消防士の志望動機の作り方は?ポイントや注意点を例文とともに解説

消防士を目指すなら、面接官の心に刺さる志望動機を作ることが大切です。仕事への意欲・やる気が伝わる志望動機なら、消防士にふさわしい人材として期待されるでしょう。消防士の志望動機の作り方や注意点、理由別の例文を紹介します。

消防士の志望動機の作り方

消火活動

(出典) pixta.jp

消防士を目指す場合、重視されるのが志望動機です。志望動機では仕事への熱意のほか、消防士を目指す理由などを明確に伝えることが求められます。消防士の志望動機を作る際のポイントを見ていきましょう。

消防士を目指したきっかけを書く

志望動機には、消防士を目指そうと思うようになった理由を書きましょう。きっかけとなる出来事があれば、エピソードとして盛り込みます。

消防士の志望動機には、災害現場などで活躍する姿をテレビで見たことを理由として挙げる人も少なくありません。

「消防士の仕事を見て感動したから」という出来事をきっかけとして述べるなら、一般的なイメージより個人的な体験を基にする方がよいでしょう。

「ボランティアに参加して救助活動を間近で見た」「子どもの頃に職業体験した」など、実体験から語ると説得力のある志望動機を作りやすくなります。

消防士としてどう活躍したいかを盛り込む

消防士としてどのように活躍したいかという意気込みや、抱負も示しましょう。消防士は、火災・災害の現場で人命を守る責任の重い仕事です。面接官は、応募者が消防士としてどのように活躍してくれる人材なのか、ということも知りたいと考えています。

期待できる人物と判断してもらうには、自分の経験・スキルを生かしてどう貢献できるのかを伝えることが大切です。

「筋トレしていて体力には自信がある」「チームスポーツをやっていたので、チームワークの大切さを知っている」など、自分の強みをアピールしながら仕事へのやる気を伝えましょう。

なぜ消防士なのかを伝える

消防士でなければならない理由も伝えることが重要です。警察官や救急救命士など、地域や人命を守る仕事は、消防士のほかにもあります。さまざまな職業の中から、消防士を選んだ理由を示すことが必要です。

理由を述べるためには、消防士だからできる仕事内容や、やりがいなどを調べておくとよいでしょう。

例えば、消防士の仕事は火災の際の消火活動のほか、災害時の人命救助などにも従事します。これらは、特殊な訓練を受けた消防士だからこそできる仕事です。

消防士の志望動機に多いのは?

消防車

(出典) pixta.jp

消防士の志望動機に多いのは、「地域社会に貢献したい」「災害時の活躍を見た」「身体能力を生かしたい」などの理由です。それぞれの理由を書く際のポイントを解説します。

地域社会に貢献したい

自分が生まれ育った地元に貢献したいという動機も、数多く見られます。地域社会への貢献を志望動機にする場合も、なぜそう思ったのかというきっかけを述べることが大切です。さらに、消防士として地元に貢献したい理由も示しましょう。

消防署は各自治体にあり、地元以外の地域の消防士への応募も可能です。地元以外の自治体の消防士を希望する場合は、その地域を選んだ理由も説明する必要があります。

例えば、「規模が大きく、所属している職員に多様性がある」「山岳地域の安全を守りたい」など、その地域ならではの消防署の特徴から理由を伝えるのもおすすめです。

災害時の活躍を見た

震災・洪水などの自然災害が発生したときに、消防士の活躍を見たことがきっかけという人も少なくありません。近年は、気候の変動による大雨などのニュースも増えており、テレビを通じて消防士の活躍を目にする機会も増えています。

その活躍を見たことが消防士を目指すきっかけだったと述べるためには、ただ「感動した」と伝えるだけでは不十分です。

例えば消防士には、大規模な災害時に管轄を越えて助け合う「緊急消防援助隊」という制度があります。「自分もそのような部隊に派遣され、人命を救いたい」など、具体的に伝えられるとよいでしょう。

身体能力を生かしたい

体力に自信がある場合、身体能力を生かしたいという志望動機を作る人もいます。消防士にとって、消火活動や人命救助に加えて、日常的な訓練も重要な仕事の一部です。消防士になるためには、優れた身体能力や体力は不可欠といってもよいでしょう。

