不動産業界への志望動機はどう書く?採用担当に響くコツや例文を紹介

不動産業界への転職を目指しているなら、志望動機の書き方を押さえておきましょう。自分が目指している仕事の種類や、求められる人物の特徴を把握しておくことが大切です。不動産業界への志望動機を書くポイントや、職種ごとの例文を紹介します。

不動産業界への志望動機を書くポイント

不動産業者のイメージ

(出典) pixta.jp

採用担当者に響く志望動機を書くためには、説得力のある構成にすることが重要です。不動産業界への志望動機を書くポイントについて解説します。

その企業を選んだ理由を明確にする

企業が志望動機を見て知りたい項目の1つに、「数ある不動産会社の中から、なぜ自社を選んだのか」という点が挙げられます。志望動機では、その企業を選んだ理由を明確にしなければなりません。

徹底した企業研究を行い、社風や事業内容を調べておきましょう。他社と差別化できる特徴を見つけ、その企業を選んだ理由につなげる必要があります。

未経験者の場合は、なぜ不動産業界に転職したいのかについても説明することが重要です。不動産業界にはさまざまな業種があるため、その業種を選んだ理由についても述べるとよいでしょう。

経験・エピソードで説得力を補強

志望理由でその企業を選んだ理由を簡潔に書いた後は、経験・エピソードを添えましょう。最初に書いた結論に説得力を持たせられます。

経験・エピソードを書く際は、抽象的な内容にならないように注意しましょう。数字や実際の体験などを盛り込み、できるだけ具体的に書くことがポイントです。

志望動機に書く経験・エピソードは、自分の価値観・人柄を伝える上でも役立ちます。過去に起こった出来事やそのときに考えたことを、ありのままに述べるようにしましょう。

入社後にどう活躍できるのかも必須

基本的に、中途入社の社員に求められるのは即戦力です。不動産業界でもその点に変わりはないため、志望動機には「入社後どのような活躍ができるのか」も明記する必要があります。

不動産業界で働いた経験がある人は、その経験を生かして即戦力になれることをアピールできます。入社後のキャリアビジョンについて語ることも可能です。

業界未経験者の場合は、前職で培った知識・スキルが生かせる旨を伝えなければなりません。例えば、営業や接客の経験があるなら、コミュニケーション能力が高いことをアピールできるでしょう。

不動産業界の基本的な業種をチェック

不動産業者の打ち合わせ

(出典) pixta.jp

魅力的な志望動機を書くためには、自分が希望する業種への理解を深めることが重要です。不動産業界の代表的な業種を見ていきましょう。

不動産売買・仲介

不動産業界の業種で最もイメージしやすいのが、不動産の売買・賃貸の仲介を行う業態です。売り手と買い手の間に立ち、商談を取りまとめる仕事に従事します。

不動産の売買・賃貸の仲介で取り扱う物件は、企業によりさまざまです。自社で仕入れをする必要がないため参入しやすく、競合他社も多くなります。

賃貸物件に関しては、物件の管理業務を担っている会社も存在します。入居者の募集やクレーム対応、集金業務などが賃貸管理会社の主な仕事です。

不動産デベロッパー

不動産業界のデベロッパーとは、土地・街を開発する事業者を指します。マンション・アパート・商業施設の建設や、都市・リゾート地の開発を担い、販売・賃貸も手がける業態です。

土地の仕入れ・建物の建設を行わなければならないため、豊富な資金力のある大企業がデベロッパーとして活躍しています。

デベロッパーが手がける主な仕事は、土地の調査・仕入れや建設の企画、デザイナーや建設業者への発注です。建物の建設自体は、建設業者やゼネコンが担当します。

不動産コンサルタント

不動産コンサルタントとは、物件の売買や活用方法についてアドバイスを行う人のことです。不動産の取引では、法律やお金に関する問題が発生しやすいため、依頼者が安心して取引できるように、不動産コンサルタントが客観的な立場からサポートします。

不動産コンサルタントになるには、所定の試験に合格しなければなりません。主な働く場所は、不動産会社のコンサルティング部門や、不動産コンサルティング事務所などです。

他の業種と異なり、不動産コンサルタントは客観的な立場から依頼者の悩みに対応するため、依頼者と直接的な利害関係は生じません。依頼者の悩みを解決することのみに力を注げる点が特徴です。

