広報の志望動機を書く際の注意点は?ポイントと3つの例文もチェック

広報の志望動機には、応募企業を選んだ理由や生かせるスキル、入社後に貢献できることを盛り込む必要があります。応募企業に対する理解度もチェックされているため、事前の企業研究は欠かせません。例文を交えて書き方のポイントを解説します。

広報の志望動機の書き方は?

2人のビジネスウーマン

(出典) pixta.jp

広報は、自社の事業活動について社内外に広く伝えるのが仕事です。ステークホルダーとの関係性を構築したり、社会からのフィードバックを社内に伝えたりする役目も担っており、企業にとってなくてはならないポジションです。

広報の求人に応募する際、志望動機はどのように書けばよいのでしょうか?書き方のポイントをチェックしましょう。

応募企業を選んだ理由

志望動機には、応募企業を選んだ理由を盛り込む必要があります。広報のポジションを志望する理由だけで、「なぜその企業でなければならないのか」「数ある企業の中から選んだ理由は何か」が明確でない人は多いものです。

広報・PRの採用では、商材に対する興味やマーケットへの理解度がチェックされます。どの企業にも通用するようなありきたりな志望動機では、その企業への志望度の高さが示せません。

まずは、企業の公式サイト・SNSなどをチェックして、応募先のビジョンや商材、ターゲット層などを把握しましょう。ビジョン・方向性が自分の価値観とフィットしていることを伝えられれば、好感度はアップします。

自分のできること・やりたいことをアピール

広報の仕事内容と自分のスキルをひも付けて、できること・やりたいことをアピールしましょう。広報の経験があれば、具体的な仕事内容や残した成果などを伝えて即戦力をアピールします。

広報未経験者でも、広報に生かせそうなスキル・経験は積極的に伝えましょう。やりたいことや意気込みに加えて、自分を採用するメリットを伝えられると、採用可能性が高まります。

志望動機の締めには、「1日でも早く仕事をキャッチアップしたい」「足りないスキルはこれから勉強したい」という熱意を盛り込みましょう。ただし、「貴社で学ばせていただきたい」という表現は、受け身の印象を与えるのでNGです。

広報に求められる人物像・アピール点は?

就活生

(出典) pixta.jp

志望動機を書くポイントは、広報に求められる人物像と自分が持つ長所・強みをいかに結び付けられるかです。次に挙げるスキル・資質は、広報活動を進める上で必須といえます。志望動機や自己PRの中でうまくアピールしましょう。

情報に対する感度・収集能力が高い

広報は、社内外に情報を発信するのが役割であるため、情報感度が高い人が求められます。情報感度とは、自ら積極的に情報を得ようとする姿勢であり、「情報収集力」とも言い換えられるでしょう。

インターネットが当たり前の現代において、情報の収集自体はそれほど難しくはありません。重要なのは、膨大な情報の中から信頼に足るものを見極められるかどうかという点です。

情報を選別する力や情報を整理してアウトプットする力、世間のトレンドをつかむ力が求められます。

コミュニケーション能力

広報は、自社とパブリック(社会)をつなぐパイプ役であるため、必然的に人と関わる機会が多くなります。コミュニケーション能力が高い人・人と関わるのが好きな人は、広報のポジションで生き生きと働けるでしょう。

ビジネス上のコミュニケーション能力とは、物事をわかりやすく伝える「プレゼンテーション能力」や、相手のニーズを汲み取る「傾聴力」などによって成り立っています。

人脈を広げたり、ステークホルダーと良好な関係性を構築したりする上では、臨機応変な対応力も求められるでしょう。

社外広報は会社の顔なので、相手に好印象を与える必要があります。ビジネスマナーはもちろん、仕草や表情、立ち振る舞いといった「非言語コミュニケーション」のスキルも重要です。

