美容師の志望動機には熱意が重要?基本の考え方と好印象に見せるコツ

美容師が就職・転職する際、志望動機はどう伝えればよいのでしょうか?OK例・NG例を挙げながら、書き方・伝え方のポイントを解説します。志望動機がなかなか思いつかない場合は、企業研究で応募先への理解を深めましょう。

美容師の志望動機の基本を押さえよう

髪を切る美容師

(出典) pixta.jp

美容師には、自分で開業するほかに、美容室・サロン・結婚式場などに就職する選択肢もあります。就職・転職を成功させる鍵は、志望動機に力を入れることです。書き方・伝え方の基本を押さえましょう。

結論を簡潔に書く

相手に伝わる志望動機にするコツは、以下の点に関して最初に結論を述べることです。

  • なぜ応募先を選んだのか
  • 美容師として働きたい理由は何か

応募先を志望する理由が簡潔にまとまっていないと、「何が言いたいのかわからない」「話の要点が見えてこない」といった印象を与えてしまうでしょう。

美容師の採用選考において、採用担当者は何通もの履歴書をチェックしなければなりません。要点が不明瞭なものは、ほとんど印象に残らない可能性が高いため、結論から伝えて相手の興味を引きましょう。

結論に至った経緯を書く

結論を述べた後は、結論に至った根拠を伝えましょう。例えば以下のように、その人にしか書けないエピソードで、他の応募者との差別化を図るのがポイントです。

貴社のスタイリストの方にヘアカラーを担当していただいたことがあり、丁寧な接客に感銘を受けました。自分も貴社の一員としてお客様に寄り添った対応がしたいと思い、貴社の美容師のポジションに応募いたしました。

根拠や経緯を伝えるには、応募先への一定の理解が必要です。実際に店舗に足を運んだり、Webサイトをチェックしたりして、情報を収集しましょう。

入社後にできる貢献について書く

エピソードで印象付けた後は、入社後に自分ができることを伝えましょう。美容師はサービス業なので、顧客を満足させることが第一ですが、売上アップについても考えなければなりません。

採用担当者は、採用選考を通じて「この人材を採用したら、自社にどのようなメリットがあるのか」「自社に利益をもたらしてくれるのか」を見極めようとします。

働きたい理由や自分の都合を並べるだけでなく、これまでの経験・スキルを生かして、どのように貢献できるか伝えましょう。

仕事への熱意を伝えると好印象に

どんなに素晴らしいスキルを備えていても、美容師としての心構え・労働意欲が十分でなければ、採用には至りません。志望動機の最後は、仕事への熱意で締めくくりましょう。

特に美容師としての就業経験がない人は、スキルの不十分さを熱意・努力でカバーしなければなりません。「どのような美容師を目指したいか」「どんなふうにスキルを磨いていきたいか」をしっかりと伝えることで、相手に納得感を与えられます。

自分のキャリアプランを伝える手も有効ですが、その会社のビジョンや目指すべき方向性と乖離していれば、逆効果になる点にも留意しましょう。

志望動機で気を付けたいポイントは?

美容室

(出典) pixta.jp

志望動機は、履歴書の中で最も重要な項目といっても過言ではありません。伝え方1つで採否が左右されるため、評価を下げるポイントについてもよく理解しておく必要があります。

受け身に取られる志望動機

美容師としての就業経験が少ない人は、「貴社で学ばせていただきたい」というフレーズを使いがちです。

本人は謙虚さ・真摯な姿勢を示したつもりかもしれませんが、採用側は「主体性が欠けている」「他人任せ」と評価します。志望動機の中で、以下のような言葉は極力使わないよう注意が必要です。

  • 貴社で学ばせていただきたい
  • 手に職を付けたい
  • 研修制度が充実していて成長できそう

謙虚さ・真摯さをアピールしたい場合は、「今までの経験を生かしながら、新しいスキルも積極的に吸収していきたい」という表現にしましょう。

仕事と関係ない話ばかり

エピソードを作り込みすぎると、仕事と関係ない話に発展してしまう可能性があります。履歴書のスペースには限りがあり、1人当たりの面接時間も決まっています。志望動機に結び付かない話は避け、要点を簡潔に伝えましょう。

また、志望動機に褒め言葉を羅列する応募者も見受けられます。何としても採用されたいという強い気持ちの表れともいえますが、応募先を褒めたからといって、採用につながる可能性はほとんどありません。

伝え方によってはお世辞のようにも受け取られるため、褒めすぎにはくれぐれも注意が必要です。

内容に具体性がない

「社風に共感した」という理由は必ずしもNGではありませんが、志望動機としては弱いものです。エピソードを交えて具体的に伝えられなければ、他の応募者との差別化は難しいでしょう。

社風とは、価値観や信念によって形成される組織独自のスタイル・雰囲気のことです。「社風は働いてみないとわからない」と考える採用担当者もおり、安易に語れば突っ込まれる可能性があります。