不動産売買・仲介の志望動機の例文

不動産契約

(出典) pixta.jp

不動産売買・仲介は、不動産業界で最もメジャーな業種です。未経験の場合と経験者の場合に分けて、志望動機の例文を紹介します。

未経験の場合

不動産売買・仲介の経験がない場合は、コミュニケーション能力や交渉力がある点をアピールしましょう。不動産に関する知識・経験があるなら、積極的に伝えるのがおすすめです。

賃貸仲介の仕事を希望する理由は、前職で飲食店のマーケティングを担当していたからです。コンサルティング会社で飲食店のマーケティングに従事する中で、物件ごとの売上・集客に差があることに興味を持ち、不動産業界への関心が強くなりました。

前職で培った飲食店経営のノウハウは、飲食店向けの賃貸物件をメインに取り扱う貴社でも生かせるものと考えています。

不動産業界自体は未経験ではありますが、コンサルティング業務で磨いたコミュニケーション能力を発揮し、貴社に貢献していきたいと思います。

経験者の場合

不動産売買・仲介業務の経験者は、志望動機で過去の実績をアピールするとよいでしょう。職種を変える場合は、理由を明確にしておく必要があります。

現在は分譲マンションの販売を担当していますが、お客様のニーズに対応できないケースが多く、業界トップクラスの物件数を誇る貴社への転職を決意いたしました。幅広い選択肢の中から、お客様にとって最適な物件を提案できればと考えております。

前職では諸先輩方の的確な助言もあり、12カ月連続で売上目標を達成した時期もありました。チーム制の営業スタイルで切磋琢磨しながら成長していけることも、貴社を選んだ理由の1つです。

前職での経験を生かし、即戦力として早くから結果を出したいと思います。

不動産デベロッパーの志望動機の例文

打ち合わせをする不動産業者

(出典) pixta.jp

デベロッパーは、不動産開発を手がける業種です。未経験の場合は業種を選んだ理由を明確にし、経験者の場合は過去の実績をアピールしましょう。

未経験の場合

不動産デベロッパーが未経験の場合は、不動産開発に関心を持っている点を、エピソードを交えながら伝えましょう。前職の経験をアピールすることも大切です。

私がデベロッパーで働きたいと思ったきっかけは、小さい頃に地元で初めて大型商業施設が誕生したことです。大きくなって詳しく調べたところ、未開発の地が不動産開発で生まれ変わったことを知り、デベロッパーへの関心がますます高まりました。

現職ではイベント会社で企画を担当しており、新たな価値を生み出し続けてきた経験は、貴社でも生かせるものと確信しています。地方での実績が多いのも、貴社を選んだ理由の1つです。地域の活性化に貢献できる人材を目指したいと思っています。

経験者の場合

デベロッパーで働いたことのある人は、今までの実績や培ったスキルをアピールすれば、即戦力としての評価が高まります。実績は具体的に述べることが重要です。

私は分譲地開発に約10年関わってまいりました。3年前には〇〇駅周辺の大規模開発において、大型商業施設の誘致に成功したほか、駅の1日乗降者数約50%増を達成しています。

前職では都市部を中心とした開発がメインでしたが、地方にも関わりを持ちたいと思い、地方に強い貴社に応募した次第です。前職で培った信頼関係構築スキルを発揮し、貴社に貢献していきたいと考えています。

不動産コンサルタントの志望動機の例文

履歴書と封筒

(出典) pixta.jp

不動産コンサルタントは、物件の売買や活用方法について依頼者にアドバイスを行う職種です。未経験と経験者に分けて、志望動機の例文を紹介します。

未経験の場合

不動産コンサルタント未経験の人は、なぜ不動産コンサルタントになりたいのかを説明しましょう。資格取得に向けて勉強中なら、その点をアピールするのもおすすめです。

私が不動産コンサルタントになりたいと思った理由は、父がコンサルティングを受けてマンション投資を軌道に乗せたためです。長年眠っていた土地が見事に有効活用された状況を見て、不動産コンサルタントという仕事に興味を持つようになりました。

不動産業界は未経験ですが、教育制度が整っている貴社ならスキルの土台をしっかり作れると思い、応募いたしました。できるだけ早く活躍したいとの思いから、現在は宅地建物取引士の資格取得に向けて勉強をしています。