高い文章力

広報は、プレスリリースや社内広報物などを作成します。企業に関する情報を社内外に的確に伝えるためには、文章力が欠かせません。

いくらコミュニケーション能力・情報収集力に長けていても、文章を書くのが苦手な人は広報の仕事を苦痛に感じる可能性が高いでしょう。

特に報道機関に向けたプレスリリースは、大勢の人の目に触れる公式文書であるため、「伝わる文章」でなければなりません。文章を書くのが得意な人やライター経験がある人は、自分のスキル・経験を積極的にアピールしましょう。

OK・NG別で見る広報の志望動機の例文

面接を受ける女性

(出典) pixta.jp

広報の志望動機には、「応募先を選んだ理由」「生かせるスキル・経験」「入社後に貢献したいこと」を盛り込むのがポイントです。志望動機のOK例・NG例を見ていきましょう。

【OK例】未経験者の志望動機

未経験者は、自己分析とスキルの棚卸しを徹底しましょう。広報に生かせそうなスキル・経歴を前向きにアピールすると同時に、応募先のビジョンやカルチャーに共感している点を伝えるのがポイントです。

貴社は、RPAによる業務自動化と人材派遣の両方に力を入れていらっしゃいます。テクノロジーが人間の仕事を奪うという話も多い中、「人とロボットの適材適所」というビジョンを掲げているところに共感しました。

広報は未経験ですが、5年間の営業職で培ったコミュニケーション能力と企画立案力を生かし、社内外の皆様と良好な関係性を構築していきたいと思います。

SNSの運営も得意なので、Twitter・Instagramなどを使ったデジタル広報でも成果を出せる自信があります。

【OK例】経験者の志望動機

多くの企業は即戦力を求めているため、広報・PRの仕事経験は大きなアピールポイントになります。活躍する姿をイメージしてもらえるように、前職で力を入れたこと・得意としていることをしっかり伝えましょう。

スタートアップ企業の広報に3年間従事し、社内広報・社外広報・IR広報をすべて1人で担当しました。メディアリレーションを通じて、コミュニケーション能力と関係性を構築する力が磨かれたと自負しております。

貴社のCSR活動が、動物愛護に対する自分の考えと合致していたことから、転職を決意しました。広報事業に力を入れている貴社で、自身のスキルに磨きをかけていきたいと考えております。

ペット保険業界の未経験者ではありますが、新しい知識を積極的に吸収し、1日でも早く戦力になれるよう努力する所存です。

【NG例】未経験者・経験者共通

応募先を選ぶ理由は人それぞれですが、「知名度が高い」「成長企業である」といった文言は好ましくありません。知名度・人気で企業を判断していると思われてしまいます。

貴社を志望した理由は、業界の中でも知名度が高く、今後の成長が見込めそうと感じたためです。メディア関係者と接する機会が多い広報は華やかなイメージがあり、かねてから「この職業に就きたい」と強く思っておりました。

待遇のよさが志望の理由であっても、条件面には触れないのが基本です。自分がどう貢献できるか・どんな働き方をしたいかを中心にまとめましょう。

また、「学ばせていただく」は一見、謙虚で前向きな言葉に聞こえますが、会社は学校ではありません。学びたいだけの人を採用しても、会社側には何のメリットもないため、選考に落ちる可能性が高まります。

貴社は、広報の研修制度が充実しており、未経験者の採用を積極的に行っています。公式サイトを拝見し、企業理念にも深く共感いたしました。広報は初めてなので、一から学ばせていただきたいと思います。

広報の基本的な仕事内容もチェック

笑顔で働くビジネスウーマン

(出典) pixta.jp

広報活動には、自社の従業員に向けた「社内広報」と、社外のステークホルダーに対する「社外広報」の2種類があります。それぞれの目的や担当者が担う業務内容について、理解を深めましょう。

自社内が対象「社内広報」

社内広報とは、自社の従業員やその家族に向けた広報活動です。具体的には、社内報やメディア掲載報告、競合・外部環境調査報告などをオンライン・オフラインで社内に発信します。