身体能力の高さを志望動機にする場合は、自分のスキルを消防士の仕事にどのように生かせるかを伝えるのがポイントです。

持久力がある・パワーリフティングが得意・アメフトやラグビーをやっていたなど、自分が自信を持っている内容を伝えて、ハードな消防士の仕事にも十分耐えられる体力があると積極的にアピールしましょう。

志望動機の書き方のポイント

履歴書の志望動機欄

(出典) pixta.jp

何を志望動機にするか決まったら、面接官に伝わりやすく書くことが大切です。一般的な志望動機の書き方について知っておきましょう。

ポイントを絞って書く

志望動機は、ポイントを絞って書くことを意識しましょう。アピールしたい項目・伝えたいエピソードなどをあれもこれもと詰め込んでしまうと、情報が雑多になりすぎて肝心の内容が伝わらなくなる恐れもあるからです。

例えば、消防士になりたいと思うきっかけが複数ある場合、全てを盛り込むと焦点がずれてしまう可能性があります。最も印象に残る出来事をピックアップし、そこから理由を詳しく述べていく流れにするのがよいでしょう。

アピールポイントを書く際も、数多く並べればよいというわけではありません。多くても3つ程度に絞り、どのように生かせるかを簡潔に書くことが大切です。

具体的に書く

志望動機を書く際には、具体的に伝えることが大切です。自分の経験に基づいて志望動機を書く場合も、どのようなエピソードがあったか具体的に書かなければ、面接官の印象には残りません。

例えば「救助活動をしている消防士に感動した」とだけ書くより、「自分も困っている人を助けたいと強く感じた」と具体的な気持ちを記した方が、志望動機としての説得力は高まります。

具体的に伝えるためには、「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」などを意識して書くことを心掛けましょう。

結論から始めて簡潔にまとめる

分かりやすい文章にまとめるには、結論から書き始めるのがポイントです。特に、文字数に制限がある場合は、肝心の結論を書き切れなくなる可能性もあります。まず結論を提示した後に、目指すきっかけとなった具体的なエピソードを書きましょう。

「結論」「理由」「具体例」「結論」の順に構成する、「PREP法」を意識して書くのもおすすめです。志望動機は、200文字程度を目安にまとめておくとよいでしょう。

200文字以上の文字数を指定された場合は、具体例を追加して全体の文字数を調整します。

消防士の志望動機の注意点

消防車と放水ホース

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消防士の志望動機としてふさわしくない内容を書いてしまうと、面接官にマイナスな印象を与えてしまうので注意が必要です。押さえておくべき注意点を2つ紹介します。

憧れだけではNG

消防士に憧れていたという理由だけでは、面接官を納得させる志望動機にならないので注意しましょう。志望動機には、消防士になりたいという気持ちだけでなく、どのように貢献したいかという、仕事への熱意・やる気まで伝えることが必要です。

消防士は、火災・災害の現場など命に危険が迫る場所で働く仕事なので、憧れだけでなっても長続きはしません。体力的・精神的に負担の大きな消防士になる、覚悟・決意を伝える志望動機を示すことが重要です。

待遇面を理由にしない

給料・福利厚生などの待遇面を理由にするのはNGです。地方公務員だからという理由も、避けた方がよいでしょう。生半可な気持ちでは務まらない職業なので、公務員の待遇面を理由にすると、仕事への向き合い方に疑問を持たれてしまいます。

また、消防士は休日が多いというイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、基本的に交替制勤務と毎日勤務の2種類があり、「24時間勤務→非番→休日」といったサイクルで働くケースがほとんどです。