経験者の場合

不動産コンサルタントとして働いた経験のある人は、志望動機で具体的な実績を示しましょう。応募企業を選んだ理由を述べることも重要です。

新卒で不動産コンサルティング事務所に就職し、今年で6年目になります。現職では不動産売買をメインの業務としていますが、さまざまな依頼を受けるうちに不動産投資にも興味を持つようになり、不動産活用に強い貴社への応募に至った次第です。

できるだけ現地に足を運ぶことをモットーに仕事に取り組んでおり、入社3年目からは社内でトップの成績を収め続けています。

現職で身に付けた接客スキルや不動産に関する知識を生かし、信頼されるコンサルタントを目指して頑張りたいと考えています。

不動産業界への志望動機を書く際の注意点

スーツの男性と履歴書

(出典) pixta.jp

不動産業界への志望動機を書く際は、NGとなる内容についても理解しておく必要があります。なぜNGなのかが分かれば、より魅力的な志望動機を書けるようになるでしょう。

受け身の姿勢はNG

不動産業界で活躍するために成長したいと思うこと自体は、悪くはありません。ただし、応募企業の教育システムに魅力を感じていることを書いた場合、自分からは学ばない受け身な人と見られてしまう恐れがあります。

企業の研修・教育システムに期待するのであれば、自分でも主体的に学ぶ意欲がある点を示しましょう。例えば、資格取得に向けて勉強していることを伝えれば、向上心があるとアピールできます。

いずれにしても、企業が求めているのは自社で貢献してくれる人材です。不動産業界が未経験の場合も、他の知識・スキルを生かせる点を書きましょう。

福利厚生・賃金は諸刃の剣

志望動機に福利厚生・賃金への魅力を書くのは、基本的にはNGです。待遇・お金のことばかり気にしている人だとみなされ、印象を悪くしかねません。

ただし、不動産業界では高額商品を扱うため、実際の賃金も高めです。不動産業界で働く人の中には、賃金が高いことをモチベーションにしている人も一定数存在します。

「高額な商品を扱っていることがやりがい」と考えている人が採用担当者になっていれば、福利厚生・賃金への魅力を志望動機に書くことで、高評価につながる可能性もあるかもしれません。

不動産業界で求められる人物像もチェック

打ち合わせをする男性

(出典) pixta.jp

不動産業界で活躍している人に共通する特徴を紹介します。自分に当てはまるものがあれば、志望動機でアピール材料として使えるでしょう。

コミュニケーションが得意

不動産業界で働く人には、コミュニケーション能力が必須です。不動産の売買・賃貸契約を行う際は、顧客とのコミュニケーションが不可欠といえます。

デベロッパーやコンサルタントも、クライアントとのやりとりや他の従業員との連携を求められるため、一定以上のコミュニケーション能力は必要です。

コミュニケーション能力があるかどうかは、面接の際にもチェックされます。志望動機でコミュニケーション能力をアピールするのであれば、面接でのやりとりで評価を下げないように注意しましょう。

勉強を続ける意欲がある

住宅設備が新しくなったり、法令が改正されたりするなど、不動産業界では常に情報が更新されています。そのため、最新情報をいち早くチェックする意識を持つことが重要です。

また、顧客から登記やローンなどについての質問も受けるため、学ばなければならない項目も数多くあります。常に勉強し続ける「勤勉さ」が求められるのです。

不動産業界で働く人は、不動産に関する内容だけでなく、金融・法律などさまざまな知識をインプットしておかなければなりません。

精神的・肉体的にタフ

不動産業界では大きな金額が動くため、契約直前にキャンセルされるケースもあります。テレアポの仕事も多く、精神的なタフさを持っていることが重要です。

また不動産業界で働く人は、体力的にもタフでなければなりません。業務中の移動距離が長くなりやすいほか、休日出勤も多くなりがちです。

精神的・肉体的にタフな人は、不動産業界で長く活躍できるでしょう。

不動産業界の業種に合わせた志望動機を

不動産営業

(出典) pixta.jp

不動産業界の業種は、不動産売買・仲介やデベロッパー、コンサルタントに大きく分けられます。志望動機を書く際は、業種に合わせた内容にしなければなりません。

その企業を選んだ理由や結論を裏付けるエピソード、入社後の抱負を述べることも重要です。

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