志望動機は、具体的かつ明確でなければなりません。その場しのぎではなく、企業研究をしっかり行った上で作成しましょう。

美容師の志望動機でOK・NGな例文

美容室

(出典) pixta.jp

美容師は、未経験者・経験者・ブランクがある人の3タイプに分かれます。バックグラウンドが違えば、志望動機の伝え方も変わるため、OK例・NG例をチェックしましょう。

未経験の場合

学校を卒業したばかりの未経験者は、経験者に比べると即戦力性に欠けます。採用担当者は経験・技術よりも、成長意欲・伸びしろをチェックしているため、熱意や前向きさを伝えましょう。ただし、「学ばせていただく」というワードはNGです。

貴社に応募した理由は、スタッフさんの技術力の高さと、ホスピタリティのある接客に感銘を受けたためです。

中でも、貴社のカウンセリング力には強い印象を受けました。ヘアカラーで利用した際、幅広いメニューから私に合った施術を丁寧に選んでいただき、美容室はどこでも同じという概念が変わりました。

3月に専門学校を卒業したばかりでまだまだ技術力は未熟ですが、これまで学んだ知識・技術を最大限に発揮できるよう、日々自己研鑽に励みます。持ち前のコミュニケーション能力を生かし、お客様の悩み・本音を引き出していきたいと思います。

経験者の場合

未経験者とは異なり、経験者には即戦力が求められます。これまでの美容師人生の中で何を学び、どのように貢献したいのかをしっかりと伝えましょう。

地元の美容室で10年間、スタイリストに従事しました。貴社のサロンを志望した理由は、技術も人気もトップクラスの美容師が在籍しているためです。エリアで人気のある貴社で、自分の力を一から試してみたいと思って志望いたしました。

幅広い年齢層のヘアカットに自信がありますが、特にトレンドを取り入れた20~40代の女性向けカットが得意です。パーソナルカラーの資格も保有しているので、本人に最も似合う色を提案できます。

自分の経験・技術に固執せず、新たな知識を積極的に吸収していきたいと思っております。

ブランクがある場合

美容師免許は一生涯有効なので、ブランクがあっても再就職が可能です。ブランクの期間や理由を伝えるとともに、知識・技術を衰えさせない努力をしていることを伝えましょう。

都内でスタイリストとして8年間働いていましたが、結婚・出産を機に退職しました。貴社では、ブランクありの美容師を積極的に採用されているので、この度応募した次第です。

以前、ヘアカットで利用した際、産後の抜け毛や髪の傷みについて相談に乗っていただき、大変救われました。

子育てが一段落したため、もう一度スタイリストとして復帰したいと考えております。4年間のブランクがありますが、休職中も講習会・レッスンなどに積極的に参加し、技術の維持に努めました。

1日でも早く環境に慣れ、貴社の売上に貢献したいと思います。

不採用になりやすいNG例

オリジナリティのあるエピソードがなく、ありふれた言葉が並ぶ志望動機は、採用担当者の心に刺さりません。「収入がよいから」「家から近いから」といった、自分都合の理由を並べるのも避けましょう。

貴社に志望した理由は、「くつろぎを与える癒しの空間」という貴社のコンセプトに共感したためです。また、他の美容室と比べて福利厚生が充実しており、安定して働けそうだと感じました。

専門学校を卒業したばかりでまだまだ未熟ですが、研修制度が完備されている貴社で学ばせていただきたいと思います。

美容師を志望する際の企業研究の方法は?

パソコンを操作する女性

(出典) pixta.jp

採用担当者が志望動機を聞くのは、ミスマッチを防ぐほかに、自社についてどれだけ理解しているかを確かめるためです。応募先への理解が乏しければ、相手を納得させられるような志望動機は作成できません。

美容師を志望する人は、以下のような方法で企業研究を行いましょう。

Webサイト・SNSを確認

ほとんどの美容室・サロンは、自社のWebサイトを開設しています。近年は、Instagram・TwitterなどのSNSを使って、情報を発信している店舗も少なくありません。志望動機の材料を集めるために、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 理念やコンセプト
  • 取り扱い商品
  • その会社・店舗にしかない強み・魅力
  • 会社・店舗の雰囲気
  • 働いているスタッフのプロフィール

企業研究は、単なる情報収集とは異なります。集めた情報を基に、「どのような人材を求めているのか」「求められるスキルは何か」などを導き出すことが重要です。

実際に店舗に行ってみる

自分が働く姿がイメージできないと、志望動機はなかなか思い浮かびません。Webサイト・SNSを見ただけでは、そのお店の魅力が十分にわからないケースもあるため、機会があれば自分の目で確かめましょう。店舗訪問のポイントは、以下の通りです。

  • 店内の雰囲気をつかむ
  • スタッフの人柄や接客をチェックする
  • 取り扱っている商品を確認する
  • その店舗にしかない魅力を見つける

客としてその店の施術を受けてみれば、本当に自分が働いてみたい職場なのかどうかがわかります。スタッフの教育が行き届いていなかったり、自分のキャリアビジョンに合わない店舗だったりした場合、応募は見送ってもよいでしょう。

熱意が伝わる志望動機で美容師になろう

髪を切る

(出典) pixta.jp

志望動機には、その人の人柄や熱意、キャリアビジョンなどが表れます。どんなに優れたスキルがあっても、志望動機から意欲・熱意が感じられなければ、不採用となる可能性は高いでしょう。

志望動機が思い浮かばないときは、応募先のWebサイト・SNSをチェックするのがおすすめです。実際に足を運んでみることで、働く理由が明確になるかもしれません。

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