非番の日は自宅で休息を取ることもできますが、要請があれば出動するため、完全な休みではありません。

消防士の志望動機の例文

消防士

(出典) pixta.jp

消防士の志望動機の例文を、理由別に3パターン紹介します。志望動機の書き方に悩んでいる人は、参考にしてみましょう。

地域に貢献したい場合の例文

地元の特徴などを踏まえて、どのように貢献したいかを具体的に打ち出す例文です。自分が住んでいる自治体の消防士を目指す場合は、地元愛をアピールするとよいでしょう。

私は、地元の災害救助に貢献したいと考え、この〇〇市の消防士になりたいと思いました。私が生まれ育った地域は、雨で川が氾濫しやすい土地です。実際に川が氾濫したときには、地元の消防士の方たちが救助にあたっている姿を見たことがあります。

その姿を見て、私も災害救助の技術を身に付け、生まれ育ったこの地域の安全に貢献したいと考えるようになりました。私が住む地域には子どもや高齢者も多いので、災害による被害者を1人も出さないよう、地元のために力を尽くしたいと思います。

実体験に基づく例文

子どもの頃の体験を、エピソードとして盛り込んだ例文です。憧れという気持ちだけでなく、消防士になるための努力などについても盛り込みましょう。

私は、東日本大震災のときに福島県郡山市で被災しました。当時小学生だった私はとても怖くて、避難所で家族と過ごしながら不安な気持ちで一杯でした。

そのとき、1人の消防士の方が不安で泣いている私に毛布を掛けてくれて、「大丈夫だからね」と励ましてくれたのです。

私はそのときの気持ちが忘れられず、本気で消防士を目指すことに決めました。憧れだけでは務まらない仕事なので、日頃から体を鍛え、厳しい任務に耐えられるよう努力しています。

得意分野をアピールする例文

消防士の志望動機で、体力をアピールするのは効果的です。また、得意分野のアピールだけでなく、消防士になってからの意欲や向上心も示しましょう。

私は現在ジムのトレーナーとして指導しながら、自分自身もトレーニングを続けているため、体力や精神力には自信があります。

また、人命救助に関する講習も受けており、夏場はライフセーバーのアルバイトもしています。昨年は、プールで溺れそうになった人を実際に救助しました。

消防士となった際には、これらの経験を生かしつつ、さらに専門的な知識を身に付けて市民の安全を守りたいと考えています。

志望動機が浮かばなかったらどうする?

横並びの消防車

(出典) pixta.jp

「志望動機がどうしても浮かばない」という人もいるかもしれません。しかし、転職活動において志望動機は重要な項目なので、しっかり作っておくことが必要です。最後に、志望動機が浮かばない場合の対策を紹介します。

消防士の仕事について詳しく知る

まずは、消防士が具体的にどのような仕事をしているのか、調べてみましょう。志望動機では、なぜその職業を選んだのかを書くことが大切です。選んだ理由を書くためには、まず仕事内容についてしっかり理解しておく必要があります。

仕事内容を把握し、自分がどのように貢献できるかという点も考えてみるとよいでしょう。すると、そこから仕事へのモチベーションや意欲など、動機になるものが見えてきます。

消防士は、火災・災害時に市民の命を守るという責任の重い仕事です。仕事内容に加えて、やりがいなどについても考えてみると、志望動機を作りやすくなります。

自己分析する

どうしても志望動機を書けない場合は、なぜ消防士を目指そうと思ったのか、もう一度考えてみることも必要です。なんとなく消防士になりたいと考えているなら、志望動機が作れないだけでなく、仮に消防士になれたとしても長続きしないでしょう。

志望動機が作れないのは、自己分析が十分にできていないからかもしれません。「将来どのような仕事をしていたいか」といった、キャリアプランも含めて考えるとよいでしょう。

自己分析によってスキルの棚卸しをしておくと、志望動機に盛り込めるアピールポイントも明確になります。

消防士の志望動機は貢献したい気持ちが肝心

消防士

(出典) pixta.jp

消防士が活躍する現場の多くは、火災・災害など命の危険に関わる場所です。そのため消防士には、地域の安全や人命救助に尽力したいという強い使命感が求められます。

志望動機を作る際も、いかに消防士として貢献したいかという意欲を伝えることが肝心です。

志望動機が考えつかない人は、過酷な仕事であることを再度認識した上で、なぜ消防士になりたいのか冷静に自己分析してみましょう。就職後のミスマッチを防ぐためにも、志望動機についてよく考えることが大切です。

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