社内報で経営層のメッセージを発信すれば、企業全体の方向性が明確になり、従業員の足並みがそろいます。メディア掲載報告によって、自社がメディアで注目されていることを知れば、従業員のモチベーションが向上するでしょう。

かつては社内報というと紙の冊子が一般的でしたが、近年はデジタル化・Web化が進んでいます。広報担当は、経営層にインタビューをしたり、各部署の集まりに参加したりして情報収集を行います。

自社のブランディングに関わる「社外広報」

社外広報の目的は、各メディアを通じて自社の事業活動を社会に的確に伝えることです。さまざまな方法で情報発信を行い、ブランドイメージの向上や認知度の拡大、ファンの獲得などを狙います。広報担当者が担う業務の一例を紹介しましょう。

  • プレスリリースの作成・配信
  • 自社ブログの運営
  • SNSでの発信
  • メディアの取材対応・会見の運営
  • サービスのPR
  • イベントの企画・実行

企業がどんなに魅力的な事業を行っていても、メディアに取り上げてもらえなければ多くの人に知ってもらえません。記者会見やメディアツアー、懇談会などを企画・実行し、各メディアと良好な関係性を構築することも広報の重要な役割です。

広報として働く上でのやりがいは?

パソコンで操作するビジネスウーマン

(出典) pixta.jp

企業の顔である広報には、常にプレッシャーがかかります。決して楽な仕事ではありませんが、働く上でのやりがい・楽しさも少なくありません。広報をやっていてよかったと感じるのは、どのような瞬間なのでしょうか?

自社の魅力を確認・発信できる

広報の仕事の楽しさは、広報活動を通じて自社の魅力を発見し、それを自分の言葉で発信できる点です。

同じ会社に長く勤めていると、自社の魅力・強みがわからなくなるケースは多いものです。情報発信のネタを常に探し続けている広報は、他の職種よりも自社の隠れた魅力や強み、他の従業員の頑張りなどに気付きやすい傾向があります。

自分が発信した社内広報物によって、従業員の士気が上がったり、「うちの会社ってこんなにいい会社だったんだ」と周囲からよい反応が得られたりすると、喜びや充足感を覚えるでしょう。

自社に対する反応や評判を得られる

SNS運営を行っていると、広報の元には自社に対する反応・評判がダイレクトに届きます。中には批判・クレームもありますが、商品・サービスに対する賞賛の言葉や感謝の言葉をもらった際は、自分のことのようにうれしくなります。

さらに、自分がまとめたプレスリリースがメディアに取り上げられ、大きな反響につながったときには、会社の売上を左右する重要なポジションであることが実感できるはずです。

望ましい結果が出て、関係部署から感謝されれば、広報としてこの上ない達成感を覚えます。これまでの努力が報われる瞬間といえるでしょう。

多くの人とのつながりができる

広報は経営者と並ぶ企業の顔であるため、いつも多くの出会いに恵まれます。コミュニケーションが苦手な人にとってはストレスですが、人が好きな人にとっては刺激のある日々となるでしょう。

特にマスコミ関係者はさまざまな業界に知り合いがいるため、親しくなれば人脈が一気に広がる可能性があります。

記者や編集者から、他社との差別化のポイント・アピールの切り口を教えてもらうケースもあり、社内では得られない多くの学びがあるでしょう。

志望動機のポイントを押さえて広報を目指そう

はたらく女性

(出典) pixta.jp

広報は、社内外に会社の魅力を伝える役目を担っています。志望動機を書くにしても、応募先の事業内容やビジョン、経営方針などを理解した上で、なぜこの会社を選んだのかを伝える必要があります。

広報の仕事が未経験であっても、自分ができること・やりたいことをしっかりとアピールしましょう。企業に対する興味と熱意がある人ほど、採用される可能性が高まります。

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