍につなげる

志望理由の結論を端的に書いたら、次に具体的なエピソードを添えましょう。結論に至った経緯をエピソードを交えて述べれば、経理職への思いや本気度が伝わりやすくなります。

未経験者が経理職を希望する場合、志望理由は採用担当者が特に重視する部分です。エピソードを交えながら分かりやすく説明することで、志望理由の説得力も増します。

結論とエピソードを書いた後は、入社後にどう貢献していくのかを書きましょう。経理経験者なら、前職で培ったスキルを生かせます。未経験者の場合は、前職の知識・スキルをどのように経理で生かせるのかを説明しましょう。

特にエピソードが思いつかなかった場合

エピソードが浮かんでこない場合は、性格面から経理への適性を示すとよいでしょう。例えば、正確に作業できることや、細かい部分までこだわることは十分なアピールポイントになります。

企業研究を行い、企業が求めている人物と、自分の相似を確認するのもおすすめです。どのような人材を欲しがっているのかを把握し、それに寄せた人物像をイメージすれば、志望理由を考えやすくなります。

お金に関する過去の経験があるなら、具体的なエピソードを作りやすいでしょう。例えば、アルバイトで売上金の管理を任されていた場合は、そのときの経験を志望理由につなげられます。

経理職の志望動機を書く際の注意点

志望動機とペン

(出典) pixta.jp

経理職に対する間違った思い込みがある場合は、志望動機を考える際も誤解を生じやすくなります。また、志望動機で福利厚生・賃金に触れるのはNGであることも覚えておきましょう。

誤解を生む書き方は避ける

経理職は、1日中机に向かうだけの仕事ではありません。従業員や他部署とのやりとりも頻繁に発生するため、経理職にはコミュニケーション能力も求められます。

「人と話さなくて済むから」という理由を志望動機に書いてしまうと、誤解を生む恐れがあります。「人との付き合いが苦手なのではないか」と捉えられ、企業側も不安になるでしょう。

周囲とコミュニケーションを取るのが苦手な場合も、そのことを志望動機で伝える必要はありません。ネガティブな理由を志望動機に書くのは避け、やる気が伝わる理由を考えましょう。

福利厚生・賃金には触れない

福利厚生・賃金は、仕事探しで誰もが重視する要素の1つです。ただし、志望動機に福利厚生・賃金のことばかり書くのは、基本的にはNGです。

条件面への魅力を前面に出した志望動機は、企業によい印象を与えません。福利厚生・賃金に触れるなら、「働きやすい環境が整っている」のように婉曲的な表現を使いましょう。

実際に経理職の仕事を探すときにも、福利厚生・賃金を重視しすぎると、入社後の仕事内容に満足できなくなる恐れがあります。条件面にこだわりすぎず、さまざまな角度から自分に合った職場を探すことが大切です。

経理職の志望動機のOK・NG例文

経理のイメージ

(出典) pixta.jp

志望動機の文章を考えるのが苦手な人のために、ケース別の例文を紹介します。実際に書き終わった後は、NG例文とも見比べてみましょう。

「未経験者」志望動機の例文

未経験者が経理職の志望動機を書く際は、仕事に生かせる知識・経験をアピールしましょう。経理職を希望する理由についてしっかりと説明することも重要です。

<例文>

私が経理職への転職を考えるようになったきっかけは、前職で売上管理業務に携わっていたからです。社内のお金の流れに強い興味を抱き、経理の視点から会社を支える仕事がしたいと思うようになりました。

未経験者でも研修でスキルアップできることをホームページで拝見し、貴社への応募を決めた次第です。できるだけ早い段階から貴社に貢献したいとの思いから、現在は日商簿記2級の資格取得に向けて、勉強を進めています。

貴社に入社した際は、前職の販売業で培ったコミュニケーション能力を発揮しながら、業務改善にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

「経験者」志望動機の例文

経験者の志望動機では、これまでに経理職として成し遂げてきたことを示すのがおすすめです。即戦力であることを積極的にアピールしましょう。

<例文>

貴社の経理職への転職を希望する理由は、海外子会社とのやりとりを通して、連結決算や有価証券報告書作成業務に携われると考えたからです。

現職では月次・年次決算業務を担当していますが、将来的には財務や経理のプロフェッショナルになりたいと思っています。

業務の運用体制を構築したり、金銭処理のマニュアル作成を手掛けたりするなど、経理業務の整備で一定の成果を上げてきたことが実績面での強みです。貴社への入社後は、経理部門の中心メンバーになることを目指して頑張りたいと考えています。

「NG」志望動機の例文

経理職として成長したいという気持ちは大切ですが、以下の例文では自分が成長したいということしか書いていません。

志望動機では、会社にどう貢献できるかを書くことが大切です。自分を採用することで、企業にどのようなメリットがあるのかを示しましょう。

<NG例>

前職では経理業務をひと通り任されていましたが、さらなるスキルアップを図りたいと思い、教育体制が整っている貴社に応募いたしました。働きながら簿記の資格取得を目指せることに、大きな魅力を感じています。

経理職の志望動機で有利になる能力

パソコンを操作する女性

(出典) pixta.jp

経理職の志望動機でアピールすると、印象がアップするスキルを紹介します。以下に挙げるスキルのうち、自信があるものは積極的にアピールしましょう。

パソコンスキル

現在の経理では、基本的にパソコンやソフトを用いるのが一般的です。突出したスキルというよりも、問題なくパソコンを扱えるかが問われます。

特にExcelを使用する機会が多いため、基本的な操作ができるかを確認しておきましょう。表計算や関数を扱えると、評価が高まります。

パソコンスキルに自信がない人は、パソコン関連の資格の中でも有名な「MOS資格」を取得するのがおすすめです。Word・Excel・PowerPointなどに関して、一定のスキルが身に付いていることを証明できます。

細かい業務が苦にならない

経理業務は、コツコツと計算を続ける必要がある上、間違いが許されない仕事です。細かい作業が苦にならず、正確な作業を長時間続けられる能力が求められます。

また、毎日・毎月・毎年と期限が決められた中で業務をこなす必要があるため、真面目さも必要です。期限までに業務をきちんと完了させる責任感も問われます。

これまでの仕事で真面目にコツコツと業務に取り組んだ経験があるなら、具体的なエピソードを交えて伝えるとよいでしょう。

コミュニケーション能力

経理職は、常にコツコツと1人で行う仕事だと思われがちですが、従業員や他部署とのやりとりも頻繁に発生します。「経理はチームで行う仕事である」という意識を持っておきましょう。

経理業務をスムーズに進めるためには、高いコミュニケーション能力が不可欠です。自己判断のみで仕事を行うのではなく、報告・連絡・相談を欠かさずに業務を進めていく必要があります。

営業や接客業から経理職を目指す場合は、前職で培ったコミュニケーション能力をアピールできます。経理の視点から、経営戦略や事業展望などをプレゼンできるスキルもあれば、経理のプロフェッショナルとして期待されるでしょう。

経理職の主な仕事内容は?

会計業務

(出典) pixta.jp

経理と会計・財務との違いについて知っておけば、転職前に経理の仕事をより深く理解できるでしょう。企業規模別の仕事内容も解説します。

会計・財務との違い

会計とは、お金の出入りを記録する業務のことです。会社の会計は、以下の2つに大別できます。

  • 管理会計:経営者など社内に会計情報を提供
  • 財務会計:ステークホルダーに会計情報を提供

いずれも、決算書により会計報告を行います。会計報告では経理が作成した帳簿を使用するため、企業によっては会計と経理を分けていないケースもあるでしょう。

また、会社の未来のお金を管理する業務が財務です。将来必要になるお金を見積もり、資金繰り・資金調達・予算管理などの業務を担います。

財務活動でも経理が作成した帳簿を使うケースがあることから、財務と経理は深い関係にあります。

中小企業での仕事内容

中小企業の経理業務は、一般的に大企業ほど複雑ではありません。ただし、従業員の人数が少ないため、1人の経理が担当する業務の幅が広くなる傾向にあります。

そのため、中小企業の経理職に就く人は、幅広い知識を持ち合わせておく必要があるといえます。複数の業務をスムーズにこなせる、柔軟な対応力も欠かせません。

企業によっては、経理・総務・人事が1つの部署になっているケースや、経営者が経理業務を担当しているケースもあります。

大企業での仕事内容

経理業務の量や範囲が膨大になる大企業では、専門の部署を置くのが一般的です。経理部署の中でも業務が細分化されるため、1人でこなす範囲も狭くなります。

経理以外の仕事も任される可能性がある中小企業と異なり、大企業では経理の仕事に専念することが可能です。ただし、その分より専門的な知識を求められます。

大企業・上場企業の子会社や関連会社は、規模としては中小企業に属しますが、大企業・上場企業レベルの経理業務を求められるケースもあります。

経理職のやりがい・魅力もチェック

会計ソフトを操作する女性

(出典) pixta.jp

経理職への転職を目指すなら、仕事のやりがい・魅力も確認しておきましょう。特に未経験者が経理職を希望する場合は、入社後の自分の働き方をイメージしやすくなります。

会社の経営に間接的に携われる

経理の仕事は、会社のお金の流れを把握・管理する仕事であるため、間接的に会社の経営に携わっているともいえます。経営陣と同じ目線の高さから、会社の経営状態を確認することが可能です。

経営層から、お金のことについてアドバイスを求められる場合もあります。経営層に近い立場で業務に取り組めることは、経理職ならではの魅力です。

経理部署の幹部ではない立場でも、経営戦略会議に呼ばれることも少なくありません。会社の将来を担っているという責任の重さが、やりがいにもつながるでしょう。

他部署から感謝され達成感がある

会社にはさまざまな部署が存在し、いずれの部署もお金に関する業務があります。経理部は他部署のお金の管理も担っているため、スムーズに業務を進めていれば、他部署から感謝されやすく達成感を得られるでしょう。

例えば、取引先からの未納が発覚し、営業にその取引先を調査するように指示したとします。取引先の経営が悪化していることが分かれば、回収不能リスクを未然に防げるため、営業から感謝されるでしょう。

経理職は地味な仕事に思われがちですが、縁の下の力持ちとして会社を支える重要な役割を担っているのです。

経理職の志望動機は具体性・正確性のアピールを

履歴書をチェックする女性

(出典) pixta.jp

経理職の志望動機を書く際は、冒頭で結論を簡潔に書き、具体的なエピソード・入社後の活躍につなげるのが基本です。具体性・正確性をアピールし、入社後も貢献できることを示しましょう。

経理職に求められる主な能力は、パソコンスキルやコミュニケーション能力などです。未経験者の場合は、前職で培った知識・スキルを積極的に伝えましょう。

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